在韓米軍の駐留費めぐる協議、予定通り決裂

北米ニュース

ここで強気に出るとは……。

在韓米軍の駐留経費めぐる協議 予定切り上げ終了

2019年11月19日 15時58分

韓国に駐留するアメリカ軍の来年の経費をめぐる米韓両政府の3回目の協議は、18日からソウルで行われていましたが、双方の立場の隔たりが大きく、予定を切り上げて終了しました。韓国メディアは、協議が決裂したとして年内の妥結は難しくなったと伝えています。

「NHKニュース」より

予定通りだな!

駐留費5倍を吹っ掛けるアメリカ

今回のこの協議は、決裂することは目に見えていた。

在韓米軍の駐留費、5倍の要求で協議決裂

2019.11.20 Wed posted at 10:28 JST

ワシントン(CNN) 米韓両国は19日、在韓米軍の駐留経費の分担をめぐる第3回の協議が決裂したと発表した。

トランプ米政権が韓国の来年の負担額として、従来の約5倍に相当する47億ドル(約5100億円)を提示し、韓国側がこれに強く反発した。

米交渉団を率いるジェームズ・デハート氏は記者会見で、米国側は必要に応じて意見を調整する構えだったのに対し、韓国側が公平な負担に応じようとしなかったと主張。韓国に再考の時間を与えるために協議を切り上げたと述べた。

「CNN」より

いきなり「次回から料金5倍な!」とか言われたら、「それ無理」になるに決まっている。

何しろ、去年もかなり「増額しろ」の圧力に対して、揉めて揉めてなんとか8%増で1年間を勝ち取った韓国である。今年もごねる事は確定していたと言って良い。そこに5倍ををぶち込めば、そりゃ決裂するに決まっている。

在韓米軍駐留費8%増 交渉妥結、協定期間1年に

2019.2.10 22:12

難航していた在韓米軍の駐留費協定をめぐる米韓交渉が10日、韓国側負担の約8%増額で妥結した。トランプ米大統領が韓国に大幅な負担引き上げを求めたことによる米韓の確執を、米朝首脳再会談を前にいったん収めた形だ。ただ、協定の有効期間が5年から1年に短縮され、今後もトランプ氏の増額要求が続く可能性が高い。在日米軍の駐留費問題に波及する恐れもある。

「経済新聞」より

これまでは5年スパンで更新していただけに、去年から「ヤバイ」とは言われていた。

wor1902100015-p1

まあ、去年も「1.5倍にしろ」とは言ってたんだけどね。

5倍は妥当なのか?

さて、あまりメディアが言及していないのだが、この5倍という数字は、果たして妥当なのだろうか?

2004 STASTICAL COMPENDIUM on ALLIED CONTRIBUTIONS TO THE COMMON DEFENSE

データが古くて申し訳無いのだが、アメリカの国防省が出している資料から、推測したい。2004年のデータによれば、韓国の負担率は4割程度。

photo_2

負担率が同じであるとすれば、韓国は倍額負担しても罰は当たらないだろう。

しかしここに含まれない分として、韓国のために行っている共同演習に関するアメリカ軍の経費などが考えられるので、5倍の費用を支払っても取り過ぎと言うことは無い。何のことはない、トランプ氏は「日本と同じくらい負担しろよ」と言っているわけだ。

なんというか、メディアは何故、5倍の妥当性に言及しないのだろうか?

アメリカ側の代表は声明を発表し「残念ながら韓国側の提案はわれわれの公正かつ公平な負担の要求に応えるものではなかった。韓国側に考え直す時間を与えるため協議を切り上げた」と述べました。

一方、韓国側の代表も記者会見し「アメリカ側は新たな項目を盛り込むなどして分担金を大幅に増額すべきだという立場で、われわれは互いに受け入れ可能な分担であるべきだという立場だった」と説明しました。

「NHKニュース」より

こんな双方の主張など晒しても意味が無い。

実際にどれだけかかっているかの数字が必要だよね。

防衛費負担を求めるアメリカ

こうした定額の負担の他に、爆撃機を派遣した時にその費用を払えという話はある。

爆撃機が韓国に来ればUberのように費用請求?…防衛費分担金増額の根拠を示せない米国

2019.11.16 13:32

トランプ米大統領が今年、「在韓米軍値札(Price tag)」を10億ドルから50億ドルに引き上げ、国務省と国防総省がこれを47億ドルに引き下げるよう説得したと、CNN放送が14日(現地時間)、米議会補佐陣と政府官僚を引用して報じた。しかし47億ドルも根拠がないのは同じで、慌てて総額を正当化するために韓半島(朝鮮半島)に循環勤務方式で駐留する兵力と装備に新しい項目を数多く作っていると伝えた。ここには在韓米軍基地駐留費や下水処理など日常的項目から準備態勢項目などが含まれている。

「中央日報」より

中央日報はアメリカを批判しているが、アメリカ側には多分根拠を示すだけのデータは持っていると思う。

下手なことを言うと、やぶ蛇だと思うんだけどなぁ。

交渉を主導する米国務省は新設項目が何であるかを確認しなかった。米国の要求総額も同じだ。エスパー米国防長官はこの日、訪韓する軍用機内で具体的な数値を明らかにすることを拒否し、「相当な増額を要求している」とだけ語った。これに対し米外交問題評議会(CRF)のリチャード・ハース会長はツイッターで「韓国に対する500%増の金額要求は拒否されるために考案されたもの」とし「トランプ大統領は当然、米軍撤収の口実を探しているはず」と述べた。そして「その結果は大きな戦争の可能性と日本の核武装であり、これは大変な戦略的蛮勇」と批判した。

「中央日報」より

ただまあ、この分析は正しいと思う。「否定されるために持ち出した数字」というのは、トランプ氏のネゴシエーション手法としては結構有名になっている。

一発目で5倍という数字を持ってこれば、半値八掛けで2倍くらいを勝ち取れるんじゃ無いかな?そうじゃなければ撤退しても腹は痛まないよね。

GSOMIAと関係あり?

アメリカも圧力をかけている日韓GSOMIAの存続だが、日本がこの様な態度に出ていることについてはアメリカとの話が付いている可能性が高い。

どのように話がついているか?といえば、いわゆる慰安婦問題やいわゆる徴用工問題に関して、日本側は折れる積もりがない、ということを了解されているという意味だ。それによってGSOMIAが破棄されたとしても問題無いと。

これ、真っ当な国ならばアメリカの立場であっても日本に対して「OK」と言わざるを得ない。だって、国際法的にNGだからだ。

何しろ韓国の都合で法律をねじ曲げ、それを外国との交渉に持ち出した事案が、今の日本と韓国との間の溝なのである。他国としてもこんな話を外交の場で持ち出したらたまらない。立場上、韓国の応援をするなんてことはNGなのである。

そんな訳で、それを折り込み済みで今回の5倍の駐留費吹っ掛けをやったという風に考えるべきだろう。

……四面楚歌だよな。

コメント

  1. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_3 より:

    2点ほど。

    >なんというか、メディアは何故、5倍の妥当性に言及しないのだろうか?

    日本メディアは、中朝韓の手先に落ちている可能性を否定できません。
    そうでなければ、数学がからっきしだめとか。ちょっと、別記事を引用します。

    ソース)サンケイスポーツ「在日米軍負担、4倍増要求か 8700億円、米誌報道」2019.11.16
    >米外交誌フォーリン・ポリシーは15日、複数の米政府関係者の話として、
    >トランプ政権が日本政府に対し、在日米軍の駐留経費負担(思いやり
    >予算)を約4倍の約80億ドル(約8700億円)に増やすよう要求
    >していると報じた。

    この記事の元ネタは、共同通信が配信しました。
    日本政府は否定してます。

    ソース)朝日新聞「米軍駐留費「日本は5倍負担を」 ボルトン氏が来日時に」2019年7月31日
    >今後の交渉で求める可能性がある増額の規模として日本側に示した数字について、
    >関係者の一人は「5倍」、別の関係者は「3倍以上」と述べた。

    この二つの記事は、実は同じ事項について、時期をずらして報道しています。
    なんか、「韓国への5倍要求」と関連づけすることで、日本国民への印象操作を行なっている感じがします。

    7月の記事についても、日本政府は否定してます。
    ソース)時事通信「「思いやり予算5倍」報道否定=菅官房長官」2019年07月31日
    >菅義偉官房長官は31日の記者会見で、米国が在日米軍駐留経費の日本側
    >負担(思いやり予算)を5倍にするよう要求したとの朝日新聞の報道に
    >ついて「そのような事実はない」と否定した。

    その次です。

    >アメリカも圧力をかけている日韓GSOMIAの存続だが、日本がこの様な態度に
    >出ていることについてはアメリカとの話が付いている可能性が高い。

    自分も話しがついていると考えています。
    ただ、最大の理由は「フッ化水素の横流し」(=ホワイト国除外)だと考えます。

    このブログの記事「韓国を「ホワイト国」から除外する」2019.07.01
    に書き込んだコメントを再掲します(一部改行を変更します)

    >>その「戦略物質」って何なのでしょうねぇ?

    >個人的には「高純度フッ化水素」なのではないかと考えてます。

    >イランはウラン濃縮を行なってます。
    >通常、ウラン235の濃縮を行なうためには、ウランをフッ化して
    >「六フッ化ウラン」(の気体)を生成し、それを遠心分離機にかけるようです。
    >この「ウランのフッ化」に、フッ化水素を使うようです。

    >韓国は、イランから原油を輸入しており、その代金支払に困っているようです。
    >参考)AFP通信「イランと韓国、原油の「物々交換」取引で合意
    >制裁の回避図る」2018年12月2日
    >>イランは1日、同国から輸出した原油の代金を物品で受け取る取引を行うことで、
    >>韓国と最終合意したことを明らかにした。

    >この「原油代金の代わりの物品」の中に「高純度フッ化水素」が含まれている
    >可能性は否定できないと考えます。

    • 木霊 より:

      ありがとうございます。
      4倍ネタを中心に追記をさせて頂きました。

      後段にご指摘の「高純度フッ化水素」に関しては、若干懐疑的ではあるのですが、韓国から流れたフッ化水素の大部分は支那に、他は一部が中東に流れたとされていますね。
      ご指摘の懸念は十分に考えられます。

      https://www.sankei.com/world/news/190711/wor1907110002-n1.html

      こんな状況で、貿易を優遇してくれと言うのは鼻で嗤うしかないですな。

  2. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    >さて、あまりメディアが言及していないのだが、この5倍という数字は、果たして妥当なのだろうか?

    まさに、語るのならこれが一番のポイントなんですよね、何故マスメディアは一番大事な分母を誤魔化すのでしょう?
    そして、「思いやり予算」なのか「在日米軍駐留費」なのかを誤魔化すつもりでしょう、ボルトン氏のコメントを使っているクセに「駐留費」という肝心な言葉を意図的に「思いやり予算4倍増」と決めつけています。

    南朝鮮の負担5倍増なんかどうでもいいのですが、日本のメディアは相変わらずの酷さで、「在日米軍駐留経費」と「思いやり予算」をごちゃ混ぜし総額(前契約比率)のみを恣意的に強調し4倍とか煽っているわけです。
    木霊さんの図が判り易いのですが、何故か古すぎるデーターしかなく最も知りたい直近データーはほとんど判り易く開示されていませんね、その意味では政府の説明責任の脆弱さも厳しく批判されるべきと思います。

    マトモに開示されていない以上仕方がないので、防衛省の2018年のデーターを元に考えてみました。
    各経費の基本条件をきっちりと把握し、整合性を考察するのが初歩の初歩で最も大事ですからね。

    ・前提条件
    ①駐留経費にはアメリカ派遣兵士のコスト(給与・軍人年金)は含まれない。
    ②駐留経費にはアメリカ軍が提供する兵器資産経費(維持費や更新費)は含まれない。
    *これも想像レベルというのが前提です。(実はアメリカにすれば、最も莫大な費用のはずなんですけどね)

    ・思いやり予算を除く真水の駐留経費
    ①防衛省の駐留基本負担費(借料・周辺対策・漁業補償料等)→1914億円
    ②米軍再編関係費(沖縄再編費・グアム移転経費・再編措置円滑化経費等)→1679億円
    ③沖縄限定であるSACO関連費(土地返還事業・その円滑化費用他)→256億円
    総計約3850億円です。

    ・思いやり予算の中味
    ①特定協定=思いやり予算による負担(労務費・光熱費等)→1497億円
    ①施設整備費・福利費用労務費)→477億円
    総計約1974億円です。

    つまり、3850億円+1974億円=約5830億円が日本が負担している在日米軍経費って事になりますね。

    ややこしいのは(政治による意図的なのかもですが)、防衛省負担には含まれない2000億円の別省庁予算が一般に知られてなく、さらのそれぞれの項目に交錯しちゃってる事です。

    さて、薄汚いマスメディアが「思いやり予算4倍要求」とか煽っている、8000億円の中味には最前提の「思いやり予算を除く真水の駐留費」は含まれているんでしょうかねェ~。
    もしメディアが言う様に「思いやり予算4倍」なら3850億+8000億=1兆1850億円であり、正確には総額2倍になりますから4倍という根拠自体がそもそも狂い話が合わなくなります。
    そして、現在の米軍駐留費が仮に1兆円としても(直近データーがないので実態は不明)、日本の負担は単純にそれを約2000億円超えちゃうっていう矛盾が生じ説明不能となります。

    7月のボルトン氏のコメントが事実として、駐留経費80億ドル=約8800億円要求なら、2018年より2970億円アップで約150%アップ(これでも飲めませんけど)になりますが、アホでも判る様に決して4倍増ではありませんよね。
    木霊さんの資料提供でハッキリしてますが、元々75%以上を負担してきた最優良同盟国が日本なんですよね、ドイツに至っては33%に過ぎず南朝鮮も40%程度ですから、日本に大幅アップを要求し過ぎって話になります。

    これから日本がマトモに交渉するなら「思いやり予算」を含めた総駐留費負担率を何%以内とするかとか、各項目毎に細かく上限枠&条件を設定するとかじゃないかな?
    単独防衛とか核武装論とか安易で勇ましい暴論も多いのですが、そうなったら8000億円程度の在日米軍駐留費では済まなくなり、現在の防衛費4.6兆円どころではなくおそらく20兆円規模まで必要となるんじゃないかな。

    薄汚いマスメディアは100%信用できませんから、政府はこの際に隠さずに堂々と「日本の負担率は世界で突出して1位、それを前提にアメリカと正面から交渉する。」と宣言すればいんじゃないかな。
    憲法改正&日米安保の重要性を本気で問う覚悟があるのなら、国民に実態=真実を伝え「国を守る為に必要でリーズナブルなコスト」と説明すべき時だと考えますね。

    アメリカの要求は総経費1.5倍の8800億円が基準と思いますし、大幅増額には項目毎の詳細を詰めて議論すべき問題だと考えます。
    例えば辺古野移転の遅れからまったく進んでいない「グアム移転費用220億円+ダブりで別計上の94億円=310億円」なんか、一旦凍結し削減だって交渉可能じゃないかな。

    • 木霊 より:

      数字を具体的にありがとうございました。
      思いやり予算に関しては様々な議論があると思います。
      まず、「思いやり」という名前が良くない。素直に「警備代」として、或いは「駐留費負担分」として支払い場良いのだと思います。名前を変えて誤魔化す文化は、宜しく無いと思いますよ。

      さておき、その費用の是非も議論して欲しい所ですし、それが必要無いというのであれば、どのように防衛してどれだけ費用が必要かを国民にも理解させるべきですね。
      そこを議論したくないから数字を隠すのでしょう。
      嘆かわしい限りであります。

      • マスメディア反乱軍 より:

        木霊さん、おはようございます。

        >まず、「思いやり」という名前が良くない。素直に「警備代」として、或いは「駐留費負担分」として支払い場良いのだと思います。名前を変えて誤魔化す文化は、宜しく無いと思いますよ。

        ご都合主義の最たるもんですよね。
        シンプルに「駐留負担費特別予算」とか「設備・生活支援費」でいいと思いますけどね。

        >そこを議論したくないから数字を隠すのでしょう。
        >嘆かわしい限りであります。

        政治自体ががメディアに舐められ突っ込まれる、情けない原因をつくっている感じがします。
        言葉遊びや実態の数字誤魔化しはいい加減にして欲しいもんです。

      • あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_3 より:

        マスメディア反乱軍様
        木霊様

        >まず、「思いやり」という名前が良くない。素直に「警備代」として、
        >或いは「駐留費負担分」として支払い場良いのだと思います。

        「思いやり予算」と言い出したのは「野党」です。

        ※Wikipediaの記事では以下のようになってます。
        >日本が経済規模に対して軍事面の負担をしないことに不満を持った
        >アメリカ合衆国の負担への特別措置を要請された金丸が、
        >「思いやりの立場で対処すべき」などと導入したことから、
        >日本共産党が思いやり予算と呼び、一般にも伝播するようになった。
        注)「金丸」=当時の金丸信防衛庁長官

        正式名称は「在日米軍駐留経費負担」です。

        つまり「思いやり予算」を広めたのは、特定野党とマスコミです。

      • 木霊 より:

        不勉強でした。
        ありがとうございます。

        確かに日本共産党がレッテルを貼って、これにマスコミが迎合したということでしたか。
        今は、済し崩し的に「思いやり予算」という事になっている気がしますが。