脱原発に対してドイツで見直し論が

欧州ニュース

え?原発は全部廃炉の方針だったよね。

脱原発、独で見直し論 気候変動問題で再評価

2019年12月20日07時09分

ドイツで、2022年までに原発を全廃する政策の見直し論が浮上している。環境活動家グレタ・トゥンベリさんの発言で一段と活発になった気候変動の議論で、発電時に二酸化炭素(CO2)を出さない原発が再評価されているためだ。国民的支持を集めた政策の修正は容易ではないが、今後も論争は続きそうだ。

「時事通信」より

グレタ某が何か言ったからドイツが方針転換をした様な報道になっているようだが、そんな事実は無いと思う。

とはいえ、日本がもし脱原発、脱炭素社会を目指すのであれば、どんな問題が生じるのかということのテストケースにもなるワケで、良きにつけ悪しきにつけ、その推移は知らねばならない。

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脱原発に舵をきったドイツ

メルケル氏のヒステリックな決断

さて、よく知られることだがドイツは脱原発に舵を切った。

ドイツはなぜ「脱原発」ができたのか

2011/12/16

東日本大震災での日本の原発事故を受けて、早々に「脱原発」を決定したドイツ。ヨーロッパ有数の経済大国は、いかにしてエネルギー政策を転換したのか。

ドイツは、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、エネルギー政策を大きく変えた。事故から4カ月後の2011年7月8日に、すべての原発を廃止するための法律を、議会で可決させたのだ。

「imidas」より

しかし、「全ての原発を廃止するための法律」は、未だどんな状況下ハッキリしない状況にある4ヶ月後の事であった。

確かに事故の様子を見てショックを受けた人もかなり多いとは思う。

だが、被害の全貌が判明してから、即時に「国内の原発全てを廃炉にしよう」という決断をしたのは、些かヒステリックに過ぎるのでは無いか。

元々原発反対派の土壌が醸成されていた上に、色々懸念を抱えていていたからこそ、即時に判断であったという風にも言えよう。

実際に、チェルノブイリ原発事故(1986年)の発生から、脱原発の路線というのは模索されていたようだ。

メルケル氏がドイツの首相になったのは2005年の選挙以降のことなので、脱原発の方針を決定したのは前政権のシュレイダー氏という事になる。

そう、あの25歳年下の韓国人女性に引っかかって離婚しちゃったあの人だ。

……まあ、個人のプライベートの話はどうでも良いか。

ともあれ、下地があったのは事実なのだが、それにしたって事件後4ヶ月で国の方針を転換というのは、なかなか凄いと思う。

原発の無い国へ

そんな訳で、ドイツの決定は見切り発車的な判断であった可能性が高いのだが、その後どうなったかについて、皮肉を込めて東京新聞から引用しておくことにしよう。

<原発のない国へ ドイツ最前線報告> (上)再エネ 拒めない送電会社

2019年5月31日 朝刊

脱原発と脱石炭を進めるドイツのアルトマイヤー経済・エネルギー相が本紙への寄稿で、日本に再生可能エネルギー推進に向けた日独連携を呼び掛けた。再エネが伸び悩む日本に対し、大幅拡大に成功し、二〇二二年までの原発ゼロも実現しつつあるドイツ。現地を訪ね、仕組みを探った。

「東京新聞」より

東京新聞の発狂ぶりは、指摘するまでも無いのだが、それなりのシェアを持っているのも事実である。そして、特に原発関連の話はヤバイ。捏造・偏向ナンデモござれだ。あからさまな捏造は多くは無いが、全体的な印象はかなりねじ曲げることで定評がある。

さて、そんな訳でこの記事もかなり恣意的なのだが、しかし、細かい部分の突っ込みはさておく。

 「再エネ発電所の接続を断る権限は私たちにはありません」。独テネット社のベルリン事務所。広報担当のウルリケ・ホヘンスさんが事もなげに語った。

 テネットは自前の発電所を持たない。送電線だけを持ち、他社の発電所でつくられた電気を家庭や企業に送る「送電会社」だ。ドイツでは四つの同様の会社が送電網を運営する。

「東京新聞」より

重要な事は送電分離がなされている点と、この送電会社が「電力の安定供給の義務」を負わない点が問題であると思う。

 「アグリゲーター」(まとめ役)と呼ばれる新興企業も育ってきた。大学院生だったヨヘン・シュビルさんらが二〇〇九年に創業したネクスト・クラフトベルケは、代表例。数千カ所の再エネ発電所と、電気を使う側の工場や各家庭の間に立ち、精緻な天気予報や需要予測に基づき、各発電所の出力を通信機器で細かく遠隔コントロールする。

「東京新聞」より

そうした調整は別の会社が行っている様で、各発電所の出力を遠隔コントロールするとある。日本は民間発電会社が無秩序に発電した電気を「買え」と迫っているが、それではコントロールが出来なくなるので、電力購入のお断りをせざるを得ない。ドイツの場合は、外部からのコントロールが行われるという。が、それって買い取り拒否とは違うの?それとも別のやり方があるの?この辺りはハッキリしない話だね。

発送電分離の問題点

ドイツは電力の自由化の他に、発送電分離という道を選択した。

<発電と送電の分離> ドイツでは送電会社4社のうち、テネットなど2社が元の親会社から資本関係も含め完全分離された。ほかの2社は資本関係を残す形で分社化。日本でも法改正に基づき大手電力各社が2020年度から送電部門を分社化予定。東京電力はそれに先駆け16年に分社化。だが、日本では、送電部門が同じグループ傘下に子会社として入り完全分離といえない状態が続く。

「東京新聞」より

日本はそこまで進んでいないのだが、電力の安定供給という観点から云うと、発電部門と送電部門に分離は厄介な問題を抱える。

実のところ、「電力の安定供給」というのが一番ネックになると思われるのだ。何故かというと、日本では電力会社が電力の安定供給を法的に義務づけられているのだけれど、分離したらどちらがその義務を持つのか?という点が問題になってくる。

ドイツではどうやら「アグリゲーター」という第三の機関がこれを采配しているようなのだけれど、支持は出来ても責任は負えないだろう。

ドイツで幸いだったのは、EU域内で国を跨いだ電力の売買というのは頻繁に行われているという点だ。それが出来るからこそ、国内の原発が無くなっても大丈夫、などという発想が許容されるのだろう。だが、それは国内政策と言うには、少々無理がある。

何が言いたいかというと、日本ではちょっとドイツの真似が出来ないという事なのだ。

一番のネックは蓄電池

とはいえ、ドイツだってそう簡単に事が運んではいないようで。

<原発のない国へ ドイツ最前線報告> (下)再エネ発展の拠点へ

2019年6月1日 朝刊

「私たちが開発した蓄電技術を使えば再生可能エネルギーを無駄なく活用できます」。ドイツの首都ベルリン北西部の川沿い。第二次大戦前から操業する古びた石炭火力発電所。その一角にある、ぴかぴかの銀色のタンクを見上げ、大手電力バッテンフォール(本社・スウェーデン)のマーカス・ビットさんが言った。

同社が新興企業ソルト・エックスと組んで実証実験する、「塩」を使ったユニークな電池技術だ。塩の一種である酸化カルシウムという物質に水を加えると発熱する化学反応を応用した。風がよく吹いて風力発電の出力が大幅に伸びる場合、余った電気で塩水を急速に蒸発させて塩と水に分離して置いておく。後で好きな時に塩と水を混ぜ合わすと高熱が発生、タービンが回り発電できる仕掛けだ。

「東京新聞」より

何故こんな電池の開発をしているのかと言えば、ドイツであっても再生可能エネルギー発電は天気に左右されて、電気を作ったり作らなかったりという気まぐれな発電方法に振り回されることは変わらないのである。

当然、日本でも電池を貯めるということが必須で、そのためには非常に大きな技術的なハードルを越えなければならない。

そして今のところそれに耐えうる大容量蓄電池の実用化の目処は立っていない。ああ、容量と寿命の問題はともかく、対費用効果が非常に悪いのが問題なんだよね。

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