文在寅が謝罪するスパイでっち上げの話

大韓民国

G20の陰でこんな話があったようだ。

在日韓国人留学生「スパイ」でっち上げ 文大統領が謝罪

2019年6月27日23時12分

韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は27日、韓国が独裁政権下にあった1970~80年代に多数の在日韓国人の留学生らが韓国の情報機関によって「北朝鮮のスパイ」にでっち上げられて拘束された人権侵害に言及し、「独裁権力の暴力に深く傷ついた在日同胞の被害者と家族に、大統領として国家を代表して心から謝罪する」と述べた。韓国大統領が在日の元政治囚をめぐる人権侵害で謝罪するのは初めてとみられる。

「朝日新聞」より

朝日新聞らしい意味の分からない記事だが、韓国の大統領が在日朝鮮人に対して謝罪すべきはそこじゃ無いと思うんだけれども、そういう突っ込みはダメかな?

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学園浸透スパイ団事件

KCIAが暗躍した事件

さて、とにかくよく分からないニュースだったので、ムン君が何について言及したのか?について少し調べて見た。

最初に調べたのは、何の話で謝罪したか?だ。

で、色々調べて、文脈から「これっぽい」感じがする事件が、学園浸透スパイ団事件(1975年頃)である。

韓国中央情報部(KCIA)は、1975年11月22日にその構図を明らかにしたそうで、11・22事件とも呼ばれるらしい。

これがその時の記事らしいのだけれど、流石にこの記事を読むのは難しいので、別の記事を引用しておきたい。

在日教授の再審無罪確定 韓国検察、上告せず

2012.4.6 20:18

 韓国で1975年に「北朝鮮スパイ」として連行され7年間服役した在日韓国人の千葉商科大教授、金元重さん(60)=千葉県市川市=にソウル高裁が再審で無罪を言い渡したのに対し、韓国検察は期限の6日までに上告せず、金さんの無罪が確定した。関係者が明らかにした。

 韓国では2010年から、1970~80年代に同様の罪で服役した在日韓国人への再審開始決定や無罪判決が相次いでいるが、無罪が確定したのは3人目とみられる。

「産経ニュース」アーカイブスより

この記事は、スパイ容疑で逮捕された人が無罪になったという話なので、その全容については言及されていない。なので、簡単に言及しておくと、1970年代にソウル大学など韓国国内の大学に日本から留学していた在日韓国人らが「北朝鮮スパイ団」であるとして、国家保安法違反の容疑で逮捕、起訴される事件が発生。

そして、令状なしに逮捕された上で拷問を受けて自白させられ、犯罪者に仕立て上げられたが、実は無罪だったという話。

この判決を出したのは韓国最高裁判所(ケースによっては高裁で判決がでたものも)なのだけれども、この判決をどこまで信頼できるかはちょっと怪しいところ。

実際にスパイがいた可能性は、あったと思うんだよね。歴史的背景を考えると。

1970年代の韓国:第三共和国期、第四共和国期

韓国はこの頃、第三共和国期(1963年~1972年)、第四共和国期(1972年~1980年)と呼ばれる、朴正煕による軍事政権下にあった。

そして、日本に滞在していた民主化活動家の金大中を敵視していた。

では悲惨な時代だったか?というと韓国国内では色々な評価があるものの、朴正煕は手段はさておき韓国の近代化に尽力した人物であり、韓国は高度成長時代に突入していた。日本から数多くの支援と技術を導入していたのである。

軍事政権下では、トップの方針が堅持される傾向にあるので、同じ方向を向いて国を発展させる為には「アリ」なのだと思う。

ただ、朴正煕はその時の韓国に民主化は必要無いと考えていたようで、民主化運動をしていた金大中が邪魔だったのは事実のようである。そして、日本の東京都で金大中事件(1973年8月8日)が発生するのである。

金大中事件では、東京都千代田区にあるホテルグランドパレスの一室が舞台となり、病気療養中で宿泊していた梁一東と会談するため当ホテルの2212号室を訪れた金大中はKCIAに拉致され、船で連れ去られた上で、ソウルで軟禁状態に置かれ、事件発生後5日経ったソウルの自宅前で発見される。

梁一東なる人物は、韓国の民主統一党の党首であり、民主統一党は第四共和国期の韓国における保守政党という位置づけにあった政党で韓国の民主化を目指していた政党のようではある。

金大中は、その当時KCIAにマークされていたようで、会談後に部屋を出たところを拉致されたといわれている。KCIAは日本の朝鮮総連や暴力団とも深い関わりがあったようで、山口組系東声会の会長がホテルのフロア殆ど全てを借り切りKCIAに協力していたことが後に分かっている。

金大中がこの拉致事件で殺害されなかったのは、海上保安庁などの追尾などの影響があったようで、海上での殺害が阻止されたのは海上保安庁の照明弾の投下が影響していたと金大中が証言している。ソウルに移動してから殺害されなかった理由はハッキリしないが、この計画を画策した李厚洛は当時のKCIAのトップであり、李厚洛が朴正煕のご機嫌伺いの為に事件を起こしたとされているので、情勢の変化があって幸運にも殺害されなかったというだけの話なのかも知れない。

ただ、金大中は解放後も自宅で2ヶ月間軟禁状態に置かれるなど、不遇な扱いをうけている。

ともあれ、朴正煕にとって民主化に繋がるルートを潰したいという意向があったようだし、そのためにKCIAが暗躍していたのは事実である。学園浸透スパイ団事件はそうした韓国の時代背景によって引き起こされた事件であり、渦中の人物であった金大中の巻き添えを食らった可能性があると、そう言えるだろう。

KCIAにとって、在日韓国人の勢力の一部が日本の暴力団に繋がりを持ち、民主化の波が韓国に押しよせる中、活動を活発化させていることは、許せないことだったのだと思う。

金大中は、民主化運動と共に太陽政策を推し進める

ただ、民主化を志向した金大中も、後に大統領になってから(1997年~2003年)は太陽政策と呼ばれる、北朝鮮に対する融和政策を推し進める。

アジア通貨危機(1997年)を乗り切った手腕は高く評価されるべきだとは思うが、その手法はサムスン電子や現代自動車に大量の公金を投入しつつ財閥への一極集中化を進め、急激に産業構造を転換した為に大きな弊害も産み出した。これに伴って医療保険や年金などの福祉政策の拡充にも充填を置いてはいるが、この福祉政策が成功したとは言い難い。むしろ、財閥系企業への優遇を高めた結果、不正蓄財の切っ掛けを産み出してしまうという負の遺産を招いたのである。

悪名高い日韓共催ワールドカップ2002が開催されたのも、この金大中の手腕に寄るところが大きいので、やり手ではあったのだろう。

そして、自らを拉致したKCIAを解体して国家安全企画部(ANSP)に看板を書き替えたのもこの人物である。また、この太陽政策の中核を担っていたのが、何を隠そう今をときめく韓国大統領のムン君なのである。

そうやって考えると、金大中は民主化を志した時代はあったものの、トップの座についてやったことと言えば北朝鮮に擦り寄るという政策で、これは韓国国内に北朝鮮の影響が当時から色濃くある事を示していると考えるべきなのか、悩ましい。

金大中の拉致を主導した李厚洛も、民族融和に尽力し、南北共同声明に漕ぎ着けている。

ただ、KCIA自身はむしろ北朝鮮に対する工作をやる機関だと言われている一方で、反政府勢力の取締りも行っていたので、むしろ保守勢力と言えるのかも知れない。後に国情院となった今では見る影も無いんだけどね。

ムン君の謝罪

何に対して謝罪したのか

さて、何となく事件の背景は理解できたように思う訳だが、要は朴正煕が金大中を貶める一環として、逮捕されちゃったのが韓国の大学に留学していた在日韓国人達なのだ。

そういう意味では冤罪によって逮捕・起訴されてしまった事に対して、韓国政府として被害者達に謝罪するのは筋が通っていると思う。

 文氏はこの日、主要20カ国・地域首脳会議([G20サミット])に参加するため大阪市に入り、在日韓国人約400人を招いた懇談会に出席し、その席上で謝罪した。懇談会には、70年代にソウルの大学に留学中に北朝鮮のスパイなどとして当時の韓国中央情報部の拷問捜査を受け、死刑判決を受けながら2015年に無罪が確定した大阪市の在日韓国人、李哲(イチョル)さん(70)らが招かれた。李さんは「思いがけないことで、大変うれしく思いました」と話した。

「朝日新聞」より

だが、KCIAが拷問をした事実があったかどうかはともかくとして、韓国政府が冤罪で捉えられた人達に対する拷問を見逃したというのは、良い話では無い。

それに対して謝罪することも必要ではあろうが……、何故このタイミングでこんなパフォーマンスをしたのか。G20でたまたま大阪に来たから?

そんな訳は無いだろう。

首脳会談の裏で

では何だったのかというと、こちらの記事がちょっと参考になるかもしれない。

せっかく首脳が集まってるのに…韓国・文大統領は“身内”在日同胞と晩餐会 日韓関係について仰天発言も

2019.6.28

G20で来日した韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日、大阪市内で在日同胞と晩餐(ばんさん)会を開いた。世界各国の首脳らが集まる絶好の外交チャンスでありながら、身内といえる同胞と夕食をとるあたりに「韓国の孤立」がにじむ。自身が壊した日韓関係についても、仰天の発言をしていた。

~~略~~

 前出の晩餐会には、在日本大韓民国民団(民団)の幹部や韓国人経済人、有識者ら約400人が招待された。民団幹部が文氏を歓迎するあいさつで、現在の日韓関係悪化が同胞の生活に大きな影響があると指摘したという。その原因の大半は韓国・文政権にある。

「ZakZak」より

一つは、G20のスケジュールに各国の首脳との会談をセッティング出来なかった為に、誤魔化しの話題を作る為の偽装工作である。

そこで「大きな発言」をしないと話題作りにもならないので、敢えて危険なところに踏み込んだ可能性だ。

人権派でならしたムン君にとって、人権問題で謝罪するというのは悪いチョイスでは無いと考えた節がある。

文大統領「揺るぎない韓日関係築く」 大阪で在日コリアンと懇談会

6/27(木) 22:00配信

主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席するため大阪を訪問している韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日夜、大阪市内のホテルで開かれた在日コリアンとの同胞懇談会で「どんな困難があっても揺らぐことのない韓日の友好協力関係を築くために努力する」と誓った。

 文大統領は韓日の1500年におよぶ交流に言及した上で、「両国は隣人であり古くからの友人」と述べた。来年の東京五輪にも触れ、「五輪が成功するよう誠意を持って協力する」と語った。

「総合ニュース」より

日本にいて日本のメディアの報道に触れている在日韓国人に対して、支援を要求するためには何か材料になる話を持ち出す必要があるに違いない。

ただ、在日韓国人の方々をバカにした話で、そんなことは彼らも十分にそれを理解していると思う。

ムン君にとっては、言葉だけで済めば安いものではあるが……、良いんですかねぇ?そんな事で。

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