真の官邸による検察掌握が進む国

大韓民国

どことは言わないが、ご存じの方も多いのではないだろうか。

韓国、検察改革法が可決 総選挙前に目玉公約実現

2019/12/30 23:48

韓国国会で30日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が目玉公約とする検察改革関連法案が本会議で可決した。閣議での審議後に成立する見通しで、来春の総選挙を前に、文政権は政策実行力をアピールしたい考え。一方、与党「共に民主党」を中心とする革新系の法案提出に、断固阻止を掲げた保守系最大野党「自由韓国党」は最後まで抵抗を続けた。

「日本経済新聞」より

昨年末、韓国では検察改革関連法案を可決させた。

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韓国の検察機構

大統領を逮捕出来る権限を持つ機関

そもそも、韓国の大統領は非業の最期を遂げる者が多い。

  • 初代~3代大統領:李承晩 クーデターにより失脚してハワイ(アメリカ)に亡命
  • 第4代大統領:尹潽善 緊急措置9号違反で立件され、実刑判決を受ける
  • 第5代~9代大統領:朴正煕 再任中に暗殺
  • 第10代大統領:崔圭夏 粛軍クーデターにより辞任
  • 第11、12代大統領:全斗煥 退任後に死刑判決と追徴金2259億5000万ウォン → 2審で無期懲役に減刑 → 特赦
  • 第13代大統領:盧泰愚 退任後、軍刑法違反で懲役22年、追徴金2688億ウォン → 2審で懲役12年に減刑 → 特赦
  • 第16代大統領:盧武鉉 贈収賄疑惑を受けて退任 → 投身自殺(公式発表による)
  • 第17代大統領:李明博 退任後、懲役15年罰金130億ウォンの判決が言い渡される。服役中かつ裁判中。
  • 第18代大統領:朴槿恵 罷免され失職。懲役24年罰金180億ウォンの判決が言い渡される。服役中かつ裁判中。

なんというか、全員じゃねーか!!

以前のブログでリストアップしたのを追記したリストなのだけれど、よくもまあ。

韓国検察の捜査

そして、こうした大統領の非業な最後を遂げる流れを作っているのが、韓国検察である。もちろん、韓国人が大統領になるとおかしな事をやってしまうという事実はある。

しかし、クネクネこと朴槿恵氏の件を見ると、完全に言いがかりレベルの罪状であった。何しろ、機密漏洩をした可能性はあるとは言え、その中身は明らかにされていないし、その事によって韓国政府が不利益を被った事実は今のところ確認されていない。

クネクネが素晴らしい人格者であるとは僕も言わない。例えば空白の7時間事件で、不当な言論弾圧を行ったし、陰口外交で日本は被害を被っている。そして、それが韓国の国益になったか?というと、どうしてもそうは思えない。ただ、罷免されるようなことをやった事実も無いのである。

韓国前法相疑惑、深まる対立 政権、捜査幹部を一新 検察、大統領府に矛先

2020年1月31日 朝刊

韓国検察と文在寅(ムンジェイン)政権の対立が激化している。収賄罪などで起訴されたチョ国(チョグク)前法相を巡る疑惑の捜査を検察が進める中、政権は担当の捜査幹部らを交代させる人事を強行。検察側が大統領府秘書官を起訴すると、政権側は新設する捜査機関による検察の捜査をちらつかせるなど泥沼化し、四月の総選挙にも影響しそうだ。

「東京新聞」より

そんな状態に楔を打ち込んだのがムン君である。

ただ……、これが素晴らしいかというと、それもどうかと思う。容易に検察が大統領を追求出来る構造も問題があるのは事実だが、政権が新設する捜査機関による検察捜査を持ち出す。相互監視という構造になれば未だマシなのだが、そうなってはいないようだ。

強すぎる検察の権力を削ぐということは必要だと思うのだが、ムン君は人事権を行使して検察のトップから何から入れ替えてしまった。

文大統領からチョ被告の後任に任命された秋美愛(チュミエ)法相は、就任から一週間もたたない八日に最高検察庁幹部ら三十二人の交代人事を発表。一連の捜査にかかわった幹部らに代わり、政権に近いとされる人物を配した。

「東京新聞」より

日本ではこうした恣意的な人事を行う事はできない。何しろ、トップの人事にしか口出しできない構造だからだ。それを幹部32人の交代という恐るべき事ができる国が韓国なのである。

この際、文氏に近いソウル中央地検長が、捜査陣の起訴書類を決裁しない判断をしたが、尹氏は地検次長に指示して起訴を強行した。これに激怒した秋氏は、起訴が妥当かどうかを判断する監察を予告。秘書官も、尹氏らが「高官不正捜査庁」の捜査対象になると息巻いた。同庁は、検察に代わって上級公務員を捜査する機関として近く設立される予定で、検察の権力分散を目指す政権の目玉政策の一つ。

「東京新聞」より

何というかヤクザの抗争のようだな。

選挙後に勢力図が大きく変わる

そして、ムン君が対検察という御旗を掲げて選挙戦を戦い、韓国与党の圧勝で終わったのが今年の4月のこと。

政府果川庁舎に行く高位公職者犯罪捜査処.. “独立性毀損懸念”

入力2020.05.13 22:37

今年下半期スタートする高位公職者の犯罪捜査処が、政府果川庁舎でデータを取るようになりました。

敷地の規模とセキュリティなどを考慮した選択だ独立性毀損という議論も起きています。

「Daum」より

そしてどうなったかというと、高位公職者犯罪捜査処と呼ばれる検察に対する捜査をする機関を作って、それを政府庁舎の中に入れちゃった。

チョット露骨すぎるね。

しかし、立法・司法・行政のどこにも属さない高位公職者犯罪捜査処が政権が管理している庁舎に入ってのが「独立した捜査機関」という趣旨に反するとの指摘も出てきます。

特に政府庁舎に出入りする時は、訪問者の身元を必ず記録するようになっており、誰が高位公職者犯罪捜査処調査を受けるか政権にさらされる契丹の懸念も提起されます。

「Daum」より

事実上、政権の掌の上でこの検察監視組織が運営され宇事になったという内容なのだが、さて、これについて「他国のことだから」と知らん顔でいて良いモノだろうか?

もちろん、こうした制度改革は韓国の国内問題であるから、何か言うのは筋違いではあるのだが……。

法務・検察改革委員会が刑事・公判部中心の検査人事制度改革案を打ち出し検査任命過程に検察総長の意見を聞くようにした検察庁法フレーズをこっそり抜いて議論が予想される。検察の一角では、検察総長の人事権を制限するという意図を表わしたと反発したが、改革委は「そのような意図がない」と一蹴している。

「Daum」より

ついでに言うと、この「法務部長官が検事の任命を大統領に要望する時は、検察総長の意見を取り入れる」という部分(日本はこの様な制度になっている)も、こっそり削除という暴挙をやってしまった。

検事総長の意見を無視して後任を決める事ができるというわけで、それこそ検察の弱体化に繋がりかねない。

韓国の検察の力が強すぎるのは事実ではあった。しかし、それを掌握しようと画策しているのがムン君であって、その制度改革が着々と進んでいるという事になっている。

良いんですかねぇ?

これが進んでいくと、韓国国内で韓国大統領に反抗できる人は誰もいなくなってしまう。大統領の暴走を止める手段が無くなると、ムン君の独裁化が捗るよね。

この先、北朝鮮との共同歩調、最終的には統一が進む時に、これがどう影響してくるのか?という事まで考えると、なかなか複雑な気持ちになるね。

日本の検察の話

さて、日本では検察庁法改正案の話で盛り上がっているが、その中身が報道されているものとはチョット違うね、という話は別の記事でさせて頂いた。

この記事では、「そもそも三権分立の危機なんて妄想」「定年延長と黒川氏は無関係」「林検事総長実現への圧力では」という事を言及した。

面白いことにこれのソースがついてしまった。

黒川氏は検事総長に就くのか 検察庁法先送り、なお批判

2020年5月19日 22時38分

政府は検察庁法改正案の今国会成立を断念したが、19日も反対の声が広がる同法改正案とほかの改正案との「抱き合わせ」を維持する方針を示した。検察の定年延長問題の発端となった東京高検の黒川弘務検事長(63)の今後の処遇にも注目が集まっており、批判が収まる状況にはない。

「朝日新聞」より

朝日新聞が未だにキャンペーンをやっているが、これにどうにも裏があると言う。

須田慎一郎が解説~東京高検の検事長定年延長決定の裏側

公開:2020-02-03  更新:2020-05-11

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。東京高検検事長の定年延長決定の裏側について解説した。飯田浩司が休みのため新行市佳が進行を務めた。

~~略~~

須田)実を言うと朝日新聞などの批判的なメディアは、この部分がすっぽり抜けているのです。稲田さんの気持ち、検察サイドの事情、黒川さんで決めようではないかと動いているなかでカルロス・ゴーン被告の一件が起きたものだから、なかなか交代ができない。そういう法務検察の事情を一部メディアは無視しているのか、知らないかのどちらかですが、結果的にこういう報道の仕方になっている。黒川さんで決めたいのだけれども、稲田さんを辞めさせることができないから、とりあえず半年間の定年延長をして、然るべきタイミングで交代しようというのが今回の人事の背景です。ただきょう(3日)以降、この件で安倍政権は大きく批判を受けるでしょうね。その背景にはこういう状況があるのです。

新行)すなわち法務検察側の要望があって、それに対して閣議決定したという流れですよね。官邸が介入したわけではないということですね。

「ニッポン放送」より

まず前段として須田氏の2月頃の内容を紹介しておこう。この時も検察側の要望で定年延長をやったという話。

もう一つがコチラ。

須田氏の取材に寄れば、朝日新聞が林氏を検事総長に推したいからこんな騒ぎを、という構図になっているという事のようだ。そして、今回の法改正についても、むしろ検察側から「改正してくれ」と要求されてきた案件である。

日本でも検察の権力は強い。しかしそれにブレーキをかける意味でも行政の長が検察のトップの人事が出来る構図にしてバランスをとっていると。法務大臣には指揮権発動の権力を与えているしね。

しかし、これらは「抜かずの宝刀」であるからこそ意味があり、実際には滅多なことでは使えない。パワーバランス的には検察の方が強い状況である。日本では、だが。

韓国はこうした構図のバランスを崩そうとしていて、ムン君が大統領を辞めた後に逮捕されないような工作が進んでいる。

「真の官邸による検察掌握が進む国」は、果たしてどの国なんでしょうね、というのが今回のお話である。

コメント

  1. 林氏の退職が決まったのは、与党に知恵があったのか野党に知恵が無かったのか。

    • 林氏は退職が決まったのでしょうか?
      そのような情報はキャッチできていませんので、教えて頂ければ幸いです。

      • 木霊様

        まだ、林真琴・名古屋高検検事長は退職してません。ただ、今年7月30日に定年を迎えます。

        私事ですが、最近ブログを始めました。その記事として、「検察庁法改正案」を巡る問題を整理してみました。
        https://rkm.hatenablog.com/entry/2020/05/21/121619

        ご参考まで。

      • おお、ブログを始められたのですね。
        早速目を通させて頂きました。勉強になりました。

        コメントを残そうと思ったのですが、残念ながらhatenaのアカウントを持っていないので、直ぐにはコメントをできず。
        また機会があったらアカウントを作ってお邪魔させて頂きたいと思います。

  2. 新しい情報が出てきました。申し訳ありませんが、再度、自分のブログの記事を貼ります。
    https://rkm.hatenablog.com/entry/2020/05/22/170730
    以下の内容は、そこからの抜粋です。

    林真琴・名古屋高検検事長が満63歳になるのは、2020年7月30日ということなので、以下の条件のいずれかが成立しないと、林真琴・名古屋高検検事長が検事総長になることはないと考えます。

    ・稲田伸夫氏(現・検事総長)が2020年7月までに退官する
    ・林真琴氏の定年が2021年8月14日以降まで延長される
    ・林真琴氏の定年が延長され、林真琴氏の定年までに稲田伸夫氏が退官する

    ところが、毎日新聞が「官邸、(検事)総長の辞職要求」(注:この場合の「官邸」は「内閣」と解釈すべきでしょうね)と報道してます。
    でも、稲田伸夫・検事総長が退任したら、林真琴・名古屋高検検事長が検事総長に就任することになるのでは?他の候補がいるのかな?
    「(朝日新聞とズブズブの)林真琴・名古屋高検検事長を検事総長に就任させたくないから、黒川氏の定年を延期」というストーリーがぶっ壊れてますけど。