【ドローン戦争】中東戦争勃発のトリガーを引くか?サウジの油田攻撃

防衛政策

ちょっと洒落にならないニュースである。

サウジ石油施設攻撃 米政府高官「イランの方角から」

2019年9月16日 12時44分

サウジアラビアで石油関連施設が攻撃された事件について、アメリカ政府の高官が攻撃はイランの方角から行われたとする見方を示したと、アメリカなどのメディアが相次いで伝えました。

「NHKニュース」より

このニュースで気をつけたいのが、アメリカは石油利権に関わるグループであるので、直ちにその情報を信頼できないという点だ。

しかしその点を差し引いても、サウジアラビアで石油施設が攻撃されたという事実があり、連動して石油価格が上昇している辺りまでは事実認定して良いだろうと思う。日本には大きな影響が予想される。

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攻撃されたサウジアラビアの石油施設

サウジアラビアは世界有数の産油国

困った事に、といって良いかどうかは悩ましいが、サウジアラビアは世界有数の産油国である。

サウジ、攻撃受けた石油施設の生産50%回復は最短で数週間後-関係者

2019年9月17日 3:23 JST

無人機(ドローン)の攻撃を受けたサウジアラビアのアブカイク石油施設について、生産が50%を回復するまで数週間ないし数カ月かかる見通しだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。

~~略~~

同施設が受けた無人機攻撃で世界の原油供給の約5%が失われ、原油価格は記録的な急騰。サウジの原油生産のほぼ半分に当たる日量570万バレルを処理するアブカイク石油施設の操業停止は、石油市場にとって単一では史上最悪の打撃となった。

「Bloomberg」より

したがって、サウジララビアの石油施設の攻撃によって石油価格が変動することは避けられない。何しろ、世界の原油供給の約5%が失われたのである。

株価変動

さて、実際にその影響があったというニュースがこちら。

【米国株・国債・商品】株下落、サウジへの攻撃で安全資産に逃避

2019年9月17日 5:56 JST 更新日時 2019年9月17日 6:14 JST

16日の米株式相場は下落。サウジアラビアの石油施設が攻撃されたことで地政学的リスクが高まり、安全資産を求める動きが広がった。

S&P500種株価指数はほぼ2週間ぶりの大幅下落。自動車メーカーの下げが目立った。指数は午後の取引でこの日の安値を離れた。米国債利回りは3週間で最大の低下。外国為替市場ではカナダ・ドルなど資源国通貨が値上がりした。

「Bloomberg」より

大掛かりな騒ぎになっているようで、アメリカの株式相場は下落し、原油価格は高止まり傾向にある様だ。

原油価格10%以上の急上昇、サウジの石油施設攻撃で緊張高まる

2019年9月16日 12:47

原油価格は16日、世界最大の産油国サウジアラビア東部にある国営石油会社サウジ・アラムコ(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>WTIは5.66%高の1バレル60.51ドル、北海ブレント原油(「AFP」より

もちろん日本の株価にも影響があるとは思うが、現状では日経平均株価の高騰は暫定的だと言われている。安全資産への逃避という傾向は事実だが、日本政府は消費税増税を目論んでいるために、景気への悪影響は避けられないとその様に判断されているからだ。

まあ、消費税の話は色々な論点があるのでここではこの程度にしておくが。

ドローン戦争

中東で大きな問題になっているのは、ドローンによる攻撃である。

ドローン10機がサウジ石油施設を攻撃、生産半減

2019年09月17日 07時31分更新

0機のドローン(無人機)が9月14日、サウジアラビアの主要な石油処理施設と付近の油田を攻撃し、火災が発生した。反政府武装組織フーシが攻撃を実行したとの声明を発表している。

今回のドローンによる攻撃は、世界最大の石油処理施設であるアブカイクと、1日約100万バレルの原油を生産するクライスの油田を狙って実行された。ウォールストリート・ジャーナルによると、サウジアラビアの国有石油会社である「サウジ・アラムコ(Saudi Aramco)」は、1日あたりの石油生産の約半分が停止したと述べたという。

イエメンの反政府武装組織フーシは、今年に入ってから多数の攻撃でドローンを使用し、サウジアラビアのミサイル砲台やその他の油田が被害を受けている。このような攻撃では、通常、爆発物を積んだドローンが、高速で標的に向かって飛んでいく。以前の攻撃では市販の標準的なホビー向けドローンが使用されており、飛行距離は限定的だった。だが、最近の攻撃ではより高性能なモデルを使用し、飛行距離は約1500キロメートルを超えると1月に国連は報告している。

「ASCII×ビジネス」より

ホビードローンの性能は飛躍的に向上していて、そのドローンの生産で最先端を行くのが支那である。

使われたのは、プロペラタイプでは無いといわれているが。

サウジ石油施設攻撃、根拠ない非難は無責任=中国外務省

2019年9月16日 / 18:07 / 17時間前更新

中国外務省は16日、14日に起きたサウジアラビアの石油施設への攻撃について、証拠もなく特定の対象を非難するのは無責任とし、冷静な対応を呼び掛けた。

「ロイター」より

こんなニュースが報じられているが、支那がこの件で無関係では無いことを臭わせるような話だ。支那がイランと近づいているという話は以前にも報じられていたが、単純にイランを擁護するというだけの構図では無いのだろうね。

外交「三国志」? 米国の圧力で中国とイランが接近

2019年8月7日 20:26

米国との緊張が高まっているイランと中国が、互いに接近を図っている。核合意をめぐり米国から経済制裁を受けているイラク、米国との果てしない貿易摩擦が続く中国――超大国による圧力が、両国の関係を強化させる形となっている。

~~略~~

中国はイラン産原油の最大の輸入国だ。中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>SCO)にイランが正式加盟することも歓迎している。

「AFP」より

外交関係を強めているイランと支那だが、支那が己の利益を確保する為に近づいていることは疑う必要もない。既に実現は夢物語だと噂されている一帯一路構想だが、未だにその旗を降ろせない理由は、それが習近平氏のメンツそのものであるからでもある。

兵器も安くて高性能…中国製の軍事用ドローンが欧州進出

Sep. 15, 2019, 07:00

中国製の軍事用ドローンが初めてヨーロッパに向かったと報じられており、世界各国が戦闘用ドローンに注目する中、中国がこの国際兵器市場の重要な部分で存在感を増していることを示している。
星条旗新聞(Stars and Stripes)は10日、現地メディアと関係者の話として、セルビアは今後6カ月以内に成都飛機工業公司(Chengdu Aircraft Industry Group)のドローン、翼竜1(Pterodactyl I)を9機受け取る予定で、さらに15機の追加発注があるかもしれないと報じた。

「BUSINESS INSIDE」より

これが経済系のサイトに書かれている記事だと言うのは皮肉でしか無いのだが、支那にしてみればまさに経済ということなんだろう。

しかしその支那の経済活動の結果が、中東に表れているといえる。まあ、じゃあアメリカ製の兵器が入っていないのか?というと、そこはなかなか怪しい話なので、どっちもどっちなのではあるが。

中東発原油価格高騰に日本はどう対処出来るか?

日本に直ぐに出来ることは無い

正直、外交的に日本がアプローチするという事は、長期的視野に立ってみれば有効であろうが、短期的に何か効果を発揮できるほどの事はないだろう。

日本が平和のために外交を頑張っているのは、メディアには報じられない事実である。しかしそれは日本の安全保障上非常に大切な話であり、それを積極的に妨害しようとする政治家がなんと多い事か。

したがって、「できる事はない」と書いたが、やるべき事は沢山あるのだ。「直ぐにできる事はない」というのが問題なのだけれど。

憲法を改正して富国強兵路線を目指すべきだ

で、いきなりの話なのだが、富国強兵路線を目指すべきだと、僕はそう考えている。

実は先日、娘と今年の総合火力演習の映像を見ていて、こんな事を言われた。

「ねえ、お父さん。これってこうした場所で撃つくらいしか使い道ないよね。日本に必要無いんじゃ無い?」と。

なるほど、それは一理ある。だけど僕はこう答えた。

「持っていて、使わないからこそ意味があるんだよ」

娘は分かったような分からないような返事をしていたので、こんな説明をしておいた。

「ほら、家は火事になった事はないけど、消防署に消防車が無かったら”いざ”という時に困るだろ?そういう事だよ。そして本当に火事になったら困るだろ」と。「ああ、なるほど」と、娘は返事を返してくれたが、多分もうちょっとしっかりした説明が必要なんだろうなと、そう思う。

中学生になる娘だが、「なんのために兵力を保有するのか」という事を考えたことは無かったようだ。

ただ、年の離れた弟に対して、「日本では軍隊は持っていないことになっている」と説明していたから、何となく理由は知っている節があるな。

息子の方は、「アレは軍隊じゃ無い」と説明しても理解してくれなかったのだけれど。

細田憲法改正推進本部長の起用 強硬イメージ払拭で野党に議論促す狙い

2019.9.12 20:19

安倍晋三首相(自民党総裁)が細田博之元幹事長を党憲法改正推進本部長に、佐藤勉元国対委員長を衆院憲法審査会長にそれぞれ起用したのは、改憲に対する安倍政権の強硬なイメージを和らげ、野党に議論への参加を促す狙いがある。

「産経新聞」より

安倍政権はいよいよ憲法改正に手を付けようという姿勢だけは見せているのだけれども、子供達に説明出来ないような今の状態はやっぱりおかしいと、改めて感じた次第。

胸を張って、「日本は日本を守るための力を持っている」と、そう説明出来るように、憲法を改正して頂きたい。

そして、「軍隊を持つ」ということはお金がかかることである為、その軍隊を維持する為にも経済発展に力を入れて欲しいと思う。それはまさに「富国強兵政策」であるのだが、そうした政策は誤りであったかのような事を教えているのが日本史の授業であるのだから、娘がそれを理解出来ないのも無理は無いだろう。無論、戦前のそれが進められた結果、誤った道に嵌まってしまった事は否定できないのだが。

「学校の先生が間違ったことを言うはずが無い」というのが、中学生の娘の当たり前の発想だと思うから、押し付けるよりも自ら気付いて欲しいのだけれど。

ドローンだけなのか?

ところで、気になるのは「ドローンだけでは無い」という疑いがある事である。

これについて、アメリカのCNNテレビは、アメリカ政府の高官が「攻撃された施設の被害の箇所は施設の北西側に集中している。イエメン側から攻撃するのは難しく、攻撃はイランやイラクの方角からでないとなしえない」と述べ、攻撃がイランの方角から行われたとする見方を示したと伝えました。

また、この高官は、石油関連施設の19か所で被害があったとしたうえで「10機のドローンで19か所を攻撃するのは不可能だ」と話し、10機のドローンで攻撃したとする隣国イエメンの反政府勢力「フーシ派」の主張は疑わしいという見方を示したということです。

「NHKニュース」より

このニュースを読むと、アメリカ側の判断は、あくまで状況証拠だけだ。

確かにイエメン側からの攻撃というのはなかなか困難だという主張は筋は通っている。

微妙な感じではあるが、イラクイランから攻撃があったとする方が理解し易い。

【解説】 サウジ石油施設攻撃、揺れる中東はさらに不安定に 米は実は玉虫色

2019年09月16日

~~略~~

しかし、「カセフ1」もしくは「アバビルT」の射程距離は100~150キロしかない。イエメン国境から標的までの距離は、近い方のクライス油田でも約770キロだ。そのため、今回の攻撃がUAVによるものだったとして、それは従来とまったく異なる設計の、射程距離が飛躍的に伸びて、精度も格段に向上した種類でなくてはならない。
イランと、そしてその結果としてフーシ派も、おそらくもっと飛距離の長い空爆システムを持っている。とはいえ、イエメン紛争にそれを投入したという証拠は今のところほとんどない。イランやイラクから発射された、何らかの巡航ミサイルだったという可能性もあるが、はっきりしたことが言えるようになるには、信頼できる機密情報が必要だ。

「BBC」より

しかし、今のところしっかりした証拠が示されていないのも事実ではある。それが「状況証拠だけ」ということなのだが、アメリカが何故この判断を推しているのか?といえば、ミサイル発射があったとすれば、確実に軍隊が関与しているという話ができるからである。

イラクイランを潰す切っ掛けを、アメリカは待っている可能性が高いのだ。アメリカが戦争をしたがっている、と言う訳では無いのだろうけれど。

追記

攻撃に使われたといわれているドローンだが、イランで開発された「アバビール」の改良型だといわれている。

拡散する“現代のカラシニコフ” 中東ドローン戦争

2019-09-06

シリアやイエメンの内戦、イスラエルによる周辺国への攻撃・・・日本では決して大きな注目を集めているとは言えないこうした出来事を追っていると、ここ数年で中東の紛争に大きな変化が起きていることがわかります。軍事用ドローンが中心的な役割を担うようになっているのです。かつてアメリカやイスラエルなどが独占していた軍事用ドローンの技術は、敵対する国や勢力に急速に拡散し、紛争の潮流を変えつつあります。

「NHK」より

このニュースは騒ぎになる前の話なので、今回の石油施設の攻撃にコレが使われたかは怪しい。

このスタイルを見るとスピードが出るようには見えないが、爆弾を抱かせて特攻させるやり方で、各地で攻撃を行っていたようだと、その様に推測されている。

皮肉にもイランの開発したドローンの技術はアメリカが用いた兵器を回収してリバースエンジニアリングをしたと、その様に発表されている。しかし、僕は支那から直接的に流入したものだと踏んでいる。

もちろん中東の優秀な人材が開発することになんの不思議も無いが、手作りで幾つも作り上げるというのは考えにくい。部品レベルで支那から購入している可能性が高いだろう。まあ、完全に憶測なんだけどね。

追記2

どうやら、アメリカは断定した様だね。

サウジ攻撃、イランから実施と断定 米当局者

9/18(水) 4:37配信

サウジアラビアの石油施設が先週末、攻撃を受けた問題で、米当局者は17日、AFPに対し、攻撃はイラン領土から実施され、巡航ミサイルが用いられたと米国が断定したことを明らかにした。

「yahooニュース」より

巡航ミサイルの破片があったという噂は出ていたが、どうやら確実な証拠を掴んだということのようだね。

コメント

  1. 音楽大好き より:

    皆さま、今晩は

    素朴な疑問なんですが、ここで言う「ドローン」って何ですか。
    「ドローン」と言うと、電動のマルチコプターが思い浮かびますが、それだけではないですよね。

    Wikipedia によると「遠隔操縦または自律式の無人航空機」となっています。で、Wikipedia で「航空機」を見ると「大気中を飛行する機械の総称」となっています。
    なるほど・・・鉄砲のタマは無人で大気中を飛行するけど遠隔操縦でも自律操縦でもないからドローンじゃないのね。弾道ミサイルは・・・大気圏内だけを飛行すればドローンなのかな。巡行ミサイルは「ドローン」ですよね、きっと。

    サウジ攻撃に使われた「ドローン」って、どんな物だったのでしょうかね。

    さて、
    マルチコプターに数kg~数十kg の爆弾を積んで自律飛行させて攻撃すれば
    ・安価。飽和攻撃しやすい。
    ・小さい・・・レーダーで捕捉しにくい。
    ・静音。発見されにくい。
    ・マルチコプターは普及している。発見しても「宅配便かぁ」で終わる。
    というわけで、従来の方法での防御は難しそうですね。

    日本のような国では、全ての飛行を届け出させて、そうでない物は「撃墜御免」とか、全てのドローンに識別信号を発信させととか、認証要求に応答する機器を搭載させるとかも可能でしょうが、発展途上国ではそうもいかない。
    法律も必要ですが、新しい技術も必要でしょうね。

    • 木霊 より:

      ドローンに関してはもうちょっと追記させて頂きましたが、「無人機」は概ねそれのカテゴリーに含まれるようなので、色々なタイプがあるみたいですね。
      サウジ攻撃に使われたのがドローンだけか?ともハッキリしませんが、イラクで開発されたヤツが有力っぽいですね。

      オリンピックを控えた日本でも、気をつけなければならない話なんですが。

  2. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    >イラクを潰す切っ掛けを、アメリカは待っている可能性が高いのだ。アメリカが戦争をしたがっている、と言う訳では無いのだろうけれど。

    イラク→イランの間違いでしょうか。

    超強硬派のボルトン氏を切ってまで融和路線=戦争回避に方向転換し、首脳会談実現のニュースがチラホラ出てきたタイミングでの忌々しき大規模攻撃ですね。
    そんな事させないぞとばかりの攻撃ですから、アメリカとイランが融和しちゃうと困る勢力があるんでしょうか?
    原油価格が高騰し・供給ラインが不安定になり、その為に中東地域が一触触発の不安定になるのを利益と考える勢力って...、いつもながら「真の黒幕説」がありそうなのがイラン犯人説がけっこう弱い根拠じゃないかな。

    いずれにせよ当面は、先行きが不安視される世界経済の足をさらに引っ張る事になりそうです。

    >ところで、気になるのは「ドローンだけでは無い」という疑いがある事である。

    新聞記事で上空からの石油タンク4基に揃った様に穴が空いている画像がありましたが、ドローンにしてもあんな精密打撃が可能なのか、僕は別の兵器や方法も疑ってしまいました。

    ところで朝鮮日報にこんなニュースが。

    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190917-00080067-chosun-kr

    青瓦台やTHAAD基地だけでなく原発上空にも北朝鮮のドローンが出現しているらしく、その原発は釜山に近い南部(日本に近いという事)みたいです。
    今年になってイスラエルからドローン・テロ防止用の探知レーダーを戦力化したそうですが、首都圏のみ対応で迎撃システムもバルカン砲くらいしかないそう。
    操作していた犯人は捕まっておらず真相不明ですが、仮に工作船で日本に近づき同じ事やられる可能性だってありそうです。

    サウジアラビアの事件は他人事じゃありませんね、補足が困難とされる小型ドローンに対し、自衛隊・海保・警察はどんな対策を持っているのでしょうね。
    防衛機密に関わる技術ですからほとんどオープンにできないのでしょうが、最先端の探知システム&迎撃手段を準備してくれていると信じるしかないかな。

    • 木霊 より:

      ああ、またやらかしてしまいました。
      いろいろと誤記があったので、修正させて頂きました。

      韓国ネタは最近食傷気味で、振れない方向で考えていたのですが、色々ありますねぇ。
      一応、自衛隊も警察もドローンの対策は考えているようですが、その対策が有効かどうかは。