LG化学の事故で、インドから工場が追い出される

大韓民国

前回の記事の続報なので、短く行きたい。

インドから搬送されるLG化学原料… 容量限界間近

承認2020.05.14 18:54

<速報> LG化学、インド工場で発生したガス漏れ事故の原因物質で挙げたスチレンモノマー(SM)1万3千tを麗水に持ってくることと関連し麗水工場の貯蔵タンクの容量がすでに限界に切迫しているという。これLG化学の処理方法に非常な関心が集まっている。特に、その物質は、世界保健機関傘下の国際がん研究所が昨年のグループ2Aに属する発がん性物質に分類されたことがあって、地域住民の不安感が高まっている。

「namdonews」より:機械翻訳です

機械翻訳を使っているので意味不明な部分もあるのだが、冒頭の話は韓国の麗水にスチレンモノマーが運ばれることと、それに関連して住民が反対していることを伝えるニュースである。

このニュースは以前のこの記事に関連している。

スチレンモノマー(ポリスチレンやABS樹脂等のプラスチックやゴム・塗料の原料となる化学物質)が漏れたとされているので、タイトルに使用した「猛毒ガス」というのは正しくないと思う。

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LG化学の責任問題に

スチレンモノマーの毒性について

スチレンモノマーに関しては刺激臭がして、急性的な影響として「スチレンは眼、咽喉、鼻への刺激を引き起こし、疲労感、めまい、頭痛、痙攣などの中枢神経系に影響を与え、高濃度でばくろすると意識を喪失することがある」とされていて、慢性的な影響として「聴覚、視覚の反応速度などの中枢神経系への影響が報告されている」とある。

つまり、スチレンモノマーを含む蒸気が致死性のある毒物であると言う扱いにはなっていない。もちろん、毒性があるのは事実だが。

故に、幾ら高濃度だからといっても、死者13人を出すような大事故に至るのはオカシイと思っていたのだけれど、高濃度で漏れ出した結果、酸欠症状になったなんてシナリオは考えられるな。

インドでは工場から半径5km程度の地域に住む住人に対して避難勧告出されたとかいう話だったので、相当量が漏れたということなのかもしれない。

撤去命令

こんな事故を起こしたLG化学は、インド州政府から「とにかく原因物質を撤去しろ」と言われた模様。これに関しては、詳細が報じられていないのだけれど、引用した記事によると、撤去が命じられて麗水に持ち込んだと言うことが書かれている。

LG化学は、インドLGポリマース工場で発生したガス漏れ事故の原因物質であるスチレン1万3千tを麗水工場に移送していると14日明らかにした。

このような措置は、インド州政府がガス漏れ事故と関連し、スチレンの全量を韓国にすべて移すよう指示したことによるものである。

「namdonews」より:機械翻訳です

で、量が多すぎて困っているらしい。

LG化学は、事故が発生したインドの現地タンクに保管された製品1千800tは一括廃棄処分した。残りの在庫1万3千tを韓国に運んでいます。

「namdonews」より:機械翻訳です

この「一括性分」というのが少々怪しい。そもそも処分できるのであればインドで全量処分してしまえば良いのだし、使えるシロモノであれば処分せずに全量引き取ってこれば良い。

ところが廃棄処分が出来なかった1万3千tを韓国に輸送したとなっている。

つまり、漏れたのは1千800tであったと言うことに……。違うかな?

使えないスチレンモノマーで溢れそう

で、問題は、このスチレンモノマーの保管が「量が多すぎて」難しいという話らしい。

しかし、全南道はこの物質を保管LG化学麗水SM工場の貯蔵タンクの容量が限界にほぼ切迫していると指摘した。コロナ19感染の事態により、石油化学製品が売れず貯蔵施設の不足現象が起こっているからだというのだ。

「namdonews」より:機械翻訳です

韓国の悲哀は他人事ではなく、世界でも石油タンクが満杯で原油先物価格がマイナスになったという話もあった。それで中東は大騒ぎになっていたし、日本にも少なからず影響があった。

武漢肺炎の危機から脱したと大々的にアピールした韓国ではあるが、スチレンモノマーの消費も殆ど外国に頼っている。しかし、諸外国の多くは未だ武漢肺炎真っ只中であるため、消費が鈍っている。そんな訳で、売り先が無く、保管に苦慮していると言う。

このため、LG化学は、韓国でインポートする前に発泡スチロール、ABS樹脂(プラスチック)、SBR(合成ゴム)などを製造するメーカーを相手にスチレン販売のために努力している。現在、中国と台湾のメーカーと接触することが分かった。

タンク容量不足と関連してもLG化学は、まず、2基のタンクを優先空けるという計画だ。現在保管されているスチレンをABSに作っておいて、在庫に積み上げておくという方針である。

「namdonews」より:機械翻訳です

買い叩かれるフラグにしか見えない。更に赤字を計上してしまう事になるが、処分できない状況を続けるよりはマシなのだろうか。

反対派は強硬に

とはいえ、インドで漏らしたのに韓国国内で漏らさない保証はどこにもない。

ヒョンジェスン「仕事と健康」企画局長は「昨年大山石油化学公団ハンファトータルと蔚山塩飽桟橋でSMによる事故が発生した」とし「タンク容量が不足している状況で、有害物質を搬入するということは、市民の安全を脅かすとLG化学は、徹底した安全対策を講じてください」と促した。

一方、スチレンモノマーは、少量流出されても、人体に致命的な影響を与えるため、厳格な管理が不可欠である。昨年9月に蔚山塩飽桟橋からスチレンを積んだ船舶が爆発して船員3人、荷役労働者8人と事故収拾に乗り出した海上警察5人、消防士2人がやけどをしたり、煙を吸って治療を受けた。

「namdonews」より:機械翻訳です

記事では「とても有害」と警告しているが、死者が出たというような報告はないようだ。

色々不可解な話だね。

LG化学の営業不振

主力の電池事業で苦戦

そういえば、LG化学、最近売り上げ減少で悩んでいるというニュースを見かけた。

LG化学、営業益60%減 電池事業が苦戦 19年12月期

2020/2/3 15:00

韓国LG化学が3日発表した2019年12月期連結決算は、営業利益が前の期比60%減の8956億ウォン(約810億円)だった。国内で相次いだ、電気を一時的に蓄えるエネルギー貯蔵装置(ESS)の火災を受け、対策費用を300億円程度計上したことが響いた。電気自動車(EV)向けの車載電池の販売は伸び、売上高は同2%増の28兆6250億ウォンだった。

「日本経済新聞」より

んー、どうやら国内に設置していた蓄電基地が相次いで燃えちゃったらしい。……拙いんじゃないの?これ。

売り上げは伸びているけど、営業収益は減っているという構図だ。

全体で2年連続の営業減益。

特に、車載電池の分野では中国メーカーとの競争が激しく採算が悪化しているらしい。さらにスマートフォン用電池も不振で、ESSの対策費用も重なり苦戦したとか。

電池事業全体的に低コスト化が実現出来ていないのかな。

そんな中での今回のインドの事故である。更に苦境に立たされることは必至なのだが、他にも大型投資をやったばかりという事もあってもともと台所事情は厳しい模様。

米GM、韓国LG化学とEV電池工場 2500億円投資

2019/12/6 3:39

米ゼネラル・モーターズ(GM)は5日、韓国のLG化学と共同で米中西部のオハイオ州に電気自動車(EV)向けの電池工場を建設すると発表した。折半出資の合弁会社を設立し、総額23億ドル(約2500億円)を投資する。2021年以降に発売するEVに搭載する。

「日本経済新聞」より

GMも苦しいだけにLG化学と手を組もうとしているようだが、GMとしても見通しが甘かったという事かも知れない。「ああ、Kの法則だ」と納得する方も多そうだが。

……今回の記事は「だから何」という感じになって、着地点が見えないのだけれど、まあ、記録までに、ということでご理解頂きたい。

コメント

  1. 最初にアップされた記事もそうでしたが「Kの法則」は酷いもんですねェ~。

    >こんな事故を起こしたLG化学は、インド州政府から「とにかく原因物質を撤去しろ」と言われた模様。これに関しては、詳細が報じられていないのだけれど、引用した記事によると、撤去が命じられて麗水に持ち込んだと言うことが書かれている。

    インド州政府とありますから地方自治体レベルの撤去命令なのかなァ~? 今後モディ首相がどんな発信をするのかしないのかに興味があります。
    そもそも南朝鮮企業なんかが落札・建造させた失態でもある訳で、ディスカウントであったとしても官製談合が付き物の相手ですからね。

    >GMも苦しいだけにLG化学と手を組もうとしているようだが、GMとしても見通しが甘かったという事かも知れない。「ああ、Kの法則だ」と納得する方も多そうだが。

    極端なディスカウント+バックマージンで受注し、その分を建設費・材料費の誤魔化しで利益を出す構造は世界中からオミットされないと直らないでしょう。

    >……今回の記事は「だから何」という感じになって、着地点が見えないのだけれど、まあ、記録までに、ということでご理解頂きたい。

    記事の継続性ってけっこう難しと理解しています。
    僕は記録・追記メモや修正などの細かな作業のバックボーンに、日頃から最新情報収集という地道な努力が伴っていると思っていますから。

    本来ならマスメディアに最も求められる基本的資質なんですが、情けない事に僕達庶民は良質なフリーランスのジャーナリスト・歴史家や、木霊さんの様な個人のブログで見地を広げるしかないのですよね。

    P.S.
    木霊さんのブログに参加したのは「お笑い軍」に、単純かつ気楽な気持ちで興味を持ったのがきっかけでした。
    でも、時事問題でジャンルを問わず幅広く、必要な事を記事にされていく姿勢に

    • 「Kの法則」は酷いというよりは、ここまで来ると逆に天晴れという気すらします。
      インドがどのように判断したのか、を含めて検証したいところですが、現地のメディアまでしっかりと追いかけていないので、ちょっと判断しかねます。
      ただ、LG化学の対応から考えるに、かなり強硬な姿勢であった事は伺えます。

      情報の収集については結構苦慮していて、色々な方から鋭いご指摘を頂く為、出来るだけ手抜きにならない様にしているつもりなんですが……。なかなか。精進していきたいと思いますよ。