馬毛島の買収の話

防衛政策

さて、何処のニュースを引用してこの話をしようかと悩んだが、「しんぶん赤旗」からいくか。

馬毛島 買収160億円

2019年12月1日(日)

米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の移転候補地とされている馬毛島(まげしま)(鹿児島県西之表市)について、政府が約160億円で用地買収することで地権者と合意したことが分かりました。防衛省は取得手続き終了後、滑走路など整備に着手する方針。

防衛省は、同島の大半を所有する開発会社「タストン・エアポート」(東京都)と売買交渉を進めてきました。今年5月に同社が交渉打ち切りを通告。価格交渉が長引く中、当初鑑定額45億円の3倍超となる金額で妥結しました。

「しんぶん赤旗」より

かなり悔しそうだな、オイ。

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何故、馬毛島が欲しいのか

FCLPの訓練に

そもそもこの馬毛島、鹿児島にある小さな島なのだが、何故この島を自衛隊は取得したかったのだろうか?

mage02

種子島のお隣にある小さな島で、河川が無いので人が住むには適さない島である。

一時期は漁師を中心として人が住み、一時期はサトウキビ栽培や酪農が行われていたと言う。

ところがやはり地理的に人が住むのに適さないということで、1980年頃には無人島となった。

そして、レジャー施設を建設することを計画した人物が馬毛島開発株式会社なる会社を設立し、1975年に島ごと買収。

現在の土地の所有者のタストン・エアポートもこの馬毛島開発に連なる会社である。

日米両政府は、2006年の米軍再編ロードマップで厚木基地(神奈川県)所属の米空母艦載機部隊の岩国基地(山口県)への移転に合意。11年の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で馬毛島をFCLPの候補地とすることが合意されました。

「しんぶん赤旗」より

で、自衛隊がこの土地の取得を目指しているのは、記事で指摘があるようにFCLP訓練に使う事を考えているからである。米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)は、こんな訓練である。

FCLP

簡単に言うと、空母に対する着艦訓練なのだが、陸上でできればそれに越した事は無い。

ただまああ、戦闘機がブンブンと飛び回ることになるので、周囲に住んでいる方々にとっては、あまり面白い訓練では無いかも知れない。

故に、住宅地の近くでこれをやることは難しく、かといってこの訓練のために空母を用意するのも、いつも、と言う訳には行かない。そんな訳で、これが出来る場所の取得は、今後、日本としてもF-35B戦闘機を取得して着艦訓練しなくてはならないという事情もあって、必須であろう。

馬毛島での軍事訓練は、支那や韓国にとって都合が悪い

もう一つ面白い事実があるのだが、こちらはあまり積極的に報じられてはいないようだ。

EEZ

沖縄と九州の間を抜けて太平洋に船を出す、というのは日本のEEZを抜けていかねばならない。

ルート2

日本の領海を通過していくこともあって、この辺りの海域は要警戒の地域なのだけれども、ここでFCLPをやる意味は大きい。

訓練の時間は分からないので、ここを通過しようと思ったら常に上空から見られていることを警戒しなければならない。支那としては嬉しく無いだろう。警察署の前を通る様なものである。非があるにせよ無いにせよ緊張を強いられるわけだ。

もちろん、韓国にとっても嬉しく無いだろう。レッドチームに入ろうという韓国にとっては、ね。

160億円は高いのか?

さて、メディアが気にするのはお値段が妥当だったのか?という点だろう。

防衛省は、当初鑑定額の3倍超の買収について、財政民主主義の観点からどう説明するのか。滑走路建設に伴うタストン社の違法開発の疑いもあります。主権者である地元が了解しない限り指一本ふれさせません。オール市民の運動にしていきます。

「しんぶん赤旗」より

市民運動と言うより、活動家をけしかけるぞ!という話なのだが。

馬毛島FCLP移転に反対の住民が連絡会再結成

2019年12月1日 日曜 午後6:19

アメリカ軍空母艦載機の離着陸訓練=FCLPの移転候補地となっている馬毛島を巡り、政府と地権者が売買契約を結んだことを受け、訓練移転に反対する住民らが連絡会を再結成しました。

~~略~~

連絡会は西之表市の八板俊輔市長に対し、ともに反対運動に参加するよう要請するということです。

「FNN PRIME」より

米軍空母艦載機移転候補地 馬毛島めぐり西之表市長「地元の合意得られていない」

2019年12月2日 月曜 午後0:01

先月30日、西之表市の馬毛島をめぐり政府と地権者との間で売買契約が結ばれたことについて西之表市の八板俊輔市長は、2日開かれた市議会で「地元の理解が得られていない状況であり、訓練以外の活用策の検討を引き続き進める」との見解を示しました。

「FNN PRIME」より

「金を出せ!」ということの事前準備とも言えるワケだが、地元にとっては声高に反対しておいた方が、色々と価値が上がるので、活発に運動したくなる気持ちは分かる。

ただ……、この話は国防に直結する話で、よく分からない理由で反対する漁協の人々を中心に、難癖を付けるのがいつもの展開だ。オスプレイの時も海苔の養殖がどうとか言う方々が居た記憶があるのだが、どう関連するのかイマイチ理解出来ない。

で、お値段が高いかどうか、ということだが、空母仕様に改修( STOVL機の離発着可能に改修)されることの決まった護衛艦「いずも」の建造費が1200億円程度、その改修費が31億円程度とされているので、練習用の空母1隻用意すると思えばお安いのかもしれない。

アメリカ軍に貸し出すだけでも、敵性勢力に対する牽制ができる上、自衛隊でも運用可能とすれば訓練場所も手に入って一石二鳥である。

これまではどうやら硫黄島で同種の訓練をやっていたようだが、流石に遠い。そういう意味でも、割と重要な話だ。

しかし、100%タストン・エアポートの所有では無いところが、また問題なのである。所有率は99.6%で、残りの0.4%は地方自体が持っているらしい。反対派の市長がこれを根拠に反対するなんて展開にもなりかねない。

何にせよ、今度こそ交渉がうまく纏まってくれると嬉しいんだけどね。

コメント

  1. マスメディア反乱軍 より:

    約82万平方mの内4万平方mは旧地権者が握るようですね。(他に1%=約8000平方mが西之表島所有とか)
    Googleで観たら一目瞭然なんですが、北東に位置する西之表島への定期航路を狙った港湾施設が旧地権者のそれじゃないかな。

    派遣部隊の家族帯同が可能な官舎を西之表島に造れば、隊員を3日ローテくらいで家族の元に返せますし、島の活性化と経済効果に寄与すると思います。

    胡散臭いタストン・エアポートなんで禍根が残らないか心配ですが、真面目に定期船を運航するなら厳しい条件を付けてそういう利用していいのかも。

    >さて、メディアが気にするのはお値段が妥当だったのか?という点だろう。
    >市民運動と言うより、活動家をけしかけるぞ!という話なのだが。

    坪単価に換算すると約6000円未満/1坪ですね、何の価値もない土地なら高過ぎるという批判は当然ですが、これから国防&日米安保にとって大きな付加価値が出てくる話なんですから、現時点で高すぎるという批判は無意味でしかないでしょう。

    >「金を出せ!」ということの事前準備とも言えるワケだが、地元にとっては声高に反対しておいた方が、色々と価値が上がるので、活発に運動したくなる気持ちは分かる。

    足元見てくるんでしょうがそれも必要経費と割り切って(所詮、豚ども相手に論争するのは無意味)、早期に基地化を優先して欲しいもんです。
    基地推進派の市長選挙に持ち込むくらいの覚悟を持っていいと思う。

    整備班が駐留する海自の鹿屋基地・空自の新田原基地から絶好の位置にあるのですから、駐屯する兵力も管制統率部隊に陸自の12式地対艦ミサイル中隊と空自のPAC3中隊、そして陸自の警備中隊&最低限の整備班と仮定すれば500~600人規模となるでしょうかね。

    >沖縄と九州の間を抜けて太平洋に船を出す、というのは日本のEEZを抜けていかねばならない。
    >日本の領海を通過していくこともあって、この辺りの海域は要警戒の地域なのだけれども、ここでFCLPをやる意味は大きい。

    この意味こそ=支那をEEZ目前で封鎖するが一番大きいと思っています。
    戦闘機訓練だけではなく哨戒機・哨戒ヘリの燃料中継基地としても使えますし、有事には新田原基地からF-15Jを配備可能ですもんね。
    支那が一番嫌がる「東シナ海以南封鎖」という手をやっと打てると期待は大きい!!

    支那の北海艦隊・東海艦隊は黄海と東シナ海辺りで、「水遊び・お散歩」するしかない事態に追い込むチャンスでしょう。
    日本は尖閣諸島を含めた南西島嶼防衛により一層注力する戦略を練って欲しいもんです。
    支那の挑発・陽動策は続くと思いますからね。

    • 木霊 より:

      コメントを頂いたので、馬毛島の話を持ち出しました。
      ですが、頂いたコメントの方が情報量が多いので(汗

      さておき、怪しいタストン・エアポートを相手にしなければならないのは、シンドイ話ではありますが、この島は多少お金を支払っても押さえねばならない拠点です。
      寧ろ、ここを支那にとられると、種子島などにも影響が考えられ、多大な国益への影響が考えられます。
      本当はそういうセンテンスも盛り込みたかったのですが……。

      次の機会にしたいと思います。

      • マスメディア反乱軍 より:

        木霊さん、おはようございます。

        米台の軍事協力が進んでいるニュースです。
          ↓
        https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191203-00000060-reut-cn

        どうやらアメリカは本腰で支那の台湾侵攻を牽制するつもりみたいですね。

        戦力が劣る国の防衛の基本は「後詰の援軍が到着するまで持ちこたえれるか」だと思っていますが、支那が台湾攻撃で真っ先に侵攻するのは金門島じゃないかな。
        60年前の「金門島砲戦」とは兵器がまるで違いますし、支那の大規模上陸艦隊を防ぐには台湾空軍の半分位を割く必要があるくらい重要な島です。

        古来の戦は「後詰を疎かにした時」ほとんど手痛い敗戦に繋がっていますからね。(信頼事態が崩壊し寝返りを招く)
        金門島にとっての「後詰」は台湾であるのですから、台湾は空軍戦力の精鋭を投じて守るべき要衝であり、その台湾を守るべき後詰はアメリカという事になります。

        では、台湾有事に直面した時に日本はどうするべきか?
        現憲法下で同盟関係のない台湾を援護する事は無理ですから、アメリカとの集団的自衛権発動が可能かどうかがポイントになりそうです。
        僕はシンプルに東シナ海領海・領空・EZZ海域防御と為の「防衛出動」でいいと考えています。

        方便でしょうけど「南西島嶼近辺での紛争拡大に備えた出勤、先制攻撃は行わないがアメリカとの集団的自衛権発動は状況を見て判断する。」とすればいいんじゃないかな。

        支那にとっては東シナ海に日本艦隊が配備されるのは、日本の潜水艦&哨戒能力を敵に廻す事を意味しますから、実質的に重要な援護力となり得ます。

        台湾はまず金門島と台湾海峡で制空権を守る事に集中、アメリカはSSN(攻撃型原潜)を台湾海峡とパシー海峡入り口に集中配備し支那東方・南方艦隊の動きと侵入を封じる。
        その上でフィリピン海南西に空母打撃群を配備し(3~4個打撃群)、戦闘機による支那艦隊撃沈の構えを取り台湾を支援。

        つい最近、佐世保に2隻目の揚陸艦が配備され有事に1隻追加されるでしょうから、アメリカが戦術資産として重要視する遠征打撃群もほぼ完成します。
        台湾が緒戦を乗り切れば海兵隊3000人超を第一弾で上陸させ、第2陣・3陣を投入すれば支那の台湾上陸はかなりハードルが高くなると思います。

        台湾と国交すらない日本ですが、やり方を工夫して「隠れた同盟」を模索し有事に備える作戦立案を練っておいて欲しいもんです。
        支那の顔色伺ってアタフタする事などない様に毅然とした姿勢が大切と考えています。

        P.S.
        裏技で12式地対艦ミサイル×3個大隊をアメリカに売却→アメリカは台湾陸軍を招き、陸自の協力を得て実地訓練しそのまま台湾に売却...、なんてのもあっていいんじゃないかな。