北朝鮮から発射されたミサイルと、見えてきた課題

北朝鮮

カテゴリー的にはお笑い韓国軍といっても良いだろう。

「2発とも600キロ」 また修正発表した合参…GSOMIAで日本から情報提供

記事入力 : 2019/07/27 09:01

韓国軍の合同参謀本部(合参)は、韓米共同評価の結果、今月25日に北朝鮮が発射した新型短距離弾道ミサイル2発はいずれも飛行距離が600キロであることを把握した。

「朝鮮日報」より

先日、北朝鮮のエリンギヘッドこと黒電話……じゃなかった、金正恩氏の熱いアメリカへのラブコールが送られた後、日本も韓国も戦慄の事態に陥っている。

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アメリカは問題としない

トランプ氏は暢気なtweet

この北朝鮮のミサイル発射に対して、アメリカはどのように反応したかというとこんな感じだ。

トランプ氏、北朝鮮のミサイルは「標準的」 問題視せず

2019年7月27日12時01分

 北朝鮮が25日に発射した短距離弾道ミサイルについて、トランプ米大統領は26日、ホワイトハウスで記者団に対し「短距離ミサイルであり、多くの人たちがこれらのミサイルを保有している」と述べ、問題視しない考えを改めて示した。

「朝日新聞」より

朝日新聞は、この様な記事を載せているが、twitterでも同様のことを呟いた様だ。

つまり、朝日新聞のこの記事は後追い記事と言うことに……。

さておき、気にしないというのはなかなか凄いな。

「小さなミサイルの発射実験しかしていない」トランプ大統領

2019年7月26日 13時04分

アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮によるミサイルの発射について「北朝鮮は小さなミサイルの発射実験しかしていない」と述べ、問題視しない考えを示しました。

「NHKニュース」より

トランプ氏の真意が何処にあるかは知らないが、流石日本や韓国はコレでは困る。

日本はミサイル発射を深刻な事態と捉える

菅氏、弾道ミサイルと断定

さて、それでは日本はどうだったかというと、まずはこれ。

菅官房長官「米韓と緊密に連携」 北のミサイル発射で

2019.7.26 11:54

菅義偉(すが・よしひで)官房長官は26日午前の記者会見で、北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発を発射したことについて「26日午前に日米および日韓外相の間で電話会談を行うなど米国、韓国とも緊密に連携を取ってきている」と述べた。同時に「わが国としては引き続き、関係省庁間で関連の情報の収集、分析に全力を挙げている」とも語った。

「産経新聞」より

短距離弾道ミサイルが発射されたと、その様に報道した上で、アメリカと連携すると発言。

ただしトランプ氏は「私は気にしない」とか言ったモノだから後日こんな会見をする羽目になった。

日米に温度差「ない」 菅官房長官 北のミサイル脅威めぐり

2019.7.30 18:05

菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は30日の記者会見で、トランプ米大統領が北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射を問題視しない旨の発言をしたことに関し「日米で連携して国連安全保障理事会決議の完全な履行を進める考え方に変わりはない」と強調した。北朝鮮の脅威をめぐり、日米に温度差はないか問われると「ない」と断言した。

 日本政府はミサイル発射が安保理決議に違反するとして、中国・北京の外交ルートを通じて北朝鮮側に厳重抗議した。菅氏は「安保理決議違反は明確で、米国との間ではこうした立場について累次の機会に確認している」と説明した。

「産経新聞」より

日本には直接的な攻撃手段がないので、この様な発現しか出来ないことが情けないのだが、しかし、このミサイルが新型である事が問題であった。

新型のミサイル、イスカンデルタイプ

実は、今回発射されたミサイルは、新型だったと判断された模様。

北朝鮮ミサイル、日本に届く690キロ飛行…迎撃困難な新型か

2019.7.25 20:17

北朝鮮は25日午前5時34分と同57分(日本時間同)に東部、虎島(ホド)半島付近から日本海に向けてミサイル2発を発射した。韓国大統領府は同日、国家安全保障会議(NSC)を開き、「新たな種類の短距離弾道ミサイル」との判断を示した。

~~略~~

5月4日と9日に発射したミサイル計3発も今回と同じく高度約45~60キロと弾道ミサイルとしては低高度で、約240~420キロを飛行。「KN23」と呼ばれ、ロシア製の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」をモデルにした新型とみられている。イスカンデルは、低空飛行で標的に近づき、再び急上昇するなど複雑な軌道で飛び、迎撃が難しいと指摘されている。

「産経新聞」より

このイスカンデル、巡航ミサイルと弾道ミサイルのハイブリッドタイプで、迎撃が困難である。その上、飛翔距離が690kmともなると、日本に到達してしまう。この飛距離の情報は、韓国報道からもたらされた情報で、後に日本の防衛省から600kmだと数字が修正される。

が、何れにしても、単純な弾道ミサイルの軌道を採らないので、迎撃することは従来のシステムでは困難だ。

残念な事に、今の日本に打つ手は無いのである。

「日本に届くミサイル」「迎撃は困難」この2点がハッキリした事で、日本は更なる対応を迫られる事になる。

具体的に言えば、一発目が迎撃できなくとも二発目以降を発射させないための、敵機基地を破壊する手段の取得である。これは現行法の範囲内で可能だが、残念な事に今の自衛隊にはその手段が無い。

そして韓国の動揺

ミサイルの飛距離すら把握できない

一方の韓国は、冒頭に示したニュースにあるように、ミサイルを把握できていなかった。

合参関係者は「25日の北朝鮮のミサイルは、一般的な弾道(放物線型)を描かなかった。レーダーが捕捉できない高度の下で、特異な動きを示した」と説明した。合参は、北のミサイルが韓国の早期警報レーダーの死角地帯がある東海側へ発射され、430キロから先は追跡に失敗したことを明かした。レーダーの電波は直進するのに地球は曲面なので、一定の距離以上遠ざかると死角地帯が生じるのだ。結局、韓国の探知・追跡に限界があることを露呈した、という指摘が強まっている。

「朝鮮日報」より

一応、レーダーの問題で飛距離を把握できなかったと言うことなのだけれど、それが本当だったかどうかはちょっと怪しい。そもそも「430キロから先は追跡に失敗した」というのは、どうなんだろうね。

更に言うと、「早期警報レーダーの死角地帯がある東海側へ発射」って、それは明かしてしまって問題無かったのか?

韓国の言う「東海」とは日本海のことで、北朝鮮から発射されるミサイルの多くは日本海に向けて発射される。そこに死角があるというのは、どうなんだろう。

自国を防衛するために日本海をカバーする必要が無いという判断はあるかもしれないが……、弱点をわざわざ明かす必要は感じられないな。

しかし合参関係者は「北側から南側へ、すなわち韓国側に飛んでくる発射体は、レーダーで全て捉えられる」と語った。元職のある空軍防空砲兵司令官は「韓国側に飛んでくるミサイルは、迎撃を避ける回避機動をしてもレーダーで捉えられる」と伝えた。

「朝鮮日報」より

後付けでこんな事を言われてもねぇ。

廃止が噂されるGSOMIA

ところで、GSOMIAはここのところ韓国側が「やめてやる!」と交渉のカードにしている協定だ。

韓日軍事情報協定 「状況により破棄検討の可能性も」=韓国外相

記事入力 : 2019/07/30 11:54

韓国外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官は30日、韓日の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長に関して「状況の展開によって(協定破棄を)検討する可能性もある」と明らかにした。

「朝鮮日報」より

日本にとってダメージは少ないと言われているが、アメリカにとってはちょっと困った反応ではある。

「韓国は外交的に孤立するだろう」日韓対立で米国から指摘

2019年07月29日 06時06分

在韓米軍特殊戦司令部での勤務歴がある米民主主義守護財団のデイビッド・マクスウェル上級研究員は最近、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)に、次のように語っている。

「韓国政府が協定を本当に撤回すれば、外交的孤立を招くだろう。日本に続き、米国との同盟関係まで損なわれることになる」

「ニフティニュース」より

こうした反応をするからこそ、「日本のせいで破棄になった」といえるGSOMIAを外交カードにした韓国外相の康京和氏は、歴代トップレベルの無能な外相だな。

日韓の軍事情報協定、破棄を韓国に要求 北朝鮮サイト

2019年7月29日17時02分

北朝鮮の宣伝ウェブサイト「わが民族同士」は28日、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を韓国に要求する論評を掲載した。半導体材料の輸出規制問題で日韓関係が悪化していることに乗じて、両国の安全保障協力にくさびを打ち込む狙いがあるとみられる。

「朝日新聞」より

何しろ、北の将軍様からの指令を、そのまま実行しようとしているのだ。

もはや呆れてモノが言えない。

この日、北のミサイルの飛行距離が修正された件では、米国側の情報だけでなく韓日の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に基づき日本側から提供を受けた情報が影響を及ぼしたといわれている。韓国軍の消息筋は「GSOMIAに基づき、25日に北のミサイルの発射情報を韓国と日本が相互交換した」と語った。

「朝鮮日報」より

しかし、隣国が発射したミサイルの正確な情報ですらGSOMIAを通じて日本からの情報提供に頼らざるを得ない実情を考えると、韓国軍部は気が気ではないだろう。

だが、こうした事実に対して韓国人は極めて鈍感であり、対応する為の装備を獲得することもしてない。

考えてみると、GSOMIAは韓国にとっても有用ではあるが、ミサイル防衛などに役立てるには少々困難である。そもそも、韓国が保有するレーダでミサイル発射を捉えても、迎撃する時間が殆ど無い。設備も無い。その気もないのだ。

韓国が北朝鮮に併合される積もりであれば、こうした問題は一気にクリアされる。そして、そのつもりである事は微に入り細に入り伝わってくる。だとすると、日本が韓国と距離を置くのは当然だし、場合によっては敵対する事を前提に付き合わねばならないだろう。

コメント

  1. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    >トランプ氏の真意が何処にあるかは知らないが、流石日本や韓国はコレでは困る。

    政権発足以降ずっと日米韓同盟の破壊活動してきた、文クン一派ですから南朝鮮は自業自得でどォ~でもいいのですが、日本にとってはトランプ大統領の安易な姿勢は看過できません。
    とはいえ南朝鮮国内の全ての在韓米軍基地も射程内ですから、アメリカ(軍部)の真意は判らないところが多すぎますけどね。

    そして、31日の発射もイスカンデル新型(KN23)のようですね。
    射程は米軍基地のある岩国・佐世保、有事でアメリカも利用する築地・春日(いずれも福岡県)を捉えている可能性がありますので、在日米軍にとっても他人事じゃないはずなんですけど。

    ただ、北朝鮮には対日本用の弾道ミサイル(スカッドER・ノドン・テポドンⅠ)がありますから、イスカンデルを使うとすれば緒戦での攪乱の為の囮とかでしょうか、いきなりメインで使う蓋然性は薄いとは思っています。
    それでも万一撃ってきた時に日本の現BMDの能力では、いきなり最後の切り札PAC-3で迎撃するしかないと考えますが、2箇所以上から2発づつ発射する陽動作戦なら(合計6~8発)、PAC-3の迎撃範囲が及ばない地域を狙われたらアウトですね。

    >一発目が迎撃できなくとも二発目以降を発射させないための、敵機基地を破壊する手段の取得である。これは現行法の範囲内で可能だが、残念な事に今の自衛隊にはその手段が無い。

    現行法の範囲内で敵基地攻撃可能との事ですが(正当防衛の自衛権行使という意味と解釈してます)、その手段が全くないのが本当に問題ですし、もしあったとしても実際に分単位を争う決断が政府にできるかも不安ですね。

    こういうミサイルを迎撃するにはイージス艦のBMD5.1のバージョンUPは元より、イージス・アショアの早期配備、そしてNIFC-CAを含めた総合的なBMD構築を急がねばなりません。

    ところで日本が配備を決めたF-35Bはセンサー・ノードとして使えるらしく、E-767早期警戒管制機・E-2D早期警戒機を飛ばし配置に就く前に、F-35Bのセンサー・ノードでNIFC-CAとして機能すれば、BMDが増強され頼りになりそうです。

    そして反撃用の射手としては、島嶼防衛用に研究開発中の「高速滑空弾」の早期実戦配備と、使用にあたって「敵基地破壊」を即座に認める法的整備を急がねばならないと思います。
    キャリアとして日本国内から撃てる長距離地対地用と、空自の戦闘機に搭載できる空対地のバリエーションを同時進行でやって欲しいもんです。

    • 木霊 より:

      トランプ氏は、何か狙いがあるのかも知れません。
      いや、むしろ「どうでもいい」と考えている可能性もありますね。

      日本としては、イスカンデルであったとしても数が揃わなければそれほど心配することは無いかもしれません。
      ただ、迎撃が出来ないというのは、外交的に考えても弱いんですよね。万が一のこともありますし。
      そして、PAC3で果たして迎撃できるかどうかは怪しいところだと思います。

      F-35Bをセンサーノードと使うという話は面白いですね。
      今後の展開に期待です。

      • マスメディア反乱軍 より:

        木霊さん、レスありがとうございます。

        >ただ、迎撃が出来ないというのは、外交的に考えても弱いんですよね。万が一のこともありますし。

        仰る通りです。
        絶対は無理にしても「万が一」に備えるのが国防なんですが、そもそもいまだ専守防衛論がまかり通る日本には厳しいハードルというかハンディを抱えていますから、本当に難儀なんですよね。

        >そして、PAC3で果たして迎撃できるかどうかは怪しいところだと思います。

        可能性はともかく現状ではこれしかないし、未完成のBMDが如何に脆弱かを証明する忌々しき問題だと思います。
        後はこんごう型以降の8隻(建造中含む)に搭載されている、SM-2でどれくらい迎撃できるかでしょうね。(SM-3・SM-6はスカッドER・ノドン用に温存)

        まずはイージス・アショアの早期配備が最優先→合わせて敵地攻撃用超音速ミサイル開発実戦配備→NIFC-CAの完成、これを強力に進めるしか道はないと思います。
        イージス・アショアの優れたセンサーノードを最大限利用するためには、移動型VLSも欲しいですね。
        SM-2/3とSM-6を搭載できる仕様にすれば、東西・関東・関西圏の国内に分散配置し、移動型VLSの機動力で予想される敵のイージス・アショア基地への攻撃を躊躇させれれば、初動の弾道ミサイル防衛は可能になりますからね。

        この防衛システムが揃わない限り、日本にとって最悪と思う核配備の容認論まで進んでも不思議じゃないでしょうから...、僕個人の想いですがそれだけは絶対に避けたい!!

  2. マスメディア反乱軍 より:

    北朝鮮が2日にまた発射実験を行ったようです。
    木霊さんが先日推測された通り今回は弾道ミサイルではなく、長距離ロケット砲の可能性も高そうです。

    >ロケット弾の高度制御飛行性能や軌道操縦能力、目標命中率を検証する目的で実施。「高度制御水平飛行性能と軌道変則能力、目標への命中率、弾頭部の爆発威力が十分、確認され、正恩氏は大いに満足した」という。
    >約220キロ飛行し、最高高度は約25キロ

    情報がまだ少なくて判断・評価するには時期尚早なんですが、「誘導型ロケット弾」の可能性もありそうです。
    射程が200km以上なら、在韓米軍本拠地である平沢まで射程内って話になりますから、そろそろアメリカ軍も真剣になって欲しいもんです。

    それにしても、軍事に関する限り金豚クンも中々やりますね。
    核搭載可能でMD突破可能なKN-23(イスカンデル改造型)で南朝鮮全域を破壊可能にし、誘導型ロケット弾でアメリカ軍の本拠地を牽制...、米朝会談を少しでも有利に導くためのカードを揃えてきています。

    トランプ大統領のちょっと度が過ぎる容認発言には、「まずは米朝会談の扉を開けておく事」が最優先だと推察しますが、FFVDと制裁解除の危ういディールで綱渡り覚悟なんでしょうか?
    僕はおそらく次期米朝会談のアメリカのカードに、在韓米軍撤退→終戦宣言締結があると考えていますが、北朝鮮より南朝鮮の暴発(クーデター・内乱)が一番怖い。

    北朝鮮が本当にFFVDを守り遂行するなら(実に疑わしいけど)、日本の防衛ラインは38度線以南と対馬海峡を挟んだ地域(つまり現南朝鮮領)を想定した戦略も練っておく必要がありますね。
    保守&軍部の反発で内乱になり、それに便乗した現政府内の極左勢力が労組他支持勢力と組み軍を掌握したら、敵を日本と定め弾道・巡航ミサイルで初動攻撃→空海軍を総動員し対馬侵略と住民を人質に拠点化→本格的な人海戦術による上陸作戦...、政府・防衛省は具体的にシュミレーションした対抗戦略を練っておくべきと考えます。

  3. マスメディア反乱軍 より:

    どこまで本当なのか、実際のニュアンスの強弱は判りませんが、トランプ大統領が北朝鮮の短距離弾道弾を容認する真意(米朝協議を促進する為)と、日本には当面黙認して欲しいと安倍総理に打診済というニュースが漏れてきました。

    明白な安保理決議違反にも関わらず、日本政府の歯切れの悪いコメントの裏にはそんな事情あるんでしょうかねェ~。

    ・防衛省
       ↓
    >「我が国の領域や排他的経済水域(EEZ)への飛来は確認されておらず、現時点で我が国の安全保障にただちに影響を与えるような事態は確認されていない」

    ・菅官房長官
       ↓
    >「我が国の安全保障に直ちに影響を与えるような事態は確認されていない」

    安保理決議案を重視しその制裁措置を着実に守ってきた日本なんですから、基本原則を外れる今回の一連の対応に疑問を持っていました。
    安倍首相とトランプ大統領の間でちゃんとコンセンサスが取れていれば、僕としては推移を見守るしかないと考えます。
    が...、日本の不安を明確に伝え理解させ、刺すべき釘をちゃんと刺し言質を取るのだけはやってくれないと困ります。

    日本の原則はFFVDというのをしっかりと維持する事、これを一歩も譲るつもりはないと言い渡すべきじゃないかな。