サムスン、一部のスマホの設計から生産まで支那企業に依託

大韓民国

いわゆるOEMとは若干話が違う様だ。

サムスンのスマホ6000万台、中国に生産を引き渡す

10/28(月) 23:38配信

 サムスン電子に部品を供給する中小企業の会「協星会」が最近、非常対策チームを立ち上げた。サムスンが1年間に生産するスマートフォン3億台のうち20%に当たる6000万台を、世界各国にある自社工場では製造せずに中国企業に丸ごと任せることにした影響で、中小部品企業の仕事がなくなってしまうからだ。

「yahooニュース」より

何故このニュースを取り上げたかについてを先に説明しておきたい。

それは韓国経済に大きな影響を及ぼす可能性がある話だという観点で、非常に重要な転機だと考えたからである。

サムスンの苦境という話であれば、既にこのブログでは説明して来たし、それが韓国経済に直結する話であることも説明するまでもない。……あとで軽く説明しておくけれども。

ともあれ、ステージが変わる!と、そういう話なんだよね。

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OEMとODM

任せる範囲が違う

割と良く聞く言葉、OEM生産だが、これはどんな意味か?ということを正確に把握している人は意外に少ない様に思う。実際、僕も調べて見て「そうだったの?」と感じる始末である。

OEM( Original Equipment Manufacturing )は、簡単に言うと高い技術レベルを持っている企業(同レベルの技術を持つ場合もある)が、そうでない製造者に製品の製造をお願いすることである。同業他社に製造だけお願いするパターンもOEMなので、OEMの形態も幾つかあるということだね。

これに類する言葉がODM( Original Design Manufacturing )というヤツだ。OEMが生産だけ任せるのに対して、ODMだと設計までお願いするパターンとなる。

案外、「OEMだ」といっている商品が実はODMだったなんてことは良くある話。

こんな感じでまとめると分かり易いね。

OEM(オーイーエム)とは?〜基礎知識とメリット・デメリットを解説
今回は「OEM(オーイーエム)」について基礎知識から、そのメリット・デメリットについてご説明します。 OEMについて、さらにはPBやODMとの違いがわからないという方、ぜひ目をとおしてみてください。

こちらのサイトには詳しく事例まで書かれているので、参考にして欲しい。

サムスンが計画しているのはODM

で、冒頭のニュース、サムスンが予定しているのがODMという話になってくる。

サムスン側で価格帯だけ決めて、あとは中国企業が設計・部品調達・組み立てまで全て行う方式(ODM、委託先ブランドによる設計・生産)だ。サムスンはこのような中国製スマホに「サムスン」ブランドを付けて世界市場で販売する。世界1位の製造競争力を自負してきたサムスン電子の歴史では前例のないことだ。

「yahooニュース」より

かつて、日本のスマホ市場で「サムスン」の名前を前面に出すと売れないので、メーカー名を目立たないようにして販売するなんて事があったが、今やサムスンはその世界でもブランド力のある名前になった事を意味する。

それはそれで意味があるし、サムスンがODM依託仕様としているのは、中級機以下の安い価格帯のスマホであることは疑い様が無い。年間スマホ生産台数3億台のうち、その2割にあたる6000万台を支那に作ってもらう。

まあ、スマホはそもそも様々な規格があって、これに適合するような部品を集めて組み立てるタイプの商品なので、製品の企画力とブランド力があれば、開発力が高くなくとも売れる商品を作る事が出来る。

それ故に支那企業が台頭してきていて、独自の技術を盛り込んだ商品も作る事が出来るようになって競争力を高めてはいるが、どちらかというと「どうデザインするか?」に重きが置かれる製品である。

そういう意味では、OEMで製品を作るのは寧ろ当たり前になりやすい商品だと言える。

ただ、それは後発組が追いつき易いという側面を併せ持っていて、利益の大半を産み出す中級機を外注するというのは、かなり高いリスク(企画を盗まれるという意味で)をはらむモノである。それなら設計企画まで任せてしまえ、というODMの選択をするというのは強ち誤りではないだろう。

自分は利益率の高い高級機を一生懸命作って、製品に特徴の出にくい中級機以下は外注に任せようという戦略は、一時的には利益を生み出す可能性は高かろう。

国内産業が危機を迎える

で、ODMのデメリットとしては、自社での開発力の低下が懸念されるということなのだが、その点は高級機の開発をやっていればある程度はカバーできる可能性が高い。

ただ、問題は韓国企業が支那企業にODMをお願いしちゃったので、OEM提携していた韓国内企業が軒並み首をくくる羽目になっちゃったという事なのである。

何しろ、韓国内の中堅企業より支那の大企業の方が企画力も製造力も優れている。一括で発注しちゃった方が安いぜ!という結果になるのは、ある意味仕方がないが、一方で、韓国国内産業に大きなダメージを受けることになり、それはかなりのリスクとなる。

また、安売り用のOEM製品を少し割高で飼う羽目になった場合、サムスンとしてもデメリットを被る可能性が高いのだが、短期的に見れば中級機以下の製品のための設備投資が必要無くなる点や、生産コストがかさみがちな韓国内企業に任せるよりは格安で作れるため結果的に安く売れることになる点など、良い点もある。受注した支那企業としても、量産効果を出しやすい事を考えてもメリットがあるだろう。

ただ、長期的に考えるとODMはブランド力だけで売るという発想なので、特にトラブル対応などが杜撰になり、企業のブランド力を傷つけ易くなるリスクはあるだろう。

そうなった時に、既に壊滅している韓国内企業に対応して貰おうとしても遅いだろう。

理由は、中国の低価格スマホの攻勢の中で生き延びるためだ。安くて品質の良い100ドル前後の中国製と競争するために、自らが中国製になるという最強手段を選んだわけだ。生存という絶対的使命の前に「サムスン製造」というプライドはおごりだ。

「yahooニュース」より

別の理由で朝鮮日報は怒りを露わにしているが、「おごり」よりももっと深刻な問題が出るんだよね。

サムスンに納品しているある中小企業の代表は「われわれにとっては死刑宣告」と話した。また、別の中小企業の代表は「非常対策チームが苦境を訴え、当初の7000万台から1000万台減った」とした上で「サムスンの物量を受注した中国メーカーを訪ねて、われわれの部品を買ってもらうよう泣きついている」と話した。

「yahooニュース」より

韓国内の中小企業は、下請けの下請けという立ち位置に成り下がり、部品を安値で供給しなければならない立場に置かれる。そして、直ぐにコピー商品が出回る支那では、こうした韓国企業が安値攻勢に出たとしても、長期間は対応不能だ。

サムスンが支える韓国経済

GDPの15%がサムスン頼み

さて、軽く説明するとしていた韓国経済とサムスンの関係なのだが、まず、韓国経済が貿易依存度が高い国だということを指摘しておかねばならない。

対外依存度70%の「ぜい弱な先進国」韓国、日本の規制で途上国への逆戻りもありうる=中国メディア

2019年7月22日 16:12

中国メディア・今日頭条は20日、自国経済の約70%を対外貿易に依存している韓国は「ぜい弱な先進国」であり、日本による半導体産業分野での輸出規制措置で発展途上国に逆戻りする可能性があるとする記事を掲載した。

「レコードチャイナ」より

対外依存度は7割とこの記事は報じているが、貿易依存度は8割に達するとの記事もある。一時期は貿易依存度9割を超えていた時代もあったので、これでもマシになった方だけれども。

ともあれ、輸出額はGDPの37%を占める状況であることを考えるとなかなか深刻だ。

韓国経済は輸出依存型で、国内総生産(GDP)の約37%を輸出が占める。半導体は輸出の20%余りに上り、韓国経済を牽引(けんいん)する数少ない分野だ。

「産経新聞」より

何が深刻かといえば、外需に依存している状況なので、世界経済の悪化を直ちに反映させてしまう体質なのだ。

特に支那とアメリカへの輸出に頼ってはいるが、これが何れも経済状況が思わしくない。支那に関していえば、韓国からの輸入を極端に減らし、サムスン製品の売り上げは地に落ちている。アメリカに関していえば、スマホ爆発騒ぎからシェアを落としているので、サムスンとしても業績悪化を避けられない。

1点目は、韓国経済がサムスン電子を筆頭とする「財閥(チェボル)企業」の業績拡大に依存していることだ。サムスン電子1社の売上高は、韓国のGDP(国内総生産)の15%程度を占め、上位10社の売り上げを合計するとGDPの45%程度に達する。なお、サムスンの営業利益の70%程度が半導体事業からもたらされている。

「PRESIDENT Online」より

加えてサムスンの営業利益の7割が半導体事業からなのだが、ここもインテルに押されて苦境に立たされているとあって、実に分が悪い。

サムスンの没落で韓国経済が吹き飛ぶ

そして、たかだか15%と云う無かれ。

サムスン電子の韓国における精神的支柱っぷりはなかなか大したもので、「サムスンに入社することこそが人生の勝ち組」になれると信じて疑わない学生が大勢いて、日夜受験勉強に魂を削っている状態である。

15%が吹き飛ぶと、そこに携わる従業員や下請け企業が軒並みやられる。そもそも上の記事で紹介したように、サムスンがODMを行うことで国内産業は大打撃を受ける可能性が高い。(これはムン君が待ったをかける可能性は残されているが)その上、高級機に携わる機会も失われるとあっては、座して死を待つようなものだ。

経済への影響は15%どころではないのである。よって、韓国政府としてもなんとしてもサムスン電子を潰せはしないのである。……と、前政権までは考えていたようではあるが、現政権、つまりムン君はそう考えていないようなんだな、不思議な事に。

コメント

  1. マスメディア反乱軍 より:

    収益にしろ貿易額にしろサムソン一強頼りという歪な構造は、普通の会社に当て嵌めても大きなリスクをはらむのは歴然な事ですよね。
    取引先の20%を一社に頼った企業は、それに甘んじていたら常に倒産のリスクと隣り合わせって事。

    南朝鮮はこれを国単位でやってきたのですから、世界経済の動向次第で国がヤバくなるのは判り切った話なのに...。
    ここまで普及したスマホも主力は高級機種ではなく、5Gが一時的に席巻したとしてもお手頃価格の中級機種のシェアが増える形で集約するんじゃないかな。(4Gでも使いこなせない機能が山盛りですからね)

    電気自動車のご指摘も仰る通りで、基幹技術の高効率電池・斬新なソフトウェアの開発競争がメインとなるでしょうし、後発メーカーが簡単に追従できるレベルじゃないでしょう。(パクリ前提ならある程度可能かな-失笑-)

    ノーベル賞を受賞した吉野氏のリチウムイオン電池実用化で判る様に、基礎研究をしっかりとやれない南朝鮮民族は常に一歩(二・三歩かな)後ろをついて行くのに精一杯...、日本に邪な対抗心を燃やすより素直に教えを請えばいいのにね。

    • 木霊 より:

      記事で揶揄した様に、サムスンに支えられている構造の韓国経済は歪には違いありません。
      しかし、膨大な利益を得ようとすると、一極集中は決して間違った手法とは言えません。ただ、「次」を用意出来ないだけで。
      安全面を重視するのであれば、経済規模を小さくしてコツコツ稼ぐビジネスモデルに転換すべきでしょう。
      ……ただ、それは無理な相談だと思います。太く、短くで良いんじゃ無いでしょうか。

      ソフトウェア戦争に乗り遅れるな!というのは日本にも言えることなのですが、ソフトウェアは数打ちゃ当たる的なところがありますから、疎かにするなといってもなかなか難しいと思います。
      使ってみないと分かりませんから、ガンガン開発してガンガン捨てていくというスタイルですかね。お金かかるのでなかなか大変ですが。
      日本もオリジナリティを出すより後発的な開発が得意な国ですから、お隣の国を他山の石として謙虚に考えていかねばならないですよね。