なかなか曲者らしいね、このボリス・ジョンソン氏は。
英ジョンソン新内閣、閣僚入れ替えでブレグジット派多数に
2019年07月25日
イギリスの新首相に就任したボリス・ジョンソン氏は24日、主要ポストにブレグジット(イギリスのEU離脱)派を置く、新内閣を発表し、25日朝に初閣議を開いた。
ジョンソン新首相は閣僚を前に、「皆さんご承知のように、この国の歴史の転換点において、我々はとてつもない仕事をしなくてはならない」、「今の我々は全員、10月31日までに欧州連合を離脱するのだと、意志を固めている。でもも、しかもない」と述べた。
「BBC」より
これでイギリスの命運は決まったようなモノではあるが、ハードブレグジットはイギリスにとってそれほど悪くはないという分析もある。
何故、ボリス・ジョンソンはイギリスの首相に?
メイのバカっ!どうして辞任したの?
いやまあ、そんな事を言っても、メイ氏、一体何をやったのと言うレベルで何も政策を進める事ができなかった。
そもそもイギリス議会は割と何も決められない構造になっているのだ。
メイ英首相が最後の演説 「『妥協』を嫌悪すべきではない」
2019年07月18日
ブレグジット(イギリスのEU離脱)の道筋をつけられず辞任に追い込まれたテリーザ・メイ英首相が17日、首相として最後となる演説をし、拡大する「妥協なき絶対主義」が議論と民主的価値を脅かしていると訴えた。
メイ氏はこの日、王立国際問題研究所「チャタムハウス」で、多岐にわたって考えを述べた。ブレグジットをめぐって自分がまとめた案に支持を集められなかったメイ氏は、保守党党首と首相を来週辞任することが決まっている。
「BBC」より
その上で、メイ氏は仲間を作らない政治家だったらしく、首相になって孤軍奮闘したようではあるが、議会を動かすには至らなかった。
そして、どうしようも無くなって辞任という形に追い込まれた。
ボリス・ジョンソン氏に課せられた使命は、ブレグジットの実現
そして、それ故にジョンソン氏がやるべきたった1つの仕事は、ブレグジットの実現である。
【解説】 新首相は急いでいる ジョンソン英政権発足
2019年07月25日
新しい首相は急いでいる。新内閣の顔ぶれは、首相が急いでいるからこその人選だ。
この首相は、自分に与えられた時間はそう多くないと自覚している。
この首相は、前任者が数年かけてもできなかったことを数カ月以内にやってのけなくてはならない。
「BBC」より
BBCはかなりジョンソン氏を酷評しているようだが、彼の実務能力はどうなんだろうね。
ボリス・ジョンソン氏が英首相に就任、「10月31日にEUを離脱する」
2019年07月25日
イギリスの与党・保守党党首選に勝利したボリス・ジョンソン氏は24日、バッキンガム宮殿でエリザベス女王と会見し、正式に首相となった。ダウニング街の首相官邸前で初の記者発表を行ったジョンソン氏は、「この国をもっと良くしたい」と熱弁した。
「BBC」より
で、早速、離脱する日を発表した。10月31日ですか。
3ヶ月で本当に色々と準備が出来るんですかね?
英ジョンソン新内閣、閣僚入れ替えでブレグジット派多数に
2019年07月25日
イギリスの新首相に就任したボリス・ジョンソン氏は24日、主要ポストにブレグジット(イギリスのEU離脱)派を置く、新内閣を発表し、25日朝に初閣議を開いた。
「BBC」より
割と離脱強硬派で組閣した印象があるので、寧ろ無理矢理、力業で解決する積もりなんじゃないかな。それが良いことなのか悪いことなのか。
EUは反発
早速EUが動いたみたいだね。
EU、ジョンソン首相の要求を一蹴 離脱案修正に応じず
7/26(金) 6:53配信
欧州連合(EU)は25日、英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐる協定案の修正を強く求めたボリス・ジョンソン(Boris Johnson)新英首相の要求を一蹴した。
ジョンソン首相は同日、就任後初の議会演説で好戦的な姿勢を取り、EUに対し、現行の合意内容見直しへの反対を「考え直す」よう要求。「さもなければ、われわれはもちろん、合意なしでEUを離脱しなければならない」と述べ、10月31日の離脱期限に向けた準備を「加速する」と宣言した。
ジョンソン首相は、EUが11月にテリーザ・メイ(Theresa May)前首相と合意した離脱協定案の内容は「受け入れられない」とし、同案は「われわれの経済的独立を手放す」ものだと警告した。
「yahooニュース」より
ジョンソン氏にとっては、ハードブレグジットも辞さない構えであるから、EUにも強気で発言できるようだが、決定的にEUと袂を分かつわけにも行かないから、案外駆け引きは難しいかも。
アメリカからお悔やみ殺到
さて、そんな中で意外なところから援軍が。
え?援軍じゃ無い?励ましの言葉だ?
「イギリスのトランプ」が首相に、アメリカからお悔やみが殺到
2019年7月24日(水)18時30分
アメリカでは「イギリスのトランプ」として知られるボリス・ジョンソンが7月23日、イギリスの次期首相に選出された。ドナルド・トランプ米大統領はすぐさま、盟友ジョンソンの勝利を祝い、応援するメッセージを送った。「彼は偉大になるだろう!」
だが一般のアメリカ人は、トランプとはまったく違う理由でツイッターに殺到した。イギリス人に向けて、応援と連帯のメッセージを送るため。SNSユーザーのひとりであるダーウィン・レッシュの言葉を借りれば、「この悪夢をともに乗り切る」ためだ。
アメリカ人はツイッターを哀悼の言葉で埋めつくし、#Dear UK”はトレンド入りした。作家のローラ・アン・ギルマンは、「親愛なるイギリスの友人たちへ:私たちからお悔やみを申し上げます。私たちも、あなたがたの深く尽きせぬ恐怖を共有しています」と書いた。
「Newsweek」より
まあ、気持ちは分かるよ。
Dear UK people, accept my condolences and welcome to the club of countries with racist and misogynist leaders! #BorisJohnson pic.twitter.com/LbAJ7aXmey— Willie Allen (@WonderWilliee) July 23, 2019
なかなか秀逸なイラストじゃ無いか!
まあ、さておき、アメリカ大統領のトランプ氏と似たタイプだとは言われているらしく、トランプ氏としてもシンパシーを感じているのは事実のようだ。(主に髪型が)
しかし、何故こんなにアクの強いのがトップに座るのか。
アメリカ:トランプ
イギリス:ボリス・ジョンソン
フィリピン:ドゥテルテ
ロシア:プーチン
トルコ:エルドアン
支那:習近平
韓国:ムン君
恐ろしいな、並べてみると。
ブレグジットは加速するか
まあ、良くも悪くも前に進むことは間違いない。
何しろ、ボリス・ジョンソン氏は、ブレグジットを進める為に首相の座に就いたのだ。
英自由民主党、初の女性党首選出 「ブレグジット阻止」目指す
2019年7月24日 12:06
【7月24日 AFP】英国の親欧州連合(EU)派野党・自由民主党は22日、ジョー・スウィンソン(Jo Swinson)氏(39)を党首に選出し、同党初となる女性党首が誕生した。スウィンソン氏は、「英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)阻止」に向けてあらゆる手を尽くすと誓った。
「AFP」より
反対派は気勢を上げているが、再びイギリスで国民投票をやる様な事もなかろう。
英保守党党首選は一騎打ちに、どちらが当選でもブレグジット混迷は不可避
2019.7.1 5:37
メイ英首相の後任となる英国の保守党の党首選は、得票が下位の立候補者を振り落とす投票を繰り返し、最終的にボリス・ジョンソン前外相とジェレミー・ハント外相の一騎打ちとなった。新首相がジョンソン氏、ハント氏どちらになってもブレグジットを巡って混迷が続くことは避けられない。
両氏とも、EU(欧州連合)離脱後の2020年12月末の移行期間終了後(21年12月末までは延長できる)、アイルランドとの国境に物理的な壁を作らない方策が見つかるまで、英国全体が関税同盟に残るという、現在のEUと合意した離脱協定案にある安全策の見直しを求めるという点では一致する。
「DIAMOND online」より
以前はこんな分析をする人もいたが、ジョンソン氏は離脱の日を決めてしまった。これは案外強かなジョンソン氏の戦略のような気もする。
何しろ、ハードブレグジットも辞さない構えでいるわけだから、どちらかというとEUの方が譲歩市無ければならない状況を作り出せる可能性が高いのだ。
欧州議会、英国の新首相就任を踏まえて合意なき離脱を警戒
2019年07月25日
欧州議会ブレグジット問題対策グループ(座長:ギー・フェルホフスタット議員)は7月24日、欧州委員会のミシェル・バルニエ首席交渉官も招いて、5月の欧州議会選挙以降初めてとなる臨時会合を開き、英国のボリス・ジョンソン首相就任を踏まえ、英国のEU離脱(ブレグジット)問題に関わる今後のEU側の対処方針について協議した(2019年7月24日記事参照)。同グループは、ブレグジット問題に関する最新状況を総括し、英国保守党の党首選挙をめぐる動きに着目、英国が合意なき離脱(ノー・ディール)に踏み切るリスクが高まっているとの認識を示した。
「JETRO」より
ジョンソン氏がどこまでやるかは分からないけどさ、チャンスはメイ氏が首相でいる時よりはまだ広がったのだと思う。後は、リーダーシップを発揮して、クビになるまでガンガンイケルかどうかにかかっていると思う。
コメント
ボリス首相の曾祖父は、アリ・ケマル・ベイといい、オスマントルコ帝国末期の元内務大臣で、簡単に言えば、カリフ皇帝と共にトルコをイギリス等に売り渡した側の人物となります。
ケマルのアンカラ政府がギリシャ軍に勝利し追い払った後、軍事法廷に出廷するように言われ、出かけようとしたところを群衆に襲われ、ナイフで刺されて身ぐるみ剥がされ、パンツ姿のまま足を縛られ引きずりまわされて殺されています。
その影響か、2016年にはエルドアン大統領がヤギとセックスするという詩を書いて、雑誌のコンテストに投稿、見事1000ポンドの賞金を獲得しています。
人によっては、英国紳士らしくないと思うかもしれませんが、イギリスZ級娯楽映画の下品さとくだらなさを愛する私としては、ある意味、もっとも英国人の本音を体現した人物かなという気がします。
それはまたエキセントリックな話ですね。
英国紳士(ヘンタイ)とルビをうたれるような印象ですから、まさに「らしい」話なのだと、そう僕は理解しました。
そして、なかなか喰えない相手となるのがイギリスですから、リーダーがちょっとアレなくらいがちょうど良い感じなのかも知れませんよ。
木霊さん、おはようございます。
自ら設定した期限まで僅か3ヵ月足らずですが興味深い展開となったきましたね。
前外相でEU離脱の主導者の一人なんで、ブレグジイトの是非・その結果と影響如何に関わらず、イギリス国民にとっては納得せざる得ないトップ就任じゃないかな。
なんかトランプ大統領と似た個性を想起させますが、元ジャーナリストなんで言葉の使い方はトランプ大統領より上手そう。
おそらく3ヵ月後には公約通り結論を出すと予想しています。
>しかし、何故こんなにアクの強いのがトップに座るのか。
木霊さんの首脳リストを見て思わず笑っちゃいました。
毎日世界のトップニュースでこのうちの誰かの名が必ず出ていますから、個々人の歴史的評価はともかく強烈な個性は政治家の資質必須ってことかな。
WWⅡ後の冷戦の左右イデオロギー対立ではなく、逆にイデオロギー抜きでほとんどワン・イシューに近い政策(しかもポピュリズムに近い)を、頑なに理想に掲げている点で共通項がありますね。
個人的は非常に良くない傾向だと警戒心を持ってウォッチしています。
思い切った印象ですが、もともとブレグジット推進派で、ハードにやることも辞さない彼がリーダーになったというのはある意味強みナノ田尾ともいます。
トランプ氏よりやり手かどうかはお手並み拝見と言ったところですが、少なくともロンドン市長を務める能力はあるのですから、政治的手腕はそれほど問題無いのかも知れません。
アクが強いくらいでは無いの乗り切っていけない時代になっているのでしょう。
そんな中で外交を乗り切るリーダーがいるという状況は、日本国民にとってはありがたい話です。今のところ外交的な失敗は殆ど見当たりませんからね。
……後の歴史家が見たら大失敗だった、という可能性はあるんですけどね。
>アクが強いくらいでは無いの乗り切っていけない時代になっているのでしょう。
「平事の○○、有事の●●」と人事活用論で一般的に使われますが、イギリスは案外そんな気質を持った国民なのかもです。
平事は有能であれば多少優柔不断でもOK、しかし有事にはアクが強くいくら問題があっても果敢に危機に対応できるリーダーに託す。
WWⅡで辣腕を発揮した故W・チャーチル、経済力低下もあり存在感が薄れかけたイギリスを、反共主義をアピールし「鉄の女」と異名を取り、大きな政府政策で国民の支持を集めた故M・サッチャー...、さてB・ジョンソン首相はその名を残せるのか?
P.S.
故人二人とも歴史的評価は分かれますし、やった事の是非はともかくその名だけは強烈に残っています。(微笑)