米朝実務者協議の決裂と、反文在寅デモ

北朝鮮

朝鮮半島は更に忙しいことになってきそうだな。

ムン君の話は割とどうでも良いんだけど、2つ合わせると結構色々な想像が出来る話だよね。

核実験再開に言及した北「交渉は決裂」…米は再協議の意向

2019/10/07 07:18

 【ストックホルム=石崎伸生】北朝鮮の非核化をめぐる米国と北朝鮮の実務者協議が5日、スウェーデンの首都ストックホルム郊外で行われた。協議後、北朝鮮は「決裂」を主張し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射や核実験の再開に言及した。

「讀賣新聞」より

最初に紹介するこのニュースは、なかなか興味深い話だ。

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米朝実務者協議は決裂したのか

アメリカと北朝鮮との認識の違い

讀賣新聞の記事だけでは分からないので、別のニュースを引用しよう。

米朝実務協議「決裂」と“北”代表 米国務省は「良い議論」と反論

2019年10月6日 日曜 午前6:16

北朝鮮の非核化をめぐる米朝実務協議が決裂。

北朝鮮の金明吉(キム・ミョンギル)首席代表は5日、スウェーデンで行われた協議終了後、記者団に対し「アメリカは手ぶらで来た」、「不快だ」と述べ、協議が決裂したことを明らかにした。

~~略~~

これに対し、アメリカ国務省は「北朝鮮のコメントは、8時間半に及ぶきょうの協議の内容や精神を反映していない。われわれは、いい議論を行った」と反論した。

「FNN PRIME」より

内容的には大した差はないのだが、アメリカ側の認識が讀賣新聞の方には示されておらず、FNNの方には一言だけ追記されている。「いい議論を行った」と。

つまり、北朝鮮側は議論の内容が気に入らなかったので、「新提案は無かった=手ぶらだった」と表現し、アメリカ側は「新提案をした」「酔い議論だった」と全く食い違っている。

これに言及していたのがニフティニュースであった。

米朝実務者協議、両国の認識に食い違い

2019年10月06日 11時56分

スウェーデンで行われた米朝の実務者協議について、北朝鮮側は「交渉は決裂した」と主張しました。一方でアメリカ側は「創造的なアイデアを提案した」と反論、両者の認識は食い違いを見せています。

~~略~~

 一方、アメリカ国務省は「北朝鮮側からのコメントは本日の協議の内容や精神を反映していない。アメリカは創造的なアイデアを提案した」と反論しています。

 「アメリカもある程度のアイデア、創造的なアイデアをもっていったと思うが、それが北朝鮮の要求する水準には届かなかった」(平井久志氏)

 また、アメリカ国務省は「スウェーデン政府が2週間後に再びストックホルムで協議を続けることを提案し、アメリカは受け入れた」として、協議の継続に前向きな考えを示しました。

「Niftyニュース」より

これらのニュースから示唆されることは、アメリカ側は何らかの新しい提案を持っていったが、その提案は北朝鮮が期待したものでは無かった。だから、「決裂した」と北朝鮮が主張したという流れだったということだ。

アメリカ側の提案は何だったか?

アメリカ側が何を提案したかはニュースでは詳細には報じられていないようだが、こんな提案だったという話が出ている。

実務者協議で米が妥協案提案か 対北交渉前進狙う

2019/10/03 10:43

 非核化を巡る北朝鮮との実務者協議で、アメリカが暫定的に経済制裁を緩和する妥協案を提案する方針だとアメリカの一部のメディアが報じました。

 アメリカの「デジタルメディア・ボックス」は複数の政府関係者の話として、アメリカが繊維と石炭に対する国連制裁を36カ月間、停止する代わりに、北朝鮮が寧辺(ニョンビョン)の核施設を閉鎖してウランの濃縮を停止する妥協案を示す見込みだと報じました。近く、スウェーデンで開かれるアメリカと北朝鮮の実務者協議で提案されるとみられます。

「ANNニュース」より

どうやら、アメリカ側が妥協したという事らしい。

米朝実務者協議が再開 7カ月ぶり トランプ政権「寧辺」に注力か 「最大限圧力」放棄に傾斜
【ワシントン=黒瀬悦成】北朝鮮の非核化に向け、米朝は5日、スウェーデンのストックホルムで、ビーガン北朝鮮担当特別代表と金明吉(キム・ミョンギル)首席代表による実…

産経新聞も似たような内容のニュースを報じていたね。

提案の内容は、寧辺の核施設閉鎖の対価として3年間、国連制裁の一部を停止し、「繊維と石炭」の輸出を許可するという話らしいという。

しかし、この話はかなりおかしい。何故かというと、アメリカが国連にこの制裁の一部解除を持ちかけたということはちょっとあり得ないことで、アメリカが独自でこのような提案をしたという事になる。

アメリカの外交案は提案の中身は言えないといっているので、アメリカの独断でこの様な提案をした可能性はある。

繊維は軽工業で、比較的技術が未熟な国でもそれなりの製品を輸出できる可能性があり、早い段階で外貨獲得の資金源になり得る。

石炭の方はもっと単純に、露天掘りという技術を要しない方法で採掘可能であり、世界的にも需要の高い燃料である。つまり、こちらも外貨獲得に繋がりやすい。

アメリカ側は、かなり妥協したと言う事になるだろう。3年間という期限を設けた理由は、単純にトランプ政権が存続する可能性のある期間である。トランプ政権的には、北朝鮮問題は安易に片付けたい。選挙前に「成功」をアピールしたいと、そう考えた可能性が高い。

そうだとすると、トランプ氏は功を焦って安易な妥協案を示し、北朝鮮にその足もとを見られてこれを蹴り、更に値段をつり上げる積もりだと言う事になる。

危ういトランプ政権

トランプ氏の今の最大の関心事は自分の選挙である。

民主党勢力側はかなりの失態を演じているのだが、トランプ氏としてもあまりうかうかはしていられないというのが現状である。

トランプ、ウクライナの次は中国にバイデンの調査を要求 民主主義に最悪の反則と元米NATO大使

2019年10月4日(金)16時00分

ウクライナの大統領に政敵ジョー・バイデン副大統領の不正を洗ってほしいと頼んでいたことが発覚し、今や弾劾調査の対象になっているドナルド・トランプ米大統領が、今度は、バイデンは中国でも怪しいので調査すべきだと発言した。

「Newsweek」より

トランプ氏が政敵であるバイデン副大統領の不正捜査に圧力をかけた、という観測が出ていたが、これは大統領が捜査機関に圧力をかけたと言う意味では相当大きな問題である。

トランプ氏はこの疑惑には答えず、「支那との関係も調査しろ」とそう言って、事実上、圧力をかけたことを認めたような格好だ。

トランプのこの発言に先立ってFOXニュースは、2013年に当時副大統領だったバイデンが、中国への公式訪問に息子のハンターを同行させた際の「疑惑」を報じていた。ハンターが政府の公式訪問を利用して、中国でのビジネスで利益を得たというものだ。バイデンは「根も葉もないこと」と、否定している。

「Newsweek」より

良くも悪くも実際にこうした「疑惑」を補強する証拠も出てきている。

「トランプ弾劾」に踏み切った民主党の大いなる賭けとリスク

2019年10月7日

 ロシア疑惑追及で二の足を踏んでいた米民主党が、あらたに急浮上した“ウクライナ・ゲート”問題をきっかけに、ついにトランプ大統領の弾劾訴追に向けた本格審議に乗り出した。その成否は来年大統領選を控え、有権者の支持がどこまで得られるかにかかっている。

「Wedge Infinity」より

バイデン氏の息子がやったことは外患誘致にあたり、アメリカ国内でも大きな問題となっている。加えてバイデン氏自身もこれに何らかの荷担をしている疑惑があるので、候補者としては致命的な話なのだ。

一方のトランプ氏も圧力をかけた疑惑が出ているが、しかし事は売国行為の調査であって、その辺りを指摘することで、支持者の指示をとりつけようと、そういう魂胆なのである。

つまり、トランプ氏も結構危うい賭けに出ざるを得ない状況で、民主党側も更にヤバイ状況になっているという事なのである。そこを北朝鮮に付け込まれているという構図だ。

支那ともディール

もう一つ深刻なニュースがこちら。

トランプ氏「貿易交渉進めば香港問題は黙る」習氏に電話

2019年10月4日12時44分

米CNNは3日、関係者の話として、トランプ米大統領が6月18日に中国の習近平(シーチンピン)国家主席と電話会談をした際、米中間の貿易交渉が進展すれば、香港問題については黙り続けると伝えていたと報じた。ワシントンの外交関係者の間では、トランプ氏が香港問題を中国との貿易交渉の取引材料にしているとの根強い見方があったが、それが裏付けられた格好だ。

「朝日新聞」より

貿易戦争の状況を迎えているアメリカと支那との状況を打開するために、トランプ氏もカードを切らざるを得ない状況にあるという話なのである。

尤も、この話はあくまで「そういう可能性」を反トランプ派のCNNが報じたと言うことだけなので、信憑性としては怪しい事この上ない。

ただ、事実上、アメリカ側は香港のことに対して大きなアクションを採っていない。よって、静観していると言えば聞こえは良いのだが、支那との交渉を優先させるために、ある程度の事を黙認しているといって良いだろう。よって、この様な観測も、荒唐無稽とまでは言えない。

トランプ氏が切ったカード、「貿易戦争」は、長期化によってトランプ氏自身の首を絞め始めている。それにトランプ氏は苦しんでいるのだ。

コメント

  1. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    スウェーデンで行われた米朝実務者協議が不調だった事は、メディアはおおむね予想通りという反応ですね。
    事前に南朝鮮は事前協議からもオミットされたと報道されていましたから、元からほぼ完全に蚊帳の外での出来事なんですが、期待感満々だったので彼らだけが落胆しているかも。

    >そうだとすると、トランプ氏は功を焦って安易な妥協案を示し、北朝鮮にその足もとを見られてこれを蹴り、更に値段をつり上げる積もりだと言う事になる。
    >トランプ氏の今の最大の関心事は自分の選挙である。
    >民主党勢力側はかなりの失態を演じているのだが、トランプ氏としてもあまりうかうかはしていられないというのが現状である。

    これもトランプ大統領が直面する現実なんで、年内猶予をチラつかせる北朝鮮はタイミングを図っているのでしょうか。
    選挙前の功労欲しさで変な妥協しないか心配ですねェ~。

    反文クン追及デモは盛り上がりつつありますが、米朝関係の成り行き次第で追い風が吹く可能性もあるんじゃないかな?(都合よく捏造してプロパガンダするでしょう) 何しろ今もって支持率40%超なんですもん。(冷笑)

    記事のイシューとは外れますが、北朝鮮が実務者協議直前にこれ見よがしに撃ったSLBM(海星3型)は明らかに安保理決議違反なんですが、イスカンデルやATACMSのコピーは黙認してきたトランプ大統領...、北朝鮮に誤ったメッセージを与えたのかもですね。
    新型SLBMはディプレスト軌道で発射した場合、約1800kmで日本国土全域を標的にできるのですが(実力は2500km以上とも)、THAADでは追尾不可能・トマホークでは速度でまったく敵わない・低軌道で方向をコントロール可能なのでPAC-3では迎撃困難とか言われています。(これは射程が短いイスカンデル・ATACMSでも同じ)

    つまり、日本のBMDを突破可能な能力を得ようとしているって事です。
    ただ、支那でさえSLBM(JL-2)の実戦能力を得るまでに10年以上かかり、2013年にやっと初期作戦能力を獲得したように、潜水艦で実用するとなるとかなりハードルの高い兵器なのも確かです。
    油断なく常に警戒が必要なのは言うまでもありませんが、モメているイージスアショアの実戦配備と時間的競争になりそう。
    1発4億超とせれるSM-6もマッハ4以下の様ですから、これでも迎撃できるか疑問なんですけどね。

    となると、直ちに防衛予算を充てるかは別にして、偵察衛星・NIFC-CA等で発射前に北朝鮮のプラットホームへの先制攻撃で破壊するしかないという、迫りくる危機の現実を今回の改憲論に盛り込むべきと考えます。

    • 木霊 より:

      こんばんは。
      ムン君の支持率は32%だという報道も出てきて、そろそろヤバそうな感じですね。
      事態はもっと速いスピードで進むかも知れません。

      トランプ氏は選挙対策に随分と足を取られているようで、なかなか強力な対応ができずにいる様ですね。
      シリアからの撤退を決めた背景にもそんなことが絡んでいるかも知れません。

      日本は、直ぐに出来る対応と、長期的なビジョンで備える対応を直ぐに始める必要があると思います。
      直ぐに用意するのであれば、もはや敵基地打撃能力の獲得を躊躇する必要は無いので、トマホークを買って配備する辺りが妥当じゃないでしょうか。ミサイル防衛というのは、あくまで次善の策であり、先ずは敵機基地を攻撃する能力を持たないことには、話にならないと、僕は思うんですが。

      • マスメディア反乱軍 より:

        木霊さん、おはようございます。

        >日本は、直ぐに出来る対応と、長期的なビジョンで備える対応を直ぐに始める必要があると思います。

        パラレルに進める必要があるのは仰る通りですね。
        現在のBMDでこれらの新型ミサイル(支那のDF-17も含む)に有効な迎撃能力を獲得するにはまだまだ時間が掛かりますから。
        アメリカもこれらの超音速兵器を予測してTHADD-ERとか開発中みたいですし、他にもセンサーノード強化とかやってるみたいですから、日本はイージスアショアの配備を確実にしながら粛々と予定通り進めていくべきです。

        >直ぐに用意するのであれば、もはや敵基地打撃能力の獲得を躊躇する必要は無いので、トマホークを買って配備する辺りが妥当じゃないでしょうか。

        直ぐにできる対応はご指摘通りトマホークでしょう、地下攻撃が可能なタクティカル・トマホークは既に実戦配備されていますし、支那のA2/ADに対抗する新型も間もなく戦力化される予定です。
        トマホークは鈍足ながら(巡航ミサイルなので仕方ありません)VLSから撃てるのが何よりの長所です。

        アメリカは移動式VLSも開発しているとかいう話もありますので、導入するイージスアショアのソフトに追加しデータリンクを完成させれば、射手として日本各地の自衛隊基地のどこにでも配備可能になるんじゃないかな。
        攻撃される可能性があるミサイル基地が複数あるって事は、敵からすると反撃されるからヤバイわけで抑止力にもなるでしょうし。