男性の育児休暇報道を疑問に思う

政策

昨今、「イクメン」とか騒がれているが、非常に違和感を感じることがある。この育児休暇のニュースもそんな感じの疑問を抱いた。

全国の自治体トップに書簡 男性の育児休業促進求める 総務相

2020年1月24日 13時15分

地方自治体の男性職員の育児休業の取得率が5.6%にとどまっていることから、高市総務大臣は全国の都道府県知事と市区町村長に書簡を送り、トップのリーダーシップによって取得を進めるよう求めました。

「NHKニュース」より

何がやりたいの?

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育休って何?

そもそも育休は条約に基づく

共働きの家庭が増えているために起きうる問題ではあるようで、この問題が提起されて関連する条約が採択されたのは1979年の事である。女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW)というのがその条約で、略称を女子差別撤廃条約というそうな。

育休はその中に定められていて、育児休暇の取得による雇用と差別を禁止することとなっている。

日本でも1991年に育児介護休業法が定められていて、子供が1歳に達するまでの間に取得できる休暇で、男女の別を問わない法律構成になっている。

何日休んで良いのか?ということについては法律で定められていないようだし、その時期についても3歳未満くらいまでで取得するケースがあるらしい。そして、育児休業給付制度によって、休業中も通常の半分くらいまでの賃金が支給されることになっている。

とりたい人は勝手にとれば良いのである。

こういう指摘をすると、「とりたくても取れない人がいる」「労働環境が問題だ」といわれる人がいると思う。それは事実なのだが、先ずは知らねば話にならない。少なくとも法律的には育児休暇は男性も取得が可能だ。そして、使用者側はそれを拒めない。尤も、労働者側の立場が弱いために、実現が難しいケースがあることは重々承知しているが。

育休を推奨する

では、実際にこうした法律構成になっていても、社会通念上、簡単に育休を取得するようなことになっていないのは何なのか?という議論をしよう。

実態として、育児休暇というのは女性も男性も取得率は低い。

書簡では地方自治体の男性職員の育児休業の取得率は5.6%で、国家公務員や民間企業に比べて低い状況にあることを指摘したうえで、「こうした状況の打開にはトップのリーダーシップが極めて重要である」としています。

「NHKニュース」より

比較的に育休が取得しやすい行政の職員でも、地方自治体の男性職員では5.6%であるという。

それでも個人的にはかなりとっているな、という印象だけれども。

知事、男性育休100%宣言 県職員の取得促進さらに

2020年1月24日

 鈴木英敬知事は二十三日、県の男性職員全員の育児休業・休暇の取得を目指すとする「男性育休100%宣言」をした。県内の民間企業にも、男性の育休取得促進を働き掛ける。

「中日新聞」より

だが、いくらなんでも100%目指すってやり過ぎだろう。

そもそも、男性が育休取得して何をやるのさ?

育休を取得して何をするのか?

国会議員が育休を取ると言ってニュースになっていたが、不倫したアホもいたな。

不倫疑惑のち育休宣言、進次郎環境相は「疑惑のお父さん」 壇蜜、サンジャポ出演

2020年1月19日 13時55分

 タレント壇蜜(39)が19日、TBSテレビ系の「サンデー・ジャポン」に出演し、小泉進次郎環境相(38)の政治資金使った既婚者との不倫疑惑に続く「育休取得宣言」について、「あまりにもタイミングが悪い。疑惑のお父さんになっている」と述べた。

「中日スポーツ」より

不倫疑惑が持ち上がった小泉進次郎氏も揶揄されていたが、前例があるから仕方が無い。

“育休宣言第1号”の宮崎謙介氏 先輩議員からは「一生休んでろ」

1/16(木) 11:17配信

議員時代に「育休取得」を宣言した宮崎謙介氏が16日、フジテレビ系「とくダネ!」に生出演。育休を宣言した当時にあった先輩議員からの驚きのバッシングについて明かした。

宮崎氏は国会議員時代の16年に育休取得を宣言したものの、週刊文春に不倫疑惑を報じられ、議員辞職した経緯がある。宮崎氏は「(育休は)取ってないです。宣言で辞職しましたから。複雑なことありまして」と苦笑し「(育休)宣言第一号です」と改めて説明した。

「yahooニュース」より

驚きのバッシングと報じられているが、正直、それだけの事をしたのである。

育休を取得して、「好き勝手やって良い」という事にはならない。育休の取得が認められているのは、あくまでも育児をするための休暇を取得するということなのだ。

女性が育休を取得して「何をしていたか」という話

では、育児休暇を取得した人は一体何をしているのか?

例えば、女性の育休中の過ごし方はどうなのだろう。

気になる育休中の過ごし方。最近、育休中にキャリアアップのための講座に通う人がメディアでよく紹介されているため、「何にもしないうちに育休が終わってしまった!」と焦る方も多いかもしれません。今回のアンケートでも「認定病児保育スペシャリスト」「小学校英語指導者資格」「FP」などを勉強した人もいらっしゃいましたが、全体で見ると「勉強した」「資格を取った」という人は少数派でした。

一方で、「お稽古に通った」という人は多数! 特に、ベビーヨガやベビースイミングなどのベビーと一緒にできるお稽古が人気で、その他、カメラ教室やスクラップブッキングクラスなど、単発のワークショップに通うママが目立ちました。区の集まりや児童館や地元の子育てサロンに積極的に行き、そこで出会ったママ友と一緒にお稽古に通ってランチへ…… というのがお決まりのパターンのよう。ママ友については「同じくらいの月齢の子を持つママと心配事を話し合ったり、少し上の月齢の子がいるママの話を聞いて参考にしたりと心強かった」と、一緒に悩みやイベントを共有できる友人ができたことに肯定的な意見が多かったです。

「laxic」より

幾つかサイトを見て回ったが、自分のための休暇、という人も少なくは無いようだ。

ただ、そうはいっても乳幼児の育児というのは非常に体力的にも精神的にも負担がかかるものであるから、適度な息抜きは大切だし、同じ悩みを共有できる仲間を見つけることも大切な仕事といえる。

だから、自分のためだけに時間を使うことを否定する積もりは無いのだけれども、記事の中に出てくる「カメラ教室」に通ったり、「お稽古」って……、その間は子供どうしているのさ?

一時的に、両親や親族に面倒を見て貰って、息抜きというのは悪いことでは無いかも知れないけれど、何というか、それを育休中にしなければならないのかがよく分からない。

女性の育児休暇取得事情

そして、女性の育休取得率は8割に上るというニュースが見受けられるが、この数字もちょっとオカシイ。何故ならば、約5割の女性が第一子出産時に離職しているというデータがあるのだ。

fig2-4-3

この数字通りだとすると、女性の産休取得率は4割程度だということになるんじゃないだろうか?

だとすると、むしろ育休をとった女性が同じ職場に復帰しやすい環境を作るか、或いは育児を終えた女性が再び仕事に就ける環境を整備すべきなんじゃないかな。

また、育休を必要としない女性もいるということを、理解する必要があるし、育休を取得しなくても仕事を継続できるような環境構築の方が大切なんじゃないかな。

前提として、生まれたばかりの子供を他人に預けられない、預けるのが嫌、という人が育児休暇を取得している。そうした考えの人が大半で、1年程度育児に専念する、という選択をとる人が多い。

僕の知る限り、「保育園に入れるまでは」ということで、離職する人も少なく無い。一方で、5年間で3度も育児休暇をとった教員もいるそうで。人それぞれライフプランはあるとは思うが、そんな無茶をやられると雇用側もちょっと苦笑いだろう。

女性は男性の育休取得に何を思うか?

男性が好き勝手やっていい期間ではない

小泉進次郎氏や宮崎謙介氏が不倫をしてヘラヘラしているというのは、そういう観点から見ても批難されるべき話だろう。

育休をとって何やってるの?という話である。 あ、小泉氏はまだ「疑惑」の段階のようだが。

とはいえ、こうしたおかしな人々を代表ケースとして考えるのもどうかと思うので、一般の方に関する意見を参考にしてみる。

男性の育児休業をどう思いますか。取る人が増えている一方、取得を申し出ると上司から「昇格させにくくなる」と言われたり、同僚から「人手不足なのに」「何で取るの」と責められたりすることもあるようです。

「中国新聞」より

その多くは職場環境によって育休を取得すると不利益を被る可能性が高いという点でネガティブな意見が多い様だ。

小泉進次郎氏の育休、「中途半端」が75% 子育て中の女性が“ちょうどいい”と思う長さは?

2020年01月21日 16時30分

動画メディア「mama+(ママタス)」を運営するC Channelが子育て中の女性に実施したアンケート調査によると、小泉進次郎環境相が取得を表明している「2週間の育児休暇」について、「中途半端」と考える人が75%を占めた。育休取得に対しては「賛成」という意見が多数だったものの、休暇期間の短さに問題を感じる人が多かった。

「ITメディア」より

基本的には女性も男性の育児休暇取得には賛成の立場のようではあるが、職種によっては休むことによって不利益を産んでしまうケースもある。

また、多売薄利でカツカツで回しているような企業にとって、働き手に休まれ、更に給料まで支払わねばならないというのは大きな打撃となるだろう。それによって会社が潰れてしまったら、育休を取得したら復帰するべき会社がナイ、なんてことにもなりかねない。

つまり、現状では男性の育休取得というのは、恵まれた環境で働いている人に限定で実施できる制度という事になる。

何が目的で育休は設定されているのか

そもそもこの話、目的と手段が逆転しているのだ。

必要な事は、男性の育休取得率を増やすのが目的ではない。

男性国家公務員の育休1カ月以上促進 首相指示

2019/11/1 11:00

安倍晋三首相は1日、男性国家公務員による育児休業の取得を促す制度の検討を武田良太行政改革相に指示した。政府は原則として1カ月以上、育休を取れる具体策を年内にもまとめ、2020年度の実施をめざす。職場ごとに仕事の分担などの計画をつくり、管理職の人事評価に反映する案を軸とする。

「日本経済新聞」より

安倍氏もトンチンカンな指示を出しているようだが、期間の長さが問題でも無いのだ。

厚生労働省の調査によると、民間の男性の取得率は6.16%(18年度)で国家公務員に比べ低い。菅義偉官房長官は記者会見で「男性の育休取得は男性の育児参加、女性活躍、少子化対策の観点から極めて重要で、安倍政権が進める全世代型社会保障の実現へ不可欠だ」と説明した。

「日本経済新聞」より

女性活躍がどうとか、少子化対策がどうとか言っているが、そもそも生物学的に見ても男性は育児に向いていない。オスが育児に参加する生物の方が少数派なのである。

女性が早期に職場に復帰するために、母親の育休が終わった後、父親が育休を取得するというようなスタイルはアリなのかも知れないが、しかしそれでは家事が回らないケースの方が圧倒的に多い。

寧ろ、職場の近くや職場の中に子供を預かって貰える施設を作る事を支援したり、職場に出られなくても仕事が出来るような環境を支援したりする方が、メリットが多いのでは無いか?という気はしているんだ。

……というよりも、経済を好転させれば大抵のことは解決するんじゃないかな?と思う。少子化が問題なのであれば、3人以上産んだら1000万円プレゼントとか、そういった極端な政策をやれば、「じゃあ、もう一人」という話になるだろう。背中を押してあげるだけで、もう一人欲しいと思う人は少なく無い。

一方で、育児にかかるお金というのは、相応にかかるのである。残念ながらそこには損得勘定もあるワケで、そこを刺激して、寧ろもっと働いて貰うような方向に働きかけた方が良いと思うんだ。単に「休暇取れ」では、効果ないと思うよ。

コメント

  1. 一部の女性や男性また政治家は育児休暇を「育児に必要な知識や技能の取得また赤ちゃんを育児する期間」なのにもか変わらず、「赤ちゃんを産むまたは産んだことによる休暇」と勘違いしていますね。
    また、女性の中には子供を産んだまた育てていることをいいことに何やっても許されると勘違いしている人もいます。
    うちの職場では、子供を育てているというだけで、エラはってる人もいますし、何かにつけてマタハラだとかセクハラだとか喚いている人もいます。

    • 育児に対して正しい情報を得る、というのは意外に骨であったような気がします。
      僕自身も子育ての真っ最中ではありますが、「何が正解なのか」というのは、常に悩ましいく思っています。

  2. オスとメスに明確な役割分担があるのは自然界を見れば一目瞭然。
    人間は別とか言っていると、間違いなく生物学的に淘汰されると思う。
    その役割分担は「男女差別」ではなく自然界で生き抜いていくための「区別」なのであって、あまねく生き物はこの法則に逆らう事はかなわない。
    と、私は思う。

    • 追伸
      男女は全て同じと言うなら、スポーツでも同じにするべき。
      そこには男女差があると言うのは詭弁でしかない。
      つまり、そもそも男女差は厳に存在し、そこをお互い認めあって社会を構成するのが良いのではないかと思う今日この頃。

    • 男と女で得意、不得意の傾向は出てきますから、性別である程度判断するというのは理に叶っていると思うんですけどね。
      昨今は、なんでも「差別」を叫べば利益になると思って居る人も結構いるらしく、困ったものです。

  3. 育児休暇...、この言葉自体に激烈&家庭を犠牲にしてきた元企業戦士として僕はずっと白々しい違和感を持っています。

    まず、育休を取って現実的に男が何をできるのか? 自分の事として考えればわかるシンプルな話じゃないかなァ~。
    24時間家事がまったくダメな男が家いても余計な子供が増えるだけで(苦笑)、奥さんに大きな負担を掛けるかもですからね。(下手すれば子供だけでなく大の大人の朝昼晩の食事の世話までしなきゃならない)

    だから「育児休暇」ではなく、「育児対応勤務→育児定時帰宅」って発想はないのかなのかなァ~。
    日々のお風呂タイム・オムツ交換タイム・食器後片付けタイム・子供寝かしつけタイム・洗濯タイム...、育児で奥さんが大変な時に定時に帰宅していれば、これらの家事大半は男でも対応可能と思いますけどね。(もちろん、サボりでダメな奴だっているでしょうけど、それは自己責任)

    普通の感性を持った男なら早めの帰宅でゆったりした時刻に、子供をお風呂に入れるだけで至極の幸福感を得られると思いますよ。

    私事ながら半年後に4人目の孫の誕生を控えていますが、義理の娘は二人目の出産となり2歳前の長女の世話を含めて、実家の私たちを頼って里帰りしてくれるようです。(嬉しい話)
    出産前後のわずか2ヵ月ちょっとでしょうけど、僕も奥さんも今からその準備の話ばかり...。

    いうまでもなく人類共通で「子は宝」です...、そしてその子達は3歳位までには親はもちろん周囲の大人達に、かけがえのない至福を全てもたらしてくれる愛おしい存在。

    身内の子や孫に限らず身近にいる全ての子供達の為に、少なくとも小学生就学までは僕達大人が知恵と力を絞って守りたいと思っています。
    政府はもっと日本人の根底にある力を信じて、地域主体の子育てに傾注すべきと考えます。

    個々ではささやかではあるけど強い志を持った、元気で善良な市井の人達は沢山いると思いますよ。