国家非常事態宣言とイタリア

欧州ニュース

さて、急速に感染を広げているイタリアの惨状は留まるところを知らないようだ。

イタリアで死者1800人超 致死率7.3%と高いのはなぜ

2020年3月16日 4時13分

ヨーロッパで新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻なイタリアでは15日、亡くなった人が1日としてはこれまでで最も多い368人増え、1809人になりました。また感染者も3500人以上増えて2万4747人となっていて感染の拡大に歯止めがかかっていません。

「NHKニュース」より

これが16日の記事で、17日の記事はこちら。

イタリア 死者2000人超える わずか4日間で1000人以上増加

2020年3月17日 2時19分

ヨーロッパで新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻なイタリアでは16日、亡くなった人が新たに349人増え、2158人になり、2000人を超えました。

「NHKニュース」より

さらに18日、つまり本日である。

新型コロナウイルス イタリアで感染者3万人超に

2020年3月18日 4時24分

新型コロナウイルスの感染の拡大がヨーロッパの中でも最も深刻なイタリアで、感染者が3万人を超えました。現地の専門家は自宅で隔離される期間の長期化が結果として患者の重症化につながっていると指摘し、医療態勢を強化する必要性を訴えています。

「NHKニュース」より

どーしてこうなってしまったのか?

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イタリアの領域封鎖と日本の法制度

北部の移動を制限

さて、先日、イタリアは北部からの移動を制限する決定をした。

ミラノ、ベネチアなどイタリア北部の州を封鎖 1600万人対象

2020.3.8 17:39

タリア政府は8日、新型コロナウイルス感染者の多い北部ロンバルディア州全域と、北部の14自治体で地域間の移動を原則として禁止し、事実上の封鎖措置を取ったと発表した。コンテ首相が政令に署名した。4月3日まで実施する。

「産経新聞」より

なかなか衝撃的な政策だが、日本ではこの方法は今のところ採ることが出来ない(法律的にはやる方法があるが)。しかし、イタリアではやれるんだよね。

実はこの手の緊急事態条項を持っていない憲法というのは、世界広しといえども日本くらいなものらしく、そういう意味でも欠陥のある憲法と言えよう。もちろん、憲法に書いてないからといって、法律に定めがあれば、それは実行できる。先日その法改正を行うというニュースがあった。

日本でもスムーズにやれれば良いんだけどね。

日本のインフルエンザ特措法改正

幸いにして、というかこれまでの法律運用においても新型インフルエンザ特措法(平成24年:2012年公布)によって、拡大解釈で「私権」の一部停止する「要請」が可能だった。そして、必要に応じて強制的な措置に踏み込むことが出来るとされている。

とはいえ、新型インフルエンザ特措法では、こんな風に規定されている。

<新型インフルエンザ特措法>

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 新型インフルエンザ等 感染症法第六条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症及び同条第九項に規定する新感染症(全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものに限る。)をいう。

「e-Gov」より

<感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律>

 この法律において「新型インフルエンザ等感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。

 新型インフルエンザ(新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)

 再興型インフルエンザ(かつて世界的規模で流行したインフルエンザであってその後流行することなく長期間が経過しているものとして厚生労働大臣が定めるものが再興したものであって、一般に現在の国民の大部分が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)

~~略~~

 この法律において「新感染症」とは、人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。

「e-Gov」より

武漢肺炎は武漢ウイルスによって引き起こされる病気として知られており、インフルエンザではない。が、「新感染症」に該当させることは出来るのだが、「病状の程度が重篤」「当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある」の要件に当てはまるかというと、これがかなり微妙だ。

何故かというと、この要件に当てはまるものは「一類感染症」に該当するものとされているのだが、武漢肺炎はSARSやMERSの例に倣って「二類感染症」に指定されてしまったからである。その後で指定感染症としたことで、保険適用を受けられることになったのだが、新型インフルエンザ特措法に基づく強制的な措置を採ることが難しくなってしまった。

そのため、新型インフルエンザ特措法の改正をしたというのが先日のニュースである。

<新型コロナ>改正特措法が成立 きょう施行 「緊急宣言」可能に、国民の自由制限も

2020年3月14日 06時55分

 新型コロナウイルスの急拡大に備える改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が十三日、参院本会議で与党、立憲民主、国民民主両党、日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。十四日に施行される。新型コロナウイルス感染症にも、国民の自由や権利の制限につながる「緊急事態宣言」を首相が発令できるようになる。不明確な要件に基づく宣言で、集会や報道の自由が脅かされる懸念がある。

「東京新聞」より

このヒステリックな文章は東京新聞の記事なのだが、緊急事態に私権の一部が制限出来るのは当たり前である。「不明確な要件」とあるが、一般人がこの記事を読んだら「何を寝ぼけた事を」と呆れるしかない。

 参院内閣委では、参考人質疑も行われ、同志社大学の川本哲郎教授(刑事法)が、緊急事態宣言を発令する要件の「国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす」事態について「説明が不十分だ」と述べ、要件の不明確さを指摘した。

「東京新聞」より

現時点で国民生活に甚大な影響を及ぼしているし、経済にだって甚大な影響を及ぼしていることはもはや疑い様も無い。短期に株価が5000円近く下がっているのだから十分危機的である。

時限立法で定めたのだから、後にもう一度法律を見なおす必要があるのだけれど、取り敢えずは使える様に法整備ということなんだろう。イタリアのような事態を迎えれば、強権を発動せざるを得ないのだと思う。

法律を弾力的に運用するのであれば、こんな法改正をやらずに実施すれば良い。だが、安倍政権はそれを嫌って正攻法を選んだようだ。法律さえ通ってしまえば、非常事態宣言発動後にスムーズに事を運ぶことが出来る。

緊急事態宣言を発令した場合に限定

で、上の方で「今のところ日本ではこの方法を採ることが出来ない」と書いたのだけれど、法改正をしても「緊急事態宣言」(非常事態宣言)を出さなければそのう効力を発揮出来ない。

そして、この「非常事態宣言」(非常事態宣言)を出すのは些かハードルが高いように思われる。

安倍首相 “現時点では緊急事態を宣言する状況ではない”

2020年3月14日 20時08分

新型コロナウイルス対策の特別措置法の成立を受け、安倍総理大臣は記者会見し、諸外国と比べ日本の感染者数は抑えられているとして、現時点で「緊急事態」を宣言する状況ではなく、今後慎重に判断していく考えを示しました。また、新たな経済対策の策定も念頭に必要な措置をとる考えを示しました。

「NHKニュース」より

そう簡単に出されても困るのではあるが、爆発的な感染が抑えられている日本の現状を鑑みると、確かに緊急事態を宣言して何か私権を制限する必要は高く無さそうである。

ただ、こうした法律を作っておいても、必要なときに使えなければ意味が無い。

安倍総理大臣は「緊急事態」を宣言する基準について、「現時点で、数値基準のような形で示すことは困難だが、判断にあたっては専門家の意見を伺いながら、慎重に行っていく。緊急事態が宣言された場合には決定に至った背景なども含め私から国民に説明をする機会を設けるなど、丁寧な説明を行っていく」と述べました。

「NHKニュース」より

強力な武器は、必要なときに使ってこそである。

何か数値基準など決めてしまうと、そこで判断が分かれてしまい、後から「あの時必要だったのに」という事にもなりかねない。政治家の判断力が問われる「強制力」なのだ。

この手の法律の1つとして破壊活動防止法があるのだが、これの適用は殆ど前例が無い。三無事件(昭和36年:1961年)と呼ばれるクーデター未遂事件に対して初めて適用され、渋谷暴動事件(昭和46年:1971年)と呼ばれる中核派が起こした暴動にも適用されているが、オウム真理教事件(1980年代)には適用なされなかった。

使うべき時に使えない法律を増やしても、という話だね。

非常事態宣言に効果はあったか?

閉鎖地域から脱出人々

ただ、イタリアの例を見ると、こうした緊急事態宣言(非常事態宣言)そのものの実効性には疑問を感じる部分もある。

[FT]「封鎖」で混乱のイタリア、脱出へ駅に殺到

2020/3/10 13:54

イタリアのコンテ首相は8日未明、戦時下を除けば前例のない緊急対策を唐突に発表した。イタリア北部の大部分を封鎖するという決定だ。

「日本経済新聞」より

何故ならば北イタリアの人々は、封鎖される前に移動を選択してしまったのである。

イタリア、封鎖計画の流出で脱出ラッシュ

Posted March. 10, 2020 08:02, Updated March. 10, 2020 08:02

イタリアで、8日(現地時間)に新型コロナウイルスの感染者が1500人近く急増した。イタリア政府が封鎖措置を下した地域では「エクソダス(大脱出)」が生じ、パニックが起こっている。

「東亜日報」より

引用元は東亜日報なのだが、英ガーディアン紙からの情報のようなので情報自体はおかしな事は無いだろう。で、このニュースによれば多数のイタリア人が封鎖地域から脱出する騒ぎになったようだ。

ただまあ、この話はイタリア人の民度が低いとみるのは早計で、同地域には多数の支那人が暮らしているといわれている他、他国の人々も住んでいる。裕福な地域だとはいわれているが。

なお、支那でも武漢封鎖の時には随分と人が逃げたようだ。

封鎖前の8時間で500万人脱出 「危機管理」めぐる失敗と収束までの道のり

2020.2.8 08:00

世界中で感染が拡大する新型コロナウイルス。日本でも感染者が確認されるなか、問われるのは危機管理だ。AERA2020年2月10日号から。

~~略~~

封鎖によって現地に取り残された多くの人たちがパニック状態にあるのは報道の通りだ。市当局によれば、1千万人を超える市内の人口のうち、500万人が封鎖から逃れて市外に移動したという。

「AERA」より

この500万人が支那全土に広がったという噂があり、支那での武漢肺炎封鎖というのはどうだったんだろうね?と疑問に思っている部分でもある。もちろん、適切に対応すれば感染増加を抑えられる実例が、シンガポールや台湾の例を見ても実現可能だと思われるので、案外コントロールできているのかも知れないが、それにしたって増加数が少ない。

ちょっと信用出来ないと思うのは、僕の目が曇っているからなんだろうね。そういえばそんなコメントを頂いた気もする。

イタリア全土で移動禁止

イタリアはついに全土で移動禁止を発令したが、これも時間稼ぎの目的だろうと思われる。

静まり返るイタリア・トリノ 新型ウイルスで全土封鎖

2020年3月17日 23:56

イタリアでは、新型コロナウイルスの感染拡大により全土で封鎖措置が取られ、北部トリノ市内も静まり返っている。

「AFP」より

コレに関してはSankeiBizの記事を参考にしておきたい。

mcb2003180700002-p1

先にグラフを引用しておきたい。このグラフ、日本とは日付の書き方が違うので注意して欲しいのだが、これがイタリア政府が参考にしたといわれている感染予測グラフだ。

そうこうするうちに先週後半になって、フランスやスペインでもイタリアと同様の措置が講じられはじめ、およそ1週間の差でイタリアの状況と措置を追っている。不運にもイタリアが欧州での感染先行国になったが、そのため欧州各国は「自分事として」イタリアの試行錯誤のプロセスに注視している。

「SankeiBiz」より

本日は3月18日なので、グラフによれば感染者数は4000人を越えピークを迎えているという予測である。だが、残念な事にこの予想を遙かに上回るスピードで感染は拡大してしまった。感染の終息する4月末の予想は、残念ながらピークの予測から外れてしまったために実現する望みは極めて薄い。

店舗も閉鎖

さて、全土の封鎖と合わせて店舗の封鎖もやったようだ。

イタリア全土の店舗閉鎖、食料品店と薬局は除外 新型ウイルス

2020年03月12日

イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は、11日のテレビ演説で、新型コロナウイルスの感染者や死者が増え続ける中、欧州で最も厳格な封鎖措置を発表した。食料品店と薬局を除くすべての店舗を閉鎖するという。

コンテ首相は、客同士の距離を1メートル保つことを保証できないバーや美容院、レストラン、カフェのほか、企業内の必要不可欠ではない部署についても、同様に閉鎖するとしている。

「BBC」より

経済停滞を覚悟した上での対策だと思われるが、これも現状ではあまり効果を奏していない模様。そろそろイタリアの惨状が収まって欲しいところだが。

イタリアの習慣が感染に影響?

こうした状況を鑑みて、ここまで感染拡大した背景にはイタリアの習慣が影響していると分析する人もいるようだ。

新型コロナ感染者がなぜ急増? 今、イタリアで起きていること
世界中で猛威を奮う新型コロナウイルス。様々な情報が飛び交うなか、イタリアに住むライターの岩田デノーラ砂和子さんが現地で見聞きしたことをレポートしてくれました。

参考になる記事ではあると思うんだけれど、この記事の内容通りだとすると緊急事態宣言を出しての政策は余り上手く機能しなかったようだ。

 初めて感染が確認されたのは、1月下旬のこと。ローマを旅行中の中国人2名が陽性であることが判明しました。

 2名はすぐに感染専門病院で隔離入院。同行グループ全員にも検査が行われ、すべて陰性でしたが検疫隔離となりました。

 次の騒動は1月30日(木)で、ローマ・チヴィタベッキア港に入港したクルーズ船内で、マカオ出身の女性が発熱。

 2回の検査で陰性、かつ別のインフルエンザ感染が確認され、乗客乗員約7,000名のうち下船予定だった約1,000名が下船となりました。 

 このことからイタリア政府は即日にイタリアと中国を結ぶ路線をブロック。

 2月上旬には、日本同様に武漢からイタリア人を引き揚げ、検疫隔離。春節が終わってイタリアに帰国する在住中国人には、2週間の自宅隔離を要請しました。

「CREA30」より

記事を読む限りはかなり「やれることはみんなやった」という印象が強いが、封鎖という事まではやれなかった印象である。

ただ、この記事にはシェンゲン協定の話と支那からの移民の話などには触れられていない。支那人観光客の動きもスルーだ。医療崩壊のことすら触れられていない。

イタリアで感染拡大する背景:イタリアの医師の55%は55歳以上(土居丈朗) - Yahoo!ニュース
イタリアで新型コロナウイルス感染者が急増しており、医療崩壊が懸念されている。イタリアの医療で何が起こっているのか。その一端が医療データの国際比較から浮かび上がってくる。

その辺りに触れられている分析がこちら。これも少々踏み込み不足だと感じられるが、結局、感染者発覚の時点で、既に感染者の動向を追えないような状況になっていたのが敗因の1つだと思われる。

もちろん、イタリア人の習慣、即ちホームパーティーを頻繁にやったり、キスやハグなどボディの接触が多いなどの理由はあるんだと思う。が、多くのメディアで共通するのは、シェンゲン協定などEUの理念に根差す部分が崩壊しているところに目を瞑りたい状況が伺える。

非常事態宣言の有効性は?

そんな感じで非常事態宣言を出したイタリアではあったが、未だに武漢肺炎の勢いを止められないでいる。

欧州で拡大…スペインが非常事態宣言 フランスで商業施設閉鎖

2020年3月15日 日曜 午後0:00

新型コロナウイルスの感染が拡大しているヨーロッパでは、スペインが非常事態を宣言したほか、フランス政府はレストランなど商業施設の閉鎖を発表した。

スペインのサンチェス首相は14日、新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、非常事態を宣言した。

「仕事や生活必需品の買い物などを除き、外出を制限する」としている。

スペインで、これまでに確認された感染者数はおよそ6,000人近くで、死者数は136人にのぼっている。

「FNN PRIME」より

15日にはスペインが非常事態宣言を出している。他にも南アフリカやカナダ、アメリカなど一部地域で出しているところもあって、非常事態宣言の大盤振る舞いという感じだな。

15の国と地域で非常事態や緊急事態が宣言 新型コロナウイルス

2020年3月16日 5時39分

NHKのまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界ではアメリカやスペイン、それにイタリアなど少なくとも15の国と地域で非常事態や緊急事態が宣言されています。

「NHKニュース」より

ただ、この「非常事態」を宣言して国の多くは、既に大変なことになってしまっている。支那はそんなことをしなくても強権発動ができるのでこのリストには含まれないのだけれど、非常事態宣言をした国々よりも徹底した、別の言い方をすれば人権を無視した対策を採っている。

しかし、結果から見るとそれでも多大なダメージを負ってしまった。

だが、「だから、非常事態で私権を制限するなんて絶対ダメだ!」などとは言う積もりはない。効果が得られない、或いは薄かったのは、こうした感染症対策に対して打つ手が有効ではなかったということであって、非常事態宣言が出せる法整備が無駄であるということにはならないからだ。

よって、むしろこうしたツールを使えるように準備しておくことは必要だと思う。

もちろん移動制限や集会の禁止が感染症の対策としてはそれなりに有効に機能するとは思うのだけれど。

多分、来年くらいには、今回の武漢肺炎の騒ぎを精査して、どうすれば一番良かったのか?という方法論を議論できるような状況になるのだと思う。ただ、今はとにかく収束を願って、個人でやれることをやるしかないのかな。

追記

記事の中で少々混同させた表現があったので、追記しておきたい。僕自体が混同している事に起因しているので、部分的には修正させて頂いている。

まず、「緊急事態条項」について。

緊急事態条項というのは憲法に定められることが一般的で、有事の際に憲法の秩序を一時停止して政府が強権を発動する国家緊急権という、国固有の権利に基づく話である。

国家緊急権(こっかきんきゅうけん)とは、戦争や災害など国家の平和と独立を脅かす緊急事態に際して、政府が平常の統治秩序では対応できないと判断した際に、憲法秩序を一時停止し、一部の機関に大幅な権限を与えたり、人権保護規定を停止するなどの非常措置をとることによって秩序の回復を図る権限のことをいい、当該権限の根拠となる法令の規定を緊急事態条項(きんきゅうじたいじょうこう)という。

「Wikipedia」より

この、国家緊急権というのは、極めて強力な効果を発揮される権利で、おいそれとして行使出来ないものではあるのだが、有事にあっては国の存続をかけて発動せざるを得ない。

憲法の一部を停止する超法規的措置であるので時限的に使われるのだが、一時的に政府の独裁を認める事に繋がる為に、立憲民主制度を採っている国にとっては課題も多い話ではある。国家が暴走しない様に民主主義を採っているにも関わらず、有事においては限定的に政府の独裁を認めようという話になるのだから。

ただ、逆にいえば、有事における独裁の有用性が認められている証拠とも言えるだろう。

一方で、今回の武漢肺炎騒ぎに絡んで、多くの国が発令している緊急事態宣言・非常事態宣言というのは、この話とは直接は関係ない。

有事の際に一時的に私権を制限するという考え方は共通するのだが、今回の武漢肺炎に関していえば、緊急事態宣言を出す国や地域が多い。

非常事態宣言は、災害などによる国家などの運営の危機に対して、緊急事態のために政府が特別法を発動することである。

「Wikipedia」より

非常事態宣言も政府が出すものなのだが、憲法の停止を伴わない法律に基づく手法である。つまり、予め準備がしてあった法律を使って私権の制限をすると、そういう話なのである。

もちろん、緊急事態条項のように私権を制限する事にはなるのだけれど、憲法の規定の範囲内で実施する話となる点で異なる。建前上は憲法の解釈の範囲内での私権の制限という事になる。例えば、12条、13条辺りに関係する。

第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。また、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条 すべて国民は、個人として遵守される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

「日本国憲法」より

くどく書かれている「公共の福祉のために」「公共の福祉に反しない限り」という辺りがこれに該当し、非常時には「公共の福祉」のウェイトを大きくし、「みんなのためにはチョット我慢してね」と、そういう話をする訳だ。

非常事態宣言について日本に関していえば、上に説明した「インフルエンザ特措法」の適用をする事で非常事態宣言を出すことができた。初動を間違えた為にこれを使う事ができず(本来であれば解釈でイケた)、法改正をして時限立法にすることで、武漢肺炎を適用内という形にした。まあ、これはこれでアリだろう。政府の初動が遅れる原因にもなった話なので、一度法律の在り方を考え直すべきだとは思うのだが。

とまあ、こんな感じで少々違いがあるのだが、緊急事態条項に基づく私権の制限は、憲法に反し法律に基づかなくても政府が国家の運営方針を決定出来るのに対し、非常事態宣言は法律に基づいて行われるものである。そういう違いがあるね。

緊急事態条項も憲法に定めがない限りは使えないので、日本には無理なんだけど。

あと、似た考え方として「戒厳」というのがあるのだけれど、コレに関しても日本には法律がないし、憲法に基づいての実施も出来ない。これに触れると長くなるので、ココでは説明しないけれども。

何れにしても、日本には非常時における備えというのが脆弱な部分があるので、一度しっかり考え直すべきであろう。

コメント

  1. 凶悪武漢ウィルス

    武漢は勿論
    イタリアも
    愛知県はじめ3地域も
    やわな武漢ウィルスとは別の凶悪武漢ウィルスとのこと。
    富山の薬が破壊してくれると良いですね、凶悪武漢ウィルスをも。

    凶悪武漢ウィルスは支那人が極めて多い地域とのことだが死んだのが
    日本人種か支那人種か朝鮮人種か発表しないと
    支那人朝鮮人雇いの会社が、凶悪武漢ウィルス対策がとれないんじゃないかな。

    • 武漢ウイルスが2タイプあるという話は色々聞きますが、北京大学のレポートがソースのようですね。
      それによれば、7割を占める感染力の低いL型と、3割を占める感染力の強いS型があるようです。

      別の報告では7割の患者は殆ど感染させないようで、再生算数は1という報告もあったようです。
      もう少し分かってくると、対策が進むのでしょう。

  2. コロナの感染率は約20%、内15%が対症療法で治癒、
    5%が人工呼吸器を必要とし、その5%の1/5で、全体
    の1%が死亡している。(日本)

    日本の人工呼吸器は約9.6万機。稼働数は約6万機。
    現在、重症化後14日間で回復退院していることから、
    大雑把に、12万人/月まではコロナ対応可能となる。
    (他の病気もあるから、悪魔でもざっぱにね)

    この呼吸器が不足すると、イタリアのように、年齢制限
    とかの医療破綻を起こす。ベッドをいくら作っても・・
    意味はない。 不確かな検査で怪しい患者増やして、
    院内感染で増加させて・・・。

    まるで一つしかない脱出口に大勢が詰めかけて、将棋
    倒しで、多数の死傷者が出ているようだ。

    ここを見誤って、検査検査検査とか言ってるのはアホ。
    Dプリを馬鹿にした外人さんは、この本質が見えてない。
    もちろん、日本のた〇がわ、は〇り、その他、民放は
    日本を韓国イタリア化させようとしていたとも思える。

    欧州やイラン、韓国は、ピークカットで全体の7割近く
    が感染をして、免疫を付けることしか方法がない。
    (もちろん、ワクチンできれば話は終わるけど)

    世界から入国拒否された韓国は財政破綻したら、さあ、
    将軍様のご登場だ!

    • レミングでしたっけ?集団自殺されるとする動物は(これは誤解のようですが)。
      群集心理とは恐ろしいものです。

      さておき、日本でもドライブスルー検査が始まってしまったようですね。
      アレに何の意味があるのかはいまいちよく分かりません。
      検査する人を保護する意味や、検査を待つ人に感染させないような意味はあるかもしれません。
      ですが……、現状でもその辺りは細心の注意を払われています。「検査数を増やす」という意味が無い以上は、ドライブスルー方式を採用するメリットが解りません。

    • 武漢ウィルスは、若者もじゃんじゃん死ぬんですって

      入院している武漢ウィルス感染者の予測がつかない。
      それほどでもなかった感染者が、いきなり両肺が真っ白になった。
      こうなると人工呼吸機で肺を休めれば、若者は二週間くらいで回復するものもいる。
      もし、人工呼吸機をそうかんできなければ若者でも死ぬ。
      日本が人工呼吸機が間に合わなくなればイタリアのように死者が急増するだろう。
      と、最初から武漢ウィルスの治療をしてきた医者(自己紹介)の方のネットからの伝聞です。