ペルシャ湾で海上警備行動検討する日本政府

中東ニュース

本日はあまり時間がとれないので、深く掘り下げていく感じの記事に出来ない事を先にお詫びして起きます。

で、「有志連合」の印象は宜しくは無いが、日本として日本の船舶を警護するのは当然のことである。

「有志連合」での自衛隊活動、ペルシャ湾外を想定 政府

8/8(木) 6:00配信

中東ホルムズ海峡などでの船舶の安全確保のため、米国が日本に「有志連合」構想・海洋安全保障イニシアチブへの協力を求めている問題で、政府がペルシャ湾外での自衛隊活動を想定し、海賊対処行動か、海上警備行動を軸に検討していることがわかった。現在はソマリア沖で海賊対処行動をしている海自護衛艦と哨戒機を援用し、新たな部隊は派遣しない方向だ。米側の要請や各国の協力姿勢も見極め、慎重に判断する。

「朝日新聞」より

ただ、有志連合に参加できるかどうか?或いは海上自衛隊を現地に派遣して独自に自国の船を守るのか?で、揺れているようだ。

スポンサーリンク

ホルムズ海峡封鎖のリスク

イランが警告するホルムズ海峡封鎖

アメリカとイランとの関係が悪化したという印象が強いが、そういう簡単な話では無いようだ。

さて、これが問題のペルシャ湾とホルムズ海峡なのだが、ペルシャ湾を挟んでイランとサウジアラビアが存在している。

イランがホルムズ海峡「封鎖」と警告 米の原油禁輸除外地域の撤廃に反発

毎日新聞2019年4月24日 17時10分(最終更新 4月24日 17時37分)

トランプ米政権がイラン産原油の禁輸から日本など8カ国・地域を除外した措置の撤廃を決めたことに反発し、イランの最高指導者ハメネイ師直轄の精鋭軍事組織、イラン革命防衛隊のタングシリ海軍司令官は22日、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の「封鎖」に言及した。イランのファルス通信などが伝えた。

「毎日新聞」より

さて、アメリカがイランに対する姿勢を硬化させているのは事実ではあるが、これに関してイランはホルムズ海峡の封鎖を警告している。

この話、平和安全法制を通すときにも出て、その時には「本当に封鎖できるのか」という懐疑的な意見が大半であった。何しろ、イランはここを封鎖すると原油を輸出できなくなってしまうからである。

ところが状況的にはアメリカが「制裁措置」としてイラン産原油の禁輸を求める話を出したために、にわかにこの話は現実味をおびることになる。

タンカー攻撃が発生

それが、安倍氏が中東外交に出かけた際に起きた、タンカー攻撃事件である。

この時に安倍氏はイランのトップハメネイ師と西側で初めて会談を実現し、それなりにニュースにはなったのだが、その裏で日本のタンカーが攻撃される。

ただこのタンカー攻撃は、「攻撃してみせること」が犯人の目的であり、派手に黒煙をあげる様子が報道されているので、ひとまず世界に発信することに成功したと思われる。

犯人はイランの革命防衛隊だと言われているが、そうだとするとこの目論見は成功したと言えよう。少なくとも、ホルムズ海峡を通過する際に各国の船は心理的圧力を受ける結果となったのだから。

イラン、ホルムズ海峡で英タンカーを拿捕

2019年07月20日

イランの最高指導者直属の革命防衛隊は19日、中東のホルムズ海峡でイギリス船籍の石油タンカーを拿捕(だほ)したと明らかにした。ジェレミー・ハンター英外相は、イランが「ステナ・インペロ」を解放しなければ、「深刻な展開」が待ち受けていると述べた。

「BBCニュース」より

そして、イギリスとイランとでかなり険悪な状態になった。拿捕合戦を繰り広げる事になって、これが事態に拍車をかける事になる。

イランの脅威に米が警鐘、商船へGPS妨害や偽装通信 ホルムズ海峡

2019.08.08 Thu posted at 11:30 JST

(CNN) 米運輸省海事局は7日、ホルムズ海峡とペルシャ湾を航行する商船に対し、イランの脅威に関する新たな警戒情報を出した。一部の船舶からGPS妨害を受けたという報告があったとしている。

さらに、「未確認の組織が米軍あるいは連合軍の艦船を名乗る虚偽の通信」についても報告が入ったとして警戒を促した。

「CNN」より

更にGPS妨害やら偽装通信やらが報告されていて、ホルムズ海峡の「安全な航行」というのは損なわれているのが現状である。

警護活動は可能なのか?

シーレーンを守れ

さて、では安全に日本の船舶が荷を運ぶにはどうしたら良いのか?

それの答えの1つがアメリカが推奨する有志連合への参加で、朝日新聞はこの様に報じている。

米国防長官、日本に「有志連合」参加を要請 防衛相会談

2019年8月7日13時18分

 岩屋毅防衛相は7日午前、来日中のエスパー米国防長官と会談した。エスパー氏は中東のホルムズ海峡などでの船舶の安全を確保する「有志連合」構想について説明し、参加を要請。岩屋氏も日本側の考えを伝えた。また、韓国で破棄を求める声が出ている日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA(ジーソミア))の重要性で一致した。

「朝日新聞」より

アメリカの国防長官であるエスパー氏が日本に来ていて、アメリカの立場として「有志連合に参加しろ」と要請をしたようである。

確かに日本のシーレーンを守る1つの回答ではあろう。

法的な縛り

しかし、有志連合に参加するというのは、色々な問題がある。

 日本政府は、米国の求めに対し、「何もしないわけにはいかない」(政権幹部)というのが基本姿勢。一方で安倍晋三首相が米・イランの「仲介役」として6月に訪問するなど良好なイランとの関係が悪化することを避ける必要があるとの判断から、具体的方策について防衛省内などで検討を重ねてきた。首相自身は6日の会見で、ホルムズ海峡を航行する日本関係船舶の安全確保の重要性について言及しつつ、「米国との連携、イランとの関係など、様々な角度から検討を行う」と語った。

「朝日新聞」より

有志連合に参加する場合に、日本の立場としてはイランとも比較的良好な関係を維持しているので、イランと敵対しているアメリカに与するのは容易ではない。

しかし一方で、独自の路線で海上自衛隊を出して警護するとなると、ホルムズ海峡を航行する日本の船はかなり多い事から、手が足りないという状況になる可能性が高い。

つまり、守れるケースと守れないケースが出てきてしまう。また、日本以外の船が航行している際にこれをどうするかという問題も出てくる。

まあ、有志連合に参加した場合には、作戦的に他国の船を守る必要が出てきて、それは集団自衛権という形になる。それが今の法的枠組みで出来るのか?というと、それはなかなか難しいだろう。存立危機事態の認定しだいでで、だからこそ、憲法の改正は必要なのだが。

何れにしても、「出さない」という選択肢はないので、慎重な議論をし、早急に答えを出す必要があるね。

コメント

  1. 河太郎 より:

    木霊様。あるけむ様。今夜は晩酌様。
    音楽大好き様。マスメディア反乱軍様。暖かい御言葉に感謝いたします。
    本当にありがとう。
    もう畑に出る時間なので手短に。
    俺は今、スイカの収穫など農業バイトをしています。知人の農家の離れに住み込みで。三食と風呂つき。
    とっくに退院しました。病院の理事長から出てってくれと。こっちも彼のセクハラの過去を記録してるので、過大な「おこずかい」付きで(笑)
    んで、毎日、海の見える丘で農作業してます。真っ黒に日焼けしてます。
    休みは海で泳いだり、ボケー(゜ρ゜)と海を見たり、「指輪物語」や「三國志」を読んだり。あと離れで夜にマッサージや鍼のバイトするので、酒とツマミには困りません。
    晴耕雨読ってのかな、畑に出て作業して寝るだけですが楽しいです。
    で!木霊様に最後のお願いです。
    私はネットって、木霊様と読者諸兄を「基準」にしていたので、そうではない下劣な連中が主流なのを知りました。リアルに里山運動とかさてるので、このブログのような志ある方々いがいは相手にしたくないし、それは意味ない事と感じています。
    あ、一つブログ潰しようです。
    私ら関東や北陸や東北のコメント主を「東夷」と書いた関西のブログ主がいて、彼は「自称左翼リベラリスト」でしたが、ムカつきましてね。
    「東夷は差別語だ!」と怒るたら、「差別でねー!」と言われた。
    んで、俺は今でも極右も極左も同和の方々にも付き合いあるから、じゃあ、
    差別と迫害を受けてきた同和の方々にコメント見せるから、それが差別語かどうか、彼らに判定を委ねましょう。
    左翼リベラリストなら文句はないよね??
    とコメントしたら、数時間後、ブログは「終了」してしまいました。
    左翼リベラリストって「その程度」か??
    でも、これでねネットとかに対する何かが決定的に壊れました。
    木霊様の処のような理性的な場所はネットでは「少数」なのだろと。
    ぶっちゃけ、俺は今でも里山運動は欠かしてません。岬の小さな社への参道の草刈りには参加してます。
    だからネット民の「議論」にはウユザリしてきた。
    木霊様と読者諸兄の「志」は大好き!
    でも、木霊様ブログに比べて、ネットの大多数は知能の欠片もない奴らで運営されてあるのが実情だ。
    毎日、太陽の下で働いて、三食と風呂には入れて、夜は指輪物語や三國志や古事記を読む。そういう生活が楽しくてね、ネットとかに否定的な感情を帯びました。務め先の社長からは、この先に半年は食える退職金(俺もう社員でないけど)を貰らうたので、冬の大根まで付き合うつもりです。手に職も資産もあるので、どーにかなるでしょう。んで、一緒に1~数年はネットから遠ざかる決意しました。
    マスメディア反乱軍様の影響で、指輪物語や三國志を読んでいるが、色々と感じる事は多い。ネットってそゆなに必要かと。
    なわけで、今年中には撤退して、まあマッサージか看護師か解らんけと、医療に復帰します。他に出来る事ないし
    でもネットと1~3年は切れるという結論は変わりません!
    なので最後に木霊様と読者諸兄に最後のお願いです。
    一つを記事違いでも投稿させて欲しい!
    私の親族とペリリュー島で殺しあった
    米軍人の言葉です。語るてくれるまで
    10年以上が掛かるた。
    最後はホスピスの床で話してくれた。
    御期待に添えるか解らないが、
    少なくとも我らの父祖と本当に殺しあいてきたアメリカ軍人の言葉です。
    それだけは最後に木霊様と読者諸兄に書きたい。あ、もう畑に出る時間なので。これで失礼します。

    • マスメディア反乱軍 より:

      河太郎さん、まずはご退院され何よりです。

      晴耕雨読という生き方は僕にとって素朴な憧れと、淡くとても甘い感傷を呼び起こします。(日本語は素晴らしい!!)
      しかし、気まぐれな大自然を相手にした農業は、小さな家庭菜園しか経験した事のない僕でも、憧れなんて甘いものではなく格闘の毎日で厳しい一大事業だと思っています。
      古来、河川の利権で多くの戦が始まった様に、領主としては国を治める為の根幹であったのですから。

      指輪物語とその関連書は何度も読み返しましたし今でも時々読んでいますが、三国志は亡くなったオジキの本棚にあった、分厚くデカイ箱入り本3冊をもらってきて、20代の頃に一度読んだきりです。
      元々乱読で活字中毒気味なんですが、2時間もあれば読める時事関係の親書、じっくり読み込みたい小説、時代小説では山本周五郎さんを愛し、そして何度も読み返すマストアイテムな愛読書...、就寝前の数時間が僕にとって至福のひと時なんです。

      河太郎さんのご嗜好は判りませんが、僕にとっては音楽(BluesをルーツとしたRock&Roll)・映画・美術も書物と同じくらい愛しいですね。

      どんな人でも日々の生活や人間関係があるし、世俗の情報だけに囲まれていては滅入ってしまいます(つまりストレスかな)、自分なりの思考を深める「セーフ・ハウス」、それが文学・音楽・美術等先人たちが慈しんできた「文化」と僕は考えています。

      「今日の酒も肴も旨い!!」...、そう思えたら僕は満足ですね。(微笑)

      どうぞ、ご自愛を。

    • 今夜は晩酌 より:

      河太郎さん、退院おめでとうございます。
      しばらくネットから離れられますか。少々寂しいですが、精神衛生上、良い生活が送れそうですね。小生は仕事柄パソコンの前に1日10時間以上張り付く生活なので、自然の中で生活をして、読書の日々は憧れです。
      はい、ただの無いものねだりです。
       それぞれの生活に苦労や楽しみがあるのは当然な事。その中で、河太郎さんにとって最も良い選択がなされて、楽しい日々が多いと良いですね。
       どうぞお体に気をつけて、いずれまた、色々な情報交換など出来るとよいですね。

  2. マスメディア反乱軍 より:

    >有志連合に参加する場合に、日本の立場としてはイランとも比較的良好な関係を維持しているので、イランと敵対しているアメリカに与するのは容易ではない。

    これが日本最大のジレンマであり、今後の展開を考えるとアメリカも日本-イランの外交パイプを無視できないし、一方的な無理強いできないんじゃないかな?
    日本は知恵の絞り時ですね。

    >しかし一方で、独自の路線で海上自衛隊を出して警護するとなると、ホルムズ海峡を航行する日本の船はかなり多い事から、手が足りないという状況になる可能性が高い。

    現時点での素案はジブチ配置の護衛艦&哨戒機をとりあえず廻すって、ニュースが見受けれらますがちょっと無理筋じゃないかな?
    ジブチを拠点とする自衛隊(海自)は哨戒機P-3Cを配備していますが、航続距離は6700kmですからペルシャ湾に行っても数時間も作戦活動できないと思います。
    護衛艦も1隻のはずで本来のソマリア海賊警戒ができなくなる...。

    本格的なローテーションを考えた警備活動には、最低でも護衛艦1隻+対艦ミサイル装備の哨戒機P-3Cが3機くらい必要じゃないかな。(P-3CはUAEの空軍基地を一時的に使用)

    >つまり、守れるケースと守れないケースが出てきてしまう。また、日本以外の船が航行している際にこれをどうするかという問題も出てくる。

    自衛権の範疇外なんで協力するにも前提となる、法的根拠だけは明確にしておく必要がありますね。
    アメリカ国籍のタンカーやそれを護衛する空母打撃群なら、集団的自衛権を無理やり適用し作戦に共同参加するゴリ押しも可能かもですが、イランの反発含め国内極左が大騒ぎするのは必至でしょう。

    やはり現憲法の呪縛が解けない限り、大事な判断を迫られた時にこんな見っとも無い右往左往が続くのでしょう。

  3. マスメディア反乱軍 より:

    エスパー国防長官の来日後も、今のところ日本政府は有志連合には慎重な姿勢を崩していませんね。
    とはいえ、独自判断での自衛隊派遣はやるべきだと思っています。

    先日、ジブチの海自艦艇&哨戒機は地理的に遠すぎるし、本来のミッションであるソマリア沖の海賊警戒に穴が開き無理があると書きましたが、やはり護衛艦1隻+P3-C哨戒機3機くらいの規模が必要になるんじゃないかな?
    判断基準は活動拠点をどこに置くかであり、水面下では交渉を急いでいると思いたいですね。

    僕は目の前で圧倒的な地の利があり、UAE・サウジアラビアとは違いイランとも敵対までしていない、親日国オマーンの海軍基地&空軍基地利用が一番じゃないかと考えています。
    派遣と駐留についてはオマーンに密かにイランとの仲介を頼み合意できれば、相互合意による大義名分は形成できるんじゃないかな?

    後はアメリカをどうなだめるかで、空母打撃群が攻撃を受けた時に「安保条約による集団的自衛権発動」を秘密裏に担保する事はやむをえないでしょう。
    それも、哨戒機の情報提供などに限る事でアメリカが納得するかですね。

    アメリカの理屈によるイラン叩きに巻き込まれない様に!!

  4. マスメディア反乱軍 より:

    火種となった中東とイランの核問題についてです。

    INF条約破棄で小型核搭載可能な短・中距離弾道弾がサウジアラビア・UAEなんかに配備されれば、NPT条約は一挙に有名無実化しかねません。
    核なき中東を実現するにはイスラエルにNPT批准を迫り、核兵器廃棄を国際社会が一致して働きかけないと、イランの核開発疑惑は解決の糸口さえ見つけられないと危惧しています。

    8月は核兵器禁止条約(CTBT)を署名も批准もしていない、日本政府の姿勢がメディアの餌食となる光景が毎年恒例化しています。
    現実は全核保有国とNATO、そして一番危ない中露も賛同していない国際的コンセンサスを得た条約なんですよね。

    「だからこそ唯一の被爆国である日本が率先しろ...」、被爆者の切実な心情と核の悲惨さを知る純粋な行動は、道義的には決して間違ってないのですが、CTBT事態が現実からほど遠い理想な訳でそれを対立軸にしている限り、極左の恰好の扇動手段となってしまって不毛な国論分離を招いていると考えています。

    終戦記念日と併せて夏休み用の予定原稿で紙面を埋められてラッキーなだけのマスメディアも、せめて得意顔で語るなら直面するNPTの危機と対比し、問題の難しさや具体的な解決策提言を併記すべきと、僕にとっては腐ったマスメディアに対して毎度怒りを感じる季節です。
    日本で最も思考停止が重度で問題を混乱させている元凶が、NHK・朝日・毎日を筆頭にする偏向マスメディアじゃないかな。