アメリカの本気が垣間見えるな。
米、中国監視カメラ企業への禁輸検討か 「人道への罪」加担の恐れ
2019年5月22日 / 14:13
21日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、トランプ米政権が中国の監視カメラ大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)(002415.SZ)への禁輸措置を検討していると伝えた。
「ロイター」より
もう1件。
「中国製ドローンが情報を窃盗」、米政府が警戒呼びかけ
2019.05.21 Tue posted at 13:22 JST
ワシントン(CNN) 米国土安全保障省は20日、中国製のドローンについて、飛行情報が中国のメーカーに送信されている可能性があり、その情報は中国政府がアクセスできる状態にあるとして、そうしたドローンを使う米国の組織に警戒を呼びかけた。
「CNNニュース」より
いやはや。
あ、1つリンクを貼っておこうか。


ここのところ、こんな記事ばかりで申し訳無いけれども。
ハイクビジョンもDJIも覇権をとった会社
ハイクビジョンと言えば監視カメラ
さて、冒頭に紹介したハイクビジョンだが、監視カメラのシェアはトップレベルである。
米、中国監視カメラ最大手ハイクビジョンへの制裁を検討 ウイグル人迫害加担
2018年11月26日 20時15分
米政府は、中国共産党政権による人権侵害に加担したとして、中国国有監視カメラ製造最大手の海康威視数字技術(HIKVISION、本部=中国杭州市。以下はハイクビジョン)を輸出規制の対象にすることを検討している。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が19日伝えた。
FTによると、米政府は米企業が同社に半導体チップを含む部品の輸出を禁止することを計画している。
~~略~~
米市場調査会社HISの最新調査では、2016年世界監視カメラ市場における同社の市場シェアが21.4%に達し、世界トップとなった。
「大紀元」より
覇権を握った背景には、ウイグル人達を監視する監視網を構築した実績が技術として蓄積されたから、ということがある。
今や、ハイクビジョンの技術は世界のトップレベルといって良いだろう。
ただし、カメラ技術はレンズや半導体素子、CMOSセンサーなどの技術は日本が優れた技術を持っている。日本を含めた外国の企業が支那に協力しなくなれば、ハイクビジョンの牙城が崩れることは間違いなさそうだ。
DJIはドローンを作る会社
ドローンに関してはDJIが覇権を握っていると言って良い。
【CRI時評】「技術のいたぶり」で中国を圧しようするのは妄想にすぎない
2019-05-22 22:17
米国はファーウェイ(華為公司、HUAWEI)に対しての輸出規制、事実上の「禁令」を実施したのに続き、今度は中国の深セン大疆創新公司(DJイノベーションズ、DJI)が製造するドローンについて潜在的な情報リスクがあると中傷した。
~~略~~
改革開放の40年間のたゆまぬ奮闘と刷新によって、中国はすでに技術発展の一部分野で、かつての「遅れまいとついて行くランナー」から「先頭ランナー」へと立場を変えた。例えば、ファーウェイが5G関連で取得した特許数は世界トップであり、DJIのドローンは全世界の民用ドローン市場の70%のシェアを占めている。
「CRI online」より
この記事自体はなかなか面白いお笑い・突っ込み要素満載の記事だが、DJIのドローンは世界シェアが7割という驚きの状況を伝えていることに注目したい。
ドローンの世界ではDJIは圧倒的なのである。
DJIが世界で受けている理由は簡単で、技術力もさることながらそのコストの安さにある。
ドローンはオモチャ程度の機能しかないが、空を飛ぶものとあってそれなりに技術力が必要だ。そして、製造コストも高いのだが……、これを抑えて供給したことで爆発的にシェアを伸ばすことが出来たのである。
で、このドローンについて問題とされたのはココ。
警戒情報ではそうしたユーザーに対し、中国製のドローンを購入する場合は注意するよう呼びかけ、インターネット接続を無効にしたり、SDカードを取り除くといった対策を講じるよう助言。「国家安全保障あるいは国家の重大な機能にかかわる業務を行う組織では、スパイ活動のリスクや機密情報が盗まれるリスクが増大する恐れもあり、特に警戒しなければならない」とした。
これに対してDJIの声明では、データの収集、保存、転送についてはユーザーが完全な権限を握っていると説明、「当社の技術の安全性は、米政府と大手米国企業によって独立した立場から検証されている」と強調した。さらに、「追加的な安全対策を必要とする政府機関や重要インフラにかかわる顧客のために、われわれはデータがDJIに転送されないドローンを提供している」と述べている。
「CNNニュース」より
情報漏洩に気をつけろ!って話。そして、DJI側も案に認めている辺りが(苦笑)
複合技術に強い支那
ハイテク製品は組み立てで
多くの人が気がついているとは思うけれども、支那が得意とするハイテク産業は、割と小物が多い印象があると思う。
つまり、かつては「世界の組み立て工場」という立ち位置であり、その技術を吸収して自前で組み立てが可能になったと言うのが、支那の今の強みである。
言い方を変えれば「複合技術に強い」と言えるのだが、より正確に言えば未だに組み立て工場から脱していないとも言える。
もちろん、支那の独自技術を組み合わせて独自性を高めている事実があるからこそ、世界でのトップシェアを奪えるのだが、逆に言えば自前では賄えない技術も多い事を意味する。
つまり、今のアメリカの手法は支那に刺さるのである。
人権問題にはヨーロッパも弱い
さて、アメリカの戦略が支那に刺さるためには、一つの重要な要素がある。それはヨーロッパだ。
そして、ヨーロッパでの重要なテーマは人権問題だ。
40人を超える米与野党議員らは先月、政府宛ての書簡の中で、新疆ウイグル自治区における中国政府の統治が「人道に対する罪に相当する恐れがある」と指摘。政府の監視にハイクビジョンやダーファの技術が利用されている可能性があると名指しで指摘した上で、そうした中国の違法行為に加担しないよう輸出規制を求めていた。
「ロイター」より
更に言えば、ウイグル問題はヨーロッパが敢えて目を瞑ってきた部分でもある。これはイスラムの関係もあって、なかなか踏み込みにくい話だから、という事でもあろう。
つまり、ウイグル問題に関してヨーロッパは後ろ暗い思いをしているわけで、そこをあげつらったアメリカの主張は、無視することができない。よって、積極的にヨーロッパが前に出てくることは無いけれども、アメリカがウイグル問題を前に出して進む限りは、断りづらいので消極的に参加するしかない。
「ウイグル問題を容認するのか」と、その様に言われたくないからね。
そんな訳で、この話はもっと加速していくだろう。
コメント
やはりアメリカを怒らすものではありませんね。支那のハイテク系産業を次々とつぶしに来てますね。今回のドロ-ンも、ファ-ウエイも安全保障に大きく絡むので、国内の反対も少なそうですし、次は中華製AIをなんとかしてもらいたいものですね。
今朝見つけたネタですが、イギリスのArmがファ-ウエイとの取引停止のようですね。ここを止めると、ファ-ウエイ傘下のHiSiliconで製造されるプロセッサや5G用のチップが製造できなくなります。数日前までファ-ウエイが強気だったのはHiSilicon製のプロセッサとチップ、国内メモリ-があればスマホの製造ができると思っていたからでしょう。まあ、世界的に特許権を無視すれば、製造できますが・・・さすがにね。
ちなみにArm社は、ソフトバンクの傘下です。さすがの孫さんも支那よりアメリカを取りましたか。
敵に回すとアメリカは怖いですね。
過去の話とは言え、日本はよくもまあ相手にして戦ったものです。
ARMの話、ありがとうございます。この話もなかなkアメリカの本気度を感じさせる話ですね。
木霊さん、おはようございます。
監視カメラもドローンも支那がダントツで突っ走っているのは、木霊さんも以前記事で触れられ危機をご指摘されてた記憶があります。
>覇権を握った背景には、ウイグル人達を監視する監視網を構築した実績が技術として蓄積されたから、ということがある。
>今や、ハイクビジョンの技術は世界のトップレベルといって良いだろう。
>ただし、カメラ技術はレンズや半導体素子、CMOSセンサーなどの技術は日本が優れた技術を持っている。日本を含めた外国の企業が支那に協力しなくなれば、ハイクビジョンの牙城が崩れることは間違いなさそうだ。
ファーウェイに続いて支那の出る杭は徹底して打つ手順を続々と出すのは、日本も見習うべき政治手法だとつくづく思いますね。
本チャンの第3次・第4次関税発動も控えているタイミングというのも絶妙!!
>「ウイグル問題を容認するのか」と、その様に言われたくないからね。
>そんな訳で、この話はもっと加速していくだろう。
ちょっと前にも書きましたが支那が最も嫌がる(恐れるかな?)、「人権問題=特に少数民族弾圧」へ攻勢を掛けるのか、その入り口の扉まで本気で開けるのか注目すべき事案ですね。
動機はアメリカの支那覇権潰しの一手と若干不純な感じもしますが、欧州の強国そして日本も正々堂々と声を上げるチャンスと前向きに捉えて欲しいもんです。
6月4日を頭を隠して過ぎ去るのを待っている支那共産党...、ホッとした途端に爆弾炸裂というシナリオならいいんですけど。
最悪、支那が「人権問題」で譲歩せず拗れて孤立し、結果国連脱退となっても僕はいいと思っています。(素人考えで国際社会への多層的な影響などの深慮不足は承知)
経済でも人権問題でも窮地に追い込まれて軍事行動という最悪のリスクはありますが、軍部はアメリカと日本そして英・仏・豪・印を敵に回す愚かさは判っているはずで、共産党も結局思い留まるかも知れませんしね。
問題は経済でズブズブの関係を推進してきたメンケルのドイツがどう出るのか?じゃないでしょうか。
オッと、蝙蝠クンの南朝鮮の事を忘れてました、しかしいつもの様にブレブレで迷走するでしょうし、この規模の世界的紛争になると影響力&発言力はゼロだから出る幕無しでスルーしていいしね。(笑)
監視カメラの話は、多分、ウイグル関連の記事で触れたと思います。
アメリカは色々な方面から一気に圧力をかけ始めていて、機をうかがっていたのか、とにかくあちこちから情報が出ています。
敵に回したら本当に厄介ですし、トランプ氏はケンカのやり方を理解しているというのも、説得力がある話です。
情報によれば、2017年3月末時点で政府が保有する無人機ドローンの約8割が支那製との事です。
各省庁毎の支那製の割合は判りませんが、約330機中で林野庁が150機・国土交通省が84機・防衛省が60機とか。
国産は僅か70機...。
いずれも主な目的が日本国土の重要な観測地点を点検したり監視する為なら、まるで支那に「お好きに情報をどうぞ」と言っている様なもんですね。
民生用を含めると日本には十数万機のドローンがあるそうですが、その7~8割がDJI製との指摘もありました。
日本の民生無人機ドローンのシェアはヤマハ発動機がトップだと思っていましたが、生い立ち自体がラジコンヘリの農業用で農薬散布から来ているのもあると思いますが、需要が少ないから国への納入なんてリスクを冒したくないんでしょうかねェ~。
でも責任の一端は政府がドローン利用の価値を甘く見て、積極的な施策を放置してきたツケのような気がしてなりません。
特に防衛省関連では無人標的機くらいしか運用実績がなく、本格的な無人偵察機は今年空自に配備予定のRQ-4(グローバルホーク)が最初じゃないかな?
敵地偵察(専守防衛だから敵地という想定がない)の概念が、基本的な国土防衛政策からスッポリと抜け落ちちゃってる...、相当不安な実情じゃないかと考えますね。
慢性的な自衛官不足もありますし、何より小さな島国とはいえ沿岸線は広大な長さなんですから、最低でも領海12海里を長時間監視飛行できる、国情に合わせた日本製無人機ドローンくらいは必要と思いますけどね。
多数のオペレーターが必要になりますが、アメリカの無人攻撃機でさえも民間人を使っていますから、特別自衛官みたいな待遇と肩書を作って人員の確保を防衛政策に取り入れて欲しいですね。
ドローンのデーターリンクを含めた制御は高度化するので1機当たりの予算は高くなるとは思いますが、オペレーター専用基地を自衛隊基地の数か所に配置し、集中的かつ効率的に人員を運用する...、テロなど有事危機が想定される場合は該当地域に集中監視できる機体の開発を急ぐべきと考えます。
後は、DDH型護衛艦に搭載でき離着艦可能な「ジェット式の無人偵察機」も開発して欲しい。
広い日本海~黄海~東シナ海で有事に近い危機の時、短時間で敵艦隊・敵機の動向を把握する能力の付加です。
軍事技術の多くは民生品にも活かせるイノベーションですから、国は積極的な方針を出すべきタイミングでしょう。
マスメディア反乱軍様
>後は、DDH型護衛艦に搭載でき離着艦可能な「ジェット式の無人偵察機」も
>開発して欲しい。
以前「TACOM」という空中発進・自立飛行・自動着陸が研究されてまして、
実際に飛行しているようです。
ソース)TOKYO EXPRESS「空自、有人戦闘機と無人機の混成部隊が2030年代に実現 」2016年10月11日
>我国ではF-15J戦闘機に2機の無人機を携行、空中発射して偵察を行い基地に
>帰還する試験に成功、この技術は一応取得している。2009年10月から
>2011年12月にかけて海自硫黄島航空基地を使用、同島北北東のS空域で
>実施され、その有効性を実証した。
(TACOMの画像は略)
>図8:(防衛省) “多用途小型無人機(TACOM)”は1995年から開発され、
>F-15Jから発射され偵察を行い自律飛行で基地に帰還する。
>写真は海上自衛隊硫黄島航空基地で、彼方には擂鉢山が見える。
>左は技術研究本部の塗装、右は空自塗装の機体である。
>富士重工製で、長さ5.2m、幅2.5m、エンジン(teledyne製)推力500kg、
>重量700kg。
あるけむさん、おはようございます。
いつも鋭い突っ込みの視点から、貴重な情報でフォロー頂き感謝しています。
>以前「TACOM」という空中発進・自立飛行・自動着陸が研究されてまして、
>実際に飛行しているようです。
着地の動画もアップされたいるのを確認しました。
でも、企画から20年以上も経っているのは、結局予算が付かなかったからと想像しますんで、実用化まであと少しだったとしたら長過ぎる足踏みですねェ~。
>ソース)TOKYO EXPRESS「空自、有人戦闘機と無人機の混成部隊が2030年代に実現 」2016年10月11日
この技術が開発検討中のF-3に活かされるのなら心強いです(実際に企画予想段階で子機として使用を示唆していますからね)。
あとは予算をどうするかだけですが、指摘したように支那の技術に対抗し限られた自衛官で国土防衛するしかないのですから、政府自民党は強硬と言われようが予算を確保して欲しいもんです。
僕が海自のDDH型護衛艦を最も有効利用するのに欠けているのが、高速無人機を開発し搭載できる兵力不足と考えています。
空自はAWACSで高高度から敵戦闘機やミサイルを警戒できますが、護衛艦隊や哨戒機を敵艦隊に近づけるのは危険過ぎますから。
高速の無人ジェットなら緒戦段階で敵艦隊の動きを迅速に把握できると思うんですよね、空自のRQ-4で高高度から長時間監視、新型無人ジェットは至近距離から監視で牽制して欲しいですね。