オスプレイを配備したくない人々の事情

防衛政策

そういえば、木更津のニュースがやっていたな。

オスプレイ木更津暫定配備 防衛省「配備期間できるだけ短く」

2019年10月31日 20時44分

千葉県木更津市の木更津駐屯地に自衛隊の輸送機、オスプレイの暫定的な配備が検討されていることについて木更津市などが提出した質問書に対して、防衛省は31日、「配備期間についてはできるだけ短くなるよう努力をしたい」と文書で回答しました。

防衛省は陸上自衛隊の輸送機オスプレイ17機を佐賀空港に配備する計画ですが、地元の関係者との協議がまとまらず、環境が整うまでの間、陸上自衛隊の木更津駐屯地に暫定的に配備したいとして協力を求めています。

「NHKニュース」より

木更津市の市長がいかなる思想をもった人物かはよく分からないのだが、どうやら木更津にオスプレイが暫定的にでも配備されるのが嫌らしい。

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ヒステリックに対応する千葉

オスプレイを監視する人々

オスプレイの何がそんなに気になるのかは知らないが、木更津市へのオスプレイの暫定配備に関して、市は執拗にこの問題を追いかけている。

木更津駐屯地におけるオスプレイの定期機体整備について
オスプレイの飛来情報等(最新情報:平成31年4月3日)
千葉県木更津市公式ホームページ

これらのページには具体的に反対するといった内容は見当たらないが、基地へのオスプレイの発着の時分まで克明に記録している様は、マニアかストーカーか、という状況である。ハッキリ言ってキモチワルイ。

オスプレイに関する報道も常軌を逸するものがあり、事故があれば真っ先に一面で取り上げる様は、病的である。もしかしてスパイ?と疑ってしまうレベルだ。

佐賀県も似たようなもので、漁協を中心として反対運動を展開しているようだ。

佐賀県と漁協、協議平行線 オスプレイ配備で

2019/5/24 16:31

佐賀県は24日、陸上自衛隊が南西諸島防衛強化のために計画している輸送機オスプレイの佐賀空港(佐賀市)配備を巡り、反対する県有明海漁協との協議を始めた。山口祥義知事が同市で漁協幹部らと会い、経緯を説明し受け入れに理解を求めた。漁協側は反発し、最初の話し合いは平行線に終わった。

~~略~~

漁協との質疑応答は非公開で行われた。出席者によると、空港周辺海域で盛んなコハダ漁にオスプレイの飛行音が及ぼす影響を懸念する声もあった。協議後、徳永重昭組合長は「(県の要請は)簡単に返答できるものではない」とけん制した。

「日本経済新聞」より

漁協が反対する理由は、「コハダ漁に影響がある、懸念する」という、大変科学的根拠に乏しいもので、この時代に大丈夫なのか?と、脳味噌の具合を疑ってしまう。懸念を持つ事自体は悪くは無いのだろうが、そういった事例を1つでも例示しての話だろうか?探しても見つからなかったぞ。

一見科学的に見えて見当違いな指摘をするメディア

更に始末が悪いのは、似非科学よろしく、一見的を射ていそうな内容で、その実、見当違いなことを言っているメディアである。

例えば、こんな感じだ。

軽トラも載らない「オスプレイ」 狭い機内に収まる「専用車」とは?

2019年10月13日 11:00

「オスプレイ」は陸上自衛隊も導入しましたが、戦車はもちろんのこと、既存の陸上自衛隊車両はバイクやリヤカーくらいしか載りません。同機の機内は非常に狭いため、アメリカ海兵隊は専用のコンパクト4WD車を開発してしまいました。

クルマは載るの? 載らないの?

「exciteニュース」より

出典は「乗り物ニュース」らしいのだが、同サイトでは比較的軍事的な記事も取り扱っていて、それなりに軍事面にも明るい印象だったが、こんなしょうもない記事を出してしまった。どうしたんですかねぇ?

そりゃ、パジェロを載せることを想定して設計されていないのだから、オスプレイに積むことは出来ないのは当たり前である。タイトルにある「軽トラも載らない」って、そりゃ載らないさ。くどい様だが、そういう設計じゃないから。

アメリカは専用設計の車を搭載すると報じているけれども、これだって当初、オスプレイは「高速かつ航続距離の長い兵員輸送手段」「垂直離着陸可能」という辺りを目的として開発された。

物資の輸送を前提に作られたタンデムローター機とは前提が異なるのである。だから、CH-47チヌークと比べて「使えない」というのは、おかしな批判なのだ。

同様に、銃輸送を目的として開発されたCH-53「スーパースタリオン」系のヘリコプターを比較に持ち出すのもおかしい。

事故に大騒ぎするメディア

一方で、そうした観点とは別に、とにかくオスプレイがキライなメディアも多数存在する。

地位協定改定求める オスプレイ事故で捜査に支障 県議会が意見書 米軍に国内法適用も

2019年10月16日 09:30

沖縄県議会(新里米吉議長)は15日、9月定例会最終本会議を開いた。米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの名護市安部への墜落事故を巡って中城海上保安部が被疑者不詳のまま書類送検したことに関し、日米地位協定の抜本的改定を求める意見書を全会一致で可決した。航空法や環境法令などの国内法を米軍の行動にも適用するよう求めた。過疎地域の自立促進に向けた立法措置を求める意見書も全会一致で可決した。

「琉球新報」より

確かに日米地位協定の改定を求めることは必要ではあるが、オスプレイを持ち出して殊更騒ぐのは違うだろう。

そして、日本共産党の機関紙赤旗も、オスプレイに関しては事ある毎に攻撃している。日本共産党は、とにかくオスプレイがキライらしい。

横田「友好祭」 オスプレイ機関銃公開

2019年9月15日(日)

 米空軍は14日から2日間の日程で、横田基地(東京都福生市など5市1町)を一部開放する「友好祭」を開き、米軍・自衛隊機を公開しました。

 この中で、昨年10月に正式配備された特殊作戦機CV22オスプレイの機体後部ランプ(斜路)には重機関銃が取り付けられていました。米軍の説明によれば、ブローニングM2重機関銃を発展させたGAU21重機関銃です。

 横田基地周辺では、CV22が銃口を市民に向けて飛行するケースが急増しており、不安の声が広がっています。

「しんぶん赤旗」より

ここまで来ると、「流石」という言葉しか出てこない。

事故率突出の危険機は撤去を

2019年3月21日(木)

 東京都の米軍横田基地(福生〈ふっさ〉市など5市1町)に配備されている特殊作戦機CV22オスプレイについて、基地周辺の自治体を中心に、日米合意に違反した飛行が相次いで目撃されていることが本紙の調査で分かりました(18日付)。CV22の10万飛行時間当たりの事故件数(事故率)は、主要な米空軍機の中で突出して高いことも明らかになっています。高率で事故が発生する上、危険な飛行を繰り返し、住民の命と暮らしを深刻に脅かしているCV22の配備を続けることは許されません。

「しんぶん赤旗」より

なかなか荒唐無稽な話だが、未だにこんな批判を繰り返している辺り、読者を欺す積もり満々としか思えない。特に事故率にかんして「クラスA」だ「クラスB」だ、という批判をしているが、オスプレイは調達価格が高いだけに、何か事故があれば直ぐに「クラスA」になってしまうのは避けられない。

10万飛行時間当たりの事故率、というフレーズは一時期メディアで流行ったが、欺瞞である事がバレていまでは殆ど使われない。

https://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/osprey/futenma/pdf/dep_5.pdf

2012年に防衛省が出した資料で、こんなものがある。

これはMV-22という型のオスプレイの事故率であり、特殊作戦用のCV-22とは異なるデータが示されているのだが、実質的に同じ構成でレーダーなど一部装備が異なるだけの機体のデータであるから参考になるとされている。

防衛省・自衛隊:CV-22オスプレイについて

では、何故CV-22の事故率が高いのかと言えば、それは特殊作戦に用いられるために、過酷な運用をするケースが多いからである。訓練にしても、実戦にしてもそうだ。

したがって、わざわざCV-22の事故率だけとりあげて「アブナイ欠陥機体だ!」と声高に叫ぶのは間違いである。

オスプレイ 横田配備機種 重大事故率が上昇

2019年3月3日 朝刊

米軍横田基地(東京都福生市など)にも五機が昨秋配備された垂直離着陸輸送機CV22オスプレイについて、米空軍全体で算出した重大(クラスA)事故率が昨年、上昇したことが分かった。十万飛行時間換算で四・〇五件だったのが五・八四件に上がった。日本政府は四年前の横田配備発表後、「飛行時間が増えれば下がる」と説明したが、逆行する現象だ。

「東京新聞」より

まあ、東京新聞だから仕方が無いと言えば仕方が無いが、意図的に内容を偏向しているのにはヘドが出る。

困った事にこんな図まで出しているのだが、残念な事にそれぞれの機体の配備数は、CV-22は100機に満たない(予定ではアメリカ空軍に53機配備される)、MV-22は400機弱(アメリカ海兵隊向けに360機、日本に17機の予定)、C-130に至っては2500機(2015年まで)が作られている。

事故率を計算するにあたって、母数となる機体の数や飛行時間が長くなれば長くなるほど、重大事故率は低くなる傾向にある。また、C-130ハーキュリーズは、登場から半世紀以上も経つベストセラーであり、そもそも輸送機ではあるがオスプレイとは構造が全く違う点を考慮しても、比較の対象として出すべき数字では無い。

とにかく批判したい野党の面々

メディアやtwitterでも馬脚を表す

そして、殊更この手の話を広げて騒ぎたいのが日本共産党である。しんぶん赤旗+オスプレイで検索して頂ければ、アホほど記事が出てくる。どんだけ好きなのかと。

私のオスプレイ発言が話題になっていますが、鉄の塊15トン15万円が、なぜ200億円になるのか?経済的には、それを付加価値と呼ぶ訳ですが、その付加価値なるものの中味を詳細に分析する必要があるのでは、という問題提起です。なぜなら、国民の皆さんの税金で買う物だからです。— 川内 博史 (@kawauchihiroshi) March 11, 2019

そして、とても残念な発言をしてしまった元民主党の議員もいらっしゃる。大丈夫か?この人。

140文字しかないtweetの中に幾つも間違いがあることを後から指摘されて冷や汗を出したに違いない。何が違うかといえば、例えば「鉄の塊15t」と言うところから事実誤認である。

オスプレイは金属部品の重量比は僅かに2割ほどで、重量比の59%は複合材料である。なお、金属といってもアルミニウムが大半なので、「鉄の塊」という指摘はそもそも間違っている。

あと「付加価値」って何、とか、「中味を詳細に分析」って、中身分かってねーし、とか、「問題提起です」って逃げ打って恥ずかしいとか、色々あるんだけれど、この発言は、過日の発言を修正したものだというのが問題なのだ。その時の発言は、「 オスプレイって重さ15トンなんですけど鉄1トンはオーストラリアで買うと1万円です。それが15トンですからホントは15万円ですよ。 」という話で、いやまて、オーストラリアで1t1万円で鉄が売っている?そんな馬鹿な。どこ情報よ、それ。

(鉄1トン1万円って価格そのものがどこの鉄だよ疑惑。鉄スクラップでも2万円強との話) 鉄鋼・非鉄市中相場詳細 | 日刊鉄鋼新聞 https://t.co/GiULm3bSha オーストラリアの相場は見つからず(再送) pic.twitter.com/MIZ6ouUxZU— 不破雷蔵@ガベージニュース (@Fuwarin) March 11, 2019

散々バカにされてしまう。ご愁傷様。

紙面でおかしな批判をしてしまった赤旗

こうした事例はいくつもあるが、もう1つ赤旗のトホホな記事をお届けしよう。

日本にオスプレイ17機売却 社会保障費削減分に匹敵 総額3600億円 想定価格の2倍超える

2015年5月8日(金)

 米国防総省は5日、垂直離着陸機V22Bオスプレイ17機と関連装備を日本に売却する方針を決め、米議会に通知しました。

 同省の国防安全保障協力局(DSCA)によると、価格は推定で総計30億ドル(約3600億円)。2015年度の社会保障予算削減分3900億円に匹敵する金額です。

 日本政府はオスプレイの購入価格として1機あたり100億円程度を想定しており、15年度軍事費に計上した購入経費も5機分で516億円でした。しかし、米側の提示した価格は1機あたり約212億円で、想定の2倍以上です。

~~略~~

このままでは、消費税増税分が社会保障費ではなく、米国の軍需産業を潤すという、異常な対米従属政治になりかねません。

「しんぶん赤旗」より

ありがちな批判ではあるが、1機あたり212億円という数字は、エンジンなどの保守部品を含めた話である。

ぼったくりではない日本向けオスプレイの価格(JSF) - Yahoo!ニュース
米国防安全保障協力局は日本向けV-22オスプレイ17機と予備エンジンなど関連器材および訓練を含む輸出案を議会に通知しました。その費用は昨年に提案されたイスラエル向けオスプレイよりも割安なものでした。

こちらの記事ではオスプレイの価格に関する指摘がなされているが、どちらを信用出来るかは読んでみれば明らかだろう。

そもそも、防衛費と社会保障費を比べるのは、頭がおかしいとしか思えない。国が存在しなくなったら、社会保障もクソも無い。両方やらねばならないとして、その必要性は割合で考えるものなのだろうか?

オスプレイが配備されて困るのは、作戦範囲

従来の航空機にない特性

説得力のある図を1つ。

沖縄にオスプレイを配備すると言うことは、こういう意味がある。

岩国基地に配備されるとこうなる。この話は、佐賀空港でもそう変わらないだろうね。

結局、荒唐無稽な論理を振りかざして批判する人々にとって、「都合の悪い」ことなのだろう。特に、垂直離着陸が可能というのは、飛行場を必要とせずに兵士を作戦投入できるという意味で都合が悪い。

尤も、オスプレイには武器を付けられないので、兵士だけ投入されても困るのだろうが、作戦遂行におけるオプションが広がるという意味では厄介な事に変わりが無い。

戦略的な意味において、この場面でオスプレイを使うのか?という批判はあるだろうし、チヌークなどを増やした方が有益だという意見も分かる。が、オスプレイは不要だという話とはまた別なのである。

闇雲に批判するのだけは恥ずかしいのでやめておきたい。

コメント

  1. 電気屋 より:

    オスプレイ、ゲンブン漫画では大活躍でしたね(笑)
    そもそも天下のアメリカ軍が合理的理由無しに正式採用する訳無いです、どこぞのハリボテ軍隊と違い本当に戦う軍隊ですからね。

    • 木霊 より:

      アメリカ軍が採用しているからといって、必ずしもその国の防衛に資するとは言い切れないのですが、オスプレイに関して言えば、左側が一斉に批判する様子から考えても、有用性は高いのでしょう。
      つまり、支那が嫌がっている、ということですからねぇ。

  2. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    >事故率を計算するにあたって、母数となる機体の数や飛行時間が長くなれば長くなるほど、重大事故率は低くなる傾向にある。また、C-130ハーキュリーズは、登場から半世紀以上も経つベストセラーであり、そもそも輸送機ではあるがオスプレイとは構造が全く違う点を考慮しても、比較の対象として出すべき数字では無い。

    僕が嫌悪するマスメディアの偏向誘導記事(僕は悪意あるフェイク記事となんら変わらないと思っていますが)には今更ですがウンザリですね。
    読み手が高齢化し購買層が偏ってきているから、ちょっと具体的な数字を出されると無条件に信じちゃう、それを狙っての汚いやり口は相変わらずです。

    >そもそも、防衛費と社会保障費を比べるのは、頭がおかしいとしか思えない。国が存在しなくなったら、社会保障もクソも無い。両方やらねばならないとして、その必要性は割合で考えるものなのだろうか?

    解凍しちゃった(いや解党か-冷笑-)旧社会党・共産党お得意のお莫迦としか思えない予算比較論...、未だにこれが通用すると思っている共産党幹部のオツムの中味を真剣に心配した方がいいと思いますね。

    尖閣諸島を筆頭に離島防衛の有事に際して、一分一秒でも速やかに日本版海兵隊を展開するにはオスプレイは必須軍備と考えます。

    >沖縄にオスプレイを配備すると言うことは、こういう意味がある。
    >岩国基地に配備されるとこうなる。この話は、佐賀空港でもそう変わらないだろうね。

    沖縄・岩国に8機ずつ配備すればMAX24人として、200人近い初期防衛戦力を投入可能です。
    支那や北朝鮮(統一朝鮮後)へのプレッシャーをかける主力装備であるのは間違いない事実でしょう。
    それを嫌がる勢力が市民団体を装い、難癖付けて強力に反対しているだけの話。

    1飛行体8機体制で2個飛行隊を編成し沖縄・岩国に配備、さらに対ロシア牽制目的で青森あたりにもう1個飛行隊を追加してもいいくらいじゃないかな?

    政府は国内にはびこる反日勢力など粛々と無視して、着々と既成事実を積み重ねていけばいいと思っています。
    支那・ロシアそして近未来予想される統一朝鮮の邪な侵略による最悪の戦争を防ぐには、相手の野望を打ち砕く戦略兵器配備こそが一番強力なメッセージとなると思っています。
    もちろん部隊上陸後の防御戦略にも万全を期して欲しい。

    • 木霊 より:

      何となくグラフを出すと説得力が出てしまうので都合が良いのでしょうが、欺されてはいけませんね。

      「未亡人製造機」なんて不名誉なあだ名が付けられたと言われていますが、貴い犠牲の上に現在の形となり、納得の上でのアメリカ軍の採用であります。
      「そこまで有用だから性能に目を瞑った」という側面がある可能性はありますが、「妥協できるレベルまで改善された」と見るべきだとは思うのですよ。

      離島防衛に有用に使えるかどうかまではなかなか難しい部分はありますが、少なくとも離島との行き来を考えると、かなりのメリットが産まれてきます。
      選択肢が増えることは防衛にとってもプラスでありますから、無駄って事はないと思います。故に対費用効果に関して言及するのであれば分かりますが、「棄権だから使うな」というのはオカシイでしょう。
      日本国民の国防に対する意識は、もっと高まっても良いと思います。