5G網全国整備費用を国民に負担させる判断はアリか?

政策

この話、拒否反応を示す人も多い様で。

総務省が光回線維持で負担金制度検討 5G網全国整備へ、2020年代半ばにも

2020.1.20 20:49

総務省が第5世代(5G)移動通信システムの基盤である光ファイバー回線を全国的に維持する負担金制度をつくる検討をしていることが20日、分かった。高速インターネットの利用環境を全国各地で維持するため、2020年代半ばにもネット利用者から広く薄く徴収して、不採算地域に光回線を持つ事業者に交付金を出し、回線の補修や更新に充てることができるようにする方向で調整する。

「iZa」より

この話を聞いて真っ先に思い出したのがNHKの存在である。

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NHKは半官半民

やっている事は暴力団のみかじめ料徴収

日本放送協会NHKの在り方は、現在かなり懐疑的に見る人も増えてきていて、僕もNHKの今の在り方に疑念を持つ一人ではある。

しかし、そもそもNHKは放送法に基づく特殊法人として設立されており、法に守られた存在でもある。しかしその巨大な資金力を背景にして、深刻な民業圧迫を行っている点も指摘されている。

何しろ、NHKという組織は全国津々浦々に支部を持ち、受信料という名目で国民からお金を集めている存在である。税金なら未だしも、受信料の徴収の根拠は、放送法64条に基づくものである。もちろん、放送法64条を根拠にするためには、NHKが放送法1条の理念に基づいて運営されていなければならない。

(目的) 第一条  この法律は、次に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。 一  放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。 二  放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。 三  放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

「放送法」より

放送法第一条には、「放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図る」ことを目的にする事が定められ、「放送が国民に最大限に普及」「その効果をもたらすことを保障」することや、「放送の不偏不党」「真実及び自立を保障」すること「放送による表現の自由を確保」すること、が定められている。

……守れていないよね?

つまり、NHKは運営される前提が崩壊している状況にあり、したがって、受信料の徴収も前提が崩れている以上は、これを実施することが適当では無い。法的根拠が怪しくなっても無理矢理に受信料を集めようというスタイルは、もはや暴力団も真っ青である。

……「NHKをぶっ壊す」と気勢を上げていた「NHKから国民を守る党」は、その設立目的を果たせずに迷走しているが、このフレーズがそれなりに知名度を持ち、支持を集める程度にはNHKの存在が問題視はされていると思う。

元々は放送の普及という大きな目的があった

しかし、現在の在り方は問題視されているけれども、NHK設立当初にはそれなりの意義があり、実際に放送の普及に貢献してきたのも事実である。

こうした放送の普及は、テレビの普及を促進し、テレビの普及によって民間テレビ会社の存在意義が産まれた。テレビでCMを流すことで、民間テレビ局はその企業からお金を貰うというビジネスモデルが成り立っている。しかし、これは日本の各家庭にテレビが備えられているからこそ、成立するのであって、テレビが遍く普及していなければ、

そして、その目的が達せられた今、NHKの在り方を問い直すこともまた、当然であると言えよう。

NHK契約者情報を悪用か 窃盗容疑、委託会社の社長逮捕―愛知

2019年11月08日21時04分

 NHK名古屋放送局(名古屋市)は8日、放送受信契約の情報を悪用した窃盗事件が発生した疑いがあると発表した。業務委託した会社の社長が愛知県警に逮捕され、NHKは「捜査に協力している。視聴者に迷惑と心配を掛け、大変申し訳ない」などとするコメントを発表した。

「時事通信」より

ちょっと前にはこんな事件もあって、NHKの受信料を徴収するシステムが悪用されており、これに対してNHKが謝罪したと言うことは無かった。NHK名古屋放送局が「大変申し訳ない」と謝罪した程度である。殆どニュースにも取り上げられなかったね。

こうした事件には暇が無い事実も、在り方を問われる必要性を高めていると言って良いだろう。

高速通信回線の普及

5G普及は……

さて、そろそろ5Gの話に戻していこう。

そもそも、現在のスマホなどの通信環境を考えると、4Gで十分に快適であると言える。

5Gとは?

「5G」とは第五世代移動通信システムの略称で、携帯電話などの通信に用いられる次世代通信規格のひとつです。Gとは「Generation」の頭文字をとったものであり、5世代目であることを表しています。

~~略~~

ビッグデータとAI、IoTなどを活用してSociety 5.0を実現することによって、自動車や自操する機械などの自動運転技術の実現や少子高齢化の問題、経済的格差の是正など多くの社会問題を解決できると期待されています。5GはまさにこのSociety 5.0を実現するうえで必要不可欠なテクノロジーです。

「KDDIサイト」より

しかしながら5Gでは4Gで出来なかった、「超高速」「超大容量」「超大量接続」「超低遅延」の通信が行えることがキモであり、これの実現によって今まで不可能だったリアルタイム双方向通信というのが可能となるといわれている。

そして、その普及で恩恵を受けるのは、例えば自動運転や遠隔地からの手術など遅延やデータの切断が起きると大きな事故に繋がるような分野であり、国民ももちろんその恩恵を受けられる。

早期の普及は死活問題

ただ、そうした自動運転などの技術もまだまだ課題があって、急ぐ必要性を感じないという人も割と多い様に思う。

総務省は今春にも有識者会議を立ち上げ、議論に着手する方向だ。光回線維持のための交付金は、光回線に接続する携帯電話事業者などが負担し、利用者の月額料金に上乗せして徴収されるもようで、利用者には新たな負担が生じることになりそうだ。

政府はNTT東日本や西日本、ケーブルテレビ会社などが不採算地域に光回線を設置する際に補助金を拠出しているが、光回線の未整備地域が現在の約70万世帯から令和5年度末に約18万世帯に減少する見込みとなっている。これにより、「5G網が整備から維持の段階に移るため、対応が焦点になっている」(総務省担当者)という。

「iZa」より

では何故、総務省が主体となってこの話を進めようとしているのかというと、国際競争をする上で、5Gの普及が不可欠だからである。

そもそも自動運転などのテストを行うにあたって、テストコースなどで実証実験する段階は過ぎている。では、実際に路上で実験する場合にはどうなるのだろう?というと、これで足を引っ張る可能性が高いのが通信インフラなのだ。

少なくとも4Gではこれの実現は不可能だと言われており、通信途絶や遅延が発生すれば、人身事故が発生しかねないのが自動運転技術である。限定的に高速道路上でのみ実施できればそれで良いような気もするが……、高齢化に拍車がかかっている日本では、寧ろ率先してこれを推し進めたいというニーズはあるのだ。

そうで無ければ、アメリカや支那に先を行かれてしまい、多くのシステムを外国から輸入する羽目になる。速やかに5G網を広げる事はメリットの方が多いと思うのだ。

ユーザにとっての負担感

ところで、この話に過敏に反応している方々からは、「ふざけるな」「更に金を毟るつもりか」となかなか手厳しい。

5Gは電波の飛ぶ距離が4Gより短く、サービスを全国に行き渡らせるためには、4Gより多くの基地局が必要だ。基地局同士をつなく光回線についても細かく張り巡らせなければならない。政府は減税や予算措置で5G基地局の整備を促しているが、交付金で将来にわたり光回線を維持できる仕組みも整える。

「iZa」より

この様に書かれてはいるが、「高速インターネットの利用環境を普及・維持」する為に、「ネット利用者から広く薄く徴収する」とあって、忌避感は強いだろう。

特に、ヤクザのような徴収方法をとるNHKと被るのはイタダケナイ。

「ネットはタダ」という認識がこれに拍車をかけている気がするのだが、そうした認識は非常に宜しく無い。個人的には応分負担であれば、やむなし、とは思っている。

ネットユーザーから料金を徴収する気のNHK

迷走するNHK

ところで、全国でNHKの受信料に関する負担感に対する批判が高まる中で、NHKは番組のネット配信をやることを前提に、ネットユーザーからの受信料を取り立てる予定を発表した。ふざけんな!

NHK「ネット同時配信スタート」で全スマホユーザーは受信料を支払わなければならないのか?

2020/01/18

 NHKは4月1日から、放送のネット同時配信と見逃し配信を実現する新サービス「NHKプラス」を開始すると発表した。利用対象者は、NHKの放送受信契約者。追加料金は発生せず、無料で利用可能だ。

 このサービスの開始までには、2019年末、総務省との間で若干の「さや当て」があり、多少の方向修正を経て実現された、という経緯がある。

「文藝春秋」より

とはいえ、「NHKプラス」という今年の春から始まるネットサービスに関しては無料で行う予定のようだ。

 今回の「NHKプラス」は、2019年5月29日に成立した「改正放送法」を根拠として提供されるものだ。NHKプラスには、PCやスマートフォンからアクセスできる。南関東エリア(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)の放送が全国からネット経由で視聴可能になる。放送と同時にリアルタイム視聴が可能なほか、放送終了時刻から起算して7日間、番組の「見逃し配信」も提供される。利用料金は無料。

「文藝春秋」より

この話はこの話で疑念を払拭できない部分があるのだが、さておき、ネットで同時配信されるCMの無い放送というのは、ある意味破壊力があるコンテンツだと思う。

今後、NHKは有料配信するコンテンツを増やして収入を増やす予定のようだが、そもそもそのコンテンツを作る為に原資となった金は受信料という形で徴収している。つまり、2重徴収する形になって非常におかしなことになっている。

このサイトからの提案

そんな訳で、そもそもNHKがネットを利用するのであれば、その資金力を活かして貰おうというのが僕の考えである。

受信料などの徴収は、ある程度甘受するので、新たな社屋など作らずに5G網の構築のために金を出させればイイと思うんだ。もちろん、上の方にいる幹部などのお給料もカットして良いだろう。

新国立も顔負け…NHKは受信料で「3400億円」豪華社屋計画

公開日:2015/07/14 07:00 更新日:2016/10/17 04:37

新国立競技場の建設費2520億円もベラボーだが、NHKの新社屋はそれ以上だ。先月、渋谷区神南2丁目の現有地での建て替えが正式に発表されたが、ナント、新国立を上回る3400億円もの費用が予定されているのだ。

「日刊ゲンダイ」より

「NHK」職員年収は1千万円、3千億円も貯めこむなら受信料を下げよ

2020年01月02日 05時58分

来年早々、新会長が誕生するNHK。「ネット常時同時配信」に“待った”をかけられるなど課題は山積みだが、まず為すべきは受信料の値下げであろう。厳しい取り立てによって収入は大幅増。実に3千億円近くを「内部留保」として貯めこんでいるのだから。

「デイリー新潮」より

実際に現金で溜め込んではいない「内部留保」なのではあるが、これを全部吐き出させて運用すればそれだけで1つの資産となる。

NHKを肥え太らせるために受信料を支払いたくはないし、NHKとしても5G網が構築されればメリットを享受出来る。ネットのタダ乗りをさせるくらいであれば、NHKから金を出させて5G網構築をすべきなのだ。

それは、上にも引用した放送法の理念にも資する話なので、放送法的にも何ら問題無いのである。是非ともNHKから金を吐き出させよう。そうすれば、敢えて新たに「薄く広く負担」させる必要はないのだ。また、支払う方としても5G網の整備に使うというのであれば、受信料に対する忌避感というのも薄れるんじゃ無いかな。

そうであれば、結果的に国民に負担させることになったとしても理解が得られるんじゃ無いかと思う。その他、トヨタなど自動車関連会社から搾り取るのもアリだと思うぜ。だって、一番利用する可能性が高いのだから。

きっと一番ダメなのは、5Gの普及が遅れることでアメリカや支那に先手をとられることである。この分野で、官民一体になって頑張っても良いんじゃ無いかな。

コメント

  1. 「実際に現金で溜め込んではいない「内部留保」なのではあるが、これを全部吐き出させて運用すればそれだけで1つの資産となる。」

    ここまで、莫大な資産を持っていてなおかつ超巨大な権力もあるとなると、最早N国党どころか、誰にも潰せないような気もするのだが・・・・。
    果たしてどうしたものか・・・・。

    • 実際に潰せないから今まで存続出来ているのだと思います。
      ただ、そうは言っても政治家の判断で潰すか、或いは分社化出来る可能性はあるのですから、世論形成はしっかりしていかなければならないでしょう。

      議論が必要ですよ。

  2. このニュースを見たときに真っ先に思い出したのは昔の電波法改正。
    平成4年改正、5年施行と相当昔なのですが、アマチュア無線家から電波利用料と言うのをとり始めたんですよね。
    当時、地デジ移行のために周波数帯をあけたり何やらとコストがかさんだとか何とかで。
    アマチュア無線を閉局して久しいので今は払ってませんが制度自体は存続してます。

    この「成功体験」が安易な課税論になってるのかなと思いましたよ。
    取ることに関しては官僚はほんと、知恵が回りますからw
    まぁ、先に楽天の免許を取り上げて、オークションでもやったら?とは思うのですけど。

    一方、5Gを急いだほうがいいという点はある程度理解はするのですが、この類の規格戦争にはとことん弱いのが日本というお国。
    正直、後追いでもいいという気はしてますよ。
    整備したころ合いでまた6Gとか言い出して引っ掻き回してくるでしょうし。

    • 電波法改正の話ですか。
      確かに、僕自身も従事者免許を持っている関係もあって、その頃の話は覚えています。

      5Gを見送って6Gでという判断もアリでしょう。
      ですが、何れにしても戦略的にやっていくべきです。
      そして、日本の自動車会社各社が、5Gのサービスを使った車を開発している現状を考えると、今回の見送りは大きな決断が必要だと思います。成長戦略を民間会社に丸投げというのは、今の国際社会においてはマイナスに働く可能性が高いワケですから、その辺りは大胆な決断を期待したいところですね。

  3. >実際に現金で溜め込んではいない「内部留保」なのではあるが、これを
    >全部吐き出させて運用すればそれだけで1つの資産となる。

    一般企業の「内部留保」への課税は反対ですが、これには賛成です。

    一般企業の「内部留保」=「税引き後未処分所得の累積」なので、課税すると二重課税になります。
    一方、NHKは「公益法人」として法人税が免除されています。ただし、地方税法では非課税とされていないため、地方法人税は一部納付しているようです。したがって、NHKの「内部留保」に課税しても二重課税とは言えないと考えます。

    全てとは言わないですが、一部を吐き出させるのは有効だと考えます。

    • NHKの内部留保資産は、かなり低リスクな商品によって保有されていると聞きます。
      運用できるだけでもかなり内需にも影響する可能性がありますから、さっさと動かすべきだと思います。

      ……というか、「公共放送」を名乗っているのですから、内部留保を資産として溜め込むことそのものが、不健全な話だと思うのですよね。