台湾封殺作戦を推進する支那、南太平洋での影響力を拡大

オセアニアニュース

この話は日本の国防に大きな影響が予想される。支那がセキュリティダイヤモンド構想を破壊しようとしている、そういう話だからだ。もちろん、日本のシーレーンにも大きな影響が予想される。

中国、南太平洋で影響力 台湾断交のソロモンと国交へ

2019/9/17 19:45

【北京=羽田野主、シドニー=松本史】中国は近く南太平洋の島しょ国・ソロモン諸島と国交を樹立する見通しだ。ソロモンが台湾との外交関係を解消したことを受けたもの。背景には経済力を武器に国際社会で台湾を孤立させる中国の戦略がある。国交が樹立すれば中国が米豪の海上交通路(シーレーン)に関係する南太平洋地域での影響力を高めるのは確実だ。

「日本経済新聞」より

さて、冒頭のニュースは台湾とソロモン諸島が断交するというニュースだ。

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台湾の国交を邪魔する支那

台湾光復より歯車の狂った台湾

この話は、日本にも大きな責任がある。

日本の敗戦は昭和20年(1945年)8月15日に決定付けられ、同年9月2日に降伏文書に署名をしている。

下関条約明治28年(1895年)4月17日により、台湾は清朝から大日本帝国に割譲されて、それより昭和20年10月25日まで、日本の領土ということになっていた。

割と親日派の台湾だが、大日本帝国による台湾統治は、最初から平和的に行われていたのでは無かった。少なくとも初期段階、西来庵事件(大正4年)頃迄は武力をもって強硬に統治していたのだ。しかし、台湾の元警察官であった余清芳が首謀して武装蜂起をおこなった西来庵事件によって、日本人95人が殺害されるに至り、1957人もの逮捕者を出したこの事件で、日本側は台湾に対する統治のやり方を変えて、台湾の社会と治安の安定に寄与したと、そういう事になっている。

日本としても次第に戦争の色が濃くなって行くにつれて、台湾の人的資源を重視せざるを得なかったという側面もあったようだが、台湾近代化の礎を日本が築いたのもまた事実である。文化の押しつけという側面も有ったので、良いことばかりでは無かったようなのだけれど。

しかし、日本が敗戦を迎え、台湾は中華民国政府主席の蒋介石の手に渡り、実質的に台湾は支那のもの、という時代に入る。だが、現在、台湾と支那は同一視されない理由は、その後、1949年には中華民国政府が支那本土から追い出され、支那は共産党が牛耳るに至った歴史があるからである。

そして、台湾光復(1945年)によって、脱日本化が進められたが、漢民族が96.7%を占める台湾にとっては受け容れることに抵抗はなかったようだ。だが、そのことは支那共産党にとっては面白くないことであった。「支那は1つでなければならない」というのが支那共産党の考えなのだから。

国交を結ぶ際に二者択一を迫る支那

日本は支那と国交を回復したのが昭和47年(1972年)9月のことである。

この時、支那共産党は日本に対して「二つの支那」の存在を否定した。実は台湾国民党も「二つの支那」を否定していたから、日本政府としてはどちらかを選ばざるを得なかった。両方と付き合うという選択肢は、両国から否定されていたのである。

そして、国連におけるアルバニア決議によって中華民国から支那共産党が議席を奪ったことで、中華民国は国連から正式な国家とは認められなくなり、多くの国は支那は共産党の支配下に落ちたと言うことを認めるにいあった。日本もこの流れを受けて昭和47年に共産党と手を結ぶに至ったわけだ。

その選択が正しかったかどうかはかなり怪しいが。

第一条 1 両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。

2 両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

これは日本と支那との平和友好条約の第一条の内容なのだが、支那はコレを何一つ守っていないよね?

そしてこの条約を結ぶにあたって、中華人民共和国が「唯一合法政府として認める」という条件を呑んだといわれていて、したがって日本は台湾を切り捨ててしまったといって良いだろう。

もちろん、日本も台湾と国交こそ無いものの経済的な結びつきは強く、比較的友好な関係を保ってはいるが、外交はどうしても非公式なモノになってしまうのが現状なのである。

そしてこの様な状況はアメリカも同じだったのだが……。

【トランプ政権】米で「台湾旅行法」成立、政府高官らの相互訪問に道 中国の反発必至

2018.3.17 10:00

 【ワシントン=黒瀬悦成】米ホワイトハウスによるとトランプ大統領は16日、米国と台湾の閣僚や政府高官の相互訪問の活発化を目的とした超党派の「台湾旅行法案」に署名し、同法は成立した。

「産経新聞」より

去年3月に台湾旅行法が成立し、アメリカの政府高官が公式に台湾を訪問することが可能となった。アメリカの国防総省や国務省が積極的に動いて兵器の売却などを実現していることを考えれば、この台湾旅行法は有効に機能しているといって良いだろう。

……日本も法制化すれば良いのに。

ソロモン諸島という国

南太平洋のメラネシアにある島嶼群

さて、「ソロモン諸島」といわれて、「国」だという風に理解する人はどの程度いるだろうか?

恥ずかしながら僕は、「島」であって「国」ではないと思っていたのだけれども、そうではなかった。歴としたイギリス連邦の一員に加えられた「国」なのである。

ソロモン諸島は、スペイン人探検家によって発見されて、1893年にイギリスの植民地となっている。その後、大東亜戦争中に日本軍に占領されるが、アメリカ軍に侵略されて、ソロモン諸島が自治権を獲得するのは1976年になってからである。尤も、1978年にはイギリス連邦の一員に加わっているので、独立国というよりはイギリス連邦の一員というような位置づけで理解の方が良いかも知れない。

台湾はこうした島嶼国に対して細かな支援をしていたお陰おあって、ソロモン諸島は台湾との国交を維持していた。

実際にこの様なスタジアムの建設費用なども捻出しているらしく、台湾とソロモン諸島はそれなりに関係が深かった。

だが、新たなソロモン諸島の首相は、支那に取り込まれてしまい、台湾との断交を決意する。相当、チャイナマネーに汚染されているだろう事は想像に難くないのだが、チャイナマネーに取り込まれると、後が怖いぞー。

さておきコレだ。

ソロモン諸島が台湾と「断交」 中国と国交

2019.9.16 20:13

【香港=田中靖人】台湾の呉●(=刊の干を金に)燮(ご・しょうしょう)外交部長(外相に相当)は16日、南太平洋のソロモン諸島と外交関係を断絶すると発表した。中国が掲げる「一つの中国」原則を認めない民主進歩党の蔡英文政権が2016年5月に発足して以降、中国の圧力による「断交」は6カ国目で、台湾と外交関係のある国は16カ国となった。

~~略~~

中国からインフラ整備で5億ドル(約535億円)の資金提供の提案があったとの情報もある。

「産経新聞」より

5億ドル程度で転ぶとは、と思ったが、ソロモン諸島のGDPは13億ドル程度で、歳出は3億600万ドル程度というから、国家予算を超える金をぽーんと渡されて喜んじゃったんだね。

ソロモン諸島の財政を検証しているサイトが乏しいのだが、かなり赤字経済を続けているらしく、現状で国家財政は破綻状態のようだね。そりゃ、金出されれば喜ぶのも無理は無いよ。

支那によるシーレーンの遮断

このような弱小国家(失礼)を、札束の力で蹂躙するのが支那の今のやり方なのだが、しかし、これが「外交」の世界の常識でもある。

中国は近海から太平洋など遠海に活動範囲の拡大を志向している。近海防御戦略として沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」を設定。さらに米国の影響力排除をめざし、日本の小笠原諸島からグアム、サイパンを経てパプアニューギニアに至る「第2列島線」を設ける。ソロモン諸島はこの第2列島線近くに位置し、南太平洋の戦略的要衝を占める。

中国がソロモンの西部州ノロ港の拡張を意図しているとの見方は根強い。台湾当局は「中国は軍事基地の建設を目指している」(外務省)と警鐘を鳴らしていた。海域での権益確保や戦略物資の輸送ルートの安全確保につなげていく狙いがあるとされる。

「日本経済新聞」より

記事で指摘しているように、第二列島線を形成するためには、こうした細かい国々を侵略していくことは、支那共産党にとっては戦略上不可欠なことであり、人権の概念の無い支那共産党にとっては、こうしたやり方は極めて有効な手法だと理解しているのだろう。

実際に効果は絶大だ。

ソロモン断交 米国務省「非常に失望」/台湾

【政治】 2019/09/18 18:43

(ワシントン 18日 中央社)米国務省は17日、南太平洋のソロモン諸島が中華民国(台湾)と断交し、中国との国交樹立を決めたことについて、「非常に失望した」との立場を示した。

~~略~~

一方、中国が地域的な影響力を増していることに触れ、南シナ海での違法な行為や軍拡、政治秩序の破壊、人権侵害など、全ての国は注視すべきだとした。

「フォーカス台湾」より

アメリカがこの様な声明をだしたという事は、日本のニュースには見当たらないがこんなニュースはあったな。

米副大統領、ソロモン諸島首相と会談拒否 台湾断交で=政府高官

2019年9月18日 / 14:06

太平洋の島国ソロモン諸島が台湾と外交関係を断絶し、中国と国交を結ぶ方針を決めたことを受け、ペンス米副大統領はソロモン諸島のソガバレ首相と予定していた会談を取りやめた。米政府高官が17日、匿名を条件にロイターに明らかにした。

「ロイター」より

果たしてどの程度の効果があるかは分からないが、背に腹は代えられないと、ソロモン諸島の首相は考えるだろうか?或いは、一気にレッドチームに行ってしまうかもしれない。韓国は既に手遅れだが。

アメリカは台湾との外交を加速するか?

こうした流れの中で、アメリカはこんな方針を示している。

米議員、台湾支援の法案成立に期待=ソロモン断交受け

2019年9月17日 16時5分

(ワシントン 17日 中央社)中華民国(台湾)が16日、南太平洋のソロモン諸島と断交したのを受け、米議員からは台湾の国家承認や台湾との非政府間交流を各国に促すよう米政府に要求する法案「台北法」(Taiwan Allies International Protection and Enhancement Initiative Act、略称:TAIPEI Act)の成立に期待する声が上がっている。

「ライブドアニュース」より

議員レベルの話だが、共和党のコリー・ガードナー上院議員と、マルコ・ルビオ議員が動いていると言うことは、アメリカの右派はこの動きに賛同しているという風に理解しても良いかも知れない。

ソロモン諸島に関しては、オーストラリアの範疇なので、オーストラリアが努力して欲しいところが……。

豪州、ソロモン諸島に188億円支援 中国の影響力拡大阻止へ 太平洋諸国を重視

2019.6.3 21:36

【台北=田中靖人】オーストラリアのモリソン首相は3日、訪問先の南太平洋のソロモン諸島でソガバレ首相と会談した。豪首相のソロモン諸島訪問は2008年のラッド首相以来。ソロモン諸島は台湾と外交関係があるが、4月の総選挙で新首相に就任したソガバレ氏は中国との国交樹立を検討している。モリソン氏の訪問は、地域での中国の影響力拡大を阻止する狙いがある。

 ソガバレ氏は4月の議会選(定数50)後の指名選で、副首相から4度目の首相に就任。地元テレビ局の取材に、台湾との関係について「強固でも不変でもない。外交関係の原則はどう利益を得るかだ」と見直しを表明した。見直しは前政権時から浮上していたが、現在連立政権を組む政党の議員は、半年以内に中国と国交を樹立しなければ不信任案を提出すると圧力をかけている。

「産経新聞」より

足りなかったらしいね。努力もお金も。

この時点で既にソロモン諸島議会は、支那に牛耳られていた感じなので、支那との国交樹立なければ不信任案を提出するというアホな事を言っていたようで。

 中国はソロモン諸島の輸出額の6割超を占め、貿易相手国として第1位。台湾と外交関係がある17カ国のうち、太平洋島嶼国が6カ国を占める。ソロモン諸島はこの中で最大で、同国が外交関係を台湾から中国に切り替えれば、地域でドミノ現象が起きるとの指摘もある。

 一方、豪州は太平洋島嶼国への中国の影響力拡大を警戒。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が17年、ソロモン諸島に高速インターネットの敷設を提案した際は直ちに対抗策を提案し現在、1億3700万豪ドル(約103億円)を投じてパプアニューギニアを含む海底インターネットケーブルを建設している。

「産経新聞」より

既にインフラまで支那に握られているので、ソロモン諸島の民意も支那との関係構築に傾いているのだろう。この状態で外国から横槍を入れても、どうしようも無かろう。

中国共産党の習近平(シー・ジンピン)指導部はソロモンとの国交樹立を足がかりに、20年1月の台湾総統選に圧力をかけていく。

16年に発足した、台湾独立志向の蔡英文政権が外交関係を失うのは6カ国目。なかでもソロモンは台湾がアジア太平洋地域で外交関係を持つ国のうち最大だった。台湾を外交承認するのはキリスト教カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)など残り16カ国となった。

「日本経済新聞」より

この動きで台湾の蔡英文政権がどうなるかは怪しいが、アメリカとの関係が好転すれば、或いは支持率は高くなるのかも知れない。

ソロモン諸島も重要な拠点ではあったが、台湾を落とされるといよいよ日本のシーレーンは寸断されてしまう。国防を考える上でここの食い止めは重要なんじゃ無いかな。

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