警察庁が配備する、離島対応部隊

政策

色々と遅いよ。

警察庁 離島対応の部隊 沖縄に配備へ サブマシンガンなど装備

2019年9月2日 4時08

警察庁は、尖閣諸島など国境周辺の離島で不審者の侵入などの対応に当たる専門の部隊を、来年度沖縄県に配備する方針を決めました。離島での対応を目的とした警察の本格的な部隊は初めてです。

「NHK」より

しかし、必要なのだろうから、急いで整備して欲しいところ。マンガ『空母いぶき』のような展開になると、日本政府としても初動を本当に迷うと思うから、使える手札は多い方が良いのだ。

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島嶼防衛は一筋縄ではいかない

自衛隊も島嶼防衛の部隊を置くが

近年は自衛隊も島嶼防衛に力を入れ始めている。

今年の「富士総合火力演習」はシナリオ重視に

2019.08.26

陸上自衛隊は8月下旬の複数日に渡り、「令和元年度陸上自衛隊富士総合火力演習(総火演)」を静岡県東富士演習場で実施した。令和初の総火演となった今回は、富士教導団を基幹に高射教導隊や航空学校、陸上総隊や各方面隊の隷下部隊が参加したほか、航空自衛隊もF-2戦闘機を飛行させる等したため人員約2400名、戦車等の車両約80両、各種火砲約60門、航空機約20機が参加した。また、一般公開日となる8月25日の観覧申し込みは応募総数約14万通、応募倍率約27倍で、一般観覧者は約2万3500名となったとのこと。

~~略~~

総火演は、前・後段の2部構成で行われ、前段では陸上自衛隊の主要装備等を紹介し、後段ではシナリオには基づき、陸海空各自衛隊の戦力を統合した作戦の模様を展示するという流れになっている。今年のシナリオは、日本の島嶼部に侵攻する敵部隊を洋上・沿岸部において撃破するというもので、陸自各職種部隊および海空自衛隊が協同あして行う陸上戦闘の様相を展示した。

「航空新聞社」より

今年の総火演でもその事が表れていたとニュースになっていたが、今後、ミサイル配備なども含めて、総合的に諸島防衛に力を入れていく計画となっている。

しかし、一方で、支那が派遣してくる船は海警局というところの船が殆どだ。

尖閣沖 海警4隻が一時領海侵入

08月29日 13時40分

29日午前、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国海警局の船4隻がおよそ2時間にわたって日本の領海に侵入し、第11管区海上保安本部が再び領海に入らないよう警告と監視を続けています。

「NHK」より

支那海警局は、表向きは武装警察組織の一部隊という格好だが、その装備の殆どは人民解放軍から払い下げられたモノとなっているし、その人員も配置変更された人民解放軍の元隊員ということが珍しくないらしい。やっている事はアメリカで言うコーストガードと同様に湾岸警備に主力がおかれているモノの、事実上の軍隊なのでそれなりの武装をしている。

日本では海上保安庁の管轄

こうした海の警察に相当するのが日本の場合は「海上保安庁」という組織と、水産庁の漁業取締り活動を行う「漁業監督官」によりそれぞれ行われている。

しかし……、それでは対応できない部分もあるのだ。

尖閣諸島などの周辺では自衛隊や海上保安庁がすでに警備態勢を強化していますが、警察の専門の部隊が設けられるのは初めてです。

「NHK」より

海上保安庁が対応すべき事案は、主に海難救助であって、武装した漁民の制圧は管轄に含まれるかどうか微妙なところである。

実際に島に上陸してしまうと、海上保安庁だけでは対応しにくいのが現状なのである。そういう意味では警察庁がこの様な部隊を配備することは望ましいとは思う。ただ、機能が重複してしまうのは組織としてはどうなんだろう?という気もするので、その辺りは調整して欲しいところ。

日本海の監視警戒体制強化、舞鶴に大型巡視船「ふそう」配備

2019/7/6 10:27 (JST)

舞鶴海上保安部(京都府舞鶴市)に5日、大型巡視船「ふそう」が配備された。第8管区海上保安本部管内では過去最大規模の巡視船で、北朝鮮からの漂流、漂着木造船や、好漁場「大和堆」での違法操業への対応など、重要性が高まる日本海側での監視警戒体制を強化する。

「京都新聞」より

それに、海上保安庁も装備強化は行っているものの、圧倒的に人員不足というのが現状なのである。

ふそうは、長さ130メートル、幅15.5メートルで、総トン数は5300トン。ヘリ2機を搭載できる。

「京都新聞」より

このニュースでは触れられていないが、どうやら「ふそう」は固有の搭載機無しで運用される予定らしく、そのうちシコルスキーS-76Dの搭載が予定されているそうな。

なお、「ふそう」の兵装は35mm単装機銃×1基と、JM61 20mm機銃×1基のみとなっていて、対空装備として備えられているようだ。

乗組員が上陸しての作戦を行うことが想定されていないだろうことは、言及するまでも無いだろう。

上陸しての作戦

そうなってくると陸上自衛隊の登場をお願いしたいところだが、相手が軍人であるかハッキリしない場合には、陸上自衛隊を派遣しにくいという事情がある。逮捕出来ないからね。

そんな訳で冒頭のニュースに繋がったのだ、と、そう考えている。

警察庁は、沖縄県警などで警察官の増員や新たな大型ヘリコプターの配備を行う方針で、来年度予算の概算要求に盛り込んでいます。

「NHK」より

ただ警官の増員はともかく、「新たな大型ヘリコプターの配備」といわれても、ヘリボーン作戦の訓練はやっぱり自衛隊に行かざるを得ないような気がする。

そういえば、以前、89式自動小銃を警察に納入したという話が何処かにあったような……。

大都市がある都道府県警に自動小銃配備へ テロ対策

編集委員・吉田伸八 2015年12月19日14時46分

テロ対応にあたる都道府県警の銃器対策部隊に、警察庁が自動小銃を新たに配備する。パリ同時多発テロのような事件が起きた場合、現在の機関拳銃(サブマシンガン)では対応力が不十分だとして銃の能力を高める。

「朝日新聞」より

これで確か、89式自動小銃が納入されたという話だったハズ。この記事でも特殊急襲部隊(SAT)に配備されていることが紹介されていて、テロ対策にということだった。

実際に、SAT隊員も自衛隊に赴いて合同訓練をやっているとか、特殊部隊であれば一般の自衛隊員よりもハードな訓練をしているだとかいう話は聞く。

だが、諸島防衛ということになると、現状行われているSATなどの部隊で行われている訓練や知識では足りない事も多いと想像される。

支那にせよ北朝鮮にせよ、漁師の大半は軍に属していたか、あるいは表向き漁師と言う事になっているだけの人々である事が多いという。しかし、建前は一般人なので、警察が出ざるを得ないという事になるようなのだが……、最初から銃撃戦を想定しているという事を考えると、小火器程度でどうにかなるとは考えにくい。

この辺りの切り分けがもう少し現実的になるように、日本の政治家には切にお願いしたいところだ。

ASEANで共同海洋演習

そうそう、こんなニュースがあった。

初の米ASEAN共同海洋演習 不審船想定、中国けん制も

9/2(月) 15:37配信

 【サタヒープ共同】米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の海軍による初めての共同海洋演習が2日、タイ湾や南シナ海で始まった。不審船が見つかったとの想定で、共同で追跡したり拿捕したりする実動訓練を実施。演習は6日まで。

「yahooニュース」より

これは支那の海洋進出を前提に行われている演習だが、ASEANでもアメリカと連携しての訓練を行う時代になってきている。

それなりに各国の装備が増えてきているからこそ、ということと、支那の脅威がどんどん増しているので、嫌でも対応せねばならないという実情があるからだ。

支那の脅威はどんどん高まっていることを考えると、他国との連携もさることながら国内の自衛隊と警察組織との連携ももっと高めていく必要があると思う。共同演習をやる時代も直ぐに来るだろうし、そうならなければならないと思う。

追記

「ふそう」に関してコメント頂いたので補足説明を。

https://www.kaiho.mlit.go.jp/08kanku/news/31topics/teirei/R1.6/004.pdf

令和元年7月5日付けで舞鶴海上保安庁に配備されたのは「巡視船ふそう」で、PLHー21という、もともとは初代みずほ型巡視船として昭和61年(1986年)に配属された船を、配属替えされたもの。

ふそう型「やしま」

2代目みずほ(PLH-41)が就役するにあたって、初代は引退する予定だったが、配属替えした上で改名をして「ふそう」とされている。

おおかた、任務が増えて船が足りなかったので引退させて貰えなかった、という感じなんだと思う。

初代みすほ型のネームシップが「ふそう」になったので、以降このシリーズの「やしま」とあわせてふそう型と呼ばれるようになっているそうな。

コメント

  1. 音楽大好き より:

    木霊様、みなさま、今晩は

    自衛隊などなども重要だと思うけど。。。対馬などには防空壕をたくさん作るべきではないかな。ミサイルを持った狂人がいるんだから。短距離ミサイルは迎撃困難、そもそも迎撃のための時間が短い。となると、短時間で逃げ込める防空壕があった方がいい。農地とかだと「短時間で逃げ込む」のは難しいと思うけど、市街地では有効なんじゃないかな。

    核ミサイルに耐えるシェルターを作るのは大変だけど、そこまでは必要ないと思う。通常弾頭を想定した簡易なシェルターでいい。もし、核ミサイルだったら、撃った側もただじゃ済まないわけだし。

    それほど現状の○国は危険なように思えます。

    • 木霊 より:

      自衛隊の装備拡充も急いで欲しいところですね。
      対馬の基地を充実させるだけでもかなり違うと思うのですが、そのあたり、国はどう考えているんでしょうね。

      確かに、防空壕的な設備を作るだけでもかなり意識が変わると思います。

  2. 暇人 より:

    尖閣諸島警備の話に唐突に第8管区が出ていますが、尖閣諸島の警備専従部隊は第11管区所属です。こちらには海上保安庁でも最新の巡視船が配備されています。

     「ふそう」は元の船名は「みずほ」で1986年建造のかなり古いフネです。最近の巡視船には遠隔操作、照準できるFCS連動の機銃が装備されていますが、「ふそう」の35mm、20mm機銃は砲側で目視照準しかできない物です。FCS連動にしても水上目標しか相手にできない物で、巡視船で「対空砲」を装備しているフネはないです。
     

    • マスメディア反乱軍 より:

      暇人さん、横レス失礼します。

      >「ふそう」は元の船名は「みずほ」で1986年建造のかなり古いフネです。

      8月に就役した「みずほ」は「2代目みずほ」と呼ばれる別物だと思います。

      >最近の巡視船には遠隔操作、照準できるFCS連動の機銃が装備されていますが、「ふそう」の35mm、20mm機銃は砲側で目視照準しかできない物です。

      今回は最初から対空にも使える40mm単装機銃を装備していますよ。

      >FCS連動にしても水上目標しか相手にできない物で、巡視船で「対空砲」を装備しているフネはないです。

      あそ型(1000t級PL)・ひだ型(2000t級PL)に採用済ですし、7000t級のPLH2番艦「あきつしま」にも搭載されていますね。

    • 木霊 より:

      ああ、スミマセン。
      あまり管区の話を意識しませんでした。確かにそういう観点から云うと唐突な感じがしますね。単純に装備を追加したという話をしたかっただけなんですが、ちょっと不適切だった気がします。

      ふそうの装備はよく分からなかったのですが、やっぱり対空砲というレベルでは無いんですね。
      勉強になりました。

      • 暇人 より:

        巡視船はコロコロ船名を変えるので最初「ふそう」と聞いたときは、また「しきしま」型の新造船かと思ってしまいました。
         古いフネは新しい船より運用その他手間がかかると思いますが、任務が増えたのでそうも言っていられないのでしょう。といっても人員は足りているのでしょうか?

         巡視船に装備されている機銃は、仰角はかけられるので、対空目標にも撃てそうですが、対空用FCSが無いので威嚇程度にしかならないでしょう。

  3. マスメディア反乱軍 より:

    遅過ぎる対応なのですが島嶼防衛には自衛隊・海上保安、そして警察の任務が明確ではなくむしろバラバラで機能不全でしたから、僕は一歩前進とポジティブに評価したいですね。

    >建前は一般人なので、警察が出ざるを得ないという事になるようなのだが……、最初から銃撃戦を想定しているという事を考えると、小火器程度でどうにかなるとは考えにくい。
    >この辺りの切り分けがもう少し現実的になるように、日本の政治家には切にお願いしたいところだ。

    正式採用以来、数々の改良を加え対車両攻撃の擲弾も使える89式小銃ですね。
    陸自装備から84mm無反動砲や手りゅう弾なんかも必要じゃないかなァ~。
    なんせ、相手は民間人を装ったプロの兵士なんですからね。
    初動作戦で警察と海保の共同作戦で制圧&逮捕できれば、かなり有効な外交カードとして対抗策でしょうし、支那がエスカレートして海警艦等を出せば堂々と自衛権行使で自衛隊の出動が可能になります。

    >マンガ『空母いぶき』のような展開になると、日本政府としても初動を本当に迷うと思うから、使える手札は多い方が良いのだ。

    いずれにせよ、離島対応部隊の警察官・海保巡視艇乗員・自衛官には命懸けという最悪の事態なんですけど、支那の無法な侵略を躊躇させる抑止力の一つにはなると思いますね。
    「安易にちょっかい出せないぞ」と支那に思わせたいな。

    >支那の脅威はどんどん高まっていることを考えると、他国との連携もさることながら国内の自衛隊と警察組織との連携ももっと高めていく必要があると思う。共同演習をやる時代も直ぐに来るだろうし、そうならなければならないと思う。

    くだらないセクショナリズムなんか言ってる場合じゃない、「国を守る!!」この一点で一致団結して欲しいと願います。

    • 木霊 より:

      もちろん、遅すぎても持つ事は必要ですね。
      当然、警察組織がこのような部隊を持つ事は、僕としても賛成な訳です。
      しかし、かなり唐突な感じが否めないので、訓練も含めて「やれるのかな」というのが正直な感想であります。

  4. マスメディア反乱軍 より:

    暇人さん、細かいところまで突っ込むのは好きではないのですが...。

    >巡視船に装備されている機銃は、仰角はかけられるので、対空目標にも撃てそうですが、対空用FCSが無いので威嚇程度にしかならないでしょう。

    あそ型・ひだ型・あきつしまには40mm単装機銃用のFCSが搭載済みです。
    「2代みずほ型」の詳細スペックは就航したばかりなので明確ではありませんが、普通に考えてFCS搭載だと思いますね。

    レーダー照射して誤魔化すは今後は容赦なく撃つはと言ってる国が間近にあるのですから、海保巡視船も自己防衛の為に今後は必須の装備となるでしょう。
    失礼しました。

    • 暇人 より:

      FCSを搭載していても、それが対空目標まで照準できるかは別問題ですよ。
       対水上目標でしたら海面上で最高速度も50ノット以上出るのもほとんどないですが、対空目標となると空中を3次元で動き回り、速度もヘリコプタでも200km/hを超えます。そうした目標まで照準できるFCSとなると、お値段が跳ね上がります。

       そして海上保安庁が何を要求しているかです。「あそ」にFCS連動の40mm機銃が搭載されたのは、撃沈した北朝鮮の工作船から引き上げた武器が意外に長射程だったので、これの射程外から威嚇射撃するためと聞いています。
       空からの脅威にさらされたことがない巡視船が対空射撃までできるFCSを装備しているとは考えにくいのです。
       今後、相手がドローンを飛ばして威嚇、自爆攻撃をかける事例が出てくれば「対空用FCS装備」もあるかもしれませんが。

      • マスメディア反乱軍 より:

        暇人さん、木霊さんの記事のイシューとはどんどん外れて行っちゃってるんで、これくらいにしたいのですが...。

        貴方がFCSを搭載していないと書かれたので、僕はそれは事実と違うと指摘させて頂いただけです。

        >FCSを搭載していても、それが対空目標まで照準できるかは別問題ですよ。
        >空からの脅威にさらされたことがない巡視船が対空射撃までできるFCSを装備しているとは考えにくいのです。

        海保の40mm単装機銃用のFCSが対艦戦メインなのかもですが、対空戦を想定していないとは考えにくいと思います。
        また、Wikipediaからの引用ですが「対水上および対空両用で、目標に対する距離が測定されると、自動的に信管にデータが入力される。射撃は4点バーストで行われ、それぞれの弾薬は時間差を設け、順次炸裂する様に設定されている。」とありますね。

        海自と海保のFCSの精度・性能にどの程度差異があるかについて、僕は正確な知識を持っていませんので参考ご意見として承っておきますね。

  5. 暇人 より:

    マスメディア反乱軍さん
     木霊さんの記事で第8管区に配属された「ふそう」の話からだいぶ脱線してしまいましたね。
     私は「巡視船にはFCSは装備されていない」とは書いていないですよ。「みずほ」から船名を変えて第8管区配属になった「ふそう」にはFCSは装備されていない、と書きましたが「最近の巡視船にはFCSが装備されている」とも書いています。

     ウィキには「あそ」に装備されている40mm機銃の能力が記載されていますが、あくまでFCSが対応していて発揮できる能力です。この機銃を装備している軍艦の例としてブラジルのフリゲート艦へのリンクがありましたが、こちらを見ると対空捜索レーダ、射撃指揮レーダ、光学照準器が装備されている記載があります。
     一方、巡視船で対空捜索レーダを装備しているのは「しきしま」のみで、これもプルトニウム輸送護衛任務のために装備された物で、2番船の「あきつしま」には装備されていませんので、対空は考慮していない、といってもよいかと思います。対空目標を見つけられないことにはFCSを向けようもないですから。

  6. まり より:

    暇人様

    ゲームでエスコンをすれば、航空機も地上目標物も勝手に
    ロックオンしてくれるし、アーマードコアでは、FCSは
    長・短距離別とミサイルしかありませんでした。

    射撃指揮の前段階として、レーダーによる情報が必須で
    それを情報処理する事が必要とは知りませんでした。
    非常に勉強になりました。感謝します。

    しかし・・お金と装備はいくらあっても足りませんね。
    必要最低限の物資(現場からの要求)しか、最前線の現場
    に提供できない現状は、心苦しい限りです。

    何でもかんでも、盛りだくさんに積み込んで、木霊様の
    ブログの主役になっているお隣さんの船みたいになっても
    困ってしまいますが・・。