混迷の香港、夜間外出禁止令が出るという噂も

支那

いよいよ香港、歯止めが効かなくなってきた感じだな。

香港デモ、2人目の死者で夜間外出禁止令の憶測も 習中国主席は暴力停止を重視

2019年11月15日(金)08時21分

香港では14日も反政府デモが続き、学校が休校となるほか、高速道路が封鎖され、交通機関が一部運休するなど、市民生活に深刻な影響を及ぼしている。

こうした中、頭部にブロックが当たったとみられる70歳の街路清掃員が死亡したと病院が明らかにした。警察側は、マスクをしたデモ参加者が投げつけた物体が当たったようだと説明した。

「Newsweek」より

このブログでは香港の状況についても度々言及してきた。

方向性としては、デモ側を支持するような論調で書かせて頂いてはいるが、正直、このスタンスはどうかと思う。

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落とし所を見つけられないデモ側の迷走

ゴールは5条件ではない?

さて、先ずは5つの条件について。

  1. 条例改正案の完全撤廃 ← 撤回することが報じられた(未撤回)
  2. 「暴動」認定の撤回
  3. デモ参加者の監視や検問の停止と逮捕者の釈放
  4. 当局による暴力の調査 調査を約束されたが、具体的な内容は不明
  5. 長官辞任と普通選挙実現

これが、支那共産党支配を突き崩す結果になりかねないことを考えれば、ここをゴールに設定すると、永久にゴールインできない。

それを理解した上で今騒いでいるとすればかなり危うい話になるし、もともとデモ側には旗頭がいない。つまり、交渉にならない。もちろん、構造上、支那共産党がこれを呑むことはなく、交渉を前提としたデモ活動をやっても仕方が無く、また、旗頭を作ればそれがいとも容易く潰されてしまうおそれはある。つまり、ゴールはそもそも無いも同然ではあるのだ。

デモ反対派にも死者が

そもそも香港メディアの情報、警察側発表の情報を信じて良いのか?という問題はある。あるが、死者が出たことが事実であれば大きな問題である。

こうした中、頭部にブロックが当たったとみられる70歳の街路清掃員が死亡したと病院が明らかにした。警察側は、マスクをしたデモ参加者が投げつけた物体が当たったようだと説明した。

「Newsweek」より

……いや、本当にデモ反対派なのかは疑問はある。

もはや、デモ側の主張も政府側・警察側の主張も信じるに足りる情報を出しているのか怪しい状況にあるので、このこと1つをとりあげて批判するつもりはない。

だが、傾向としては暴力がデモ側も警官側も蔓延しつつあり、そろそろ殺し合いに発展するような気配すらする。街路清掃員の死にどんな意味があるのか、どんな意味づけをされるのか、は分からない。

自らの主張を暴力を伴ってでも通そうというおぞましい発想が、まかり通ってしまうのが香港の不幸なのだが、ちょっと考えて見るとそうで無かった時代の方が短いのだからそれほど嘆くことではないのかもしれない。

夜間外出禁止令は支那共産党からの情報

さて、話をちょっと戻していこう。

一方、中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙である環球時報がツイッターに、香港政府が週末の夜間外出禁止令を発令する見込みと投稿したものの、その後すぐに投稿を削除するという騒ぎもあった。

ツイートは匿名の関係筋の話を基にしたもので、詳細については触れていなかったが、インターネット上ではこうした内容のうわさが広がっている。

環球時報の胡錫進編集長は、ツイートを削除したのは「十分な裏付け情報がなかったため」と説明。「情報の入手経路を調べたが、情報が、この特ダネニュースを裏付けるには不十分と結論付け、ツイートの削除を要請した」と投稿した。

「Newsweek」より

外出禁止令の話を出したのは、支那共産党の機関紙がtwitterに投稿したのが元ネタらしい。

直ぐに削除されたようだが、根も葉もないという事でもないようだ。編集長が削除を指示しているが、何れにしても支那共産党の許可無しにこの手の重大な情報がもたらされることは無いだろうから、世間の反応を見るための観測気球だった可能性もある。

香港ではここ1週間、車両や建物が放火されたり、警察署や列車に火炎瓶が投げ込まれる事件が発生。高級ショッピングモールに対する破壊活動も行われている。

デモ隊は主要道路を引き続き封鎖しており、14日早くには入口が封鎖されている香港海底トンネル付近で、警官が催涙ガスを発射した。

複数の大学ではキャンパス内に多くの学生が立てこもっており、食料・レンガ・火炎瓶などを準備して、警官隊との衝突に備えている。

「Newsweek」より

そして、大学にも警察隊が突入して何人か拘束したなどというニュースもあったが、何が最初だったかはともかく、今や日本がかつて経験した学生運動、学園闘争の様相を呈してきている。

もはや香港社会は通常の生活が営めないような状況になってしまっているのだ。

そういう意味では、夜間外出禁止令が出されても仕方が無いと思うのだ。

支那からの圧力と対応に苦慮する香港行政

圧力を強める

既に習近平氏が香港の行政長官の林鄭月娥氏に圧力をかけたよ、という話はこのブログでもしている。

1国2制度、貫徹求める 習主席、香港長官と会談

2019年11月6日

中国の習近平国家主席は4日夜、香港政府トップの林鄭月娥(りんていげつが)行政長官と上海で会談した。

「毎日新聞」より

これを機に、対応を強めた感じなのだけれど、警官達が圧力を強めるほどデモ側も暴力を伴う行動に出る始末。いや、逆だ、と主張される方もいるかも知れないが、何れの場合でも香港にとっては非常に不幸な事だ。

香港警察は13日、抗議デモが「非常に危険で、致命的なレベルにさえ」達したと表明。当局の発表によると、13日の衝突では64人が負傷、2人が重体となっている。

警察は男性1人が13日に転落死したと発表したが、詳細は明らかにしていない。

「Newsweek」より

事、ここに至っては、どちらを支持すべきか、という話では無くなりつつあるといっても良いだろう。

不幸な事に、この手の騒ぎが過熱すると、軍事的な手段をもって制圧するような指導者が出てきて、騒ぎを収めるような方向に行く。日本の学園闘争がどうなったかというと、暴力は内側に向いて内ゲバが発生し、山岳ベース事件(1971年~1972年)のような凄惨な状態を迎えてしまう。これがどうなったかというと、高度経済成長の波に呑まれて急速に冷めていってしまった。

香港はどうなんだろうね。

香港経済はガタガタ

デモ騒ぎが起きる前から、香港経済は冷え込んでいた。

香港経済、深まる混迷 アジアの金融ハブ揺らぐ

2019/10/5 22:23

香港の大規模デモが経済に深刻な打撃となってきた。5日は香港内のほぼすべての鉄道が運行を停止し、大型商業施設やスーパーマーケットの臨時閉店も相次いだ。中国寄りとみなされた企業への破壊行為も止まらない。覆面禁止の措置で混乱に拍車がかかっており、アジア有数の金融都市やハブ空港の役割が一段と低下しかねない情勢だ。

「日本経済新聞」より

デモが打撃になった、というような表現で日経新聞は報じているが、数字はそうでは無い。

香港経済

ここ10年ほどでGDP成長率は極めて低くなってきている。

これに代わって繁栄してきているというのが深圳辺りだとは言われている。

結局、香港デモの原動力は、切っ掛けは逃亡犯条例の改正だと言われているが、これは結局単なる切っ掛けに過ぎない。何のことは無い、将来に不安を持った学生達が暴れているに過ぎない話なのだ。

ただ一方で、このまま香港が支那に呑み込まれた時に、彼らが不幸になるか?というと、その辺りは支那が発展を続ける限りはそうはならないだろう。尤も支那経済そのものが相当怪しい状況なので、そんな希望的観測は持てないのだろう。

だからといって香港が独立する事も難しい。

まあ、このブログでは、最初から「ジンケンガー」という立場でこの関連ニュースを取り上げてきたつもりはない。このデモの行方如何では、支那という国そのものが瓦解しかねないので注目しておこうという趣旨であった。

地下鉄を運営する香港鉄路(MTR)<0066.HK>によると、施設の損傷により、一部の鉄道・バス路線で運休が続いているほか、一部の駅も閉鎖されている。終電時刻は全線で通常より2時間以上早い午後10時に繰り上げられている。

輸送機関の混乱は香港経済を一段と悪化させる要因になっている。小売りや観光が打撃を受けており、香港は第3・四半期に10年ぶりとなるリセッション(景気後退)に陥った。

「Newsweek」より

香港の混迷は続くだろうが、香港はこれから先、この状態を続けることで更に困窮する状況になっていくだろう。

そして、支那共産党が勝利しても、デモ側が勝利しても、何れの場合にも不幸な結果にしかならない。支那共産党の勝利は、デモに参加した人々の抹殺であり、デモ側の勝利は支那の崩壊だろうからやはり未来に続かない話なのだ。デモ側がイギリスに泣きついて「支配してくれ」と、そういう選択肢があればまだマシかもしれないが、イギリスもあの為体である。とても庇護下に置くのは無理だろう。アメリカだって台湾ならともかく香港では手を出せないだろう。

デモに参加していない香港市民の方々は、或いは支那共産党支配下に組み込まれたとしても、命を繋ぐことくらいは可能なんだろうけれど、かつて謳歌したような暮らしは望めないに違いない。

暗い話になってしまったが、どっちに転んでももはや明るい話には繋がらないだろうというのが、現状の僕の感想である。

コメント

  1. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    真っ当な権利主張に対する権力の暴力行為は許されるものではありませんし、それは弾圧に他なりませんが、デモ側が最悪の手段である暴力行為に走っているのはさらに事態の悪化だけ招くと思います。
    仮に権力側=支那が仕組んだとしても、誘導に乗ってしまった結果の代償はデモ側に何ももたらさないでしょう。

    >だが、傾向としては暴力がデモ側も警官側も蔓延しつつあり、そろそろ殺し合いに発展するような気配すらする。街路清掃員の死にどんな意味があるのか、どんな意味づけをされるのか、は分からない。

    支那に利用された挙句にデモ側が自ら墓穴を掘りかねない危うさを感じますね。
    鉄パイプを振り回しドンドン過激化していった、かつての大学闘争ってこんな感じだったんでしょうか。

    >これを機に、対応を強めた感じなのだけれど、警官達が圧力を強めるほどデモ側も暴力を伴う行動に出る始末。いや、逆だ、と主張される方もいるかも知れないが、何れの場合でも香港にとっては非常に不幸な事だ。
    >これが、支那共産党支配を突き崩す結果になりかねないことを考えれば、ここをゴールに設定すると、永久にゴールインできない。

    いよいよ出口が見えなくなりつつあるのが一番怖い。
    5要求も今や絶望的な訳で支那の傀儡をできるだけ防ぎ、自主を選択できる「普通選挙」一本にまずは絞った方がいいと考えます。
    それをスタートに徐々に今回の事態を公正な法で裁定する、道は遠いけど結果的には一番近道じゃないかな?

    でも、これだとデモ派は穏健派と過激派に分裂しちゃうのは必至で、混乱は長く続くのだけは覚悟がいりますけどね。
    支那の介入を制限する香港政府の誕生が実現すれば、少なくともアメリカ・イギリスを始めとする自由主義国は「対支那覇権阻止」を絡めて打つべき手を模索して欲しいもんです。

    甘いかなァ~?

    • 木霊 より:

      困った事に、どの選択肢を選んだとしても、香港人の未来が明るくなるとは言えない状況なんですよね。
      きっと、イギリスがしゃしゃり出てきて、「支配権を返せ!」と、香港統治を始めるなんて展開にでもならない限りは、ろくでもない事になるように思います。

      ただ、日本としては昨日の香港は、今日の台湾であり、明日の日本という危機感を持たねばなりません。
      そうならないように台湾は選択をしようとしていますから、日本は応援する姿勢を示す必要がある気がします。