出口の見えない香港のデモと「三合会」の暗躍が疑われる現実

アジアニュース

どうにもこの話は出口が見えないね。

香港で連日デモ、警察と衝突 催涙弾も

2019/7/28 21:45 (2019/7/29 0:57更新)

香港から中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐり混乱が続く香港で28日、香港警察による強制排除に反対するデモが実施された。香港メディアによると参加者は数万人とみられ、香港島中心部で実施され、一部は中国政府の出先機関に向かった。警察側は一部のデモ参加者に対し催涙弾を発射して排除した。

「日本経済新聞」より

参加者の数が段々減少している印象はあるが、報道の特色として「一部のデモ参加者に対して」という言葉が入ることが多くなってきている気がする。

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暴力に訴える「一部」

本当にデモ隊が暴動を起こしているのだろうか?

始まった当初は、非常に大規模なデモだと報じられていたが、流石にそれを継続して行うことは困難である。人々には暮らしがあるのだから。

香港のデモ、法案審議延期も収束ならず
この問題は先日も取り上げたのだが、事態の収拾どころか更なる炎上の様相となってきている。簡単に説明すると、香港の議会が「支那本土への容疑者引き渡しを可能にする条例改正案」を出してしまったのだけれど、これに市民が反発してデ...

しかし、当初は整然と行われるデモによって香港の政府側が追い詰められるような形で話が進んでいた印象であった。

だが、ここに来て、暴力に訴える一部がいるというニュースが出てきているし、その規模も随分小さくなってきている印象が強い。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、一部のデモ参加者はバリケードとして使った段ボールに火を放つなど過激な行動も見られた。デモ参加者のうち少なくとも十数人が逮捕され、28日午後10時までに4人の負傷者が近所の病院に運び込まれたとしている。

「日本経済新聞」より

幾つか情報を拾い、「自作自演」であるという情報と、「そうではない」という情報があって、どちらが正しいか判断に困るような状態が続いていたのだが、ここへきてちょっと疑わしい話が出てきた。

白シャツ軍団大暴れに中国の影、香港は危険水域に

2019.7.25(木)

 7月21日に香港で起きた異常な出来事を整理したい。6月以降の香港で異常事態が続いているので、もはや私たちメディア側も麻痺しかかっている。だが21日の事件は、一線を越えたような印象を受ける。

 この日、43万人の平和デモがあり、中聯弁(中央政府駐香港連絡弁公室=中国の香港における出先機関、大使館に相当)への抗議デモと警察による武力鎮圧があり、そして香港MTR・西鉄線の元朗駅界隈で発生した謎の白シャツ集団による無差別暴行事件があった。

「JBpress」より

この記事を書いたのは福島 香織氏だが、彼女は習近平派が暴力行為を指示しているという分析には否定的だ。

【解説】 香港の駅襲撃、関与疑われる「三合会」とは? 香港政府とのつながりは

2019年07月23日

香港の元朗区にある鉄道の駅で21日午後10時半ごろ(日本時間午後11時半ごろ)、木製や金属製の棒を持った覆面集団が利用客や通行人を襲い、45人が負傷した。この日行なわれた、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案に対する大規模な抗議デモに参加した市民が被害に遭った。

「BBCニュース」より

一方、BBCでは「三合会」の関与を指摘している。

ただ、支那政府との繋がりよりは香港当局との繋がりの方が強い様に思われている節がある。まあ、何れにしても非合法組織を使ってデモを収束させようという狙いがあることは事実だろう。

どこと繋がっているか?はハッキリしない(するわけもない)のだけれども。

香港とマフィアの怪しい関係

そもそも、香港映画の定番になっているように、マフィアの存在は非合法ながら認められている土壌があるのが香港である。

そうした地下組織は、支那に返還されたときに潰されるという流れになるとも予想されたが、しかし支那当局はコレを容認する形で存続を許してしまった。

そうした団体が、あちらこちらで暗躍していることで香港の秩序が保たれるという側面はあるようだが、今回はこうした団体が行政側と結びついている可能性が強いと示唆されている。

見るからに「如何にも」という雰囲気はあるが、デモ隊にとってもこうした組織と敵対するような形になるのは望んではいないだろう。

まあ、あくまで「怪しい団体がデモに参加している」という事実があるのみで、どこがどう繋がっているかというのはハッキリはしていないんだけど。

「三合会」は香港にある複数の犯罪組織の総称だ。英オックスフォード大学の犯罪学の教授で、組織犯罪の専門家のフェデリコ・ヴァレーゼ氏によると、「三合会」とは独自のルールや儀式を確立している、「極めて特定の地域に限定された」犯罪集団だという。

「ふだんはみかじめ料の取立てや、売春、薬物取引などを行なっている。国際的組織ではなく、地元地域で活動している」

「香港国内には複数の三合会がある。特に悪名高いのは、「14K」、「新義安」、「和勝和」などだ。

三合会は階級を重視する組織で、厳格な行動規範で縛られ、仲間同士は血盟を結ぶ。主に香港の特定地域で活動するが、地元では有名だ。活動はしばしば香港映画の題材になり、そうした映画は犯罪集団を美化していると批判される。

「BBCニュース」より

で、「三合会」が何か、という話なのだが、日本でいう「暴力団」よりも「政治結社」に近い感じの組織を指す言葉のようだ。政治に関係するとは限らないんだけれども。そして、こうした組織は反体制組織という位置づけにある上に、世界中に広がるところもある様で、影響力はバカに出来ない。逆に言えば、そうしたバックグラウンドを知っていて、支那当局は潰すことが出来なかったという事なのかも知れない。

1997年に香港返還が実現するのだが、それと前後して支那の公安部長だった人物が「黒社会にも愛国者はいる」と意味不明な事を言って「三合会」の存続を容認した。鄧小平からして同じ事を言っているのだから、如何に影響力があったかを、示す話でもある。

そして、未だに「三合会」は警察との癒着が強い組織だと言われていて、警察がデモ隊の制圧に際して、不自然な流れが見られるという結果から、やっぱり「三合会」が怪しいんじゃないの?という話になっているのである。

デモに暴力組織が関与すると……

支那政府はデモ隊の暴力行為を理由に事態の鎮圧にのりだす

そんなわけで、冒頭のニュースに目を向けていくと、「何者か分からないけれど、暴動を起こしてる」という形で、警察が武力で鎮圧している。

香港の人民解放軍「防衛責任果たしてきた」中国外務省 

2019/7/26 18:01

中国外務省の華春瑩報道局長は26日の記者会見で、香港の「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議活動に関連し「香港に駐留する中国人民解放軍の部隊は法律を厳しく守り、忠実に防衛責任を果たしてきた」と発言した。解放軍を巡る直接の質問は出なかったがあえて言及することで香港のデモ行為をけん制する狙いがある。

「日本経済新聞」より

恥ずかしげも無く支那共産党はこんなコメントを出したが、この話はその前に報じられたこのニュースに関連している。

香港問題で人民解放軍の出動可能 中国国防省

2019.7.24 16:16

中国国防省の呉謙報道官は24日の記者会見で、香港で「逃亡犯条例」改正案に対する抗議活動が続いていることに関連し、香港政府の要請があれば現地の中国人民解放軍が出動することが可能だとの立場を強調した。

「産経新聞」より

面白いのは、支那の共産党は、「香港政府の要請があれば」と主張している点だ。

つまり、力は貸すけど判断するのは香港政府だ、つまり、香港政府は独立しているんだ、という体をとりたいからだろう。

天安門の悲劇再び?

支那では天安門事件というキーワードは検索できないことになっているようだ。聞くところによると、支那国内では香港の現状について全く報じられていないようで、或いは天安門のような武力弾圧に乗り出す可能性はある。

ただし、香港は外に開かれている部分があって、支那国内のような情報封鎖は難しい。だからこそ、あからさまな弾圧に繋げることは難しいだろう。

しかし、一旦、一方的な武力鎮圧をしてくると、デモ隊の方はどうなのか?というと、それこそ西側の圧力を味方に付けて支那政府を攻撃可能な状況が作り出せる可能性がある。つまり、デモ隊側にとっても、悪い話ばかりでは無いというところがこの話の難しいトコロなのである。

状況がどこに進むのかは分からないが、「三合会」の暗躍によって混乱することは間違いなさそうである。

コメント

  1. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    何か陰惨な雰囲気になってきたみたいで心配です。

    >そもそも、香港映画の定番になっているように、マフィアの存在は非合法ながら認められている土壌があるのが香港である。

    最も有名で成功した映画がトニー・レオン主演・アンディ・ラウ助演の「インファナル・アフェア」じゃないでしょうか。
    優秀な捜査官がマフィアに潜入捜査、マフィア側も見込みある若衆を警察組織の中心に潜入させるプロットも秀逸なストーリーで、僕は何度か繰り返し観た名作です。
    3部作で「香港版ゴッド・ファーザー」とも言われ、その後M・スコセッシ監督・L・デカプリオ主演・M・デイモン&J・ニコルソン助演でリメイクされ、アカデミー作品賞・監督賞他を受賞しました。

    話が逸れましたが白シャツ野郎たちがマフィアなのか、そして支那政府と繋がっているのかご指摘の通り真相は闇の中でしょうね。

    >支那では天安門事件というキーワードは検索できないことになっているようだ。聞くところによると、支那国内では香港の現状について全く報じられていないようで、或いは天安門のような武力弾圧に乗り出す可能性はある。

    支那の陽動作戦は当然卑劣極まりなく、下手な口実を与えるとそれをきっかけに軍が介入する...、僕が最も恐れるシナリオです。

    >ただし、香港は外に開かれている部分があって、支那国内のような情報封鎖は難しい。だからこそ、あからさまな弾圧に繋げることは難しいだろう。

    いや、支那がその邪な腹を括ったら言論封鎖はもちろん、海外からの入出国封鎖や海外ジャーナリスト拘束までやってでも、徹底的に事実を隠蔽する恐れがありますよ。
    動画や画像が流出してしまうリスクは折り込み済みで、すべてシャットアウトの準備していたら、本当の惨劇の事実が漏れてくるのは数か月後かもです。
    その間に「香港は治安維持の為、支那の支配下に入った」、そして内政干渉を盾に西欧諸国に「余計な口出しするな」と強面で対決するつもりかも知れません。

    20万人以上が非暴力で始めた正統な意志による行動、信じたくはありませんがもしかして風前の灯に近いのでしょうか?

    日本は元宗主国のイギリスと支那包囲網を張るアメリカとしっかり連携し、今から最悪の事態に備え厳しいメッセージを用意し具体的な対応を練るべきと思います。
    それで、支那との関係が悪化しても構わないし、過去何度も良かったり悪かったりの繰り返しでしか過ぎないから、一切恐れる必要はなく今こそ「日本人の精神である王道」に徹しましょう。

    • 木霊 より:

      香港、ヤバイと思いますよ。
      支那共産党は、このまま圧力を強めてすり潰していくというのが最善だと、そう考えているようです。
      いや、寧ろそれしか無いのです。

      しかし、香港自身にとっては本当に勝ち筋の見えない話で、支那国内にデモが燃え広がれば、或いは勝ち筋に繋がる可能性がありますが、それは支那の内部崩壊を伴う壮絶な血を流す歴史を織りなす話。彼らにとって、負けても血を流し、勝っても血を流す最悪の展開ですが、それしか自由を手に入れる事はできないわけですから、不幸な事ですね。
      案外、三合会と手を組んで一気に戦線拡大した方が、良いかも知れません。

      • マスメディア反乱軍 より:

        >支那共産党は、このまま圧力を強めてすり潰していくというのが最善だと、そう考えているようです。
        >いや、寧ろそれしか無いのです。

        国際的に孤立しようが経済制裁を受けようが、絶対に後には引かないって事ですね。
        どんな汚い手や最終手段の軍事介入を使ってでも、支那は平気でやってくるのを知っているから怖い...。

        >しかし、香港自身にとっては本当に勝ち筋の見えない話で、支那国内にデモが燃え広がれば、或いは勝ち筋に繋がる可能性がありますが、・・・

        香港の強みだった経済的魅力が返還時から時を経て薄れてきたのが、支那の圧力・政治介入の始まりで、英中共同声明はもはや一方的に無視されたも同然なのが香港の悲劇でしょうか?

        僕は「今存続の危機」にある香港には冷たく無慈悲なようですが、台湾を含む東南アジアの民主主義国家がこれを「他山の石」として、支那支配の本当の恐怖を問題意識・共有化し、一帯一路で悪辣な債務の罠から脱却する事も含めて、一致団結し反支那勢力を結集してくれたら、そしてその時間稼ぎになればと儚い願いを持っています。
        そして、決して揺るがぬ団結姿勢が大切で、イギリス・アメリカ・日本という大国にその意志を示し、国際社会の英断(経済的・軍事的援助による圧力)を促すしかないような気がします。

        支那とのしがらみを切り、自国の損得勘定をきれいさっぱり捨て去らないと、絶対に成立しない机上の空論ですけどね。

        支那忠誠国を含む為に優柔不断な態度しか取れないASEANなんて、この際無視して新たな自由主義圏を東アジアに構築するチャンスかもです。
        その間、香港市民は支那の狡猾な挑発&誘導策や暗躍に負けることなく、無暴力による静かで芯がぶれない行動で耐えて、世界に正統性をアピールし続けて欲しいと願うしかありません。

  2. まり より:

    世界の目を寄せる事が、中国の
    暴走を抑える効果になるので
    まだまだ、大規模デモを続ける
    必要があると思います。
    http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/docs/19841219.D1J.html
    ソ連崩壊のように、中国が破綻、分裂すれば、イギリス国籍保持者保護の名目で、湾岸連合軍が介入できるかな?
    まだ、長い期間かかるし、香港に市場価値が残っているか?中国が強制力使用した時の対抗処置は日米英で必要な段階になったと感じます。
    香港に幸あれ。

    • 木霊 より:

      個人的な見解で申し訳ありませんが、多分、天安門再びという展開を迎えても、外国からの武力介入は無いと、そう思います。
      支那の内部崩壊が起きても、外国からの武力行使があるかは、ちょっと怪しい気がします。
      暴動を鎮圧するという理由でロシアやインド辺りは周辺地域を押さえる行動に出る可能性はありますが、西側は静観しそうな気がしますよ。

  3. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    非暴力で始まった大規模デモが投石・放火などで過激化中、香港警察も催涙弾使用は日常化しつつあり、逮捕者も増える一方のようです。

    どんどん、軍事介入もアリという最悪のシナリオに進んでいる...、何とか一方的な虐殺だけは回避して欲しいと願うしかない。

  4. まり より:

    香港空港とエアーのストライキが凄い事になってる。