トルコ大統領のエルドアン氏、苦境に立たされる?

中東ニュース

トルコの情勢も時々チェックしているのだけれども、よく分からない状況になっている。

このブログの読者には詳しい方がいるので、もしかしたら解説頂ける可能性はあるのかなぁ、と、思いつつ、取り敢えず僕が分かる範囲でまとめてみたい。

エルドアン大統領 「クーデター企てを目論む者に利益は残っていない」

15.07.2019 ~ 17.07.2019

エルドアン大統領は、「フェト」こと、フェトフッラー派テロ組織のクーデター企て未遂事件の3年目によせてイスタンブール・アタチュルク空港で行われた「7月15日民主主義と国民団結の日集会」で人々に向かって演説した。

エルドアン大統領は、

「どんな反逆組織も、どんなテロ組織も、我々の連帯と団結、そして兄弟関係を壊すことは決してできない」と語った。

エルドアン大統領は、クーデター企てを目論む者に利益は全く残っていないと述べ、

「神の許しにより今後もそうあるように」と話した。

「TRT」より

記事を読んでもさっぱり意味が分からないね、これ。

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選挙では負け続ける

リラも下がる

今年の4月、トルコリラが下落してちょっとした騒ぎになった。

トルコ・リラ下落、大統領率いる与党が主要都市で敗北の情勢

2019年4月1日 9:21 JST

アジア時間4月1日早朝の外国為替市場で、トルコの通貨リラが下落した。3月31日に投票が行われたトルコの統一地方選挙でエルドアン大統領率いる与党が主要都市で敗北する情勢となり、政権がポピュリスト政策を強化すればリラの一段安の引き金になるとの懸念が浮上した。

「Bloomberg」より

このトルコ・リラ下落のニュースは、選挙の敗北によって引き起こされたのだと言われている。

トルコ地方選、エルドアン大統領の与党が首都で敗北 イスタンブールもリード許す

2019年4月2日(火)07時00分

トルコで3月31日に投開票された統一地方選は、エルドアン大統領が率いる国政与党の公正発展党(AKP)が首都アンカラの市長選で敗北に追い込まれたほか、最大都市イスタンブールの市長選でも劣勢となった。

開票作業が進む中、トルコリラは対ドルで当初下落していたものの、その後は値上がりに転じた。直近では1.4%高の5.48リラ。「AKPにはもっと悪い結果になってもおかしくなかったとの見方から買い戻しが入った。自由な市場を尊重するとのエルドアン大統領発言も材料になった」(ウニクレディト)という。株価も値上がりした。

「Newsweek」より

トルコの地方選挙ではあったが、この影響はイスタンブールの市長選にも影響が出る。

イスタンブール市長選、トルコ・エルドアン与党が再び敗退

2019.6.24 10:03

トルコの最大都市イスタンブールで23日、市長選の再選挙が行われ、即日開票の結果、与党・公正発展党(AKP)のユルドゥルム元首相が最大野党・共和人民党(CHP)のイマモール氏に敗れた。3月末の市長選と同じ結果で、AKPを率いるエルドアン大統領にとっては大きな痛手となる。

~~略~~

エルドアン氏とAKPは3月末の市長選で不正があったと申し立て、選管当局が認めて再選挙が行われた。イスタンブール市長はエルドアン氏が1994年に当選して以来、一貫してAKP側が占めてきた。

「産経新聞」より

このイスタンブールの市長選は、再選挙であり、実は前回3月末の選挙で「不正があった」と申し立てた為にやり直しをしたのだが結局敗北。イスタンブールがエルドアン氏の地元という事もあって、大きなダメージであると報じられている。

で、リラもこの通りである。

リラ暴落で懸念の広がる金融危機

リラが下落すると、トルコ関連の金融商品が焦げ付いてしまうおそれがある。

トルコ、通貨危機の再燃も=対米関係懸念でリラ急落

2019年03月29日22時16分

外国為替市場でトルコの通貨リラが急落している。トルコは昨年通貨危機に見舞われた後、落ち着きを取り戻しつつあったが、またも不安定な状況に。危機再燃の懸念が投資家の間で広がっている。  きっかけとなったのは22日。トランプ米大統領がゴラン高原のイスラエルの主権を認めたことに、トルコのエルドアン大統領が猛反発。米国との外交関係が再びきしみ始めた。米金融大手JPモルガン・チェースが投資家向けリポートでリラ売りを推奨したことも重なり、リラは一時、昨年10月以来の安値となる1ドル=5.8リラ台まで落ち込んだ。

「時事通信」より

3月にも通貨危機が囁かれたが、今はもっと深刻らしい。

トルコ検察、記者ら38人を起訴 通貨危機の報道に絡み

2019年6月15日16時58分

米ブルームバーグ通信は13日、トルコ検察が、昨年8月の通貨危機の際の記事でトルコ経済の安定性を損なおうとしたとして同通信の記者2人を起訴したと報じた。このほかソーシャルメディアで記事にコメントしたり、トルコの経済と銀行に批判的なコメントをしたりしたとして、36人が起訴された。

「朝日新聞」より

ここ数年、トルコの通貨危機が騒がれていたが、ついに逮捕者が出ちゃった。「いい加減な記事を書くな」「不安を煽るな」と言うことなんだろうけれど、報道を弾圧する姿勢はあまり宜しく無い。

こうした逮捕者を出す程のヤバさがあるよという意味にも採られる。トルコではインターネット関連の言論統制も始めているようだけれど、起訴まで行ってしまうのは、随分思い切った印象だね。

財政悪化に苦しむエルドアン氏

そんなわけで求心力を低下させているエルドアン氏だが、さらに悪手をうってしまう。

フィッチ、トルコを「BBマイナス」に格下げ 中銀総裁更迭受け

2019年7月13日06時42分

格付け会社フィッチは12日、トルコの格付けを従来の「BB」から「BBマイナス」に引き下げた。見通しはネガティブ。

 チェティンカヤ中銀総裁の更迭については、中銀の独立性や経済政策の信頼性を損なうものとし、「すでに脆弱な信頼感がさらに悪化する恐れがある」との見方を示した。

「朝日新聞」より

この中央銀行総裁の更迭の理由として、政策金利を24%に据え置いているのが気に入らない、というものが挙げられている。

トルコ新中銀総裁、利下げ示唆 政策「操作の余地ある」

2019年7月16日 / 03:08

トルコ中銀のウイサル総裁は15日、中銀には金融政策を「操作する余地」があると述べ、就任後初めての公の場での発言で利下げを示唆した。国営アナドル通信が報じた。

~~略~~

トルコの民間テレビ、ハベルトゥルクが14日、報じたところによると、エルドアン大統領は主要政策金利の大幅な引き下げを行う方針を示した。

「ロイター」より

で、新しい中央銀行総裁は早速、「操作しちゃうもんねー」と。

何というか分かり易い。が、国際社会としてはこの判断を歓迎はしなかった。国際的な信用を失いかねないという判断なんだろう。

エルドアン氏の支持が低いのは経済が低調だから

トルコ経済は赤信号

どこの世界でも共通する話だが、景気低迷は政権にとってかなりクリティカルな話になり得る。

アングル:トルコ、ロシア兵器購入で米制裁ならリラ安再燃も

2019年6月1日 / 09:14

トルコはロシア製ミサイル防衛システム「S400」の購入を巡り、米国から制裁を科される恐れに直面している。

数週間中に解決策が見つからなければトルコと米国の制裁合戦に発展し、通貨リラはさらに下落、経済は悪化し、北大西洋条約機構(NATO)および中東地域におけるトルコの立場にも疑問が生じかねない。

「ロイター」より

トルコ経済はそれほど不調では無かったのだけれど、2018年の中頃から厳しくなり始めた。

経済は好調だったのに…「トルコ通貨危機」なぜ起こった?

2018.8.23

この数週間、トルコの経済危機の可能性が取り沙汰されている。

日本の投資家(特に個人投資家)は、代表的な高金利通貨の1つであるトルコリラヘの投資を好んで行ってきた。トルコの場合、国債を含む債券の利回りの急騰、及び、株価の下落にも見舞われているため、トルコの金融資産への投資は大きな損失を被っているはずである。

現に、「この1か月間で、日本で運用されているトルコ関連の投資信託の損失額は数千億円に上るだろう」という報道もなされている。

日本人投資家によるトルコの金融資産への投資はかなりの人気だが、トルコ経済については意外と知られていない。

~~略~~

一方、「双子の赤字」のうち、経常収支赤字(2017年はGDP比で5.6%の赤字)を問題視する向きもある。だが、経常収支赤字のほとんどは輸入の急増によるものである。輸入の急増は、前述の個人消費、設備投資といった内需拡大によるものである(典型的なI-Sバランス論)。好調な内需の裏返しである。

「マネー現代」より

この時期に重なるのがアメリカとの対立である。

「トルコ危機と世界経済への影響」(時論公論) 

2018年08月20日 (月)

先週、世界中の市場関係者の夏休み気分が一気に吹き飛ぶようなマーケットの異変が起きました。アメリカとトルコの対立に端を発し、トルコの通貨・リラが暴落。これを受けて東京やニューヨーク市場でも株価が急落しこのところ比較的無風だった国際金融市場が大きく動揺する事態となりました。

~~略~~

こうした中、トルコに打撃をさらに与える直接のきっかけを作ったのが、アメリカのトランプ大統領でした。今月10日、トルコから輸入される鉄鋼やアルミニウムなどの関税を2倍に引き上げると表明したのです。トルコが現地在住のアメリカ人牧師をクーデター未遂事件に関与した疑いで拘束していることに、不満を募らせた結果でした。

「NHKニュース」より

ただ、NHKの論説員がいう様に、アメリカが仕掛けた話というには根拠が薄い様な気がする。影響は間違い無くあるのだろうけれど。

このようにトルコがアメリカと距離を置いた理由は、トランプ氏の存在があったという話もチラホラ出ている。が、僕としてはもっと単純に、トランプ氏とエルドアン氏は反りが合わないということだろうと読んでいる。

「波紋広がるアメリカ・トルコの対立」(時論公論) 

2018年08月29日 (水)

アメリカ・トランプ大統領とトルコのエルドアン大統領。強烈な個性の持ち主である2人の大統領の非難の応酬は、両国の対立の根深さとともに今の世界の秩序なき混迷を象徴しているように思います。冷戦時代には考えられなかったアメリカと、同じNATOの一員であり、中東の要の国の一つであるトルコの対立は、世界の安全保障にとって大きな不安定要因であり、日本としても対岸の火事と見過ごすわけにはいきません。

「NHKニュース」より

ただ、外交関係で考えると、そんな個人的な話で国の方針が決められるはずもなく、また別の理由がある事が多い。

ロシアとトルコとの危うい関係

実は、トルコ、一時期、ロシアと非常に険悪な状態になっていた。

トルコがロシア軍機撃墜、プーチン氏「重大な影響」警告

2015年11月24日 / 17:48

トルコは24日、度重なる警告にもかかわらず領空を侵犯したとして、シリア国境付近でロシアの軍用機を撃墜した。

ソビエト時代も含め、北大西洋条約機構(NATO)加盟国によるロシア軍機撃墜が確認されたのは1950年代以来初めてで、緊張が高まっている。

「ロイター」より

なかなか衝撃的な事件だったが、これを切っ掛けにロシアとトルコは戦争に発展するのでは無いか?とも言われた。

ところが、一時期緊張した両国だったが、いつの間にやら和解してしまう。

ロシアがトルコに伝えたいこと 「二度とやるな」

2015年11月26日

プーチン露大統領のこの発言は25日朝のロシア朝刊各紙の一面を飾った。そして各紙は併せて、トルコによるロシア軍機の撃墜を激しく非難する論説も掲載した。

「ウラジーミル・プーチンはエルドアンに、どういう代償が待っているか警告した」 こういう見出しを大々的に掲げた新聞もあった。

「BBC」より

かなりこの時期は険悪だったのに、何があったのかは知りたいような知りたくないような。

ロシアとトルコなぜ蜜月 「一触即発」からわずか3年

2018年12月13日18時05分

トルコとロシアが関係を深めている。11月には両国を結ぶガスパイプラインの海底工事が完了。シリア内戦でも歩調をそろえる。2015年11月のトルコ軍によるロシア戦闘機撃墜事件で険悪化していた両国が、互いの戦略を支え合うようになったのはなぜか。

「朝日新聞」より

ザックリ言うと、トルコとしては地政学的にロシアの支援を受けた方がお得だというお話になったのだろう。トルコとしてはシリアの問題もあるしね。

トルコに対抗措置 東地中海ガス田開発で、EU外相

2019/7/16 5:57

東地中海で発見された巨大なガス田を巡り、キプロスの排他的経済水域(EEZ)内にもかかわらずトルコが採掘活動に着手した問題で、欧州連合(EU)は15日の外相理事会で対抗措置を決めた。トルコとの航空協定交渉を凍結するほか、政府間のハイレベルの対話を当面停止する。

「日本経済新聞」より

ただ、個人的には一番の問題はコイツなんじゃないかと、そう思っている。結局この東地中海ガス田が割と有望だって事が、トルコの行動原理を決める原動力になっているんじゃ無いかな。

しかしそうだとすると、エルドアン氏は今を乗り切れば、石油を手に入れて一気に人気を回復する、なんてこともありうる。結局、国民は経済が好調なのが一番だから。

そうなると、アメリカとの対立はやはり避けられず、ロシアとも利権を争う可能性はありそうだ。

そして、危ない橋を渡ってはいるけれども、エルドアン氏は窮地に立たされていると云うことでは無いのかも知れない。エルドアン氏に打算アリと、そういう事かもしれない。興味深いことだな。

コメント

  1. なるほどキプロスにガス田があるのですか。あそこは20世紀にはギリシャ系とトルコ系の対立で、
    「中東の北アイルランド」とか言われてましたよね。そこでガス田。
    さもありなん!

    • この辺りはもう少し深く掘って考えてみたいところです。
      知識不足でなかなか調べられないんですけどね。

  2. 素晴らしい。
    おそらく日本語で書かれたネット系記事で、時系列を追って完璧に網羅したまとめは、私の知る限り、この記事だけではないかと思います。

    おそらく悩んだ末にカットされたと思いますが、トルコ・資源開発となると、必ず出てくるのがローザンヌ条約の話題です。1923年に第一次世界大戦の最終的な講和条約(当初はセーブル条約)として結ばれたローザンヌ条約には、
    「トルコは、今後100年間、地下資源の開発をしてはならない」という秘密条項
    があるという都市伝説です。如何にも日本人の素人投資家が信じたくなる話であり、また、資源埋蔵量が豊富といわれていながら、なぜか開発しないトルコの謎についても説明がつくことから、本気で信じている人もいます。

    私がケマルパシャを尊敬しているのは、自国の力の限界を知り、そのうえで国民の幸せのみを追求したことです。ローザンヌ条約でオリジナルトルコ以外の領土は放棄し、カリフ制を廃止し政教分離を実現したのに加え、彼は重工業中心の経済発展ではなく、国民の衣食住を確保することが先決と、軽工業中心の経済を目指したことはその後のトルコの平和と繁栄に繋がりました。
    このおかげで、資源開発や重工業発展のために多額の借款を行い、返済できず資源ごと外国に取り上げられるという中東国家(中南米国家もアフリカも)が歩んだ道をトルコのみが回避し、更にその後の紛争にも巻き込まれずに済んでいます(第二次世界大戦すらあの地政で回避している)。

    エルドアンは、偉大なトルコを復活させるとして外国領土を欲しがり、その熱狂を得るために宗教国家を復活させ、そして金利政策等で外国資金を集め資源開発や重工業の発展に力をいれています。全てケマルパシャの反対のことを行っており、完全なアンチケマルと言っていいでしょう。国民に今なお人気のあるケマルを直接は批判していませんが、過去ローザンヌ条約を痛烈に批判したこともあり、おそらくエルドアンの最大の敵は、トランプではなく、ケマルパシャなのではないかなと、思っています。
    日本に置き換えれば、ケマルパシャは、自国の貧弱さを正しく認識し、まずは繊維産業を中心に国を発展させようとした明治維新政府であり、エルドアンは重工業や満州こそが日本の生命線!と煽って国を滅ぼした大本営と当てはめれば、概ね間違いないと思います。

    大変素晴らしい記事だったので、思わず長文書いてしまいました。すいません。

    • 素晴らしい。やはり木霊様に集う読者諸兄は素晴らしい!
      実は私も本気で信じていた者です。
      祖国の亡国の危機に立ち上がり、
      大テュルク主義を棄てて、1国として建国をし直したムスファ・ケマル大将軍は大好き。誰が何を言おうと偉大な軍人にして偉大な政治家!!
      kujira様がケマル・パシャを敬愛すると知って小躍りしました。万歳!
      トルコ共和国は空港で立ち往生した
      土木技師である父と同朋の為に救援機を出してくれました!
      今でも感謝を親族としてしてます。
      だからケマル・パシャの偉業(惨敗するトルコ軍の中でガリポリで英国を徹底的に殲滅した。ムスリムの中で唯一無二に政教分離した)を破壊する
      エルドアンは大嫌いなのです!
      よくぞ書いて下さいました😭

    • コメントで補足いただきありがとうございました。

      持ち上げられて痒いやら、いやいや寧ろ足りない記事に嫌味を云われているんじゃ無いかと疑心暗鬼になったりと、なかなか考えさせられるコメントでもありました。

      さておき、素直に頂いた言葉は解釈することにして、折角なので、ローザンヌ条約の下りも追記させて頂く事にしました。
      ご指摘頂けなければ思い至らない部分であり、感謝の念に堪えません。

      ムスタファ・ケマル・パジャの話はなかなか興味深く、こうした側面があることを改めて知るに至ったわけですが、なかなか示唆に富んだ話が多く、もう少し別の角度から追いかけてみたいと考えています。
      流石にトルコの国父ですな。

      • 素直に素晴らしいと思っています。
        私も色々ネットやリアルでもトルコについて話せる人がいないかと探しまわっていますが、中々話が通じる人がいません。
        ので、たまにでも取り上げてもらえると今後もありがたいと思っています。

        抜けてる部分は特にないですが、ほぼ詰みの状態の現在のエルドアンですが、去年の今頃は今以上に苦境でした。
        米牧師の解放問題と制裁でリラが大暴落し、エルドアンも終わりかけたのですが、カショギ事件で一発逆転を果たし、勢いに乗じてシリア内戦でも米軍の撤退を勝ち取っています。
        文在寅くんもそうですが、政治家には「運」が絶対に必要だし、中東外交のしたたかさと一瞬で情勢がひっくり返る怖さみたいなものを示す、近年まれにみる実例だと思っています。

  3. 大変に納得がゆくコメントだったので、都市伝説を信じた愚か者として、
    思わず長文の(いつもの事。すみません)感想をしてしまいました。
    木霊様と読者諸兄は素晴らしい!!

  4. だいたいねー、kujira様は凄いのですよ。大本営が祖国の明治政府との矛盾に言及されてました。感涙!
    有事立法をパヨクは一方的に否定しますが。
    きちんと有事の「交戦規」を定める事は「戦争できる法」であると共に、「簡単には戦端を開けない」法律でもあるのですね!
    祖国が泥沼の日中戦争になってゆくのは、そもそも「きちんとした交戦規定=有事法制」を定めなかったからですよ!!
    「戦争できる法律」とは「簡単には戦争できない法律」なのです!
    それを定めなかったから、大本営の
    陸大出身である大本営の命令を、
    現場の関東軍の将兵は無視した。
    そもそもきちんとした交戦規定を定めていれば、独走は起きなかった!
    これは特務として諜報に関わっていた祖父が生前に申していた事です。パヨクは何を考えているのですかね?
    思想とかの前に、冷静な言論か出来ない人々と思う。ムンムンと変わらないですよ。

  5. 木霊さん、おはようございます。

    追記を含めて力作のトルコの現在進行形の話は本当に参考になりました。
    kujiraさんのローザンヌ条約を絡めた補足と、今のトルコ混乱の原点にケマルパシャをないがしろにする意図があるというご指摘もスンナリと理解でき、この議論に厚みを加えてもらった感じで感謝です。

    そこで素朴な疑問です。
    トルコ=エルドアン大統領はロシアに媚び売ってまでS-400を買った訳ですが、周辺国家への警戒とするならモロに対イスラエルなんでしょうね。
    また、イランとウラン濃縮で協力しているのも同じ脈絡なのでしょうかねェ~。

    でもです、中東唯一のNATO加盟国であり、欧州のBMDではTHAAD用に開発されたAN/TPY-2を国内配備しています。(名目はイラン用かな)
    そして、ルーマニア・ポーランドにもイージス・アショアを配備し、ロシアとイランに備えているBMDと合わせて、欧州のBMD防衛にひと役買っている重要な国のはず..。

    そうやって尽くしているのに欧州が冷たいからなのか、イスラエルに肩入れするアメリカが嫌いなのか判りませんが、まさかエルドアン大統領は「オスマン・トルコ復活」という妄想に向かって驀進中...?

    いくら何やるか判らないイスラエルだって、イランに加えトルコにまでミサイルを撃ち込む愚は冒さないでしょう。
    つまり、アメリカ・欧州(NATO)を敵に廻す大きなリスクを背負ってまで、ロシア・イランと接近する理由がどうしても理解できないんですね。

    EUに加盟せずとも(原因は欧州が認めないから?)西側諸国の一員として、これまで大きな支障なくやって来たんですから、国民の大半は現状復帰と安定を望んでいるんじゃないでしょうか。

    >エルドアンは重工業や満州こそが日本の生命線!と煽って国を滅ぼした大本営と当てはめれば、概ね間違いないと思います。

    このkujiraさんのご推察が参考になるのですが、トルコ国民はそれに気づかないほど愚かとは思えないし、実際イスタンブール首長選挙では反エルドアン大統領候補が勝っていますからね。
    エルドアン大統領失脚はあるのか? またあるとすればその時期は何時なのか? マスメディアなんかアテにせず注意深くウォッチしようと思っています。

    • 不勉強なのでS-400の購入動機などを含めてもうちょっと調べないと、とは感じています。
      現時点では、やはり中東に対する牽制という側面は強いと思いますが、それだけでは無い気がしていますよ。

      エルドアン氏がどうなるか?失脚はありうるか?も含めて、興味深いですね。
      世界情勢にも大きく関わってくるでしょうし。

      • 木霊さん、おはようございます。

        >不勉強なのでS-400の購入動機などを含めてもうちょっと調べないと、とは感じています。

        僕も「S-400=ロシア版パトリオット」という雑過ぎる一般論について、イマイチ納得できなし情報が不足と感じているんですよね。
        トルコの導入動機を説明するマトモなマスメディアの論は皆無です。

        S-300の射程距離でも最大200kmでS-400に至っては400kmとか言われていますから、単純な索敵・射程のスペックだけならTHAADやSM3/SM6に匹敵するのかもです。

        ただ、アメリカのBMDはPAC3を含めて統合的なデーターリンク重視と思いますから、S-300シリーズはスタンドアローン的なミサイル防衛システムでそこに大きな違いはありますね。
        しかし、S-400シリーズには超水平線(OTH)攻撃可能で、ある程度のデーターリンクも完成しているようで、アメリカのBMDに幾分近づいてきたのかも知れません。

        それでも、アメリカ版BMDはイージス艦をセンサーノードとして使う事もできる拡張性がありますし、早期警戒管制機や監視衛星と組み合わせればNIFC-CAで高精度なOTHも統合作戦が打てるのとは、ロシアにとってはミサイル防衛戦略上の痛い差となっているんじゃないかな。

        逆説的にアメリカのBMDシステムに参加するには膨大な金が掛かるって事で、現実的には日本とNATOくらいしか導入できず、中小国家には所詮無理な話ではないのか?
        先に書きましたがトルコには最新のXバンドレーダーAN/TPY-2が配備されていますが、これもNATO国家のBMD防衛がメインとしか思えずトルコの自国防衛には???って感じですよね。

        ならば、自国を守る為に最低限有効なミサイルを買ってでも配備するしかない...、何しろ目前の敵国はイスラエルに絞られるのですから。(過剰反応な気がしますけど)
        この意味でロシアのS-400配備は理屈に合っていますし、せっかく資金を供出したF-35を犠牲にしてでも、自国のミサイル防衛優先となるのも判る気がします。

        >現時点では、やはり中東に対する牽制という側面は強いと思いますが、それだけでは無い気がしていますよ。

        追記の「トルコストリーム」というガスライン開発も当然絡んでの話でしょう。
             ↓
        >つまり、トルコはロシアにエネルギー供給を頼る形になる一方で、トルコが中継点になることでパイプラインを人質にとれる立場にあるとも言える。

        >クルド人関係は、ハードルが高いのでちょっと先送りです。民族問題は難しい……。

        というか、米露とトルコのビジネスライク&安全保障最優先と考え、乱暴過ぎかもですが民族問題はこの際いったん脇に置いといていいんじゃないでしょうか。
        もちろん、最悪の事態でアメリカ・イスラエルvsトルコ・ロシアの泥沼となっちゃったら、重要なイシューとして浮かび上がってくるのでしょうけどね。

        P.S.
        XバンドレーダーAN/TPY-2はケチなアメリカが自腹を切って、こっそりと日本にも2基配備しているんですよね。
        イージス・アショアとの大きな違いは、THAADミサイルはグアムとテキサスの基地でしか使えませんが、SM3の射手であるVLSがイージス艦にあるって事で(C4Iもイージス艦でリンクすれば問題なし)、いわば「アメリカを守る準イージス・アショア」は舞鶴のレーダーでハワイ・グアムを、車力のレーダーでアメリカ本土を対象に、最低限の準備を完了していると考えています。

        要は「日本は自国を守るのに自腹切れ!! その為のイージス・アショアだろうが。」と言ってるに等しい。 トコトン舐められたもんですね。 でも日本にとっては必要不可欠な装備なのも間違いないでしょう。

      • マスメディア反乱軍様

        >何しろ目前の敵国はイスラエルに絞られるのですから。
        >(過剰反応な気がしますけど)

        他にも、潜在的な敵国として、ギリシャーキプロス共和国のラインがあります。
        トルコは、キプロス島の(トルコ系住民の多い)北半分を占領していると記憶してます。南半分はギリシャ系住民が多かったはず。
        このことが、トルコのEU加盟に悪影響を与えていたはずです。

  6. はじめまして。
    露土の蜜月はクルド人関係とパイプライン関係ではないのでしょうか?

    • はじめまして。

      パイプラインの下りは追記させて頂きました。
      クルド人関係は、ハードルが高いのでちょっと先送りです。民族問題は難しい……。

  7. ロシア製S400防空システムは、情報収集の
    プラットフォームとして機能するため、F35
    は共存する事ができない。(レーダー反射
    性能をまじかで計測される)by w・h
    出典 ロイター 

    トルコをF35プログラムから除外する事を決定。
     by Marcus Weisgerber
     MARCUS REPORTS より

  8. あるけむさん、レスと知らなかった情勢のお話ありがとうございます。

    >他にも、潜在的な敵国として、ギリシャーキプロス共和国のラインがあります。
    >トルコは、キプロス島の(トルコ系住民の多い)北半分を占領していると記憶してます。南半分はギリシャ系住民が多かったはず。

    僕は地中海の最東に位置する古来から重要な戦略拠点と思っていましたが、基本はオリエント諸国(主にペルシア)の支配化→一時的にローマ帝国属州→オスマントルコ統治→近代、そんな大雑把な知識しかありませんでしたから。
    大好きなローマ史でもそんなに重要に触れていませんから、地政学的には現在の朝鮮半島や台湾的な位置を考えると、常に強国の影響下にあった国って印象。

    >このことが、トルコのEU加盟に悪影響を与えていたはずです。

    人口も100万人ちょっとの島国でEU加盟国でありながら、南北で分断されてんですねェ~。
    国連加盟国で唯一トルコだけが未承認、相当の確執があるのをおかげで改めて確認できました。
    中東は利害の覇権争い・長い歴史・複雑な民族&宗教と実に難しい...、簡単には語れない地域なんですね。