トランプ氏、日米安保に不満を表明

北米ニュース

今に始まった話では無いので、ニュースとしては価値が薄い気がするんだけど。

トランプ米大統領、日米安保の負担偏りに不満=NATO分担にも

6/26(水) 23:33配信

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は26日放映されたFOXビジネスのインタビューで、日米安全保障体制に関連し「日本が攻撃されれば米国は彼らを守るために戦うが、米国が支援を必要とするとき、彼らにできるのは(米国への)攻撃をソニーのテレビで見ることだけだ」と述べた。

「時事通信」より

トランプ氏、「だってー、不公平じゃーん」と云っているのだが、ディールの一種だろうね。

スポンサーリンク

日米安保のアメリカにとっての価値

アメリカの防衛費は世界一ぃぃい!

さて、トランプ氏は2016年の大統領選挙の際に、同じ事を言った。

即ち、「NATOは分担金が少ない」とか、「日本や韓国に駐留する米軍の費用は100%それぞれの国が負担すべきだ」というような事だ。

アメリカにとって巨大な防衛費を維持することは、国策としてもそろそろ「キビシイ」状況になっていると言う意思表示らしい。

6500億米ドルも使っているアメリカにとって、「このお金を経済に回せれば」という気持ちはあると思う。

支那の防衛費も実は膨大

なお、世界2位の支那は2500億米ドル使っていることになっているが、実はこれと同額を国内の治安維持に使っていると云われている。コレに関しては公表されていないが。

また、ミサイルや核兵器の開発費は軍事費に含まれないなど、おかしな会計になっているとの事で、支那は少なく見積もって5000億米ドルくらいは軍事費に費やしているのでは無いかと言われている。

そして、GDPの割に巨大な費用を軍事費に費やす韓国や、人民の生活費まで軍事費に注ぎ込む北朝鮮といった国々が近くにある日本は、これらに対抗できるだけの防衛費を投じるか、或いは、巨大な防衛力を持っている国に助けて貰うか、どちらかしか無い。

憲法9条は「戦わないこと」を決めた条文

しかし、日本国憲法は9条で戦力の不保持を謳っている。

アホかと。

……さておき、ここで「日米安保条約」というのが効いてくるのである。日本が戦えない分、アメリカさん助けてね、という事なのだが、条約の中身を読んでみると、「日本の有事にはアメリカさん助けて」は分かるのだけれども、軍事同盟というのは、相互に助けるのが基本である。

それ故、トランプ氏がこれについて文句を言っている訳だ。

日米安全保障体制に関連し「日本が攻撃されれば米国は彼らを守るために戦うが、米国が支援を必要とするとき、彼らにできるのは(米国への)攻撃をソニーのテレビで見ることだけだ」と述べた。

「時事通信」より

改めて引用しておくが、トランプ氏のこの指摘は正しい。

 日米安保条約をめぐっては、米ブルームバーグ通信が先に、トランプ氏が側近との私的会話の中で条約を「一方的だ」と断じ、破棄に言及したと報じた。日米両政府とも「事実無根だ」と報道内容を否定している。

「時事通信」より

一方で、先に報じられたブルームバーグ通信の「破棄」に言及したのは、誤報であった。トランプ氏はそんな事は言っていないのである。

トランプ氏の不満は「不公平だ」ということで、日米安保条約を破棄すべきだとは言っていないのだから。

日本は軍事同盟で何を負担しているのか

では、アメリカは現状で割を食っているのか?というと、実はそんなことは無い。

少なくとも日本は在日米軍基地を維持するために、大半の費用を負担した上で、場所の提供もしている。また、第7艦隊など、アメリカ軍の装備の整備に関しても、日本側が行っている。

つまり、有事が発生しない状況であれば、アメリカは日本と軍事同盟を結ぶことで、アジア地域の拠点を確保し、シーレーンなどの防衛に関しても大きく寄与していると言って良いだろう。

また、アメリカ軍が攻撃されたら日本の自衛隊が動けないというのは、アメリカ本土においてはそうなのだが、日本の周辺においてはその限りでない。つまり、自衛隊もアメリカ軍を助けるために動く事ができる事を定めたのが平和安全法制なのだから、その点ではトランプ氏は間違っている。

ただ、トランプ氏がこの負担に対して不公平というのであれば、これを見直す契機にすることは、日本の国益にも資する話。ホンモノの軍事同盟を結ぶべく、法改正をしたらいいじゃないか。

トランプ氏のtwitterはいつも物議を醸すが、最近ではこんなのもあった。

トランプ氏は24日、「なぜわれわれが代償もなしに他国のために(長年にわたって)輸送路を守っているのか。そうした国々は全て、自国の船を自ら守るべきだ」とツイート。ツイートの中でトランプ氏は、中国が91%、日本は62%の原油をホルムズ海峡経由で輸入していると記した。

「Bloomberg」より

自分の所でホルムズ海峡も守れよ、と、その様に言及したわけだ。

トランプ氏、衝撃ツイート「ホルムズ海峡、自国で守れ!」 日本と中国“名指し”警告で波紋…発言の真意は?識者が分析

2019.6.26

ドナルド・トランプ米大統領の、衝撃ツイッターが波紋を広げている。中東のホルムズ海峡経由で、多くの原油を輸入する日本や中国を名指しして、米国が同海峡の安全を守っていることに疑問を呈したのだ。もし、米国が手を引く事態になれば、日本はエネルギー安全保障政策を抜本的に見直す必要が出てくる。トランプ氏の真意はどこにあるのか。

~~略~~

国際政治学者の藤井厳喜氏は「イランと中国、ロシア、北朝鮮などとの関係を考えれば、米国が中東から引き揚げることは考えられない。中国やロシアが中東を支配しかねない。トランプ氏の発言は、中国への『イランに(核問題で)圧力をちゃんとかけろ』というメッセージだろう。日本については、中東への原油依存率が高いため、中国のついでに言及した可能性がある。強いていうなら、貿易問題で妥協を迫ったのではないか」と分析している。

「Zakzak」より

この辺りも「ちゃんと負担しろよ」というのがトランプ氏の考えらしい。

このようなトランプ氏の意見は無理筋に感じるが、アメリカ人の認識としてはこのトランプ氏の発想は突飛な意見ではないと映るのだろう。だとすれば、やはり日本はその位置づけを改める必要があると思う。

日本の整備力なども踏まえて説明することはしっかりやっているが、「それで足りない」というのであれば、やはりお互いに納得できる様な形になるように話し合う必要があるだろう。

コメント

  1. 匿名 より:

    EU相手のディールにNATO分担金を使って成功したので日本相手でもという事でしょう。

    • 木霊 より:

      NATOの分担金は明らかに低水準でしたから、アレはアレで仕方がないと思います。
      ただ、日本に対するコレはまた別の意味があるように思いますよ。

  2. マスメディア反乱軍 より:

    日米安保解消の発言自体はアメリカ大統領の認識としては忌々しき事と思いますが、ディールの一貫と解釈できる証拠があれば慌てる必要は全くないでしょうね。
    僕はトランプ大統領の真意に拘ってウォッチしていますが、案外参院選挙で「改憲」を本腰で訴えるらしい安倍ちゃんへの援護射撃程度で出来レースなのかも?

    木霊さんのご指摘通り同盟国としたら、「相互扶助」のバランスが崩れてくれば一方に不満が出てくるのは必定でしょう。

    ただ、日本は4万人以上の米兵の費用を賄っているのも事実なんで、もし全てアメリカに帰還させたら実質的なアメリカ国防費は大幅にアップするのもまた事実。(在日米軍の内訳は空軍・海兵隊・海軍で95%以上ですから、アメリカの核心的主力戦力を削減する覚悟が必要)

    >ただ、トランプ氏がこの負担に対して不公平というのであれば、これを見直す契機にすることは、日本の国益にも資する話。ホンモノの軍事同盟を結ぶべく、法改正をしたらいいじゃないか。

    外交というか人間関係すべてがまず相手の置かれている状況や立場に立って考える(つまり本音を知る)...、これに尽きると僕は思っています。
    最終的に本音を引き出し落としどころを探る(しかも最後は自分有利に誘導)、したたかな戦略思考と抜かりない準備が必要ですね。

    安倍ちゃんの改憲の中味には不満がありますが、議論にすら参加しない野党なんか放っといてもいいんじゃないかと思えてきます。 
    今の加憲案では第9条2項との齟齬はいつまでも残ってしまうリスクがありますし、もし侵略を受けた時に合理的に機能するのか疑問です。
    最低でも有事目前となった時に正当防衛と判断して、敵地・敵軍への予防攻撃を容認する何らかの追加法が必要じゃないかな?
    よく言われる自衛隊法で対処ではなく「自衛権発動法」みたいな感じ。

    ただ、北朝鮮の非核化の動きで妙な楽観感覚もですが、国民に支那やロシアに対する危機感が薄く、衆参発議が必要な改正案がまとまったとしても(しかも参院で改憲勢力が86議席獲得が前提)、国民投票で可決される可能性は低いのが現実でしょう。

    でもですねェ~、今の愚劣な反対勢力は自由を守る為の民主主義的議論を自ら放棄しているのと同じなんですからタチが悪い...。
    選挙で争点化したくないのがミエミエ。

    • 木霊 より:

      安倍氏の9条改正案には僕も反対です。
      僕は寧ろ9条2項削除が望ましく、それがダメならば死文化する為に3項か2項後段に「ただし、自衛行動はこれを妨げない。」と一文追加するだけでもOKでしょう。

  3. とくめい より:

    その不公平な軍備状況はそもそもの原因をたどればアメリカ様の所業なんですけどね。
    日本がその経済規模に相応の軍備を持ったら、今度は抑え込みにかかるくせに好き勝手を言うなぁ……

    まぁ、軍備増強にある程度のフリーハンドを与えてくれると思えば悪いことばかりでもなく。
    欲を言えば、護衛艦隊1セット増やして、ソマリアに張り付いてる部隊の交代と活動範囲の拡大を図りたいところですね(海自の人手不足問題はあるけれど)

    • 木霊 より:

      そうですねぇ、マッカーサーの関与、GHQの指示があったことは疑いようも無い話です。
      とはいえ、それも何十年も前の話ですから、いい加減、現状を改めるべき田尾ともいます。

      そして、護衛艦隊の中東への派遣というのは、必要であると思います。
      トランプ氏にもチクリとやられましたが、シーレーンの防衛に一切手を出さないのはやはりおかしいのですよね。人手不足は深刻なようですが、それ以上に予算の問題が深刻ですよね。

    • あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_3 より:

      真面目に、コメントおよび突っ込みいれます。

      まず「護衛艦隊」という表現ですが、「水上部隊(艦隊)」の意味で使われている感じですが、海自の組織上では「ほぼ全ての護衛艦を指揮する部隊単位」なので、「護衛艦隊1セット増やして」というのは、「護衛艦を二倍にする」という意味になってしまうので、留意が必要です。

      とくめい氏のおっしゃりたいことは「護衛隊群をもう一つ増やして」という風に解釈してます。それには賛成です。というより、まじめにホルムズ海峡から日本までのシーレーン防衛を実施するには、少なくとも二個護衛隊群の増強が必要(ホルムズ海峡~ペルシャ湾に展開する部隊とマラッカ海峡・南シナ海・バシー海峡に展開する部隊)ではないかと考えます。

      さらに、その前提として、イージス艦から弾道弾防御任務から外すことが必要と考えます。なので、イージスアショアの導入は必須と考えます(2カ所でいいのか?という話もあります)

      もう一つ、DD(汎用護衛艦)の増強が必要だと考えます。
      現行の護衛隊群は、DDH×1・DDG×1・DD×2の護衛隊一個とDDG×1・DD×3の護衛隊一個で編成されています。
      これを、DDG×1・DD×3の護衛隊2個+DDH×1(またはDDG×1・DD×2の護衛隊2個+DDH×1・DD×2の護衛隊一個)に増強すべきと考えます。

      • とくめい より:

        あるけむ様、フォローありがとうございます。
        護衛隊群、という言い方なのですね。不勉強でした。ご指摘感謝。

        現状、ソマリアに展開してる戦力だけだと足らないでしょうし、広域に行動できる部隊が増えるとよいのですけどね。

  4. マスメディア反乱軍 より:

    さて、G20で早速キンペー君との会談に挑んだ文クンですが、北朝鮮非核化とは別にこんんな難題を突き付けられた模様。

    >習主席はこの日、文大統領に「中韓協力は完全にお互いに利益になりウィンウィンになるべきで、外部から圧力を受けてはならない」として「韓国は両国間関連問題を円満に処理することを重視しなければならない」と話した。

    表現はヤンワリですが実際は「アメリカ側に立ったらどうなるか覚悟しろよ!!」と、強いブラフを受けたも同然ですねェ~。
    トランプ大統領とキンペー君の首脳会談の結果如何で、G20後の訪韓時により直接的に「支那に寝返ったら承知しないぞ!!」と恐ろしいブラフを掛けられて困るんじゃないかなァ~。(身から出た錆ですが)

    まずファーウェイ事案での結論を求められ→次に在韓米軍費用の大幅負担増を求められ→THADD早期配備の確約を求められ、その回答次第でやっと南北融和の話ができるって状況まで追い込まれそうです。
    そりゃ、日韓問題解決に力を入れる余裕なんてないよね。

    僕はG20より30日のトランプ大統領との会談内容に興味津々...。(笑)

    • 木霊 より:

      おー、そのニュースはまだ目を通していませんでした。
      色々と動いているようですね。

  5. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    イラン牽制とタンカー保護では日本だけでなく支那へも、「自分で何とかしろ」と要求してきましたね。
    僕は日本は思い切ってイージス艦を含む4隻くらいの護衛艦を派遣してもいいと思っていますが(相当の負担ですけど)、アメリカから要求されたからではなく、あくまで自国にとって重要なシーレーンを守る為という姿勢でやるべきでしょう。
    それにしても護衛隊群の数が足りくなりますから、少なくとも第5護衛隊群の増強の必要性を考えて欲しいですね。
    DDG(イージス艦)×2隻(またはDDH+DDG各1隻)に最新艦のFFM3隻で1個護衛隊×2で第5護衛隊群とすれば、DD型護衛艦に比べ乗員は半分以下で済みますので、ぜひ検討して欲しいですね。

    しかし、トランプ大統領の支那巻き込みはやり過ぎで、中東への影響力強化の口実を与えかねませんから悪手じゃないかな?
    そして、イランとの戦争を本音で望んでいないのなら、核合意離脱を一旦は塩漬けにし制裁もこれ以上エスカレートさせない事で衝突を鎮静化できないもんでしょうか。

    問題はイランの宿敵イスラエルが不満を持つ事で、アメリカ空母打撃群・日本(自主的参加)・イギリス(アメリカ追従)の3ヵ国に加えて、イスラエルの軍事関連の上客インドがアラビア海の安全を名目に補給艦などの後方支援してくれれば、「イランの暴走はちゃんと抑えてやるから、妙なマネや混乱を招くような汚い工作だけはするな」とイスラエルを説得できませんかねェ~。

    アメリカにはまず朝鮮半島非核化を最優先し(体制転換含む)、次に支那の軍事拡張を止める事を優先して欲しいもんです。
    核兵器武装が可能だが一応止める意志のあるイランより<既に核弾頭・弾道ミサイルを配備済の北朝鮮から核を排除する方がいいはず。
    アジアや朝鮮半島はアメリカ国民の関心が薄く、大統領選で票が稼げない北朝鮮問題なのかもですが、世界中に広がりかねない核兵器保有を止めた功績は、十分に歴史的評価を得る事になるんじゃないかと思うんですよ。
    例えその手段が政権転覆やサージカル・アタックという軍事手段であったとしてもです。

    • 木霊 より:

      なかなか「支那にも何とかしろと要求した」というのが興味深かったですよ。
      文脈的には、「世界の警察を辞める」という話なのでしょう。
      しかし一方で、アメリカに依存しなければならない状況は支那も似たようなものだというのが、更に興味深いですねぇ。

      それもこれも、トランプ氏大好き「ディール」の一環なのでしょうが、大統領自らがセールスマンというのは厄介極まりない。
      安倍氏はアレを相手にしなければならないのだから大変だと思いますよ。