ウクライナとロシアは年内の完全停戦で合意する

ロシアニュース

停戦合意そのものは、歓迎すべきかもしれない。

ロシア・ウクライナ首脳会談、年内の完全停戦で合意 追加撤収も目指す

12/10(火) 10:08配信

ウクライナ東部の紛争終結に向けてフランス・パリで9日に行われたロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領の初の首脳会談で、両国は年内に完全な停戦を履行するとともに、2020年3月までに部隊の追加撤収を行うことを目指して作業を進めることで合意した。

「yahooニュース」より

ただ、コレを素直な気持ちで喜べないというのが本音ではある。正直、ロシアとの合意って信用できないんだよね。

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日本人が知らないウクライナの歴史

驚くほど凄惨な歴史

正直、僕自身「ウクライナ」という国は国名くらいしか知らない。

最近ではちょっと面白い大統領が就任したとか、ロシアに侵攻されたとか、そんなニュースを耳にした記憶はあるんだけど。

そんなわけで、最初にザックリとした「ウクライナの歴史」を調べてみた。

歴史上、ウクライナは早い段階から文明が芽生えたようだ。それは、ウクライナがヨーロッパの穀倉と呼ばれる程肥沃な土地に恵まれたが故に、早くから農耕で栄えたからである。そして、それ故、様々な民族から狙われた。

古くはイラン系遊牧民のスキタイ人によって、或いは北欧ヴァイキングの末裔によって、或いはモンゴル人によって、様々な侵略を受ける受難の土地となった。

そして、当然、帝政ロシアからもつけ狙われる羽目になる。

しかし、ロシア帝国崩壊(1917年を契機に、ウクライナ独立戦争(1918年~1919年)が行われ、ウクライナ人民共和国が作られるに至った。

ところがロシア帝国の跡を継いだソビエト連邦に攻め込まれ、あっという間にソビエト連邦に編入される運命となる(1920年)。

そして、ソ連とドイツとの争いの盾に使われるなど酷い扱いを受けた挙げ句、ホロドモール(1932年~1933年)と呼ばれる人工的な大飢饉を引き起こされて、1000万人以上の人々がウクライナで死亡したと言われている。

ウクライナで忘れてはならないのが史上最悪の原発事故と名高いチェルノブイリ原発事故(1986年)の傷痕を今なお引き摺っている点だ。この事故処理は、今なおウクライナの重い負担としてのしかかっている。

独立後、再び侵攻を受ける

1991年、冷戦の終結と共にソ連は崩壊するが、それに伴ってウクライナは独立国としての地位を再び手に入れる事になる。この時、クリミア半島もウクライナの領土となった。

しかし、ウクライナはソ連にガスや石油などのエネルギー供給をロシアに依存している状態は続いていて、EUに加盟する可能性まで示唆されていたが、結局それは実現されず、親ロシア派と親EU派で綱引きが行われつつ国政が維持されていった。

そして、ロシアのウクライナ侵攻(2014年)が行われ、これによってクリミア半島の自治権を失うに至る。クリミアは独立したと思ったら、何故かロシアに併合される事を望んだ。まさにその様なシナリオが用意されていたのだろう。

そして、今なおウクライナの国土には東部中心にロシア軍が不法に居座っている状態が続いているのである。

コメディアン、大統領になる?

ゼレンスキー氏、ウクライナ大統領に就任

そんな中で今年5月にウクライナの大統領選挙が行われた。

コメディー俳優のゼレンスキー氏、ウクライナ大統領に就任

2019年5月20日 20:56

ウクライナで先月行われた大統領選の決選投票で圧勝した、政治経験のないコメディー俳優、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)氏(41)が20日、大統領に就任した。紛争と経済的困難で荒廃した同国が、新時代を迎えた。

「AFP」より

このゼレンスキー氏、なんと前職はコメディアンで俳優ある。

2015年と2016年の2シーズンにわたって、国営放送の政治風刺ドラマ「国民の僕」を主演し、歴史教師が素人政治家として大統領に当選するストーリーを好演していたそうな。

そして、現実の大統領選挙にも出馬して当選してしまう。作品のイメージそのままの選挙戦を戦い、圧倒的多数で選挙戦を制した。

意味が分からないが、本当の話だ。

トランプ氏との電話会談

ドラマティックな勝ち方をしたゼレンスキー氏であるが、割と無難に大統領の職務を果たしているようだ。

ただし、政治に関して素人である点は否めないようで。

トランプ氏とゼレンスキー氏の通話記録 5つの注目点

2019年09月26日

7月にあった電話会談では、トランプ氏がジョー・バイデン前副大統領についての醜聞を得ようと、ゼレンスキー氏に圧力をかけたとの指摘が出ている。

公開された通話記録からは、どんな会話が明らかになり、そこから何が読み取れるのか。

「BBC」より

アメリカのメディアに渦巻くウクライナ疑惑だが、その発端はトランプ氏とゼレンスキー氏の7月に行われた電話会談にあったようだ。

そもそもこのウクライナ疑惑、或いはロシア疑惑に関しては、寧ろ副大統領であったバイデン氏の息子がウクライナから不正なお金を受け取っていた等の事実が問題である。

確かにトランプ氏はゼレンスキー氏に対して「捜査に協力を」と伝えたことは、アメリカの大統領として適切かと言えばそれはNoといえるが、そのこと自体はそれほどの問題とも言えない。疑惑の一旦としては、「捜査しろ」というのと引き替えに「ウクライナへの軍事的支援」という事らしいのだけれど、この疑惑はオカシイと言われている。ウクライナへの軍事支援は、トランプ氏の電話会談の有無に関わらず決まっていたことだからだ。

寧ろ、バイデン氏の息子(次男)はウクライナのガス会社で、専門的な知識がなくウクライナ語やロシア語が使えないにも関わらず取締役会のメンバーとなり、多額の報酬を得ていた(月額5万ドル)ことの方が問題としては大きい。外国に対して利益供与していた疑いが出てくるのだから。

バイデン氏息子、ウクライナ会社役員就任「まずい判断だった」

2019年10月16日 1:43 JST

バイデン前米副大統領の息子、ハンター・バイデン氏はウクライナのガス会社で取締役会メンバーを務めたこと自体に問題はないが、今思えばまずい判断だったと語った。

ハンター・バイデン氏は15日に放送された米ABCニュースとのインタビューで、「今思えば、まずい判断だった」と発言。「私が何か不適切なことをしたかというと、それはない。一切ない」と言明した。ウクライナでのビジネスをめぐって同氏がトランプ米大統領の標的となって以降、初めて公に発言した。

「Bloomberg」より

また、息子は支那でもヘッジファンドを経営しており、支那からの資金供与があったという疑いもある。副大統領であったバイデン氏、意味が分からないほどの親支那派であったことは、息子の一件と無関係では無いといわれている。

民主党大統領候補人気トップのバイデン氏の落とし穴 二男に中国から利益誘導の疑惑

2019年5月20日 月曜 午後6:00

「中国が我々のランチを食べてしまうって? 冗談じゃない」

「ランチを食べられる」と言うのは「利益などを横取りされる」と言う意味で使われるが、来年の大統領選に民主党から出馬を表明したジョー・バイデン前副大統領はオハイオ州で開かれたメーデー集会で、この表現を用いて中国は脅威でもなんでもないと擁護する発言をした。

「FNN PRIME」より

バイデンどころか売国の疑いが持たれているのだ。

もし、ゼレンスキー氏が政治的に卓抜した手腕を持っていたとしたら、トランプ氏にこんな形で利用されるような隙を見せたりはしなかったのだろう。むしろ、コレを利用してアメリカからの関与を強め、ロシアからの影響力を薄めるようなことだって出来たかも知れない。

ゼレンスキー氏の政治的な駆け引きは、この点に関してはイマイチであったと、そう判断せざるを得ない。

評価の分かれる合意

で、冒頭の合意の話に戻ろう。

ゼレンスキー氏が大統領に就任して、大きな成果が欲しいという時期ではあっただろうが、一方でロシアとしてもアメリカからの経済制裁が足枷となって経済的な苦境に立たされている実情がある。

したがって、ロシアとしても譲歩は出せないが、この事で何らかの進展をさせたかったのは事実だと思う。最終的にはアメリカや欧州からの貿易制裁を止めさせたいというのがロシアの望みだからね。

露・ウクライナ、合意履行の順序で対立 紛争終結見通せず

2019.12.10 13:34

日にパリで行われたロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領による初の直接会談では、捕虜交換や停戦実現の合意など、ウクライナ東部紛争の終結に向けた一定の前進が示された。しかし、親露派武装勢力による東部の実効支配をどう解決するか-という最大の問題では双方の歩み寄りの困難さが改めて示され、紛争終結はなお楽観視できない情勢だ。

「産経新聞」より

しかし、ロシアとしてはクリミアはロシアの領土であると言う点を譲る気は無いだろう。ウクライナとしてもその点は譲れないだろうから、クリミアの帰属問題については簡単には解決しないと思われる。

ただし、ウクライナ東部紛争の終結に関してはある程度妥協の余地はあるはずだ。ロシアにとってはクリミアほど旨味が無い場所だしね。

 15年2月、ベラルーシの首都ミンスクで、プーチン露大統領とウクライナのポロシェンコ前大統領は「ミンスク合意」を締結。(1)東部で選挙を実施する(2)ウクライナは東部地域に高度な自治権など「特別な地位」の付与する(3)東部とロシア間の国境の管理権をウクライナに回復させる-ことなどが取り決められた。

 しかしその後も、ウクライナと親露派は互いの「合意違反」を非難し合い、合意の履行は進まなかった。現在は大規模な戦闘こそ起きていないものの、これまでに双方で1万3000人以上が死亡し、親露派は東部の実効支配を続けている。

 政治経験を持たない喜劇俳優出身のゼレンスキー氏は「ロシアとの対話による紛争終結」を掲げ、今年5月に大統領に就任。今秋以降、ロシアとの実質的な捕虜交換や前線からの兵力引き離しなどを進め、この日の会談にこぎつけた。

「産経新聞」より

どの辺りで着地できるかを注目していきたいところだが、今のところ「ミンスク合意」を中心に話を進めていくのだろうね。

ウクライナにとってウクライナ東部を手放す気は無いから国境の管理権だけは維持し、一方で東部にある程度の自治権を与えて実質的なロシアの支配が及ぶことは甘んじようという発想なのかも知れない。

ウクライナ東部・紛争地域

で、問題となっているウクライナ東部なのだが、紛争が続いて内戦状態にある。

ウクライナ東部には親ロシア派が多いと言われていて、紛争にはロシア軍の強い関与があると言われている。

ドネツク人民共和国、の名前を知っている方はおられるだろうか?実は、ウクライナ東部に位置するドネツク州はロシアに呼応して勝手に武装蜂起、独立国を宣言しているものの、国際的にはその地位は承認されていない地域である。

マレーシア機撃墜、ウクライナ分離派とロシア高官の「密接な」通話記録公開

2019年11月15日 15:16

2014年にウクライナ東部でマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便が撃墜され、乗客乗員298人が死亡した事件で、国際捜査チームは14日、起訴された4人が所属するウクライナ分離派(親ロシア派)の武装勢力と、ロシア政府の「高官」の密接な関係を示す電話の通話記録を公開した。

MH17便を撃墜したミサイルの配備に、セルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相やウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の側近など、複数のロシア政府高官が関わっていた可能性を示唆する音声記録だとしている。

また、傍受された会話からは、ウクライナ東部の分離派「ドネツク人民共和国(DNR)」の戦闘員らとロシア政府の関係がこれまで考えられていたよりも「ずっと緊密」なことが分かるという。

「AFP」より

ウクライナでマレーシア機が撃墜される事件(2014年)が発生したのもこの地域で、ロシア製対空兵器の9K37によって航空機が撃墜され、乗客298人が死亡した痛ましい出来事であった。

ドネツク州の親ロシア派が、そんな兵器を保有していたという事自体が怪しまれており、実質的にロシア軍がこの地域に入っていてこの事件を起こしたとも言われている。

ドネツク州の他にも、ウクライナ東部ルハーンシク州もルガンスク人民共和国を名乗って独立宣言を行っている。

ウクライナの加害者的側面

このウクライナ東部には、ウクライナ政府の支配権が及んでおらず、ゼレンスキー氏はロシアと交渉することで、前線からの兵力引き離しに関する合意を2019年11月11日に完了しているが、ウクライナ東部が紛争状態を脱するのは、もう少し先の話になりそうである。

ただ、ウクライナ東部の紛争は、内戦的側面もある。実は、ウクライナ東部では強硬な右派勢力が、同じ国民である親ロシア派ウクライナ人を攻撃し始めた辺りから話がややこしくなっている。

実は、親ロシア派の一派はロシアの支援を受けて、そうした勢力と戦っていたという話もあり、ゼレンスキー氏が国際社会に強く訴え出られない、ミンスク合意のような、一見、ロシアにかなり有利な内容を呑まねばならなかった原因ともなっている。

今回のエリゼ宮での4者会談とその後のロシアとウクライナの首脳会談の成果は、2019年末までに履行される事になっているようだ。

 約8時間にわたって行われた一連の会談後に4か国が出した共同宣言は、「(ロシアとウクライナの)両国は、必要な全ての停戦支援策によって強められる完全で包括的な停戦を、2019年末までに履行することを約束した」と述べ、さらに「2020年3月末までに兵員と兵器を引き離すことを目的として」ウクライナ東部に新たに設ける3か所の撤退地域について今後合意する必要があるとしている。

「yahooニュース」より

年末までに一定の成果が出ると良いんだけどね。

政治的に解決出来るのであれば、無駄に血を流さなくても済むのだから。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    僕は強権プーチン後が何時になるのか? そしてその時にロシアが今の様に強権でまとまるのか? これが最大の関心事なんですよね。
    とはいっても御年67歳で柔道で鍛えた体躯から想像して、あと10年は権力の座に居座りそう...。
    一旦首相職で退いたんですが実質「影の最高権力者の時代」を含め、20年も権力の座に留まるのは悪魔スターリン時代の30年に及ばないものの、その存在自体が世界の脅威と考えていますからね。

    まあ、またスターリン・プーチンの様な輩が出てくるんでしょうけど、弱体化する過渡期は必ずありますから今度こそ「悪魔の共産主義」の息の根を止めるくらい封じ込めて欲しいもんです。
    でないと、世界各地の紛争地域への介入は止まらないと思うし、いつまでも厄災を撒き散らす最悪国家じゃないかな。

    そして、日本にとっては重要な北方四島完全奪還事案がありますしね。

    P.S.
    ロシア最後で唯一の空母が火災でお釈迦寸前とか...、金が無いのでしょうけどこれで益々ミサイル開発に特化しちゃいそうで怖いもんです。

    • プーチン氏のロシア皇帝っぷりはなかなかのものだと思います。
      ロシア国民にとって不幸かも知れませんが、ロシアにとってプーチン氏がハンドリングしているのは、結果的に良い事かも知れません。
      ただ、世界にとってどうかというと、これはなかなか難しいですね。結構、紛争とか平気で仕掛けますし、侵略行為にも抵抗がない気がしますから。

      ロシアの空母は残念でしたねぇ……。
      アレを修理するくらいならば、新しく作った方が良さそうですが、金が無いんですよね、ロシア。