富士山噴火のシミュレーション?え、今やるの?

政策

武漢肺炎のニュースが蔓延しているので、本日は少々違うネタを扱いたい。現実逃避と言われればそうなのかも知れないが、あまり一つのことを考え続けるのも良くないと思うのである。

アメリカの窮状や支那の動きなどは追いかけていくべきニュースなのだろうけども、日本においては「大勢でまる密集する場所」「間で会話する密接場面」「鎖された密接空間」、つまり「集・近・閉を避けろ」ということをに心掛けて欲しい。

さておき、本日のネタはこちら。

富士山「大規模噴火なら3時間で首都機能マヒ」国の検討会

2020年3月31日 14時14分

富士山で大規模な噴火が発生した場合、3時間ほどで首都機能がマヒするおそれがあることが国の検討会のシミュレーションで明らかになりました。専門家は「噴火後の対応では間に合わず、今のうちから対策を考えておく必要がある」としています。

「NHKニュース」より

富士山が噴火するというような話は子供の頃から聞かされてきた。

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富士山は休火山

いつかは噴火

富士山が活火山だった時代を知っている人はいない。何しろ、今の富士山の形になったのは紀元前1万5000年頃らしいのだが、約70万年前から小御岳火山、約10万年前から1万年前までに噴火した古富士火山など、古くから噴火を繰り返した火山である。

しかし、最後に噴火が確認されたのは安政元年(1854年)のことであったようで、安政東海地震(1854年12月23日)が引き金になったとされている。ただ、割と小規模な噴火であったようで、有名なのは宝永大噴火(1707年)である。

宝永大噴火は約2週間続き、噴火の影響で飛び散った火山灰は関東一円に降り注ぎ、農作物に多大な影響をもたらしたとのこと。被害を受けた小田原藩は米の収量が元に戻るまでに90年の歳月を要したと記録されているようだ。

宝永大噴火と同じ規模の噴火が今あれば、東京都も完全に麻痺するのではないか?といわれている。

1707年の12月、富士山で2週間余り続いた「宝永噴火」と同規模の噴火が発生し、今の首都圏に火山灰が集中して降った場合、都市機能はどうなるのか。国の検討会がシミュレーションしました。

火山灰は噴火からわずか3時間で、神奈川県や東京の都心、千葉県、埼玉県にまで達し、微量の火山灰によって各地の鉄道の運行システムに不具合が発生、運行が停止するということです。

さらに視界の悪化により車の通行が困難となって、首都圏の広い範囲で交通機関がマヒするおそれがあるとしています。これによって人の移動が制限されて出勤や帰宅が困難となるほか、物流が滞って水や食料が不足するおそれがあるということです。

雨が降っている場合には、電気設備に火山灰が付着し東京の都心でも停電するおそれがあるほか、通信や上下水道が使えなくなるおそれもあります。

「NHKニュース」より

一時期は「死火山」だと言われていたが、調査が進むにつれ「休火山」ではないかと言われるようになった。

200年毎に噴火?

ただ、宝永大噴火(1707年)より前はどうかというと、妙法寺記・勝山記に永正8年(1511年)に噴火したとの記録があり、この時も激しい噴火であったとされている。

それより以前となると永享7年(1436年)に噴火したと王代記と呼ばれる書物に記録があり、永保3年(1083年)にも噴火があったと扶桑略記に記録があるとのこと。

宝永大噴火と永正8年の噴火の間には195年の間隔があり、永正8年の噴火と永享7年の噴火の間には75年の間隔、永享7年の噴火と永保3年の噴火の間には353年の間隔がある。

富士山の最後の噴火が宝永大噴火だとすると313年が経過しており、安政元年が最後の噴火だとすると166年が経過している。つまり、噴火に周期があるとすれば「いつ噴火してもおかしくは無い」と言えるのかも知れない。

火口

これが宝永大噴火の火口の跡の航空写真なのだが、まさに富士山の一部が吹き飛んだという感じの様子である。こうした噴火はいつでも可能性があるとも言える。

当然ながらこんな規模の噴火があれば、被害甚大といえる。

これは9年前に発生した東日本大震災による災害廃棄物、4600万立方メートルの37倍に相当します。

「NHKニュース」より

どんな規模なのか想像も付かないが、東日本大震災のことを考えると自然のエネルギーというのは恐ろしいとしか言いようが無い。

口永良部島の火山性地震

さて、3月3日のニュースにこんなものがあった。

口永良部島の火山性地震「29日以来200回超」噴火のおそれ

2020年03月03日 16時56分

九州南部・大隅半島沖に浮かぶ口永良部(くちのえらぶ)島では、先月29日から火山性地震が急増しており、きょうまでの4日間で発生回数が200回を超えた。気象庁は「火山活動が高まっている」として、噴石の飛散や火砕流への警戒を呼びかけている。

「ハザードラボ」より

口永良部島は九州南部・大隈半島沖に浮かぶ島で150人弱の住民がいるが、2015年には爆発的噴火が確認されている。

そして最近も火山性地震が確認されているので、再び噴火するのでは?と懸念されている。

2014年の御嶽山噴火

実際に最近で噴火があったのは御嶽山である。

御嶽山噴火5年、火山対策手探り 予測難しく

2019/9/26 21:31

御嶽山(長野・岐阜県)が突然噴火し、死者・行方不明者計63人を出した戦後最悪の火山災害から27日で5年。気象庁は火山活動の観測体制を強化し、各地では登山者の行動把握や避難計画の策定などの対策づくりが進められている。しかし噴火を完全に予測することは難しい。専門家は登山者自らが噴火リスクを十分に理解すべきだと指摘している。

「日本経済新聞」より

御嶽山はその当時マークされていなかった山で、突然噴火したために死者・行方不明者は計63人の被害を出した。

有珠山の噴火から20年

一方で、北海道の有珠山も噴火が懸念されている。

有珠山噴火からきょうで20年 住民の高齢化で避難に不安の声も

2020年3月31日 8時12分

平成12年の有珠山の噴火から31日で20年です。気象庁は噴火警戒レベルの運用を変更して住民にいち早い避難の準備を促すことにしていますが、住民の高齢化が進む中、スムーズに避難できるか不安の声も出ています。

「NHKニュース」より

有珠山は2000年に最新の噴火が確認されたが、噴火が予測されていたために被害者はでなかった。ただし、建物は850棟が被害にあったとされている。

噴火から20年経って、噴火周期が20~30年だと言われているので、そろそろ早い段階での批難が出来るような体制を整えたいというニュースである。

あと、記憶にある中では雲仙岳の火砕流発生(1991年6月3日)だが、雲仙岳の火山活動は1989年より継続的に行われていて、大規模な噴火があったというわけではない。もちろん、大きな被害を出した事には変わりないが。

噴火は予測できない

御岳山での失敗

さて、幾つか噴火した話を紹介したが、御嶽山の時には地震計が壊れていたという致命的な問題があったようだ。

御嶽山噴火遺族提訴 「県は怠慢そのもの」 「地震計故障放置」など追及へ 長野

2017.1.26 07:04

犠牲者58人、行方不明者5人を出した平成26年9月27日の御嶽山(長野・岐阜県、3067メートル)噴火災害で、犠牲者5人の遺族が25日、国と県に総額1億4千万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。遺族と弁護団は訴状の提出後に松本市内で記者会見を開き、今回の訴訟に込めた思いを語った。

~~略~~

 県砂防課によれば、故障した2地点の地震計は26年10月以降に更新される予定だった。気象庁は「故障した地震計以外が正常に動いており、影響はなかった」としている。

「産経新聞」より

噴火が直ぐに起こるという風には見做されていなかったので、地震計が壊れていても直ぐに対応しなかった。これが問題だという訴訟が起こされたのだが……、火山の予知はある程度周期性のある活火山でしか機能していないようだ。

前兆を伴う噴火であれば、例えば火山性地震だとか火山ガスの噴出だとか、地下水の温度上昇だとか、そうした事象が確認できさえすれば、それなりに対策を採る時間はあるのだと思う。

しかし、御嶽山の噴火の場合は、そうした兆候は殆どなかったと言われている。後から確認してみて、「アレはそうだったんじゃ無いか」と指摘されるのが、噴火の約2週間前から増加していた火山性地震や、噴火11分前に観測された火山性微動であるが、何れも「確実に噴火がある」と確信するには乏しい情報であったとされている。

噴火の予知は難しいケースの方が多いのだ。

ハザードマップ

そんな訳で、富士山噴火を予測することも難しい。

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ただし、過去の事例から災害の範囲を見積もるハザードマップは作られている。

富士山火山防災マップ - 富士山火山防災協議会 : 防災情報のページ - 内閣府
富士山火山防災マップ-富士山火山防災協議&#20250...

噴火したともなれば国家の存続に関わるような事態が引き起こされることは必至だ。内閣府のサイトにそのハザードマップ検討委員会が設けられているが、どちらかというと確定情報と言うことでは無く、「何となくこんな感じじゃないか」というレベルの分かりにくいモノだ。

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こうした火山灰の飛散する範囲なども見積もられてはいるが、完全に首都機能が麻痺するレベルの被害が出るだろうとされている。

ただ、噴火の規模すら分かっていないので、被害を見積もろうにも過去のデータを参照するしかない。

武漢肺炎で世界的な大混乱

実のところこうした「リスクマネジメント」は、噴火だけの話では無くて、地震・台風など様々な自然災害が発生する日本においては、日常的に行わねばならないことだ。

今回の武漢肺炎でも世界中でパニックになっているが、こうした感染症の爆発的な広がりは何も今回に限った話では無くSARSの時にも大きな騒ぎになった。もっと過去に遡ればスペイン風邪で世界中で死者を出す騒ぎ(死者数は1700万人~5000万人だと推計されているが、1億人に達したと見る報告書もある様だ)になった。

結局、何が起こるかを予測し、どのように対処するかに関して日頃から大雑把でも良いから見積もっておかねばならない。今回の感染爆発は起こるべくして起こったと、その様にも言えるのだ。

対策について藤井名誉教授は「東京には経済機能や政治機能が集中していて噴火が発生してからの対策では間に合わない。交通機関の専門家はマヒを最小限にとどめるための検討を進める必要があるほか、噴火直後に対応できる専門家集団による危機管理体制づくりを進める必要がある」と話しています。

「NHKニュース」より

専門家も指摘しているが、今回の武漢肺炎騒ぎでも東京を中心にパニックになっている。これで首都機能が麻痺したとすると、日本経済は壊滅的なダメージを負うことになる。

今回はそうならないために全力を尽くすしかないが、今後そうした事態を迎えた場合に別の場所で機能を代替することも考えておかないと、いざその時を迎えたときに為す術も無いでは困ると思う。

結局、武漢肺炎絡みの話としてしまったが、危機に臨んだときに今の体制を見なおすことは必要なのだと、そう思う。ただねぇ、今なの?寧ろ経済対策を直ぐ出すように動くべき時期じゃないの?と、冒頭のニュースに違和感を持った人もきっと多いのだろうね。

コメント

  1. 人間一度は死ぬのと同じ、何やっても来るもんは来る。
    なので、来るものと想定して、可能な限りの備えと、「心の準備」をしておくしかありませんな。

    小説の話で申し訳ありませんが、十二国記における延王の言葉「予想の範疇のことは起きぬ」を心しておきたいところです。

    • 「心の準備」とはいっても、富士山噴火ともなると、度肝を抜かれるスケールになる気がします。
      そうなったら、今回の武漢肺炎騒ぎドコロでは……。

      備えておかねばなりません。