廃プラスチックは燃やして処分しろ

政策

この話は割と不人気なので積極的にはしたくないのだが、しかし、ゴミの分別などの実態を見ても「何とかしたら良いのに」とは思う。

廃プラスチック 中国が輸入禁止 日米はごみ削減急務

2019年5月13日 4時19分

中国が環境汚染対策としてプラスチックごみの受け入れを禁止したことで、廃プラスチックの輸出大国であるアメリカと日本から中国に輸出した量は去年、ともに約90%減少しました。その一方で、タイなど東南アジア向けの輸出が急速に増えていることが統計データから明らかになりました。

「NHKニュース」より

こちらが注目して欲しいニュースなのだが、この話はあまり知られていない話でもある。

廃プラスチックを輸入する目的

リサイクルにはコストがかかる

そもそも、プラスチックのリサイクルというのは、あまり筋の良い話では無い。

リサイクル率は年々上昇

2019/2/13付

廃プラスチック削減には使用量を減らすとともに、リサイクルも有効だ。リサイクル率は年々上昇しており、17年は86%に達した。

「日本経済新聞」より

リサイクル率は86%といわれていて、「凄いな!」と驚くわけだが、しかしこれにはからくりがある。

一般的に「リサイクル」と言われると、使った製品を回収して新たに同じ製品として生まれ変わらせる印象がある。が、現実は違う。

世界基準からズレた日本の「プラごみリサイクル率84%」の実態

2019/01/10 07:30

~~略~~

日本のリサイクル率84%のうち、ケミカルリサイクルはわずか4%。マテリアルリサイクルも23%である。さらにそのうち15%は中国に輸出されてからリサイクルされていて、国内でマテリアルリサイクルされていたのは8%にすぎない。今年に入ってから中国政府がごみ輸入を禁止したので、輸出分も行き場をなくしている。

それでは、残りの56%を占める「サーマルリサイクル」とは、一体なんなのか?

サーマルとは、「熱の」という意味だ。サーマルリサイクルは、非常にシンプル。ペットボトルなどのプラスチックをごみ焼却炉で燃やし、その熱をエネルギーとして回収する仕というものだ。回収された熱は火力発電や温水プールに利用されたりしている。ごみを用いた火力発電は「ごみ発電」とも呼ばれている。

「Forbes」より

人々の印象ではリサイクルといえば「マテリアルリサイクル」という分類になると思うのだが、実は、日本国内でのマテリアルリサイクルはたったの8%である。ケミカルリサイクルの4%と足しても精々12%に過ぎない。

そして、一番大きな割合を占めている「サーマルリサイクル」の56%は、どう言うことかというと、燃やしているというだけの話。

つまり、リサイクルゴミとして回収しているが、その実、燃やしているだけの話なのである。

サーマルリサイクルはペレットに

で、サーマルリサイクルといっても分かりにくいだろうから、1つ記事を引用しておきたい。

廃プラスチックを燃料化、重油より安くエネルギーを得る

2017年05月26日 09時00分 公開

捨てるのに困っていた廃プラスチックを、自社内でエネルギーとして利用できる――。北海道札幌市に本社を置くエルコムは、2017年5月23~26日に東京ビッグサイトで開催されている「2017NEW環境展」で、同社が展開する「イーペップ」を展示した。

「スマートジャパン」より

これが割と纏まっている話だと思う。

燃料に使うというのはこういう話だってこと。

そうそう、これ関連でちょっと面白い話もあって、こんな技術もある。

廃プラの23%に適用可、プラスチックを石油やガスに変える新技術

レジ袋やその他のプラスチックごみを溶かして、石油やガスなどの有用な製品に変えられるかもしれない。

世界中の埋立地と海がプラスチックごみでいっぱいになっている。国連によると、過去65年間で製造された83億トンのプラスチックのうち、リサイクルされたのはわずか9%だという。毎年800万トン以上のプラスチックごみが海に流れ込み、野生生物たちに害を及ぼしている。

「MIT Technology Review」より

もともとプラスチックは石油から出来ているんだから、元に戻すというのはエネルギーを使えば可能であろうと言う事は分かるが、使い道のある技術だとは思う。

燃やすよりは良いかな?

コメント

  1. とくめい より:

    リサイクル用品は何かと割高になりますし、燃やせ、は当然の理屈。
    いっそ、古い携帯電話や電子機器類を都市鉱山と呼ぶように、廃プラスティックを都市油田とでも呼んで、燃料として有効活用する流れになったがいい気もしますね。

    混合焼却炉を持つ自治体でもプラスティック類は分別回収してますが、その理由はリサイクルよりも効果的に燃料(この場合、プラスティックごみ)を投入することが目的ですからねぇ

    都市油田というワードでぐぐったら面白そうな記事にあたったのでご紹介まで

    「都市油田」で資源大国に 積水化、ごみでエタノール(有料記事)
    h ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO25053040V21C17A2XY0000/

    • とくめい より:

      あ、しつれい。燃料に戻す記事は別の紹介されてますね。
      それと、記事そのものは無料で全文読めました。失礼

    • 木霊 より:

      ありがとうございます。
      後でコメント頂いていますが、記事の中でも紹介している記事と同じ話ですね。

      しかしご指摘は確かにその通りで、石油に戻せるというのは使用用途が広がる話。
      そこでコストとの兼ね合いになりますから、リサイクル技術に磨きをかけることは素晴らしいのですけれど、それとリサイクルを進める事はまた別なんですよね。

  2. Rodney より:

    塩分を含む生ゴミなどを弱い火力で燃やすとダイオキシンが発生するので、分別されてる燃やすゴミだと生ゴミとか火勢が弱いゴミが多いので分別された燃えやすいプラスチックゴミを投入すると知り合いの都の職員が言ってましたね。
    たしかドイツでも分別をやめてプラスチックゴミは燃えるゴミとして処分できるようになったというニュースを見た気がします。

    リサイクルはリサイクルにかかるトータルコストもそうだし住民への負担(分別するために要する時間もそうだし、過度な分別は精神的ストレスにもなる)も考慮して見直したほうがいいと思います。

    再生プラといえば20年くらい前のロシア東欧圏のプラモデルは再生プラの物が多く湯流れが悪かったり、マーブル状の模様が浮き出ていてマーブル模様の縞にそって割れたりしていい思い出がないですね。

  3. 河太郎 より:

    あくまで「感想」に過ぎませんが。
    プラスチックゴミの「その後」について、自然保護運動(私は神道団体系で左翼系ではありません)などに参加しながら不勉強でした。
    非常に啓蒙される思いです。
    反省いたします。
    木霊様へ。

    • 河太郎 より:

      蛇足ですが。
      「日本会議」は悪口ばかり言われますが、神社の杜を護る運動に参加していいる宮司さんや氏子の方々もいます。そういう面も見て欲しいです。

  4. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    リサイクルには金が掛かりかえって自然破壊に繋がる...、確か日本中が大騒ぎしたダイオキシン問題でメディアが危険を扇動しまくった時に、珍しい少数の異論反論として読んだ記憶が蘇りました。

    ダイオキシン問題からエコリサイクルまで発展し、メディアにはタチの悪い金儲け目的の自称専門家が溢れかえり、それこそ焼却は大罪という論調ばかりだったのを思い出しますねェ~。
    僕がキャンプで一番の愉しみにしてる趣味の夜の焚き火さえやり玉に挙がっていましたから。
    焚き火の炭を完全に土に返る状態まで焼き尽くし、その仄かな火を眺めながら星空の下でスコッチを愉しみ、ふけ行く深夜に思考を巡らせる...、これが大罪って話になりそうでしたもん。

    ペットボトルの再利用には回収(回収車のガソリン)・洗浄(洗浄装置稼働に大規模な電力)・再生処理(熱で溶かすのですからこれにも大規模な電力)...、目的から合理性が完全に抜けてしまっていますね。

    >そして、一番大きな割合を占めている「サーマルリサイクル」の56%は、どう言うことかというと、燃やしているというだけの話。
    >つまり、リサイクルゴミとして回収しているが、その実、燃やしているだけの話なのである。

    この現実を当時騒ぎまくったマスメディアや自称専門家どもは、一度でも非を認め反省の弁をたれるべきなんですが...、性根の腐った卑怯な人種ですから何時もの様にほお被りでしょうね。

    >リサイクルは実際にはコストがかかることを認めた上で、無駄にコストをかけるのかどうかを、もう一度世間に問うた方が良い。
    >もちろん、リサイクルすることそのものは悪い話では無いし、ゴミが出ないような工夫を重ねていくことも必要である。
    >ただ、何でもかんでもリサイクルした方が環境のために良いというのは、幻想だよね。少なくともその範囲はある程度限定すべきだろう。埋めるよりも燃やした方が環境負荷は少ない。燃やした上で埋めれば容量を圧縮できるしね。

    どこかの様に国が世論に迎合しポピュリズムで保身に走るとロクな事にならない典型でしたから、これを教訓にして官僚は科学的根拠や新技術で対応できないか、そういう問題解決に繋がる勉強を真剣にするべきですね。(ブレーンとなる真摯な研究者と、個人的でもいいから人脈作りから始めればいい)

  5. 今夜は晩酌 より:

    小生が子供のころは、プラスチックやビン・韓国は燃えないゴミ、紙や生ごみは燃えるゴミ、と単純な分別でした。当時プラスチックが燃えないゴミだったのは、プラスチックを燃やすと、焼却炉が破損する恐れがあると教えられたものです。しかし近年では追加燃料代わりにプラスチックを使っている現実がある以上、リサイクルを建前にする分別は「もったいない精神」の啓蒙と環境ビジネスの後押しの為ではと邪推してしまいます。 
    この問題はザックリ言ってしまえば、金を取るか、資源の保全を取るかの話になってしまいますよね。近年の環境問題の多くは、環境ビジネスの為に問題視されたと小生は考えています。環境ビジネスは新しい雇用と技術を生み出した功績は大きいと思いますが(排出権取引は個人的に馬鹿馬鹿しいと思っていますが)政治的プロパガンダと相性が良いという問題もはらんでいます。(特に民主主義国家)
     もう一度本質に戻って、資源の有効利用と保全の為の技術開発と社会システム作りを進めなければならないですね。(石油の無い世界=燃料・プラスチック・多くの薬品・薬の無い世界・・・文明終了)

     蛇足ですが昔NHKのアニメで 掘り出したプラスチックゴミからパンを作るシ-ンがあり、凄い技術だ!と子供心に思ったものです。そのアニメは一度文明が滅んだあとの話でしたが、技術が人類の未来を薔薇色にしてくれるのを信じたいですね。