さて、本日は憲法改正の話である。
自民・石破元幹事長、新型肺炎受け憲法改正「悪のりするつもりない」
2020.2.3 22:52
自民党の石破茂元幹事長は3日夜、BS-TBS番組に出演し、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、与野党の一部から憲法改正による「緊急事態条項」創設を訴える意見が出ていることについて、「これに悪乗りして、憲法(改正)に持っていくつもりはない」と述べた。
「産経新聞」より
石破よ、オマエは自民党をでたらどうなんだ?
いきなりの突っ込みで申し訳無いけれども、産経新聞で紹介されているこのニュース、この前後関係がハッキリしないこともあってい否定から入るのはダメなんだと思う。しかし、自民党というのは憲法改正を目指す党である。改正する気が無いのであれば、党を出るべきだ。
自民党と憲法改正
綱領
政党の綱領とは、党としての基本理念を示す旗であり行動指針である。
したがって、どんな政党でもこの綱領を掲げて活動している。一部の例外はあったが、基本的には結党時にこれを掲げるのが政党として当然の在り方であり、それが出来ないのであれば結党宣言などしなければ良い。掲げられないような政党は、「政党では無い」のである。
そんな前置きをしながら、自民党の綱領を見ていこう。

自由民主党は、昭和30年(1955年)に結党した政党で、立憲政友会と立憲民政党を遠い起源とする保守系の政党だとされている。とはいえ、やっている事は随分とリベラルなんだろうなと感じている。
ともあれ、その時掲げられた綱領がこちら。
党の政綱
昭和三十年十一月十五日
一、**国民道義の確立と教育の改革** 正しい民主主義と祖国愛を高揚する国民道義を確立するため、現行教育制度を改革するとともに教育の政治的中立を徹底し、また育英制度を拡充し、青年教育を強化する。 体育を奨励し、芸術を育成し、娯楽の健全化をはかって、国民情操の純化向上につとめる。
ニ、**政官界の刷新** 国会及び政党の運営を刷新し、選挙制度、公務員制度の改正を断行して、官紀綱紀の粛正をはかり、政官界の積弊を一掃する。 中央、地方を通じ、責任行政体制を確立して過度の責任分散の弊を改めるとともに、行財政の簡素能率化をはかり、地方自治制度の改革を行う。
三、**経済自立の達成** 通貨価値の安定と国際収支の均衡の上に立つ経済の自立繁栄と完全雇用の達成をはかる。 これがため、年次計画による経済自立総合政策を樹立し、資金の調整、生産の合理化、貿易の増進、失業対策、労働生産性の向上等に亘り必要な措置を講じ、また資本の蓄積を画期的に増強するとともに、これら施策の実行につき、特に国民の理解と協力を求める。 農林漁業の経営安定、中小企業の振興を強力に推進し、北海道その他未開発地域の開発に積極的な対策を講じる。 国際労働憲章、国際労働規約の原則に従い健全な労働組合運動を育成強化して労使協力体制を確立するとともに、一部労働運動の破壊的政治偏向はこれを是正する。 原子力の平和利用を中軸とする産業構造の変革に備え、科学技術の振興に特段の措置を講じる。
四、**福祉社会の建設** 医療制度、年金制度、救貧制度、母子福祉制度を刷新して社会保障施策を総合整備するとともに、家族計画の助長、家庭生活の近代化、住宅問題の解決等生活環境を改善向上し、もって社会正義に立脚した福祉社会を建設する。
五、**平和外交の積極的展開** 外交の基調を自由民主主義諸国との協力提携に置いて、国際連合への加入を促進するとともに、未締約国との国交回復、特にアジア諸国との善隣友好と賠償問題の早期解決をはかる。 固有領土の返還及び抑留者の釈放を要求し、また海外移住の自由、公海漁業の自由、原水爆の禁止を世界に訴える。
六、**独立体制の整備** 平和主義、民主主義及び基本的人権尊重の原則を堅持しつつ、現行憲法の自主的改正をはかり、また占領諸法制を再検討し、国情に即してこれが改廃を行う。 世界の平和と国家の独立及び国民の自由を保護するため、集団安全保障体制の下、国力と国情に相応した自衛軍備を整え、駐留外国軍隊の撤退に備える。
一番下に書かれている「独立体制の整備」の部分に、「現行憲法の自主的改正」を掲げているのが分かるだろうか?
憲法改正が最優先では無かったとは言え、綱領としては憲法改正、それも「自主的」にやると言っていた。しかし、未だその憲法改正はなされていない。
新綱領ではどうなったか
立党から50年経過した平成17年(2005年)に、自民党は綱領を一新した。時は小泉政権時代である。
新綱領
平成17年11月22日
・新しい憲法の制定を 私たちは近い将来、自立した国民意識のもとで新しい憲法が制定されるよう、国民合意の形成に努めます。そのため、党内外の実質的論議が進展するよう努めます。
・高い志をもった日本人を 私たちは、国民一人ひとりが、人間としての普遍的規範を身につけ、社会の基本となる家族の絆を大切に、国を愛し地域を愛し、共に支え合うという強い自覚が共有できるよう努めます。そのために教育基本法を改正するとともに、教育に対して惜しみなく資源を配分し、日本人に生まれたことに誇りがもてる、国際感覚豊かな志高い日本人を育む教育をめざします。
・小さな政府を 私たちは、国、地方を通じて行財政改革を政治の責任で徹底的に進め、簡省を旨とし、行政の肥大化を防ぎ、効率的な、透明性の高い、信頼される行政をめざします。また、国、地方の適切な責任分担のもとで、地方の特色を活かす地方分権を推進します。
・持続可能な社会保障制度の確立を 私たちは、思い切った少子化対策を進め、出生率の向上を図り、国民が安心できる、持続可能な社会保障制度を確立します。
・世界一、安心・安全な社会を 私たちは、近年の犯罪の急増やテロの危険性の高まりに対し、断固たる決意をもって闘うとともに、災害に強い国づくりを進めることにより、日本を世界一、安心・安全な社会にします。
~~略~~
立党50年で、自分たちの立ち位置を確認した上で、真っ先に挙げたのが「新しい憲法の制定を」という項目であった。この新綱領を掲げた時、内閣官房長官であった人物が、現在の自民党トップにいる安倍晋三その人である。
当然ながら、この「新綱領」に安倍氏が関わっていたワケで、綱領の中には、現在表面化してきている社会問題が全て詰め込まれている。
すなわち、自民党に所属するのであれば、この綱領の中身を知らぬはずがないのであり、憲法の改正に反対するというのであれば、綱領を認められぬ、自身の存在否定ということになる。石破氏はこの一点をもって自民党からでていくべきである。
石破氏は改憲派
石破氏の公式サイトを覗くと、彼の政策が掲げられている。
しかし……、この政策のページでは憲法改正について全く言及していない。
していないが、しかし石破氏は憲法改正を否定しているわけでは無いのである。特に、9条に関しては「私案」なるものを出している。
http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/files/doc07293820180226152522.pdf
読む価値があるかどうかは、判断の難しい。
彼の私案での一番の問題点は「侵略の手段としての武力による威嚇及び武力の行使を永久に放棄」としている点だ。防衛は外交の一態様であると言うことを理解しているのであれば、「武力の行使」はともかくとして「威嚇」まで手放すのは如何なものだろうか。
これは、ある意味現行憲法よりも質が悪い。

現行憲法であれば、実は外交力としての武力の行使や威嚇を否定はしていない事になっている。解釈上、自衛隊の保有は排除しておらず、その実力の行使も「国際紛争の解決の手段として」は禁止されているけれども、それ以外ならOKという事になる。屁理屈だけどね。
さておき、これが防衛大臣を務めたことのある男の「私案」だとすれば、一体何をやっていたのか?という話である。
今回の石破氏の発言は、その真意を勝手に推し量るとすれば、「改正を急ぐな」ということなのだと思う。しかし、立党より50年も憲法改正を思いとどまってきた。そんな状況で「急ぐな」というとは実におかしな話なのである。
自民党内での改憲議論
もちろん、自民党内に改憲議論があったからこそこうしたニュースに繋がったのだ。
自民・下村選対委員長「緊急事態条項で改憲議論を」 新型肺炎を機に
2020年2月1日 17時56分(最終更新 2月1日 21時32分)
自民党の下村博文選対委員長は1日、宇都宮市内で講演し、新型コロナウイルスによる肺炎拡大を踏まえ、緊急事態条項新設に関する改憲論議の進展に期待感を示した。「人権も大事だが、公共の福祉も大事だ。直接関係ないかもしれないが、(国会での)議論のきっかけにすべきではないか」と述べた。
「毎日新聞」より
少々温い判断のような気はするが、それでも議論を加速する必要性は疑い様が無い。そうした話は別の事例からもよく分かる話なのだと思う。
それを感じ取れない政治家であれば、政治家をお辞めになるべきだ。
自民党議員の中には更に踏み込んだ発言をする人もいるので、信用したいと思う気持ちもある。ただまあ、少数派なんだろうね。
ホテル三日月の話
結局政治だった
さて、武漢から帰国した日本人に対して、政府は「お願いをする」という形で一定期間内の隔離を決めた。
そこに名乗り出たのがホテル三日月である。
政府、中国・武漢市からの帰国者滞在を「勝浦ホテル三日月」に要請、宿泊料は政府負担
2020年01月31日
新型コロナウィルス肺炎が拡大する中、千葉県「勝浦ホテル三日月」が中国・武漢市から帰国した邦人を受け入れている。内閣官房が千葉県と勝浦市の了承を得て実現したもの。東京都内の病院で検査を受けた後、症状がみられない帰国者を日本政府がホテルまで移送している。
「トラベルボイス」より
当初の報道ではホテル三日月が自主的に受け入れを表明したということが言われていたが、政府側からの要請に応えるものであったようだ。
実は「ホテル三日月グループ」を30代で率いる若き社長・小髙芳宗氏は、自民党幹部の海外視察の際に経済界の一員として参加したこともあり、政府や自民党と接点があった。そして、観光庁の担当者もこの海外視察に同行していたため、小髙社長と知己があり、アプローチを試みたのだ。
政府関係者によると、「勝浦ホテル三日月」は、宿泊予定者を千葉県内の2つのグループのホテルへ移すことも可能なことなど条件が最良だった上、去年の台風15号で被災した地元住民に大浴場を無料開放した例もあったため、「政府は彼の男気にかけた面もあった」のだという。
「FNN PRIME」より
経緯はどうあれ、この判断は日本国民としてもとてもありがたいモノであったと言わざるを得ない。

もちろん、他にも色々な方法はあったと思われる。だが、民間で手を挙げてくれるところがあり、また、ホテル側が病院と連携して医療スタッフを常駐させることができるという環境もあって、色々な批判はあれど受け入れが可能となった。
こうした動きができたのは、結局政治力なのである。スピード感を持った対応をするためには政治力はどうしても欠かせない。
民間を頼るばかりで良いのか?
しかし、ここで一つ考え直してみて欲しい。
こうした大勢の人を、国の政策として留め置かねばならないケースというのは、今後も少なからず出てくると予想される。そうなった時に、民間の好意だけに頼る体制というのは、本当に正しいのだろうか?僕はそうは思わない。
民間には民間なりの事情があり、一度に200名もの人を受け入れるというのは、なかなかハードルが高いのが現実である。
こうした点を考慮すると、政府施設として多数の人を宿泊させ、一定期間隔離するような施設を作っておくべきでは無いか?という風に思う。
多分、それは「無駄な施設」なのだろうが、非常時こそそうした施設が求められるのだと思う。明確なニーズがあり、国民の利益のために役立つのであれば、そうした施設の建設を検討すべきではないのか?そして、その施設と連携の採れる医療機関もまた用意しておくべきでは無いのか?
ホテル三日月はその対応について、心ない人々から言われ無き中傷をされる始末だ。本来の業務外のことを善意で引き受け、慣れない仕事に従事しているにもかかわらずだ。その姿勢は称賛されこそすれ、批判されるべきでは無いだろう。
緊急事態条項の創設を
支那は「謝罪」したのか?
話は変わって、珍しいニュースを目にしたので紹介しておきたい。
中国共産党が失策認める 新型肺炎「対応に欠点と不足」
2020.2.3 23:40
中国共産党の最高指導部メンバーを集めた会議は3日、新型コロナウイルスの感染拡大への対応について「欠点と不足」があったと指摘し、初動に問題があったことを事実上認めた。国営新華社通信が伝えた。
「産経新聞」より
なんと、支那共産党が、異例の声明を出した。「欠点と不足」があったことを認めたのである。
しかし、人民に対する謝罪は無かった。また、国際社会に迷惑をかけてしまったという認識は示さなかった。結局のところ、支那共産党の機関紙である新華社通信が、人民向けに「アピール」をしただけである。
それどころか、報道官はこんな事を言う始末。
中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は3日、感染予防のために記者会見をSNSのグループチャット上で行う異例の措置をとった。4月上旬の実施を見込む習近平国家主席の国賓訪日について「日中双方は各方面の準備を積極的に進めるべきだ」と述べ、予定通りに行いたい意向をにじませた。
「産経新聞」より
いや、お前んところの今の国家主席、国賓として呼ぶなんてことは、もはやねーよ。無期延期だよ!
……失礼しました。
ともあれ、メンツを重んじる支那共産党が、こうした対応をせざるを得なかったというのが、支那の現状なのだ。
封鎖都市「武漢」では更に死者が増える
現状で、支那共産党の態度がどうあれ、その指導体制は極めて脆弱のようだ。
中国の死者361人 中国報道官が不満「米政府はパニックを拡散」
2020.2.3 19:31
中国国家衛生健康委員会は3日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者が中国本土で1万7205人、うち死者は361人に上ったと発表した。新型肺炎による中国本土の死者は発生から約2カ月で、2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の349人を上回った。
「産経新聞」より
外部に対して注文を付けているようだが、既にSARSの時の被害者数を遙かに上回る勢いである。感染者数も死者数も超えてしまったのだ。
だが、その実数に関しては支那共産党ですら把握できていないと予想される。これは、武漢が封鎖されていて、武漢での情報吸い上げが上手く言っていないことが予想されることと、武漢の医療機関が相当追い詰められた状態にあると予想されることがある。
封鎖措置で混乱する武漢…脱出図り駅に殺到、食料買い占め
2020/01/23 12:45
中国で多発する新型コロナウイルスによる肺炎を受け、事実上の封鎖措置が取られた湖北省武漢市では23日、住民が事前に市外へ脱出するために鉄道駅に詰めかけ、食料の買い占めが起きるなど、一部に混乱が起きた模様だ。中国全土でも、感染者の拡大を食い止めるため、空港での防疫対策がいっそう強化された。
「讀賣新聞」より
封鎖時の混乱は想像を絶したようだが、その後も良い噂は聞こえてこない。
武漢のP4研究所の噂
特に、当事者である武漢市は深刻に捉えているようだ。
SARS超えた新型肺炎 武漢市トップ、初動遅れ認める―発生公表から1カ月・中国
2020年02月01日07時11分
~~略~~
武漢市トップの馬国強・共産党委員会書記は31日の中央テレビの取材に「今は恥じ入り、自責の念を感じる。早く厳格な措置を取れば結果は今より良く、全国各地への影響は小さく、党中央や国務院(内閣)を心配させることも少なかった」と初動の遅れを認めた。
発生直後は春節(旧正月)を挟んだ帰省シーズンと重なり、混乱を大きくした。中国政府は1月9日、翌日からの帰省ラッシュの見通しに関し記者会見を開いたが、この時点で感染拡大の危険性は話題にも出なかった。習近平国家主席は20日になって封じ込めを指示したが、感染は31省・自治区・直轄市の全てに広がった。
「時事通信」より
武漢市のトップが謝罪するという異例の会見を開いたようだが、習近平体制が封じ込めの決断をするのが遅すぎたのがそもそもの問題である。病気の発生は12月初旬には認識されていたのだから、少なくとも年始にはその決断をすべきだった。
武漢市で「原因不明の肺炎」が確認され「27人の感染」を発表したのは2019年12月31日のこと。武漢市が勝手に発表できるはずも無く、それ以前に中央に情報を伝え指示を仰いでいたのは間違い無い。
それでも習近平氏は防疫目的で都市を封鎖した。
中国製造の心臓部、新型肺炎で長期封鎖も 武漢周辺
2020/2/4 2:00
新型コロナウイルスによる肺炎の発生地である中国湖北省の武漢市は、商都から鉄鋼、自動車、半導体へと産業を発達させてきた中国の経済発展を象徴する町の一つだ。陸運と水運の結節点という交通の要衝でもある。感染の拡大を防ぐため湖北省のほぼ全域の封鎖は長引くとみられる。政府が重視する半導体や鉄鋼などの工場は操業が続くが、自動車産業を中心に中国の広い範囲で物流や交通の混乱が続くとみられる。
「日本経済新聞」より
交通の要衝である都市の封鎖を決断するには、非常に大きな決断力を要したとは思うが、「もはや手の施しようが無い」という判断だったのだと思う。
勝手な想像ではあるが、これだけの決断をした理由の1つとして考えられるのは、その原因がP4実験室が武漢にあったことなんじゃないかな。よく噂されることなんだが。
P4実験室が稼働開始、危険ウイルスの研究条件が整う
2018年 1月5日
中国科学院武漢ウイルス研究所が4日発表した情報によると、中国初のバイオセーフティーレベル4実験室(P4実験室)が、国家衛生・計画出産委員会高病原性病原微生物実験活動現場評価に合格し、正式に稼働開始した。これにより中国は高レベル高病原性病原微生物実験活動を展開する能力と条件を手にした。科技日報が伝えた。
「Science Portal China」より
ここからウイルスが漏れたという説は、陰謀論に近い話。説得力はあるが、残念ながら裏のとりようのない話でもある。
しかし、習近平氏は間違い無く早い段階でここからの漏洩を疑っただろうとは思う。そうで無ければボンクラと言わざるを得ない。だが、少なくとも習近平氏の周囲の人間は優秀だろうから、指導部は疑念は抱いたはずだ。その上で、感染拡大のスピードを見て、年明け1月20日の時点で「ダメ」だと判断。23日に封鎖に踏み切ったのだろう。
なお、この説について「デマ」だと断じている人々は、通常のP4実験室の常識で語る事が多いのだが、そこは支那の建物だ。武漢のP4施設に関しては、他国の研究者から「一緒にやるのは危険」だと判断されたという話もあるので、デマだと切って捨てるのは早計だろう。
憲法改正は急務だ
さて、憲法改正の話に戻ろう。
こんな事態を招いた時、日本政府の対応は極めて緩慢であった。
また華氏は、米国が率先して中国からの入国制限措置を強化したことなどについて「過剰反応だ」と改めて批判。「米政府は中国に実質的な支援を行わないばかりか、不断にパニックを拡散している」と不満をあらわにした。
「産経新聞」より
支那は批判しているが、アメリカの対応もかなり緩い。
米政府も新型コロナウイルスで「緊急事態」を宣言
2020/2/1
アメリカ政府は先月31日、新型コロナウイルスによる肺炎について、WHO=世界保健機関に続いて、「アメリカにおける公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
「本日、コロナウイルスについて米国における公衆衛生上の緊急事態を宣言します」(アザー厚生長官)
アメリカ政府は、14日以内に中国に滞在したことがある外国人の入国を原則として禁止し、アメリカ国民でも14日以内に湖北省を訪れた人は、帰国後、最大14日間、隔離状態に置かれます。
「TBSニュース」より
アメリカは「緊急事態」を宣言した上で、アメリカ人の支那への渡航禁止を通達している。
また、アメリカが武漢から帰国させたアメリカ人とその家族195人をカリフォルニア州オンタリオの米州兵基地に隔離したそうである。
中国で事業展開しているアマゾン・ドットコムやマイクロソフトも社員の中国出張を中止。中国全土に3000店舗を持つマクドナルドは湖北省の店舗を全店営業停止にした。中国各地に4100店舗を持つスターバックスも同省の店舗を営業停止した。
「JBpress」より
これは理に叶った措置であると、その様に思われる。
何故これが日本で出来ないのか?というと冒頭の話に繋がるのだが、日本では、緊急事態宣言を政府が出す法的根拠がない。「人権に配慮して」などと生温いことを言い、日本に帰国した武漢滞在の日本人に対して検査すら強要ができない。実際に、206人帰国したうちの2人が検査を拒否して自宅に帰ったと言うから、「何をやっているんだ」という話になる。
結局、この2人も検査を受け、陰性だったらしいので、今のところ批判は殆ど出ていない。しかし、本来こんな事があっては隔離の意味が無いのである。
緊急事態宣言を出して、政府が強権を発動することができれば、検査を強制することができただろう。
入国拒否を決めるも……
さて、日本政府はWHOの緊急事態宣言を受けて、武漢からの入国を禁止する方針を発表した。
入国拒否、8人に 湖北省以外に対象拡大も―新型肺炎
2020年02月03日18時06分
菅義偉官房長官は3日の記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎への対応で、日本への入国を拒否した外国人は2日までに8人に上ると発表した。水際対策を強化する政府内では、入国拒否の対象を中国湖北省から拡大する案が浮上。観光業など国内経済に与える影響を考慮し、慎重に判断する。
日本では1日から、新型ウイルスの感染者の入国を拒否。また、感染の有無にかかわらず、(1)過去14日以内に湖北省滞在歴がある外国人(2)湖北省発行の中国旅券所持者―の入国を禁止している。実際に拒否した外国人は1日時点の5人から3人増えた。
「時事通信」より
現在、入国拒否をされた方々が一体どんな理由で拒否されたのかはハッキリしない。しかし……、武漢肺炎患者の水際対策として、湖北省滞在歴のある外国人の排除や、湖北省発行の支那旅券所持者の入国を禁止したところで、既に支那全土に広がってしまっている武漢肺炎ウイルスの入国阻止ができるのか?といえば、まず無理だろう。
幸いにして、状況を見る限りは武漢肺炎ウイルスの感染力はそれほど深刻ではない可能性が高そうである。しかし、深刻な感染力を持つウイルスが発生した場合や、深刻な致命率を持つウイルスを阻止したい場合に、今の態勢では対応ができない事も露呈してしまった。
各国が、保健衛生上の緊急事態を発表する中で、日本だけが緩い対応でオリンピックに影響が出たとしたら、経済的にも影響はあるだろうが、寧ろ日本の信頼を損なう危険性が高い。
武漢肺炎が日本に蔓延してしまったとき、安倍政権が倒れるだけで済むはずもない。
憲法改正議論を加速せよ
「事は慎重に」というのは大変重要なことだが、しかし、それは「時間をかけて良い」という事では無い。
早急に憲法改正を目指さねばならない。
社説 [新型肺炎と改憲] 節操なさすぎるのでは
2020年2月2日 09:18
国民の不安に乗じた発言で不謹慎というほかない。発言を撤回し猛省を促したい。
中国湖北省武漢市で発生し感染拡大が続いている新型コロナウイルスによる肺炎に絡み、伊吹文明元衆院議長が憲法改正案の緊急事態条項の新設に結び付けた発言をした。
共同通信の配信によると、1月30日の党会合で「緊急事態に個人の権限をどう制限するか。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいいかもしれない」などと言及した。
「沖縄タイムス」より
苦笑を禁じ得ないが、支那共産党の出先広報機関と化している沖縄タイムスは、社説で発狂していた。
つまり、支那としても日本の憲法改正は困るというわけだ。
しかしこの様な反応があると言うことは、即ち憲法改正は急務だと言うことを意味している。
今、懸案となっているのは憲法9条の改正と、緊急事態条項の創設である。もはや、国防上この2つが無いことが国益を害することは明らかになってしまった。
これ以上対応できないという時間を延ばすべきではない。
コメント
政治には有事と平時がありますね。
憲法を改正し、非常時に対応できるには、ある程度の強制力も必要でしょう。
その時に何も出来ないのでは、国家が存在する意味がありません。
木霊様が仰る事は正当な考え方であると思います。
有事を想定して作ったのが自衛隊であります。
その自衛隊が有事に動けないようでは話にならない、なんてことが理解出来ないんでしょうかね?
平時、人権を大切にする国であっても、有事にあっては人権を制限してでも人命を優先すべきだと、僕は思うんですが。
今朝の投稿を「クルーズ船狂想曲」に間違ってしまいましたが、この「憲法に緊急事態条項を追加せよ!」記事への書き込みです。
失礼しました。
はい、丁寧にありがとうございます。