台湾が開発する防衛用のミサイル、日本にもミサイル配備を

防衛政策

若干過激な感じのタイトルになっているが。

注:改稿しました。赤字は追記した部分です。

台湾のミサイル開発「防御のため必要」=専門家

2020/04/26 18:45

政府系の研究機関によって開発を進めているとされる中距離ミサイル「雲峰」の発射実験が今月行われたと、一部メディアで26日伝えられた。国防部(国防省)シンクタンク、国防安全研究院の蘇紫雲氏(資源と産業研究所所長)が中央社の取材に応じ、防御上の観点から雲峰の開発は必要だとの見方を示した。

「CNA.com」より

台湾がミサイルを開発しているようだ。それも、記事通りならば結構開発が進んで、配備可能な状況が近づいているようだ。

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中距離ミサイル「雲峰」

地対地中距離ミサイルの有用性

さて、台湾が開発を進めている中距離ミサイルだが、記事を探したら発見できた。

台湾、中距離ミサイル「雲峰」を量産開始か 北京も射程内=報道

2019年08月08日 20時33分

台湾のネットメディアによると、台湾が長年かけて自主開発した中距離巡航ミサイル「雲峰」の量産を開始した。アナリストによると、雲峰の飛行距離は2000キロで、台湾南部の高雄から北京を納める距離だ。

「大紀元」より

地対地ミサイルで、台湾の高雄から北京まで届くミサイルだよ、という事になっている。

台湾のオンラインメディア「上報」は8月4日、台湾の国営軍事技術開発を担当する国家中山科学研究院(NCSIST)を取材した。同所は8月1日にミサイル開発部門「ケイ(※敬の下に手)天計画室」を設置し、90年代から開発を続けてきた雲峰の量産計画を本格化させる。開発費は80億台湾ドル(約270億円)と推計される。

「大紀元」より

ニュース記事には90年代から開発が進められていたミサイルらしく、マッハ4の超音速巡航ミサイルだとされていて、既に完成していたにも関わらず大量生産計画は政治的理由でGOを出さなかったという。

……これって、アメリカのグリフォン(BGM-109G:トマホークの地対地バージョン)ではダメだったのかな?あれって射程距離が2000km以上(公開情報では2,500km)だったように思うのだけれど。

2018年10月の「上報」の報道によると、昨今の米台湾関係が深まり、長年にわたり米国が台湾に控えてきた主要武器のコンポーネントの輸出が緩和された。このため、雲峰や雄風2Eなど中距離ミサイルを含む兵器の部品や技術が入手可能となった。

「大紀元」より

あ、技術的なベースはやっぱりアメリカから貰っているのね。

これで命中精度が確保出来れば、台湾が北京に刃物を突きつける事ができる。台湾にとっては政治的には非常に重要な意味を持つことになるだろう。ただ、防衛戦略的には諸刃の剣になりかねない部分はある。台湾は、今後アメリカと協調路線をとることを選択する事になるが、トランプ氏以降のアメリカの態度は、まだ台湾にとって有効的かどうか不明だ。明確に「北京まで届く刃」を持つことは、政治的リスク以上に戦略的リスクを伴う。

また、射程距離が1500kmとなると、福岡あたりまで射程距離範囲内に入ってくるので、いくら親日国であるとはいえ台湾に対する備えもそれなりに日本としても考える必要がある。

雄風II型ミサイル

さて、「技術的なベースはやっぱりアメリカから」とは書いたが、台湾は今回の「雲峰」ミサイルの他に、対艦ミサイル雄風型ミサイル、雄風II型ミサイルを開発して配備されている。

雄風II型地対艦ミサイルMGB-2Aは1992年に配備されているし、このファミリーの艦対艦ミサイルMGB-2B、空対艦ミサイルMGB-2Cも実用化されている。ハープーンミサイルとの置き換えを進めるにあたって開発された経緯のようだが、ハープーンそっくりではある。

雄風II

で、ここから派生したと説明される雄風IIE型ミサイルが巡航ミサイルとして開発されているのだが……、2008年に誕生した馬英久政権によって開発が停止されてしまった。この後、2010年に新たに地対地巡航ミサイルの開発を行うと報道されており、これが雲峰ミサイルの事だろうと思われる。

なお、報道によっては雄風II型と雄風IIE型を同じミサイルの別バージョンとするものもあるが、雄風IIE型ミサイルは名前は同じだが別の技術体系に属するミサイルだと理解した方が良さそうだ。

何しろ雄風I型HF-1は別名ガブリエルミサイルと呼ばれ、イスラエルのIAI社が開発された同名のマークIをベースに開発されている(よってガブリエルミサイル マークIIと同列扱いとされている)。この流れを汲む雄風II型HF-2はHF-1を改良して造られたとされているのだけれど、そのブロック2扱いになっている雄風II型HF-2Eは巡航ミサイルとして開発されている。

ワシントン拠点のシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)による、2018年6月に更新されたミサイル防衛に関する報告によると、「雲峰」は地対地、マッハ4の超音速巡航ミサイルで、「中国の北部から中部の目標を対象に設計された、戦略的資産の1つ」と説明している。

「大紀元」より

雄風II型が飛翔速度マッハ0.85とされているのに、雄風IIE型に相当すると思われる雲峰ミサイルは飛翔速度がマッハ4もある、超音速巡航が行えるミサイルであれば、迎撃するにしてもかなり難易度が高くなる。軍事的にもより有用というわけだが、もはや別ミサイルだろう。

英語版Wikipediaの記載を見ると、敢えて誤認される報道をだしたが、実質トマホークと同じ巡航性能を手に入れるように開発されたというような風に書かれている。

親支那派の馬英久氏としてはとても看過出来ない話で、そりゃ製造中止に追い込むのも無理は無い。逆に言えばその程度には戦略的価値があるとも言える。

そして、馬英久氏が政権の座から降りた今となっては、その方針は転換されて巡航ミサイルが配備される流れになった。

この結果、台湾という国は政治的意味でも戦略的意味でも日本にとってその重要度が変化する事を意味する。

台湾が北京に届く巡航ミサイルを得たとしても、支那にとっては「嫌な感じ」はするが迎撃手段で撃ち落としたり、重要拠点を潰されなければミサイルによる飽和攻撃で台湾を徹底的に破壊する事が出来る程度の兵力が支那には配備されている。多分、台湾に巡航ミサイルを配備して意味があるのは、アメリカの第7艦隊と何らかの連携がとれる確約があるか、在台米軍基地ができるかというレベルになってくる目処がある場合だ。そして、支那と台湾との間の緊張がより高まった場合に日本がどちらに付くべきかの選択を迫られる。そういう話になってくる可能性が僕は高いと考えている。

日本での巡航ミサイルの開発

何度も反対された巡航ミサイル開発及び所持

さて、「巡航ミサイル」という文脈で考えると、日本も他人事ではない。それは台湾が射程の長い巡航ミサイルを保有したという意味とは別の意味での話だ。

日本ではミサイル開発が何度も阻止されてきており、弾道ミサイルや巡航ミサイルの開発は可能だと言われているが、未だに反対論が根強い。

例えば、2004年の中期防衛力整備計画原案では、島嶼防衛のために陸上自衛隊が射程距離300kmの巡航ミサイル研究を要求し、ATACMSやHIMARSの導入も要求されていたが、公明党の反対によって実際に中期防に盛り込まれる事は無かったという。同時期に海上自衛隊は先制攻撃を目的としたトマホークの取得を要求したとされるが、これも見送られている。

防衛省・自衛隊:「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱について」及び「中期防衛力整備計画(平成17年度~平成21年度)について」

実際にはこんな表現に留まっている。

島嶼部に対する侵略に対しては、部隊を機動的に輸送・展開し、迅速に対応するものとし、実効的な対処能力を備えた体制を保持する。

「防衛省サイト」より

たかだか射程距離300kmの巡航ミサイルで「専守防衛に反する」というのは片腹痛い。一体何処の国の政党だ!……あ、公明党か。

そして、2009年の新大綱策定時には再び巡航ミサイル導入が自民党から提案されたが、民主党政権誕生によって防衛大綱に盛り込まれることはなかった。

そして、ようやく俎上にあがったのは2017年のことであり、F-35AにJSMが搭載され、F-15JにはJASSMとLRASMが搭載できるように改修されることが決まったようだ。

まあ、民主党はこれについてもグチャグチャと反論しているようだが。

長距離巡航ミサイルに関する再質問主意書

ともあれ、この流れにようやく日本国内でも巡航ミサイル開発の話が出てきた。

Q:日本では、最近の報道では防衛省で巡航ミサイル開発を進めてブラッシュアップすると報道されましたが、まず事実関係の確認と、巡航ミサイルに関しての考え方をお聞かせください。

A:「巡航ミサイル」ということについては、確立した定義が必ずしも存在していないと思いますので、いわゆる「巡航ミサイル」の保有について、一概にお答えすることはなかなか難しいと思いますが、一般的に「巡航ミサイル」と呼ばれているものの一般的な特徴は、弾道ミサイルと比べますと、小型ジェット・エンジンによる推進、飛行機のような翼を持っている、水平に飛行していく、長距離の目標に向かって正確に飛行する、といった特徴があるものと整理できると思っております。私どもは近年、諸外国の艦艇に射程が長い対空火器の導入がどんどん進んでいることから、これに対応するためには、平成29年度に開発完了した空対艦誘導弾、ASM-3の更なる射程延伸を図るべく早期に研究開発に着手し、順次航空自衛隊に導入していくこととしております。

「防衛省サイト」より

いや、この後に及んで支那に配慮するって、どうなのよ。

取り敢えずはASM-3の獲得?

で、取り敢えずはASM-3の配備が開始され、「スタンドオフ性能」が備えられたミサイルを保有する事ができるようになった。

ASM-3が開発完了、部隊配備へ

2018.11.19

航空自衛隊の超音速空対艦誘導弾ASM-3が開発を完了し、部隊使用承認を得て、いよいよ量産・部隊配備の段階に到達した。防衛装備庁技術シンポジウム2018でその概要が明らかにされた。ASM-3は現有のASM-1、ASM-2の後継として射程も延伸して、敵艦のレーダー覆域外、防空ミサイルの射程圏外から発射可能(スタンドオフ性)となり、目標識別能力も付与され、脅威度の高い目標を選んで攻撃するという。長射程では当初は高高度を巡航後に低高度巡航、短射程では低高度を巡航する。

「航空新聞社」より

ここで言うスタンドオフ性能というのは、目標識別能力を持ったミサイルということで、ASM-3が巡航ミサイルに準じる能力を保有していることを意味する。

これが余程気に入らないらしく、野党は幾度となく、公明党も根強く反対論を展開している。そして、開発されたASM-3の配備はこの後に見送られ、ASM-3改の開発に着手したそうな。射程が短かったのが問題らしい。

いやもう、専守防衛の看板など下ろしてしまえよ自衛隊は。

改良型も不首尾なASM-3
文谷数重「国産対艦ミサイルの開発は失敗に終わった。」
国産ミサイルはいらない
文谷数重「ASM-3は亜音速ミサイルJSMに命中率、コスト、汎用性の面で圧倒的不利にある。」

もはや引用する気にもなれない文谷氏のコラムだが、その主張に一理あることは認めたい。だが、前提としてミサイル開発不要という立場で説明していて、どうにも立場的に相容れない。

そりゃ、アメリカからトマホークなりJSMなりLRASMなりを購入した方が理に叶ってはいるのだが、台湾が選んだように「アメリカからの兵器購入に安定性が無い」という可能性は日本だって考えるべきだ。

今やドローンに爆薬を搭載した方がコスト安で運用できるという時代に来てはいるが、何れにしたって敵基地攻撃能力を保有する必要があるというのが大前提である。

そうした中での巡航ミサイル保有というのはやはり議論されるべきなのだ。

巡航ミサイル導入…「島嶼防衛」名目で進む能力構築 射程数百キロ超で現有装備の3倍

2017.12.6 07:21

政府が巡航ミサイルの初導入を決めたのは、中国の海洋進出をにらんだ「島嶼防衛」が主目的だが、北朝鮮の弾道ミサイル基地などをたたく「敵基地攻撃能力」の保有を視野に入れた動きでもある。これらのミサイルの数百キロ以上という射程は、自衛隊の現有装備品にない長さで、日本の防衛政策上も一つの画期となりそうだ。

「産経新聞」より

その手の話も何度となくでてはいるんだけどさ……。

防衛省、長距離巡航ミサイル開発へ…抑止力を強化 F35に搭載「敵射程外から反撃可能」

2019.3.18

防衛省は、航空自衛隊の戦闘機に搭載し、敵の射程圏外から敵の艦艇を攻撃できる、国産初の長距離巡航ミサイル(スタンド・オフ・ミサイル)を初めて開発する方針を固めた。中国海軍艦艇の攻撃能力向上などを踏まえ、抑止力を強化して、国内防衛産業の基盤も守る。日本が開発した既存の空対艦ミサイルを改良し、射程を400キロ以上に伸ばす計画だ。

「ZakZak」より

出ては消え、出ては消え。

日本におけるミサイル保有論

日本が防衛的観点からミサイルを保有するべきだという議論は、随分と前から出ている。しかし、政府レベル、国会レベルでは常に「必要最小限の防衛力」という意味のよく分からない文脈で否定されて、真面目に議論されてはこなかった。いや、多少は出たことがあったが徹底的に潰されてきた。

しかし、現状において日本が防衛の為にミサイルを保有する意味は2つあると思われる。

1つはA2AD戦略と呼ばれる、接近阻止・領域拒否の観点からの地対艦ミサイルの保有である。この話は既に数十年前から議論されていて、現在では採用されることが決定されている。尤も、現状で採用される地対艦ミサイル、或いは艦対艦ミサイルの射程距離はたいして長くない。200kmとか300kmとかその程度だ。巡航ミサイルか弾道ミサイルか、というミサイルの種類の議論もあるだろうが、基本的には近接してくる艦にぶち込むという考え方なので、それほど射程を必要としないというのが従来の立場だった。

 海軍では、任務遂行のためすべてを明確に理解しなければならず、その観点からA2ADという用語は使わないことにする。

 その理由は以下のとおりである。

 1)A2ADは何も新しい現象ではない。紛争地域を含め、海域を支配し力を投影することは昔から行われており、米国が海軍力に頼るのはまさにそのためである。

 2)「領域拒否」の「拒否」という用語はしばしば既成事実という印象を与えてしまうが、より正確には願望である。「拒否」は立ち入れない領域という印象を与えるが、実際ははるかに複雑で、そのような領域に入るのは危険が伴うが、脅威は乗り越えられないものではない。

 3)A2ADは本来的に防衛を志向しており、当該領域に外から接近することが想定されているが、当該領域の内側から攻撃することも可能である。

 4)A2ADにとらわれると、対立と競争の次のレベルの問題を考慮できなくなる。

 A2ADという用語が正確性を欠いており、一つがすべてに適用されるという簡素化のし過ぎの問題がある。実際には海域ごとに特徴が異なることが重要である。

「wedge.ismedia」より

ただ、A2AD戦略にも難しさがあり、そもそもそういった言葉を使うべきでは無く、正確な概念を用いろという警告もあり、例えば、近年は超音速のミサイル開発が主流であり、ロシアでは実用化が進み、支那も手に入れつつあるという状況になっていることを考えてみると、有用性がどこまであるのかという疑念は残る。

近接してくる艦だけ対応していれば良いのか?という点は議論される必要があって、人によっては敵基地攻撃能力まで、という話が出てくると思う。

敵基地攻撃能力に関しては2つ目の意味の方だと捉えていて、現状のミサイルディフェンス構想の延長線上にある考え方だと言って良いだろう。正直、日本のMD政策というのは絵に描いた餅であって余り有用ではないのだ。本当に敵のミサイルに対処する為には敵のミサイル基地を直接叩く必要があるからだ。

ミサイルによる飽和攻撃を敵が選択した場合、日本としては為す術が無いのだ。政治的にそうならないように努力することはもちろん必要だが、そうなった時に最低限敵のミサイル発射基地や保管庫などを叩いておかないと、被害を抑える事にすら繋がらず、ただ撃たれるだけの的になりかねない。

2つ目の方は、日本国内ではまだ検討にまで至らない状況だが、何度か国会では話に上った。その続きが出ていないんだけども。

戦後の政策の影響もあって、日本は頑なに相手を攻撃する手段を持とうとしないのだが、もはやそんな段階では無いことをそろそろ気が付かねばならない。

と、ザックリと書いたがもっとこの話は込み入ったややこしい話があるので、あくまでそういった着眼点もあるよと言う視点で聞き流して欲しい。

支那と対抗するためには台湾との連携が不可欠

そもそも、支那が「仮想」でなく敵国となっている現状で、手を組むべきは台湾である。その事は否定できない事実なのだ。少なくとも支那と日本との利益は相反する部分が多くなってきている。「仲良くやろう」というのは隣国と馴れ合うことではなく、「利益の衝突しない部分で協力しよう」という程度の話。外交上の戦略で、支那は思った以上にえげつない手を使ってくる。

一方で、日本のシーレーンを守る上でも台湾の存在は欠かせないし、協調して防衛することで抑止力を高めるべきである。そして、台湾と協調する為には、やはり中距離の地対地巡航ミサイルなり、地対地弾道ミサイルを保有する必要があるだろう。保有したらそれでOKという話では無いのだが、無い状態では話にならない。

ただ難しいのは、台湾の巡航ミサイル保有により北京が攻撃可能になったという事実があった時に、支那はどんな動きをしてくるかによって日本の採るべき道は大きく変わってくる。台湾が北京を叩ける手段を持ち、台湾と共闘するのであれば日本としては北京を潰せる核弾頭を持った弾道ミサイルを手にする、というレベルで考えねばならない。ただ、それは現実的とは言い難い。A2AD戦略によって島嶼防衛をするという今までの日本の路線とは一線を画す次元の異なる話だからだ。

もちろん、その可能性はしっかり検討すべきだし、早急に結論を出さねばならない問題でもある。まあ、支那がああいった侵略の意思を見せ実際に行動してくる以上は結論は決まっているんだけどさ。台湾の中距離地対地巡航ミサイル保有という選択によって、或いはそれに対する支那の対応によって見直しを迫られる可能性はそれなりに高いと思うからだ。更に同盟国であるアメリカにも関わる話となる。

そして、いずれにせよそうした体制を構築するためには、「専守防衛の看板」は早急に下ろし、「憲法改正」に邁進する必要がある。せめて「自衛」する事に躊躇う憲法であってはならないのだ。

コメント

  1. 木霊さんの書いた記事なんですか?というぐらい、論理がグチャグチャに感じてます。

    「支那と対抗するためには台湾との連携が不可欠」の項の内容(=この記事の結論)は、分からなくはないですが。

    >マッハ4の超音速巡航ミサイルだとされていて、
    >これって、アメリカのグリフォン(BGM-109G:トマホークの地対地バージョン)では
    >ダメだったのかな?

    グリフォン(BGM-109G:トマホークの地対地バージョン)は、亜音速ではないですかね・・・
    だから、ダメなんじゃないでしょうか。

    >2004年の中期防衛力整備計画原案では、島嶼防衛のために陸上自衛隊が射程距離300kmの
    >巡航ミサイル研究を要求し、ATACMSやHIMARSの導入も要求されていたが、公明党の反対に
    >よって実際に中期防に盛り込まれる事は無かったという。

    2004年?・・・待ってください。
    これって「12式地対艦誘導弾」として結実したような・・・
    そういや、最近、12式地対艦誘導弾の配備について、北朝鮮が難癖つけていたような。

    ソース)DailyNK「「再侵略する気か」北朝鮮、宮古島部隊を非難」
    >陸上自衛隊は5日、沖縄県の宮古島駐屯地で地対空・地対艦ミサイル部隊の発足を
    >記念する式典を開き、本格的に活動を始めた。論評はこれに対して、「日々露骨になる
    >日本軍国主義者の再侵略狂気の明確な発露である」と非難した。

    北朝鮮どころか、九州までも届かないのに・・・
    さらに「中距離弾道弾」どころか「大陸間弾道弾」「核ミサイル」を作っている北朝鮮が「どんな立場でいうか」という感じですが。

    で、この記事なんですが、途中で「地対地誘導弾」(地対艦誘導弾)の話から、「空対艦誘導弾」の話にすり替わってますね。

    >そして、ようやく俎上にあがったのは2017年のことであり、F-35AにJSMが搭載され、
    >F-15JにはJASSMとLRASMが搭載できるように改修されることが決まったようだ。
    >取り敢えずはASM-3の配備が開始され、「スタンドオフ性能」が備えられたミサイルを
    >保有する事ができるようになった。

    「JSM」「LRASM」は「空対地/空対艦誘導弾」、「JASSM」は「空対地誘導弾」、「ASM-3」は「空対艦誘導弾」ですね。
    共通するのは「(飛行する)航空機から発射するミサイル(誘導弾)」であることです。
    なので、「地対地誘導弾」「地対艦誘導弾」と同一視するべきではないと考えます。

    個人的には、「LRASM」は「JASSM」からの発達した誘導弾なので、「LRASM」だけでいいと思うのですが(「LRASM」の搭載改修で「JASSM」も運用可能になるという話なら別ですが)

    ASM-3の技術を基礎として、中距離地対地誘導弾を開発することは十分可能だと思いますが、それは、また別の話ですね。

    最後に、「支那と対抗するためには台湾との連携が不可欠」の項ですが、ここにも疑問があります。

    >日本のシーレーンを守る上でも台湾の存在は欠かせないし、協調して防衛することで
    >抑止力を高めるべきである。

    この部分は同意です。

    >台湾と協調する為には、やはり中距離の地対地巡航ミサイルなり、地対地弾道ミサイルを
    >保有する必要があるだろう。

    この部分は疑問です。「なぜ」がすっぽり抜けてます。

    台湾が「台湾の高雄から北京まで届くミサイル」を開発してるのは、中国共産党が台湾攻撃を始めたときに、北京(≒中国共産党中央)に対し反撃できる手段を持つことだと考えます。
    「台湾と協調するために」という理由で、日本が中距離誘導弾・中距離弾道弾を保有するということは、「台湾が中国共産党から攻撃を受けた場合、(直接攻撃を受けていない)日本が北京を攻撃する」ということなんですかね?という話です。

    日本が中距離誘導弾・中距離弾道弾を保有するかどうかは、技術論の段階ではなくて、政治・戦略のレベルだと考えます。

    • あー、申し訳無い。
      ちょっと書き直しますね。

      実は時間を採れて無くて、余計な事を書いたので最後の生後製がとれていないままで公開しちゃっています。
      今のままだと、「友達が持っているから、俺もオモチャ買ってよ」というレベルの主張なんですよね……。

  2. あるけむさんのご指摘はごもっともと思います。

    台湾の新型ミサイルは有事での北京報復を考えたものと理解しますし、現在の日本のミサイル防衛体制(対支那)とはちょっと違うと思います。

    >そして、そうした体制を構築するためには、「専守防衛の看板」は早急に下ろし、「憲法改正」に邁進する必要がある。せめて「自衛」する事に躊躇う憲法であってはならないのだ。

    ここは全文同意です。

    基本的にBMD(防衛用)と攻撃型ミサイル(報復力による抑止力効果)とは別に考えるべきじゃないでしょうか。
    BMDについてはイージスアショアを含めアメリカ依存度が高いので割愛しますが、抑止力を担う攻撃型ミサイルの開発は既に進められています。
    とはいえ、あくまで島嶼防衛用の局地戦ミサイルですから、破壊力は限定され高速&精密誘導性が優先されてますね。

    ①12式地対艦ミサイル→アメリカ軍が驚愕した性能を実証済みで射程距離延長(多分、300km以上)で改造中。
    ②12式を元にした17式艦対艦ミサイル→多分実質性能500km射程延長型となりDDG(まや型)から実戦配備。
    ③空対地(島嶼奪還用)&空対艦ミサイルは超高速滑空弾を開発中で射程は公称300km(実施は500km以上の能力)。

    現実はここまでが対支那攻撃対策なんですよねェ~、有効力なしとは思いませんが局地防衛が精一杯って事。

    >そりゃ、アメリカからトマホークなりJSMなりLRASMなりを購入した方が理に叶ってはいるのだが、台湾が選んだように「アメリカからの兵器購入に安定性が無い」という可能性は日本だって考えるべきだ。

    実績十分のトマホークなんですが何分鈍足なのが最大の欠点であり、日本の防衛専従ミサイルは対艦では支那艦隊の脅威になりえますが、それ以外は狭い範囲の局地戦での破壊力しかありません。

    そもそもトマホーク改良計画自体が、アメリカ軍が開発中の中距離で超高速巡航ミサイル完成までの繋ぎ的なイメージと考えています。(VLS搭載可能かは判りませんけど、搭載可能ならかなりの抑止力になるでしょう)
    ある意味INFでトマホークから核弾頭を外した隙を狙って、支那が軍事力を拡大し始めたとも言えます。

    つまり、専守防衛を外す憲法改正が急務とはいえ、日本が支那中枢=北京への先制攻撃・報復攻撃手段は未だ開発計画のハードルすら高いのが現実なんですから、残念ながら最後はアメリカ製を買うか国内配備を容認するしかないのかも。
    日本の西からでも北京を狙うには2000km以上、かつ破壊力を持った超高速の精密巡航ミサイルが必要なんですから、あるけむさんは混同してはいけないとご指摘されたんじゃないかな。

    P.S.
    台湾との防衛協力推進はこれまで述べてきた通り、日本の安全保障戦略上必須だと考えは揺らぎません。

    • えー、あるけむさんに対する返信に書いた通り、書き直してみったのですが、余計悪くなっちゃいました(汗
      書いてある文章にピンと来ないんですよね、自分が書いたのに。もしかしたらまた改稿するかもしれません。

      さておき、ご指摘は尤もでありまして。
      アメリカ製の武器を手に入れる事そのものは、短期的に合理的であります。ただ、長期的に考えたときにどうなのかということはもちろん、状況が変化したときにその体制を維持できるかを想定する必要があると思います。そういうセンテンスで見て、兵器開発は必要ですねという当たり前の話に帰結はします。しますが……、果たしてそれは「ミサイルで良いのか」という点はやっぱり悩ましいと感じています。
      ……纏まっていない感じなのですな。
      もうちょっと考えて見たいと思います。

      • よっぱなんで、軽めに。

        >そりゃ、アメリカからトマホークなりJSMなりLRASMなりを購入した方が理に叶ってはいるの
        >だが、台湾が選んだように「アメリカからの兵器購入に安定性が無い」という可能性は
        >日本だって考えるべきだ。

        コメントをまとめるために、ググっていたら、こんな資料に当たりました(PDFです)。
        https://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/kouritsuka/yosan_shikko/2016/2016/12_shin_chitaikan_yudodan.pdf

        「~~.mod.go.jp」なんで、防衛省のサイトですね。いいのかなあ?

        まあ、全てのミサイルに「輸入取引中止等による整備計画変更、部品調達困難の可能性」が挙げてあるので、その辺りは考えてあると信じたいです。

      • 木霊さん、おはようございます。
        レスありがとうございます。

        >ただ、長期的に考えたときにどうなのかということはもちろん、状況が変化したときにその体制を維持できるかを想定する必要があると思います。そういうセンテンスで見て、兵器開発は必要ですねという当たり前の話に帰結はします。

        長期的な視点から考えれば仰る通りで、自国開発(対支那に通用する仕様)は必須と思っています。
        それには支那が1発目のミサイル(弾道or巡航いずれにせよ)と弾頭に核搭載するのか通常弾頭なのか、いずれにせよ撃つのを躊躇せざる得ない抑止力を持った攻撃型ミサイル開発を考えるべきじゃないでしょうか。

        長く専守防衛論が足枷になってきましたが、実は現憲法下でも「正当防衛として敵地攻撃は可能」という解釈なんですよね。
        しかし、残念ながらどういうケースで発動するのかと、常に進歩する兵器に対しどういう装備が必要なのかという、一番肝の議論さえ今やタブー視されてきた事が問題です。
        まず、この封印を解く根性の座った政治家がいないのが嘆かわしい。

        前文で書いた様に現在の日本防衛は島嶼防衛の局地戦用戦力と考えています。
        ①支那艦隊は潜水艦を含めて現有の哨戒潜水艦の能力、そしてまもなく配備される17式艦対艦ミサイル&12式地対艦ミサイル向上型で何とか対処可能と考えます。(つまり、抑止力はあり)
        ②領空防衛は監視衛星で支那空軍基地の動きを察知し、空自戦闘機が迎撃態勢が万全であれば攻撃的な領空侵犯にはこれも何とか対処可能でしょう。

        さて、木霊さんご懸念の対ミサイルへの報復を前提とした敵地攻撃能力なんですが、どんな構想を練って具体化するかに懸かっていると思います。
        それにはまず支那を躊躇させるだけのターゲット設定が必要でしょう。

        ①ミサイル攻撃を受けた時に即時北京と主要都市を直接狙うなら、2000~5000km以上でそれなりの破壊力を持った弾道ミサイルの開発が最優先で、数が何発必要なのかも含めて結論を出さねばなりません。
        ②支那空海軍基地の戦闘能力破壊とするなら、改良トマホークと新開発の精密誘導ミサイルが必要になりますが、新開発ミサイルの弾頭と破壊力をどの程度にするか決定しなきゃならないでしょう。
        ③空自戦闘機による遠距離からの支那TELへの直接攻撃。第2波攻撃を速やかに阻止できる装備と作戦能力がモノを言うんじゃないでしょうか。

        そして、いずれの場合も何をプラットホーム&キャリアとするのか、その有効性を決めて議論する必要があると考えます。