綱渡りの北朝鮮

北朝鮮

さて、「瀬戸際外交」等と言われた時期もあった北朝鮮ではあったが、韓国という外交チャンネルを失ってしまったこともあって、アメリカと交渉できないでいる。

今年だけで20発超、北朝鮮ミサイル「乱射」の理由

2019.11.2(土)

10月31日午後4時35分頃、北朝鮮が再び、西部の平安南道順川付近から、日本海へ向けて短距離弾道ミサイル2発を発射した。日本のEEZ(排他的経済水域)の外に落下したとはいえ、今年5月以降、すでに12回目で、計20発以上に上る。

「JBpress」より

この記事は去年の11月のモノである。

2019年10月31日に北朝鮮は短距離弾道ミサイル2発を発射した。しかし、それ以降その手の情報は届いていない。

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ミサイル発射は何のため?

ミサイル技術は中東へ輸出

イラクの記事でこんな話があった。

イランによる米軍拠点ミサイル攻撃 米兵のけが34人に

2020年1月25日 14時03分

1月8日にイランがアメリカ軍に対して弾道ミサイルによる攻撃を行ったことをめぐって、アメリカ国防総省は兵士のけが人の数が34人に増えたことを明らかにしました。トランプ政権は当初、死傷者はいないと発表しており、政権の対応を批判する声が出ています。

「NHKニュース」より

今年の1月8日にイランがイラクにあるアメリカ軍の軍事拠点にミサイルをぶち込んだ。当初、アメリカ軍の死傷者はいないというアナウンスがなされたが、その後に、脳震盪や頭痛、めまいなどの症状を訴えるアメリカ軍兵士がいて、病院に搬送されていることが分かった。

さて、この負傷者の存在も問題なのではあるが、それはさておき、その当時に解説されたニュースの中にこんなものがあった。

イランが米軍基地へ ミサイル発射「報復だ」

2020/1/8

アメリカ国防総省は声明を発表し、イランが十数発の弾道ミサイルをイラクに駐留するアメリカ軍などに対して発射したと明らかにしました。イラン側は、アメリカ軍が精鋭部隊の司令官を殺害したことへの報復だとしています。

~~略~~

「シャハブ3」は、北朝鮮のミサイル「ノドン」の技術を応用して開発されたとされる比較的古いタイプで、アメリカのメディアは、「射程や精密さの改良が目的ではないか」と分析していました。

「NHK 政治マガジン」より

イランが発射したミサイルは北朝鮮の技術が用いられているというのである。

ミサイル発射は、言わば展示会

北朝鮮にとってのミサイル発射は、アメリカへの牽制という意味合いを持つのだが、一方でもっと重要なポイントがあった。それが、ミサイル技術の進歩を、顧客に対して実際に検証してみせるということだ。

北朝鮮とイラン、その軍事協力の歴史をひも解く

2020年1月30日

2020年は北朝鮮とイランの話題で幕を開けたようなものである。1月1日には北朝鮮が、朝鮮労働党中央委員会第7期第5次総会で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験と核実験のモラトリアムをやめる決定をしたと発表した。米国と対立する姿勢に立ち戻ったのである。いつになるかは分からないが、北朝鮮がICBMの発射実験と核実験を再開する可能性が出てきた。

~~略~~

ジョージ・W・ブッシュ米大統領(当時)が、02年1月29日に一般教書演説で北朝鮮、イラン、イラクの3カ国を名指しで、大量破壊兵器を保有してテロリストと協力している「悪の枢軸」と批判したことはよく知られている。

「日経ビジネス」より

「悪の枢軸」呼ばわりされた、イラン、イラク、北朝鮮だが、イラクと北朝鮮との間には国交が無い。一方で、イランと北朝鮮との間の国交は回復されていて、軍事的な技術協力関係にあったといわれている。

その関係はロシアが協力しているという噂もある。

北朝鮮の核・ミサイル開発 イランに協力疑惑

2017/9/26付

米国との対立を深める北朝鮮とイランが、核・ミサイル開発で協力を続けているとの疑惑がくすぶっている。米欧の情報機関はイランが北朝鮮に多額の資金を提供し、同国の弾道ミサイルや核兵器の技術を得ているとの見方を強める。ロシアが協力を黙認しているとの観測もあり、米国は警戒を強めている。

「日本経済新聞」より

実際、北朝鮮のミサイル技術の飛躍的な向上は、単にミサイル発射実験の多さだけでは説明が付かず、材料の調達から、開発までロシア人技術者が関与しているとも言われている。ロシアは自国ではミサイル開発するだけの資金力を確保出来ないこともあって、他国にやらせたいという意向はあると思う。

北朝鮮の立ち位置は、絶好のポジションなのだ。

危機には見向きもしないロシア

しかし、ロシアは冷たい国だ。

プーチン大統領、「朝鮮半島情勢の解決を支援したい」 初の露朝首脳会談

2019年04月25日

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は25日、初の首脳会談に臨んだ。両首脳は開催地のロシア極東ウラジオストクに近いルスキー島で握手を交わし、両国の関係を強化していくことを確認した。

「BBC」より

去年、ロシアと北朝鮮との間で初の首脳会談が行われたが、わざわざロシアまで鉄道を使って移動したにも関わらず、お土産を持たされることもなく早々に帰国する羽目になった金正恩氏。

メディアによっては北朝鮮がプーチン氏によって袖にされた等と表現したところもある。

「助けて! プーチン」が袖にされた金正恩の哀れ

2019.4.27(土)

 4月25日、金正恩委員長とプーチン大統領の初顔合わせとなる露朝首脳会談が、ロシア東部ウラジオストクで行われた。プーチン大統領はその夜、中国・北京に向かって発った。同地で開催されている一帯一路フォーラムの会合に出席するためだ。

 他方、残された金正恩委員長は、そのままさらにウラジオストクで2泊し、27日に帰国の途につく予定だった。しかし、異変が起きた。首脳会談の翌26日午後、予定を前倒しして帰国してしまったのだ。

「JBpress」

その時何が起こったか?は想像するより他に無いが、金正恩氏の行動を見る限り、得られるものは殆ど無かったのだという理解で良いと思う。

金正恩氏が困ってロシアに頼ったというのに、耳障りの良い言葉耳ざわりの良い言葉は言ってもらえたが、その実ほぼゼロ回答だったのだ。無理も無い。

今さら支那に頼れない北朝鮮

叔父を機関銃による機銃掃射で処刑

もともと、金正日の時代から北朝鮮と支那との間には密接な関係があった。

金正日氏がロシア出身であると言う点を差し引いても、チュチェ思想の原形がロシアが採用して世界を席巻した共産主義にあり、独裁に都合の良いように書き換えてしまったのがチュチェ思想である。

その中身はまさに宗教的なのだが、敢えてそのように設計することで民衆のコントロールに利用しやすくしたのだと言われている。そしてその考え方は支那共産党が掲げる思想に近く、割と同族嫌悪的な関係にあるのでは?と、僕は疑っている。

ともあれ、北朝鮮で支那とのパイプ役を担っていた張成沢は、見せしめのようにして殺されてしまう(2013年12月)。「猟犬に喰わせた」と発表があったのも、そうした事を意識してのことだろう。

そして、ここに支那との決別を「表向き」は演出するわけである。

中国の習主席、北朝鮮に到着 G20直前に関係強化

2019年06月20日

中国の習近平国家主席が20日、公式訪問先の北朝鮮・平壌に到着した。2日間の訪問中、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談し、同国の核・ミサイル開発をめぐる問題や経済問題について意見を交わすとみられている。

「BBC」より

しかし、そう言っていられなくなった金正恩氏、支那に足繁く通った上、平壌に習近平氏を招いて厚遇した。流石にこれで両国間の関係が雪解けというわけにはならなかったが、「共通の敵はアメリカだ!」という意識は持てたのだと思う。

この時期、すでにアメリカと支那との貿易戦争は始まっていたからね。

貿易戦争で負け続ける支那

しかし、この関係改善も空しく、支那自身がアメリカに抵抗しきれなくなりつつあった。

何しろ、ガチで貿易戦争を仕掛けてきたのはアメリカで、アメリカは過去の事例を見ても「負ける」と思った戦争に手を出してはいない。

もちろん……、負け戦は何度もあるのだが、それは結果論であって、始める時はいつも「絶対に勝てる」と踏んでいた。

貿易戦争というステージでは、輸入量で勝るアメリカの「経済制裁」の前には支那は為す術も無かった。高い関税を課したところで、先手を打つほど強気になれず、後手に回って悪手を打つというスタンスが目立った。

公平に見るとアメリカもかなりのダメージを負っているのだが、アメリカはこの貿易戦争の目玉の部分を単なる関税とは考えていない。アメリカが最も死守すべきだと考えていたのは先進技術に関わる部分で、その象徴とも言えるGAFAの存在だった。これを脅かしている支那企業は徹底的に駆逐する方向で貿易戦争を仕掛けたのだから、そこが守れないのであれば、妥協は無かろうと思う。

去年の12月には、貿易戦争に「一息つけた」というアピールをアメリカも支那も出したのだが、アメリカ側jは殆ど譲歩しなかったのは記憶に新しい。

この貿易戦争でアメリカが勝利できるかどうかは、ハッキリとは分からないが状況的には支那は経済的に相当苦しい状況に追い込まれている。

コロナウイルス、中国経済に大打撃も 貿易戦争からの回復に暗雲

2020/01/28 11:30

中国経済は今年、10年前と比べて倍の規模に成長する見通しだが、新型コロナウイルスの拡大が迅速に止められなければ、経済成長には歯止めがかかるだろう。

中国は、ここ数カ月にわたり続けてきた景気刺激策に加え、米国と第1段階の貿易合意に至ったことで、貿易戦争の影響を乗り切ってきた。だが、今回の新型ウイルスが2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行に匹敵する危機となれば、その一時しのぎの効力は弱まるだろう。

「Forbes」より

僕は、Fobesほど支那経済を楽観視していなかったのだが、武漢肺炎の影響で確実に経済に悪影響が出るという意見には賛成である。

……というか、都市封鎖を長期間行えば、当然それなりの経済的ダメージはでるし、死者数が積み上がれば、混乱は避けられない。寧ろ、経済的ダメージがでないと予想する方がどうかしているというのが僕の感覚だ。

早期に支那との関係を遮断した北朝鮮

そして、その事を肌感覚で知っていたのが北朝鮮のようだ。

中朝の航空、鉄道全て停止 北朝鮮が新型肺炎対策

2020/1/31 12:41

北朝鮮当局は31日までに、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスへの対策として、中国と北朝鮮を結ぶ全ての航空便と列車を停止する措置を決めた。コリン・クルックス駐北朝鮮英国大使が30日、ツイッターで明らかにした。

「日本経済新聞」より

実は支那との関係遮断をいち早く決めたのが北朝鮮である。28日には貿易・観光を遮断。30日は航空機と列車も遮断した。

どのルートでも、北朝鮮に病気を持ち込ませない態勢は「潔さ」すら見えるのだが、そうしなければならないだけの事情が北朝鮮にはあるのだ。

<北朝鮮内部緊急インタビュー>新型肺炎に民衆は驚くべき無知無関心 未知の病気よりも貧困が大きな脅威

1/30(木) 14:19

中国から周辺国に拡散中の新型コロナ肺炎。北朝鮮国内では、どのような防疫体制を採り、住民たちは、この伝染病にどのような反応を見せているのか。筆者は、北朝鮮国内の複数の取材パートナーに情報収集を依頼、最新の状況について聞いた。

「yahooニュース」より

なかなか興味深い話だが、北朝鮮は人民に対して支那で渦巻く脅威について殆ど説明していない。

いや、説明はしているが困窮する人民はこの冬をどうやって越せるかの方で頭がいっぱいなのだという。こうした人民の反応は当然で、贅沢をしている中央の言いなりにならず、支那に逃げる人民も少なく無いと聞く。

「食えさえすれば、病気くらい」という状況なのだと想像される。こんな感じで、支那から病気を持ち込みかねない状況は整っているのだから、物理的に遮断せざるを得ない。

金正恩氏にとって人民の命よりも自分の命である。国内にそんな病気を持ち込まれたら治療する術は無いのだから、経済的な自殺を意味しようと、遮断するしか無いのである。

経済的自殺のリミットは?

北朝鮮のこの「止むに止まれぬ判断」だが、どれくらいの期間維持出来るものなのだろうか?

コレに関して面白い記事があったので紹介しておきたい。

金正恩印「温泉ツアー」の責め苦に悲鳴上げる北朝鮮の庶民

2020年01月29日 09:07

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは今月9日、スキー場、乗馬場などを併設したスパリゾート、平安南道(ピョンアンナムド)の陽徳(ヤンドク)温泉文化休養地が翌10日にオープンすると報じた。

それ以降、各国営メディアは陽徳温泉文化休養地のPRを行っている。9日付の平壌新聞は、「特色ある人民奉仕基地、陽徳温泉文化休養地奉仕案内」というタイトルの全面広告を掲載した。8178番に電話し、平壌高麗国際旅行社でツアー日程を調べればよい、平壌発の専用列車や、馬息嶺(マシンリョン)スキー場行きのバスでアクセスできるといった内容だ。

「BLOGOS」より

凄い内容だが、この時期にこの英断というのは、どうなんだろう?流石に中止されたのだろうか??

元々は中国人観光客を多数誘致する目論見で建設されたこの温泉リゾートだが、中国・丹東の旅行会社関係者によると、中国人観光客は全く訪れていないという。今のところ、海外から陽徳を訪れるツアーは企画されていない。また、他の外国人が多く利用する北朝鮮専門旅行会社各社も、陽徳ツアーの販売を始めていない模様だ。

中国の吉林省延吉の住民は、現地の旅行会社は同じ温泉でも、延吉から近い咸鏡北道(ハムギョンブクト)の鏡城(キョンソン)温泉を訪れるツアーを販売しているが、陽徳を訪れるツアーは販売していない。延吉から訪れるに、陽徳は交通の便が悪いからだ。

「BLOGOS」より

その動向は分かってはいないが、もともと支那人向けの観光スポットとして設計されたにもかかわらず、交通の便が悪いと利用されていなかった。そこに武漢肺炎で観光遮断ということなので、どうなったのかは非常に気になる。

何れにしてもこの手の施設を、お金をかけて作らねば経済が回らないと判断する程度には、支那依存は進んでいたのだ。それを断ち切ったことで「自殺」に繋がるという評価は多分正しい。

ではどの程度体制維持ができるのか?多分、この冬が乗り切れるかどうかにかかっているが、乗り切れない可能性が高そうなので、国連辺りに声高に訴えるかも知れない。

北朝鮮が韓国を頼りだしたら多分、リミットだろうと思う。そこまで金正恩氏はムン君を嫌っている。

親族集結

こうした「失敗」がどのように影響するのか?は気になるところだが、北朝鮮関係でもう一つ気になるニュースが。

正恩氏の叔母、6年ぶりに同席 処刑された張成沢氏の妻

2020年1月28日 19時01分

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の叔母で、6年以上にわたって動静が伝えられていなかった金敬姫(キムギョンヒ)氏が健在であることが確認された。正恩氏が鑑賞した25日の旧正月の記念公演に敬姫氏が同席したと、朝鮮中央通信が26日付の記事で報じた。

「朝日新聞」より

白頭血統を引く叔母の金敬姫氏と、一緒に正月記念公演を鑑賞する姿が目撃されたというのだ。6年ぶりの彼女の目撃というのもニュース性は高いが、並んで座っているところを撮されたことにも意味はあるだろう。

北朝鮮では最高指導者の直系を「白頭血統」と呼んで絶対視する。韓国のシンクタンク世宗研究所の鄭成長・研究企画本部長は「張成沢氏と正恩氏の兄の正男氏が殺された後の一族不和というイメージを刷新し、結束を国内外に示して体制を固める狙いがあるのではないか」とみている。

「朝日新聞」より

現在、金正恩氏の健康不安が囁かれているが、「新年の辞」が無かったことが、健康不安説に拍車をかけたといわれている。

支那との関係遮断も健康不安説を補強する材料になるだろう。

こうした不安材料が積み重なっている北朝鮮で心配されているのがクーデターなのだが、そもそも北朝鮮ではクーデターは非常に起きにくい状況であると言われている。何故ならば、金正恩氏を批判する者は全て粛清されるからだ。

北朝鮮 金正恩委員長“叔父2人”を帰国させたクーデター兆候

2019年11月29日 09:00

北朝鮮の金正恩党委員長(以下、正恩氏)が、いよいよ追い詰められてきた。11月15日、父である金正日総書記(以下、正日氏)の偉業だった金剛山観光の共同事業者である韓国に対して、「撤去措置を断行する」との最後通告を行った。これは、正日氏の業績を否定したとも取られかねない言動だ。

~~略~~

そんな折、正恩氏の叔父である金平日チェコ大使(以下、平日氏)と金光燮オーストリア大使(以下、光燮氏)が11月末に職務を終え、北朝鮮に帰国することが判明した。

「exciteニュース」より

端から見れば不安要素に見えるのだが、叔母の金敬姫氏の件も合わせて考えると、相当追い詰められている状況が浮かび上がってくる。

支那と距離を置く判断は、多分、状況から見ると正しいと思うのだが、長期的にはかなり不味い判断になり得る事は容易に予想できる。特に「外」を知っている大使の経験のある叔父達には、北朝鮮の内情がどう映るのやら。

「顔面を真っ赤にして激怒」金正恩氏、国内ナンバー2を処刑か

1/31(金) 6:02

韓国紙・東亜日報の敏腕記者で、脱北者でもあるチュ・ソンハ氏が自身のブログで、かつて北朝鮮の「ナンバー2」と見られていた黄炳瑞(ファン・ビョンソ)元軍総政治局長が処刑された可能性が高いと伝えている。

「yahooニュース」より

ちょっと幹部を粛清しすぎて手駒が足りなくなっているのかも知れない。そうだとすると、末期症状かなぁ。

瀬戸際の北朝鮮

かつては外交的に瀬戸際戦術を得意としたが

現状で、支那、ロシア、イランと、殆どの国が頼れないような状況にある。

ここで「日本」というカードが切れないのが、金正恩氏の辛いところだ。彼の母親は在日朝鮮人なので、「白頭血統」が疑わしいことを突かれるワケにはいかない。多分、これまでの状況を見ていると封じ手としているのだろう。

もちろん、日本に対して裏から接触を図ろうとする組織は沢山あるようで、そこから日本側が情報収集を行っている実態はあるようなのだが、公に会談をし、支援を頼むには分が悪すぎる。

また、韓国に対しては強い嫌悪感と不信感を抱いているため、状況から考えても頼るのは最後の手だと思われる。そうだとすると、北朝鮮はどこを頼るのだろうか?案外、アメリカ辺りにしっぽを振る事を考えているかも知れない。

それができる度量があれば、金正恩氏はまだ救いがあるのだが、しかしその条件となる核開発に関しては放棄する気が無いと明言した。

北朝鮮、核開発中止の撤回発表 米国の制裁継続に「新たな道」も

2020年1月22日(水)08時00分

北朝鮮は21日、米国が米朝非核化協議の期限を無視したとし、核実験や大陸間弾道ミサイルの発射を中止する約束にもはや縛られる必要はないと表明した。「新たな道」を模索する可能性にも言及した。

「Newsweek」より

八方塞がりだな!

内部暴発のリスクは高まっていると、僕は分析しているのだが、多分その暴発が起こった時には凄惨な結果となるだろう。北朝鮮の崩壊は案外近いのかも知れない。

ただ、昨日の韓国に対する分析も、北朝鮮に対する分析も、支那における武漢肺炎のダメージの大きさを「相当程度高く見積もっている」という前提に基づくものである。

そもそも支那当局の発表など信じてはいないが、あの程度の被害として押さえ込むことに成功すれば(それは表向きでかまわない)、案外、支那は持ちこたえて、朝鮮半島の安定を脅かす事も無いかも知れない。

アメリカのリスク分析

さて、もう一つだけ心配材料を。

米軍、特殊作戦機に続き「ラプター」4機も韓半島付近に配備

2020/01/30 09:40

米国アラスカ州の空軍基地に所属するステルス戦闘機F22「ラプター」4機が最近、在日米軍横田基地に派遣されたことが29日までに分かった。アラスカのF22は有事の際、韓半島に展開する戦力だ。米軍の特殊作戦機が韓半島付近で相次いで作戦に乗り出し、最新鋭無人偵察機(MQ4C)が第7艦隊に配備されたのに続いて、F22まで飛来したのだ。北朝鮮で特異動向が感知されたからではないか、という見方が持ち上がっている。

~~略~~

 米統合参謀本部は、大規模な韓米合同演習の廃止・縮小の後も、在韓米軍は過去の訓練の88%をそのまま遂行してきたことを明かした。28日(現地時間)、米国連邦議会下院軍事委員会が開催した韓半島の安全保障の状況に関する聴聞会で、統合参謀本部J5(戦略計画・施策部門、第5部)のデビッド・アルビン部長(空軍中将)は「米朝対話が決裂し北朝鮮が挑発を予告している状況で、訓練を再開するのか」という質問に対し「昨年だけでも200回以上の訓練があった」としつつ、このように答弁した。アルビン部長は「(トランプ)大統領が2018年6月に特定の大規模演習を中断すると決定して以降、273回の訓練を行った」と説明した。

「朝鮮日報」より

アメリカの虎の子ラプターを4機配備というニュースが出てきたが、これ、わざわざ韓国メディアに報じさせて北朝鮮に読ませている可能性が高い。

アメリカの牽制だという風に採れるのだが、果たしてこれがどんな結果を招くのか。

武漢肺炎は心配しなければならないが、波及する影響力は、単に健康面だけの話と割り切るには、色々と動きが大きすぎる。

コメント

  1. >耳障りの良い言葉
    すみません、脱力して膝から崩れ落ちました。
    内容が云々以前に…
    「耳に心地よい言葉」あたりが穏当かと。
    百億万歩譲っても、「耳触りの良い」でお願いします。

    • 指摘ありがとうございます。
      修正させて頂きました。

  2. 木霊さん、おはようございます。

    >イランと北朝鮮との間の国交は回復されていて、軍事的な技術協力関係にあったといわれている。
    >その関係はロシアが協力しているという噂もある。

    狡猾なロシア・プーチンですから裏で糸を引いていても不思議じゃありません。
    対アメリカでは経済・軍事力・同盟力全てで圧倒的に不利...、ならばアメリカが手を焼きそうな嫌がらせ戦術で足を引っ張り、ロシアにとって有為な国(反米国家)に規模の差はあれど様々な援助を行っていると思います。

    >実際、北朝鮮のミサイル技術の飛躍的な向上は、単にミサイル発射実験の多さだけでは説明が付かず、材料の調達から、開発までロシア人技術者が関与しているとも言われている。ロシアは自国ではミサイル開発するだけの資金力を確保出来ないこともあって、他国にやらせたいという意向はあると思う。
    >北朝鮮の立ち位置は、絶好のポジションなのだ。

    なるほど、反米国にミサイルを売れるビジネスモデルとしてすでに成立しているんでしょうか?
    北朝鮮はまさに絶好のサンプル実験会社としてロシアにとっては好都合なんでしょう。
    去年乱発したイスカンデル等はイランはもちろん、イエメン・フーシー派・他のテロ組織なんかにはお手頃かもしれませんしね。
    イスラエル・サウジアラビア・UAE等はとっては脅威になりますし、もし核搭載が可能になったら中東は大パニックでしょう。

    >去年、ロシアと北朝鮮との間で初の首脳会談が行われたが、わざわざロシアまで鉄道を使って移動したにも関わらず、お土産を持たされることもなく早々に帰国する羽目になった金正恩氏。
    >メディアによっては北朝鮮がプーチン氏によって袖にされた等と表現したところもある。

    したたかで北朝鮮の足元を見透かしたロシアらしい手なづけ方...、言葉だけで言質も与えずそして金は掛けないって事ですか。
    ロシア革命で旧ソ連共産党一党独裁となって以降、絶対に信用してはいけない国って事は間違いないですね。

    >内部暴発のリスクは高まっていると、僕は分析しているのだが、多分その暴発が起こった時には凄惨な結果となるだろう。北朝鮮の崩壊は案外近いのかも知れない。

    最も恐れるのが自暴自棄による暴発ですね。
    これまで大量の幹部を粛清してきていますが、その軍事的な基準は何なんでしょう?
    核・ICBM配備を推す強硬派を除く、比較的穏健で政権に不満を持つ融和派が中心なんでしょうか。
    ここらへんの事情がイマイチ判らないのですが、強硬派だけが残っているとしたら金豚クンにとって良い事づくめとは言えず、ある意味ジレンマになってしまっているのかも。

    >アメリカの虎の子ラプターを4機配備というニュースが出てきたが、これ、わざわざ韓国メディアに報じさせて北朝鮮に読ませている可能性が高い。

    F-22だけに限らず貴重な戦略偵察機群も嘉手納に勢揃いしています。(沖縄旅行で嘉手納を遠くから観たんですが、その現物が整然堂々と並んでいました)

    イラン司令官爆殺の正確さを見て感じたんですが、アメリカの偵察衛星・無人機の攻撃力は確かで、金豚斬首作戦だけなら精緻な内部情報リークさえあれば可能と考えます。(影武者が何十人いようと本人が動くスケジュールさえ判ればいい)
    しかし、斬首だけでミサイルと核施設を残してしまった時に、強硬派がどう出るか今のところ読めません。
    やっぱり、ある程度のサージカル・アタックで反撃能力壊滅とのセットになるのでしょうかねェ~。

    >北朝鮮はどこを頼るのだろうか?案外、アメリカ辺りにしっぽを振る事を考えているかも知れない。

    アメリカと軍部強硬派が「金政権排除・その後アメリカ中心の支援取り付け」という、出来レースで仕組む可能性もあるんじゃないかなァ~?
    支那が安易にチョッカイ出せない状況下でもありますからね。

    いずれにせよ朝鮮半島の動向は不気味です。

    • ロシアも経済的に苦しい立ち位置ですから、金になることならなんでもやるぜ!というスタンスでいるのかも知れません。
      特に、最先端で無い技術を売り渡して金を稼いでいるようなんですが、この状況を続けることはかなり無理があります。

      ただ、肝心の北朝鮮がアメリカに対する噛みつき方を間違えたために、このまま続けるのはなかなか苦しい感じのような気がします。
      どうするのかさっぱり予想ができませんが、ミサイル戦略もそろそろ限界に来ていて、核戦略もイマイチです。
      果たしてどうなることやら。
      どんな戦略を採ってくるかは、興味深いところですが、サイバー関連の技術をもっと発展させてくるのかもしれません。

  3. こんにちは。

    金正恩氏は正男氏を暗殺する一手や核開発の見せ方なんかはとても戦略的で上手いなと考えてましたが昨今の舵取りがうまくいかないのかもしれませんね。
    ブレーンなんかも粛清しまくってるのかも。
    最近は暗号通貨強奪なんかのニュースもあまり聞きませんし。

    ロシアもガスパイプラインを韓国や日本に引くのに北朝鮮が邪魔になってきたのかも。

    • そうですねぇ。
      外交面ではかなり見事な手腕を見せていた気がする北朝鮮ですが、ここ1~2年ばかりどうにも上手く回っていない気がします。
      金正恩氏が表に出てきたのが失敗だったのかも知れませんね。