メイ氏、香港の件で支那を批判する

アジアニュース

これもG20の後始末というか、G20からの延長戦というか、なかなか興味深い。

メイ英首相が中国政府に懸念 香港問題で英中対立

2019.7.4 08:19

 メイ英首相は3日、英議会の答弁で、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐり混乱が香港で続く問題について、「懸念」を中国政府に伝えたことを明らかにした。

 メイ氏は答弁で、英国の植民地だった香港の主権を中国に返還することを定めた「中英共同宣言」に触れ、「宣言で示された香港の高度な自治と自由を尊重することは極めて重要だ」と強調した。

「産経新聞」より

イギリスの首相をいつまで続けられるか、という状況になっているメイ氏だが、議会の答弁で支那に対して文句を言ったことを明らかにしている。

香港の騒乱

香港での騒ぎは収まらず

さて、先のデモの話の記事について、先ずはリンクを張っておこう。

「容疑者引き渡し条例改正」というのは、香港にとって非常に危険な条例改正案だと、香港の人々が怒りの声を上げた、というのがこのデモの正体だが、これが一向に収まらないようだ。

香港デモ、さらに大規模に 行政長官の辞任求める

2019年06月17日

香港から中国本土に刑事事件の容疑者を引き渡せるようにする「逃亡犯条例」の改正に反対する香港市民約200万人(主催者発表)が16日、市街地をデモ行進した。一連のデモで最大規模で、市民たちは改正案の廃案と林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の辞任を求めた。

「BBC」より

香港デモの一部過激化 中国、市民との分断図る

2019/7/2 13:01

【香港=木原雄士】香港で拘束した容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡る混乱が収まらない。一部の若者は1日、立法会(議会)の建物を破壊して議場を占拠するなど行動をエスカレートし、中国が拒否する民主化への要求も復活させた。

「日本経済新聞」より

支那共産党は、このデモの正体を外国勢力の影響によるものだとして、デモ隊と市民とを分離して騒ぎを収めようと画策している模様。

確かにデモのやり方など、外国の工作の臭いがするのは確かで、案外CIAなどが動いているのかもしれない。支那にとってアメリカとの貿易戦争を念頭に考えると、そうした工作があることも警戒せざるを得ない。

台湾の郭台銘氏も一国二制度の失敗を口にする

しかし、対外的にその作戦が成功しているとは言い難い。

「一国二制度は失敗」香港デモ受け、鴻海の創業者が発言

2019年6月25日16時00分

来年1月の台湾総統選への出馬を目指す鴻海精密工業の創業者、郭台銘氏(68)は、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める香港の「逃亡犯条例」改正をめぐる動きについて「一国二制度](は失敗だ」と語った。中国への警戒感が高まる台湾世論に配慮し、自身の「親中色」を払拭(ふっしょく)する狙いがあるとみられる。

「朝日新聞」より

台湾の総統選に出馬することを決めている鴻海の創始者だが、彼は親支那派である事が知られており、実際に支那に大きな工場を持っているために、自らの利益のためにも支那に逆らわないと分析されている。

だが、そういう立場にある郭台銘氏も、「一国二制度」に関して「失敗」を口にせざるを得なかった。

少なからず台湾国内では、支那の動向に関して国民も相当関心が高く、香港でこの法改正が通れば、次は台湾だという風に危惧している。

だからこそ、親支那派の郭台銘氏ですら、こうした発言をせざるを得なかったのである。

米アップルのiPhoneなどを受託生産している鴻海は中国に多くの工場を抱え、郭氏は習近平[国家主席と面会したこともある。世論の一部には「企業の利害より、台湾の利害を優先できるのか」という批判があり、親中イメージ脱却が課題となってきた。

「朝日新聞」より

こうした発言をせざるを得なかったにもかかわらず、郭台銘氏の支持率は低下しており、台湾総統選にもこの香港の騒動は大きく関わってくる可能性が高かろう。

香港の行く末を気にかけるイギリス

香港のイギリス統治時代の残滓

さて、そうした状況で、イギリスのメイ氏が議会でああした発言をしたのは、未だにイギリスにとっての香港という存在は小さくないという事を示している。

 英国は1997年に中国に香港を返還。中英共同宣言では、返還後50年間、2047年までは香港の司法権の独立や表現の自由を含めた社会制度を変えない「一国二制度」が採用され高度な自治が保障された。

 今回の香港での混乱をめぐり、英中間の緊張が高まりつつある。

 ハント英外相は2日、宣言が順守されなければ「重大な結果を招く」などと指摘し、中国側が反発した。

 また、中国の劉暁明駐英大使が3日、「英国は香港がもはや植民地でないことを忘れたようだ」とした上で、「英国は香港に干渉しないべきだ」と発言。ロイター通信によると、英外務省は同日、この発言を容認できないとして劉大使を同省に呼び出し、厳重に抗議した。

「産経新聞」より

支那にとって、植民地時代を脱しているのだから、香港を支那がどうしようと支那の勝手だという理屈だが、しかし、イギリスにとっては返還にあたって約束した内容が履行されないというのは、イギリスの責任としても看過しがたいと感じているようだ。

メイ氏自身は、どちらかというと支那との関係を良好なものに維持することでイギリスの利益を引き出そうとしていただけに、こうした発言をせざるを得なかったのは路線変更と言われても仕方が無いだろう。

習近平氏、メイ英首相と会談

2018.2.1 22:49

中国の習近平国家主席は1日、訪中している英国のメイ首相と北京の釣魚台迎賓館で会談し、双方は現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を通じて貿易や投資などの分野で協力を深めることで一致した。中国国営中央テレビが伝えた。

「産経新聞」より

これは2018年の話だが、もはやイギリスとしても路線変更をせざるを得ない状況になってきているのは疑い様が無い。

イギリスとしても黙っているわけにはいかない

香港のデモが始まった段階では、イギリスから抗議の声が上がったという話はニュースにはなっていなかった。

イギリスの新聞での取り扱いもそれほど大きくは無かったようだ。しかし、流石にこの段階になってくると無視出来ないレベルになってきたと言うことだろう。

Hong Kong’s ‘death fighters’: young protesters with nothing to lose

As midnight approached on Monday, four protesters stood their ground inside the battered interior of Hong Kong’s legislative council (LegCo) building where they had barged in a few hours earlier. Surrounded by graffiti and chaos, they insisted on waiting until the police came to arrest them.

「the guardian」より

香港の騒ぎについて言及した記事がこちらで、若者達の決死の行動について記事にしている。

UK summons China ambassador in row over Hong Kong protests

China’s ambassador to London has been summoned to the Foreign Office accused of making unacceptable criticisms of the UK after a rare press conference in which he claimed that the British foreign secretary was backing law-breakers in Hong Kong.

「the guardian」より

こちらはイギリスで支那大使を召喚したというニュースであり、支那が「内政干渉だ」と主張したことに対して抗議したようだ。

支那はイギリスに対して、「これ以上口出しをするのでであれば、イギリスと支那の関係は損なわれる」と警告したようで、なかなか対立の構図が深まってきたことを象徴するような話になっている。

そして、トランプ氏はイギリスへ

さて、こうした構図について、まさか無関係だとは思えないのがアメリカである。

トランプ氏、英米の 「永遠の友情」 を称賛 女王主催の晩さん会

2019年06月4日

イギリスを国賓として訪問中のドナルド・トランプ米大統領は3日、バッキンガム宮殿でエリザベス女王主催の晩さん会に出席し、米英両国の「永遠の友情」をたたえた。

これに対し女王は、「両国民の安全と繁栄を何十年間も」維持してきた同盟関係を強調した。

イギリス到着の直前、ロンドンのサディク・カーン市長をツイッターで「負け犬」と呼ぶなどしたトランプ氏だったが、晩さん会のスピーチでは第2次世界大戦における英国民の勇気を称賛。女王を「偉大な、偉大な女性」とたたえた。

「BBC」より

国賓待遇でトランプ氏がイギリスを訪れている事実は、すなわちアメリカとイギリスとの関係性を更に強固にするようイギリスが要請しているという事でもあろう。

まあ、BBCの記事を読んで頂ければ分かるが、トランプ氏としてもホイホイ喜んでイギリスに行った、という構図では無さそうで、軽くケンカを売るようなtweetを垂れ流していたようだ。なんともトランプ氏らしいな。

ただ、大枠ではイギリスがブレグジットでEUの枠組みから外れようとしている時に、アメリカが「支那陣営に行くな」と釘を刺したような恰好にでもなっている。貿易戦争の延長線上にある話、ということにもなるかも知れない。

そうやって考えると、「平和」と「戦争」の定義について悩んでしまうな。果たして兵器を使っていない状態が、単純に平和と呼んでいいものか、と。

コメント

  1. 音楽大好き より:

    【リンク切れ】

    「日本の報復はまだ始まったばかり」の記事ページへのリンクが切れています。
    Not Found となってしまいます。

  2. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    香港に限らず人権侵害問題については大国それぞれの思惑が絡み、中々一致した行動ができないようで困ったもんです。

    ・アメリカ-台湾の総統選に支那は関与するなという下院決議を採択・支那のウィグルやチベット弾圧を非難、しかし支那と遜色のない残虐非道な北朝鮮の人権侵害にはダンマリ...。
    ・英国-かつての宗主国って事もあるのでしょうが、香港の自治に強い非難、、しかし支那のウィグルやチベット弾圧には余り熱心ではない様子。
    ・ドイツとフランス-支那との経済協力がネックなのか、横暴な人権問題についてはほとんど無関心。

    ・そして日本-支那との関係修復中が最重要課題なんでしょう、香港事案に対してはマトモなコメントすら出さない冷たい対応で、香港市民の切望する期待を裏切っていますよね。

    結局、弱者=国力の弱い国・少数民族・国家の奴隷とされた不幸な人民は、世界的な大きな俯瞰からするとどうでも良いと言っているのに等しいと考えます。
    でもですねェ~、歴史の過ちの多くの原因のひとつは、こういう事から目を背けてきた必然的な結果じゃないかなァ~?
    国連なんて権威は低下し機能していないのは既にバレちゃいましたから、日本こそ「王道」で正々堂々と揺るがぬ真理を持つ姿勢を発信して欲しい...。

    世界中の国やトップから深い畏敬の念で愛され、戦後コツコツと訪問国への平和と慈愛を体現されてきた、昭和天皇陛下ご夫妻と現上皇陛下ご夫妻、そしてその御意志を紡いでくされる天皇皇后陛下と皇室が、世界的な象徴的存在感になる事を大いなる希望を持ち続けたいです。

    目先の損得以上に普遍的な価値観が最も大切というメッセージを、単なる言葉ではなく言霊として発信できるのは、大国の首脳はおろか伝統ある各王室を含めて日本の皇室しかないと考えています。

    P.S.
    最新記事の深川氏絡みを開こうとしたら「Not Found」になっていますが、何かチャチャでも入りましたか?

    • 木霊 より:

      「人権侵害」というのはかなりのパワーワードなのですよね。
      ただ、これを逆手にとられて慰安婦問題では日本は割と劣勢です。
      事実に基づかなくても「人権」を振りかざせば、切り崩せてしまう風潮はこまったものです。
      そんな事実はありますが、今の支那に対しては有効でしょう。

      ところで、最新記事のご指摘ありがとうございます。
      僕のPCからは問題が検出されないので、少し調べて見ます。

  3. マスメディア反乱軍 より:

    香港の大規模デモは市民主体の非暴力が基本なんで、ここまでは西側諸国の支持を得てきたのですが、ここにきて過激でキナ臭い動きが目立ってきました。
    過激派はどこの国にもいるのですが、これが主力になると支那の思う壺じゃないかと心配しています。
    最悪、支那の軍事介入の口実を与えかねませんから。

    警察隊との衝突にも不自然な動きが指摘されていますが、もしや支那の破壊工作員と香港警察のでっち上げなんて事はないでしょうね。

    天安門事件の悪夢再現だけは勘弁して欲しい...。

    • 木霊 より:

      香港のニュースに関しては別記事で扱いましたが、かなり不味そうですね。
      ただ……、工作というレベルかどうかはちょっと。
      もはや止められない状況が作られつつあるのかも知れません。