ドライブスルー検査の愚、アメリカでも始まる

政策

本気かよ……。

医療スタッフを守る! シアトルに5分ごとに新型コロナウイルスの検査ができるドライブスルーの検査施設が誕生

Mar. 11, 2020, 10:45 AM

新型コロナウイルスの影響を大きく受けているワシントン州シアトルにある病院は、スタッフのために、駐車場をドライブスルー方式の”新型コロナウイルスのクリニック”に変えた。5分ごとに検査が可能だという。NPRが最初に報じた。

ワシントン州は、アメリカ国内で最も新型コロナウイルスの影響を受けている州で、現地時間(EST)3月9日午後9時の時点で167人の感染、22人の死亡が確認されている。

「Business Insider」より

どう言うことなのか。

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ドライブスルー検査は感染を拡大する

世界的潮流?

武漢肺炎の検査を「ドライブスルー方式」でする、という信じがたいニュースが世界各地で報じられるようになった。

僕自身は専門的な医学知識があるわけではないので、これが直ちに問題があると指摘できはしないのだが、しかし、どうしても信じられない。

韓国で「ドライブスルー検査」 新たに334人感染

2020年2月27日 木曜 午後0:24

新型コロナウイルスが猛威を振るう中国では、新たにスーパーマーケットの混雑緩和を指示するなど、ウイルス対策の徹底が進められている。

一方、感染が急速に拡大している韓国で始まったのは、屋外で車に乗ったまま、検体を採取する「ドライブスルー検査」。

ソウル郊外の診療所では、屋外に設けられたスペースに車が入ってくると、防護服を着た医療スタッフが運転手の問診を行い、発熱やせきなどの症状を確認する。

症状があった場合、車に乗ったまま、ウイルス検査のための検体を採取する。

「FNN PRIME」より

これは2月末の記事で、過去に韓国で行われていたドライブスルー検査の様子を報じている。

屋外で防護服を着た医療スタッフが問診をして、車で訪れた人で問題がありそうな方に対して検査をするスタイルで検査をしている様子が示されている。

屋外で検査を行うということは、記事にあるように「室内に入らないため、患者の出入りにともなう消毒を行う必要がなく、待合室や診察室での感染を防ぐ効果も期待されている。」とある。

確かに病院の待合室で感染するリスクというのは、それなりにあると思われる。

ドイツでもドライブスルー検査が推進される

ドイツでもドライブスルー方式の検査は広がっているようで、こちらの記事では動画が紹介されている。

「早くて簡単!」新型コロナのドライブスルー検査、ドイツなど各国に登場

2020年3月11日 15:56

ドイツの小さな町グロースゲーラウでは、ファストフード店だけでなく、新型コロナウイルス検査所もドライブスルーに対応している。

グロースゲーラウ地域病院は、医療スタッフと患者の新型コロナウイルスへの暴露を最小限にとどめるため、ドライブスルー形式の検査所を設置。急速に広がる新型ウイルスに対処するために医療機関が行っている予想外の取り組みの一つだ。

「AFP」より

確かに、手早く検査が出来る点で、優れた方式ではあるのだろう。

グロースゲーラウ地域病院では先週からドライブスルー検査を開始。感染の疑いがある患者は受診する前に電話し、医師に相談。対応した医師が、検査を受けるべきかどうかを判断する仕組みだ。

検査が必要と判断された患者は、時間枠を割り当てられ、通用口前で車を止めるよう指示される。

通用口前で頭からつま先まで防護具を身に着けた医師と対面し、車の窓を開けると、口内または鼻孔からサンプルを採取される。終わればそのまま走り去ればいい。

「AFP」より

記事を読む限り、

  • 医師に事前に相談する
  • 医師が検査を受けるべきかどうかを判断
  • 検査が必要だと知らされた患者は、ドライブスルーに車で乗り付ける
  • 患者は車に乗ったまま、口内または鼻孔からサンプルを採取される
  • 患者は車から降りること無く検査を終え、終わればそのまま走り去る

という流れのようだ。

僕が懸念していたのは、診察を受けること無く検査をするのでは、それこそ手当たり次第の検査になってしまう点であったが、そこはある程度の基準でクリアしている様に思われる。

日本がドライブスルー方式の検査を採用しない理由

こうした取り組みは、日本では行われていない。

厚生労働省、ドライブスルー方式のPCR検査を実施しない理由を説明

3/15(日) 16:05配信

厚生労働省は15日、公式ツイッターを更新し、新型コロナウイルスのPCR検査をドライブスルー方式で実施しない理由について明記した。

ドライブスルー方式のPCR検査が韓国、米国などでも行われていることを受け、厚労省は「『ドライブスルー方式』のPCR検査が、いくつかの報道で紹介されています」とツイート。そして「新型コロナウイルス感染症にかかっているのではないかと心配される方が、PCR検査を受けるためには、医師の診察が重要です。『ドラブスルー方式』では、医師の診察を伴わないことが多いため、我が国では、実施しておりません」とつづった。

「yahooニュース」より

その理由を、厚生労働省が説明している。

この説明自体は筋が通っているようにも思えるが、しかし、上で紹介したように、他国のドライブスルー方式の検査は電話口ででも医師と相談を行った上で検査を行っているようだ。

すなわち、無秩序に検査をしているわけでは無いということは解る。

日本では検査をするケースでは概ね陰圧室にて検体を取り扱うような指導がなされているが、しかし、そうした施設を持っている医療機関は多く無い。日本で検査が積極的に行えていない理由は、その辺りにあるのだろう。

もう一つの問題としては、日本では防護服を着たスタッフが検査を行う事としているが、検査毎に防護服を着替えるように指導されている。

つまり、今のやり方ではドライブスルー方式の検査を実施することは不可能なのだ。韓国式のドライブスルー検査だと、防護服処か手袋すら交換していない様子が報道されていたが、流石にその後は対応しただろうと思われる。

屋外で検査をするメリットは本当にあるのか?

さて、そうするとメリットとデメリットを考えて「実現出来るか?」を考えるべきなのだが……。

前提としてPCR検査そのものの信頼性が低い点をまず指摘しておかねばならない。正確な数字は出ていないが、6割とか7割とかそんなところだという報道もある。仮に9割の信頼性があるとして(実際には「感度」と「得意度」という基準で判断される。2回連続して検査すれば間違って反対される確率は1割以下だとされている)も、10人検査したら1人は誤診が生じてしまう。

ココで簡単に確率の計算をしてみよう。

武漢肺炎に対するPCR検査は感度95%、特異度95%という、精度の高いものであるとする。実際には感度は70%以下だろうといわれているが……。まあ、想定上の数字ということでご理解頂きたい。

・4000人の母集団がいるとして、そのうち2割の人が武漢肺炎に感染していたと想定すると800人が感染しているという事になる。(有病率20%)

・感度95%の検査をすると、800×95%=760人が陽性という判定になる。(擬陰性が40人)

・特異度95%の検査をすると、3200×95%=3040人が陰性という判定になる。(擬陽性が160人)

今のところ、感度100%の検査も特異度100%の検査も存在しないので、遍く検査手法でこうした検査ミスが生じる。このうち偽陰性40人が野に解き放たれることは恐ろしいことだ。もちろん擬陽性160人も隔離されることによって、本来隔離が必要の無い人を隔離する事になるので、医療施設を圧迫することになる。

したがって、日本の多くの病院では肺炎の所見があるかどうかという、画像診断による肺の状態を確認するなどの手法でPCR検査の信頼性を高めている。

肺のCTスキャン画像を使って検査精度を上げる試みは、支那の武漢で実際に行われていた。しかし、その試みは一時期だけだったようだ。

その実態が目で確認出来るグラフがある。それがこちら。

この突出した数字は、検査手法を切り替えた日のデータである。そして数日その手法で検査が行われた様だが、再びその指標は用いられなくなったと聞いている。

何が言いたいかというと、支那では本来「陽性」と判断される必要のある患者が支那には大勢いたため、検査手法を切り替えた途端に非常に大勢の未発表だった患者が表に出てくる事になった。

統計学的に、統計のデータ基準が切り替えられてしまったことで、それまでのデータとこれ以降のデータは切り分けて考える必要が出来てしまった。

そして更にその後、統計のデータ基準が切り替えられたために、更にその信頼性が失われることに。支那のデータが信用出来ないというのはそういう意味も含まれる。

ドライブスルー方式の検査では、或いは電話相談による判断には自ずと限界があるのだ。

PCR検査は「安心を得る為」の検査では無い

そんな訳で、僕はドライブスルー方式の検査を行って欲しくは無いと思っている。

世界的潮流で、PCR検査を特に持ち上げる傾向にあるのだけれど、実際には恒常的に行われているインフルエンザの検査だって、その信頼性は「そこそこある」程度の話でしか無い(感度50~70%、特異度90%以上)。

では、インフルエンザでは何故その様な検査が行われるかといえば、特効薬があるからだ。つまり、検査をやって診察に説得力を持たせて、迅速に薬を服用することで「症状を緩和」する事ができるのである。

しかし、武漢肺炎においてはそうした目処すら無い。

基礎疾患があり、状況が悪化しそうな方を特に重点的に検査をするという手法を選ぶ事で、検査の信頼性をあげているのが今の日本の姿であり、今のところはそれなりの抑制効果を上げていると言える。

そうだとすると、少なくとも日本国内で積極的に検査態勢を変える必要性を感じない。少なくとも、ドライブスルー方式の検査は不要なのだ。

外国ではそれぞれの国の事情に合わせたやり方はあるのだろうから、その点について敢えて指摘する積もりは無いが、それでもアメリカはちょっと早計な判断だったのでは無いかと思う。「医療スタッフを守るという観点からドライブスルー方式の検査を選択した」といわれれば、そういう判断はアリかもしれないが……、その後のことを考えていないよね?アメリカの医療体制だと、心配ではある。

ただ……、アメリカは流石に韓国の検査キットを使う積もりは無かったようだね。

Coronavirus Expert Dr. Fauci And CDC Head Dr. Redfield Testify Before House | NBC News (Live Stream)

当面は「非常用にも韓国の検査キットを使いたくない」というのがアメリカの立場のようで。

I have a letter from the FDA、they says the South Korean test is not adequate、A vendor wanted to purchase it and sell it use it in the United States、and the FDA said I’m sorry、we will not even do an emergency use authorization for that test、

日本でも検査を頑張って推進しようとしている人はいる様だけどね。

ただこの人、何をそんなに必死になっているのか。僕には理解出来ない。SBIファーマ株式会社という医薬品を取り扱う会社の取締役であることと関係しているのかな?

なお、ソフトバンクの孫氏が検査キットに言及した際に、炎上して騒ぎになったが、SBIファーマ株式会社はSBIホールディングス株式会社の子会社であり、かつてSBIホールディングスはソフトバンクグループの金融関連企業として設立されたという経緯がある。

よってこれら一連の人々がグルになっているのでは?という疑惑を持たれたものの、現在のSBIホールディングス株式会社はソフトバンクとの関係を解消しつつある立ち位置にはあるようだ。したがって、「明確な資本関係に無いからデマだ」と騒ぐ人もどうかと思うが、かといって無関係とも言えないだろう。

もう一つ言及しておくと、SBIファーマ株式会社がPCR検査の検査キットを作っているという事も無いようだ。したがって、明確に上氏の発言の裏を勘ぐる必要はないのかも知れない。

ただ、上氏は他にも株式会社アインファーマシーズとの関係も指摘されていて、上氏が利益目的でPCR検査の促進を訴えているという疑惑は晴れない。

「じゃあ何故?」ということを、上氏もその点を明確に説明できないようだ。

追記

厚生労働省のtwitterを紹介し忘れたので、貼り付けておく。

チョット見にくい感じになってしまった。

  1. 「ドライブスルー方式」のPCR検査を実施しない理由について】「ドライブスルー方式」のPCR検査が、いくつかの報道で紹介されています。(1/5)
  2. 新型コロナウイルス感染症にかかっているのではないかと心配される方が、PCR検査を受けるためには、医師の診察が重要です。「ドライブスルー方式」では、医師の診察を伴わないことが多いため、我が国では、実施しておりません。(2/5)
  3. 発熱した方が受診された場合、医師は診察で、患者の既往歴、年齢、症状、検査所見などを踏まえ、新型コロナウイルス感染症を疑うのか、他の疾患を疑うのかなどを総合的に判断して、新型コロナウイルス感染症を疑った場合に、PCR検査を実施します。(3/5)
  4. インフルエンザ等で発熱を起こす他の疾患も多いので、医師の診察を伴わない場合は、PCR検査の陽性的中率が低下します。また、新型コロナウイルスに感染している方が、誤って「陰性」と判断されてしまうケース(「偽陰性」と言います)も一定程度発生し、感染を拡大させてしまう可能性があります。(4/5)
  5. こういったことを踏まえ、現在我が国では、感染者との接触の有無や症状を踏まえた医師の判断に基づき、PCR検査を実施することとしています。(5/5)

とまあ、こんな感じの主張となっている。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    無責任極まりないWHOはここにきて「とにかく検査しろ」、という南朝鮮方式を無責任に叫んでいますねェ~。
    僕は科学的な見地に立った各国の事例毎に深刻度を判定し、対処方を考えるべきじゃないかなと思っています。
    特にイタリアの突出した死亡率は何故なのか...? 

    ①イタリア:検査数が極端に増えたからか感染者数が爆発的に増加し、しかも異常な死亡者&致死率となっている。(イランも同じでそれは何故なのか?)
    ②南朝鮮:検査数が多く感染者も多いが死亡率・死者数はそれほどでもない。
    ③アメリカ&欧州諸国:検査数を増やし続けてるから感染者数は急激な増加方向で、死者数も日本を上回り増加傾向。(さらにアタリかまわずの買占めパニックで国内混乱状態)

    そして日本です。
    ④日本:散々非難されてきた検査数抑制政策ですが感染者数の増加は南朝鮮・イタリア・イラン他に比べると極端に少なく、死亡者数も最悪状況という程ではなく医療崩壊を何とか防いでいますね。(亡くなられた方達には酷な話ですが)

    マスク&消毒剤不足は一向に解消されませんが(医療機関に優先配布されているのでしょう=これで正解です)、トイレットペーパーパニック以外は国民は何とか冷静な対応をしています。
    過剰過ぎるとか非難される休校やイベント自粛などは、「自分が移されるではなく、自分が移す可能性あり」とした時、見た目が健康な陽性感染者が他の人に移さない為には今はやむ得ないと考えます。
    マスク着用や手洗い消毒も自己防衛と同時に「自分が自覚症状のない陽性感染者だったら、他人に移してはいけないから」という、国民の人に迷惑を掛けないという自覚&それが国を守る最善という防衛本能が働いているからじゃないかな。
    元々、極端なほど清潔好きな国民性が幸いしてるのかもです。

    イタリア&欧州の感染事例の解明と同時に、その防御&治癒対策が大きなポイントになるやもです。

    P.S.
    トランプ大統領が「支那ウィルス」と名指しで攻撃を始めた様です。
    気持ちは判るし僕はこれが間違いなく正論と考えますが、今は幼稚な口喧嘩してる場合じゃないと思う。
    とはいえ、支那の姑息な責任転嫁は絶対に許してはなりません!!

    • あー、WHOのアレですね。朝日新聞がそんなことを報じていたようですが、どうやらあれ、誤訳のようです。
      ついでに、「日本のPCR検査少ない」米専門家が指摘 手本は韓国という話も誤訳のようですよ。意図的のようですが。
      https://www.asahi.com/articles/ASN3G6JR3N3GUHBI01R.html
      香ばしいですね。
      https://twitter.com/JenniferNuzzo/status/1239007147180068864?s=20
      全部検査すれば良いってモンじゃないよ、とtwitterでいっていますね彼女は。

      学校の一斉休校に関しては賛否あるのでしょう。が、長い春休みが終われば通常の授業を始めれば良く、遅れた学習もどこかで取り戻せると良いですよね。