JOLEDは韓国勢力を駆逐できるか?

日本ニュース

去年辺りから新工場を作るとか言う話が出ていたが、どうやら生産ラインが立ち上がったっぽい。

新技術「印刷方式」で有機EL量産化 世界初の生産ライン整備

2019年11月25日 20時16分

最新のディスプレー「有機EL」を製造コストをおさえた新たな技術で量産化する世界で初めての生産ラインが、石川県能美市の工場に整備されました。

「NHKニュース」より

これがどう言う技術なのか?という話を、本日は紹介していこう。

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有機ELは日本で開発

韓国資本に技術を売却

液晶画面とOLED(有機EL)の何が違うのか?というと、簡単に言うと、液晶がバックライトという後ろから出す光源を必要とするのに対してOLEDは自分で光を出すタイプの画面だと言うことになる。

つまり、バックライトが不要になるというメリットがあり、その分だけ薄くなると言うことになる。

つまり、こういうことになるわけだ。

で、この技術は元々アメリカのコダックが技術開発をやっていたのだけれど、なかなかモノにならず、日本が後発で技術開発を続け、取り敢えず、その時代にトップを握っていたSONYやらサンヨーやらパナソニックやらの家電メーカーが凌ぎを削って商品化にまで漕ぎ着けたが、採算が採れないと諦め、液晶パネルに注力することになった。

なお、製品化できたのはSONYだけ(2007年発売)だったと思う。

しかし、SONYを初めとする国内のディスプレイメーカーは、小型は液晶、大型はプラズマという風に決め打ちし、採算の見込みが無い有機ELの技術は手放す方向で動いた。

この技術を買い取ったのが、LGディスプレイやサムスン電子である。

今やサムスンとLGは有機EL独占販売状態

で、結局どうなったかというと、サムスンやLGが多額の資金投入を行って技術をものにし、有機ELディスプレイの販売にまで漕ぎ着ける。

その結果、2社でほぼ独占状態を実現するのである。

実際に、パネル全体のシェアでみてもサムスンは突出している。

それだけの努力をしたという点では評価すべきだろう。

ただ……、まっとうでない手法も使っていることを考えると、手放しに褒められる話でもない。

さておき、2位のジャパンディスプレイに続いて3位はLGである。

韓国勢はディスプレイ全般に、大きなシェアを持っていて、それは先見の明があったというべきだし、巨大な投資を効率よく行った結果だと言っていいと思う。

有機ELに対する投資も、そういう意味では先見の明があったというべきだ。

ただし、残念なことにトップから下位に至るまで、その製造技術の大半は日本の技術であり、新たな技術を開発するほどの自力をつけている訳ではない。その点はまだ日本に僅かなアドバンテージがある。

印刷方式の有機ELを選んだJOLED

現在、夜に出回っている有機ELの技術はSONYがかつて開発に血道を上げた蒸着方式の有機ELである。

実は、ジャパンディスプレイも有機ELディスプレイの生産をしてはいるが、コスト面では苦戦している。また、液晶ディスプレイの方面の方が得意であり、巨大な投資が必要となる有機ELまでは手が回っていないのが現状である。

そもそも蒸着式の有機ELは大規模な設備が必要であるという欠点の上に、歩留まりを上げにくいという問題を抱えている。

大型の有機ELディスプレイは、唯一、LGディスプレイが量産化に成功したが、サムスンは歩留まり向上を実現できず2014年頃に撤退。今は中型や小型の有機ELディスプレイの生産を行っている。小型の有機ELのシェアはサムスンが9割以上握っているのだから、流石としか言いようがないが。

パネル市場で実力を伸ばす中国、今後の狙いはOLED

2019年01月29日 09時30分 公開

 「中小型ディスプレイでは中国の実力が上がってきた1年だった」――。IHSマークイットでシニアディレクターを務める早瀬宏氏は2019年1月23日に行ったディスプレイ市場動向の説明会で、2018年の中小型ディスプレイ市場を振り返ってこのように述べた。

「EETimes」より

そこに猛追をしているのが支那メーカーで、サムスンとしては価格面では分が悪いようだ。

当然、日本のメーカーが価格面で勝負して勝てるわけもなし。そこで、JOELDは「印刷方式」を採用してOLEDの価格低下を実現することにしたようだ。

JOLEDが印刷方式による有機ELパネル量産に向け資金調達か 「当社の発表ではない」
JOLED(ジェイオーレッド)が印刷方式での有機ELパネル量産にメドをつけ、設備投資のために1000億円規模の資金調達に乗り出したと10月4日付けの新聞各紙が伝えた。

2018年には工場を作るための資金調達の話が出ていたが、どうやら工場稼働まで漕ぎ着けたというのが冒頭のニュースである。

25日に能美事業所で行われた「生産ライン完成式」では、同社の石橋義社長が「JOLED初となる有機ELディスプレイの量産ライン、そして世界で初めての印刷方式での量産ラインを完成できた。有機EL市場の中型領域に変革を起こす」と話している。

「IT media NEWS」より

ただまあ、残念ながらこれからサンプル出荷で、工場の本格稼働は2020年に入ってからのこと。暫くはサムスンの天下が続くということでもある。

それに、価格面で3割程度のコスト削減が可能だと言われてはいるが、果たしてそれで支那や韓国に太刀打ちできるか?という面では不安が残る。

印刷方式のデメリット

蒸着方式と印刷方式では、製造の容易さにアドバンテージが有るのが印刷方式なのだが、残念ながらデメリットもまたある。

蒸着方式は不純物が残りにくく、寿命の面で印刷方式よりも優れている。製造コストは安くなるが、寿命が短くなってしまうのでは話にならない。このあたりは素材の改良が待たれるところだが……。

また、解像度の面でも蒸着方式の方が現状ではアドバンテージがあるようだ。製品レベルで500ppiを達成できた蒸着方式に対して、印刷方式では350ppiの目処がついたという話が聞かれたところだ。

製品化できた印刷方式の 21.6インチ有機ELディスプレイは4Kのディスプレイで204ppiというから、 解像度の面では十分であるとも言えるのだろうが……、蒸着方式に比べると現時点では劣っている。

では、印刷方式の何が良いのか?といえば、蒸着方式のように真空設備を必要としない(蒸着を行う際には必ず真空環境下で行う必要がある)ために、大型のディスプレイに対応できるようになる点だ。今の所はJOLEDは中型ディスプレイまでに的を絞っているようではあるが。

いずれにしても、JOLEDが韓国勢の牙城を崩すためには、大きなブレイクするーが必要である。支那勢も猛追していることを考えると、是非とも頑張って欲しいところだ。

そして、そのブレイクスルーがなければ、韓国勢の駆逐というところにはなかなか漕ぎ着けることは難しかろう。

コメント

  1. 河太郎こと山童 より:

    木霊様。読者諸兄にすみません。
    我から言い出した事ですが、
    祖国の父祖と戦った米軍人が終末期病棟で語るてくれた言葉を、続けさせて頂けませんか?
    何ヵ月も経って、今さらと言われても仕方ない。この数ヶ月、私は再婚をしました。私が働いていた農場の出戻り娘と。実は恥ずかしいけど初恋の女でしてね。彼女は早婚だったので、1歳児の孫までいます。これが血の繋がりがないのに、なついてくれて可愛くて仕方ない。ほうやって爺じーを演じるうちに数ヶ月たってしまいました。
    ごめんなさい。
    でも、これから日本は自国で軍事的に独立せざる得ないかも知れない時期に至るています。
    戦場で我々の父祖と戦った米兵の言葉は無駄ではないと思うのです。
    どうか再び投降を許して頂けるならば、再投降したいのです。
    木霊様と読者諸兄にお尋ねします。
    続きを書いても許されますか?
    これが最後かも知れないので。
    どんな結末でも、「木霊様は国士」です。国士に集うブログと信じています。木霊様万歳!!!

    • 木霊 より:

      お帰りなさい。
      僕自身は山童さんから再びコメントを頂けるなら歓迎しますよ。

      ただ、ネットに依存するのは宜しく無いと思いますのでほどほどにされると良いかと思います。
      あと、国士というのは止めてくださいね(汗
      大したことはできていませんから。

  2. 二式大型七面鳥 より:

    OLCDは自発光デバイス、なのですが……
    基本的に、おおざっぱに言って韓国のものは(そして旧世代の国産も)白色発光するOLCDにカラーフィルタで色づけする、要はLCDのバックライトがOLCDになっただけのもの、でしたが、今回のJOLEDのそれはRGB-OLCDであって、最初からRGB発光する優れもの、だったと認識してます。
    https://www.j-oled.com/technology/
    勿論技術的ハードルは高く、為に今まで量産できていなかったわけで、カラーフィルタがない分光が無駄にならず、高彩色高輝度が実現出来る優れもの、のはずです。
    以上、釈迦に説法かも知れませんが念のため。

    • 木霊 より:

      OLCD(Oorganic Liquid Crystal Display)、或いはOLED(Organic Light Emitting Diode)が自発光デバイスであることは認識していますが、ちょっと記事の書き方が大雑把すぎましたかね。
      そのアタ辺りの事を言及した方が良かったかも知れません。ちょっと、追記を検討しておきます。

  3. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    OLED(有機EL)のコア技術は大半が日本産って事なんですね。
    半導体を含め装置産業ですから設備投資は莫大になりますし、品質と性能が肝な製品ですから歩留まりが悪いと価格競争には致命的です。

    >韓国勢はディスプレイ全般に、大きなシェアを持っていて、それは先見の明があったというべきだし、巨大な投資を効率よく行った結果だと言っていいと思う。
    >有機ELに対する投資も、そういう意味では先見の明があったというべきだ。

    なるほどサムソンを含めて「巨大市場」を見越したのが勝因なのかな。
    バブル崩壊後の長期低迷期にメモリを含めた半導体やOLED産業が投資できず、結果南朝鮮の後塵を拝したって事も一因でしょうけど、それは終わった過去であり今更嘆いても仕方ない。

    >いずれにしても、JOLEDが韓国勢の牙城を崩すためには、大きなブレイクするーが必要である。支那勢も猛追していることを考えると、是非とも頑張って欲しいところだ。
    >そして、そのブレイクスルーがなければ、韓国勢の駆逐というところにはなかなか漕ぎ着けることは難しかろう。

    これに期待しますし、近未来に世界を席巻するような技術が生まれる事を信じてエールを送りたいです。
    次期ノーベル賞を狙う研究の中に、関連する何か実用化で貢献できるものはないのでしょうかねェ~。

    • 木霊 より:

      そうですねぇ。日本の技術力には常に期待をしています。
      ただ、企業文化として新しい技術に理解を示さない傾向にあるのは頂けません。

      過去にも色々やらかししていますからねぇ。