いやもう、危機感は無いの?
福島廃炉に外国人労働者 東電「特定技能」受け入れへ
2019年4月18日05時00分
4月から始まった新しい在留資格「特定技能」の外国人労働者について、東京電力が、廃炉作業の続く福島第一原発などの現場作業に受け入れることを決めたことが分かった。3月28日の会議で、元請けなど数十社に周知した。
「朝日新聞」より
これはねぇ……、ちょっと賛同出来ない。いや、東電の判断としては間違っていないカモだけど。
廃炉作業は国内でも59基分
運用中37基、廃止・解体中22基
廃炉作業に関するニュースは最近もあったね。
福島第1原発、3号機から核燃料取り出し開始
2019.04.16 Tue posted at 17:02 JST
(CNN) 東京電力は15日、福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールから核燃料を取り出す作業を開始したことを明らかにした。8年前の東日本大震災とその後の津波で損傷した同原発の1~3号機では炉心溶融(メルトダウン)が起きていた。
「CNN」より
福島第1原発は、1号機から6号機まであるが、3.11の影響で破損したのは1号機から4号機まで。そのうち4号機に関しては燃料の取り出し作業を終えている。
しかし1号機から3号機までは炉心溶融が起こってしまい、容易に燃料棒を取り出すことができない状況にある。
この作業に下請けを使ってトラブルになった話は随分と聞いた。現在はかなりのコストをかけて人を雇って作業をしている様だが、しかし、線量の問題もあって人手の確保はかなり困難を極めているようだ。
法務省は、第一原発内で東電が発注する事業について「全て廃炉に関するもので、一般的に海外で発生しうるものではない」とし、技能実習生の受け入れは、「国際貢献」という趣旨から不可としてきた。だが特定技能について東電は、法務省に問い合わせた結果、「新資格は受け入れ可能。日本人が働いている場所は分け隔てなく働いてもらうことができる」(東電広報担当)と判断した。
一応、建前としては「分け隔てなく」ということなのだが、そうはなるまい。
廃炉作業を外国人にさせるということ
日本国内に「差別」というものがあるのか無いのかと言われれば、あるとは思うが、海外の事例の話を聞くと、寧ろ日本の方が差別意識は薄い。
もちろん、異文化に関して忌避感を感じることはあるだろうけれど、日本にとってまれびと信仰は古来より根付いてきたものでもある。
しかし、そうは言っても、原子力発電所における原子炉の廃炉作業にわざわざ外国人労働者を入れる、ということは間違いだと思う。
日本に帰化して日本人として働いている外国から来られた方に作業して頂く分には問題無いと思うが、日本に働きに来て、帰って頂くことが前提の方々にそれをお任せするのは違うと思う。
廃炉作業は厄介な制約が付きまとうために、人材確保が難しい事は上で少し触れているが、それは線量管理に起因する部分が大きいことに大きな要因がある。
東電も相当気を遣って作業を進めているようだけれど、NHKの紅い部分がこんなニュースを作っていたように、現場では色々な問題がある。

何故、「紅い」かといえば、こちらを見て頂ければ分かる。
中身はほぼ一緒だ。
僕はこれらの情報を否定する積もりは毛頭無いし、そうした点についても心を砕かなくてはならないとは思う。
ただ、この様な作業を外国の方々にさせるとなると、一番の問題点は外国にお帰りになった時に、様々なトラブルを呼びかねないのである。
数十年経って、「被曝した」「日本のせいだ」と、国際的に訴えられるのは目に見えている。
外国に帰ってしまって、その健康状態などをトレースできない状況が一番不味く、無責任でもあると言えよう。
廃炉作業は20年から30年かかる
そもそも、ロングスパンで考えなければならない作業である。
これを統轄する省庁を作って、原子炉を買い取り、作業を進めるべきでは無いのか?
作業自体を民間企業に任せる事自体は構わないが、その責任まで押し付けるのは間違っている。原子力発電の政策を推進したのが行政ならば、廃炉の責任をとるのもやはり行政でなければならない。
そういう視点で見ていくと、責任能力の無い原子力規制委員会に丸投げ的な形になっているのは頂けない。
そして、現場にノウハウを蓄積すべきにも関わらず、外国に帰ってしまう人々を使うというのは、やはり間違いであろう。
スパイ・テロを防止できるのか
そして、一番心配するのは、言葉や文化の壁のある方々を使って、彼らにとってもリスクのある、日本にとってもリスクのある仕事を任せることは、非常に宜しくない。
何より、身元の確からしさを調査すら出来ないというのは、不味いだろう。全員がそうだとは言わないが、そういう事を狙っている人間が入り込むことを防止するのは日本人を野党場合よりも困難になるだろう。
東電は、作業者の確保のために外国人労働者も使いたいという事を考えるだろうし、それは否定できないのだけれど、行政としては非常に不味いと思う。考え直すべきだ。
記事の内容が随分と事実に基づかない、想定がメインの話になってしまったことを申し訳無く思うが、これくらいの懸念はして然るべきだと思う。
原発推進、反対にかかわらず、この問題は日本人としてしっかり考えるべきなのである。
コメント
ご指摘の懸案の中でも特にテロ侵入リスクと健康被害訴訟リスクが心配なので、絶対にやめるべきで反対ですね。
人員の確保は難しいのでしょうけど「金=危険手当」を大幅に増加するしかないんじゃないかな?(非常に安易で人名軽視ですが他に術はないと考えます)
20年以上前に原発で働いてきた人が取引先に転職したんですが、やっぱり「金は稼げるが被曝が怖いから」と言っていました。
廃炉・撤去に30年かかるのですから、危険な撤去作業で使うロボットアームやロボット搬送車のさらなる高度化に、国が責任を持って予算を拡大すべきじゃないでしょうか。
現在どれくらいの予算なのか知りませんが、研究者が長期的に安心して開発に取り組める体制を国がちゃんと保証すべき。
今は日立・三菱・東芝などの大手メーカーが主体のようですが、こういう技術こそ中小企業のノウハウを基にした発明で画期的新製品が生まれるチャンスじゃないかな?
資金的に体力のない中小企業に優先的に研究開発費を援助する事で、廃炉・撤去作業に光明が射す可能性は十分あると思います。
そして、そのイノベーションは世界市場でも通用するはずですから、将来的に輸出だって可能になるでしょう。
もっとも、そういう潜在的な優れた技術を目利きする技術官僚がいるかも問題ですし、今後のリクルートには「オタク系」でもいいから一分野に秀でた人材を登用する必要もあると考えますね。
大胆な政治の決断なくしては事は進みません、安倍ちゃんは「国が進めてきたエネルギー政策、それを安全かつ速やかに対処する責任は当然国にある。」とはっきり認め謝罪し、「だから必要不可欠な予算を大胆に使わせて頂く、国民の皆さんは国家100年の大計とご理解頂き支持願いたい!!」と表明して欲しいもんです。
テロの方は水際で止められる可能性はありますが、健康被害訴訟の方はかなり大きな問題になる可能性があります。
外国の方の動向はトレース出来ませんから、何年も、何十年も先に訴訟が起こされると、本当に大変です。
ただでさえ、カネミ油症事件や足尾銅山などの公害に関する訴訟は今も起こされている状況です。日本国内ですら、こうなのですから海外の方が訴訟を起こされる場合には、多くの人々は救済されるべき人かも知れませんが、そうでは無い方々も招いてしまう可能性があります。
政治判断で進めて欲しいものです。
こんばんは。これロングスパンで考えたら木霊様が正しいと思います!
だって今の徴用工みたいな訴訟騒ぎが数十年後に起きるに決まってる。
その時にキムチがそうなように、追跡できない医学的なデーターもない訴訟人を取り扱わざる得ないです。
根拠に欠ける!と応じないと、キムチのように「人権」を縦に攻めてくるに決まってる。災難が解りきってる!
それに現場のノウハウというものは企業で蓄積して継承してゆくもので、
原則的に「移民ではない」と政府が主張しておる以上、彼ら外人労働者は
いずれは自国に戻るのが原則ですね。
ならノウハウは蓄積しない!
さらに面倒なのは、廃炉や除染作業員の外人が「素直」に帰らない場合、国内で騒ぐ可能性があります。
大袈裟かと思うかも知れませんが……
先日、30代半ば~後半くらいのカンボジア人客を揉んだのですよ。
やけに日本国が達者(助詞の使い方まで完璧)だと思うと、
「日本国しか話せないもん!」
で話に詰まりましたね。カンボジアに自衛隊や文民警官を派遣した90年代を知る者としては。
明らかに幼い時に内乱で逃げてきた人の家族ですわね。で、「難民」として認知されていないから、帰化できない「カンボジア人」なのでしょう??
除染作業員などに外人労働者を雇い、それが嫌な話だけど不法移民的に居座るた場合、そのルサンチマンで「健康被害」を告発してくる可能性がある。
我々、日本人も後味が悪い弱味があり、その健康被害の根拠としての医学的データを求めにくい。
これ、長期的に見てヤバいと思うです。あ、最後に暖かな日和ですので
「変化」いたしました。
あれ、前に変化していたかな?
すみません、多忙で忘れました。
性悪説で考えると、色々な方々から批判を受けるわけですが……。
しかし、リスクを考えない政策と言うのはやっぱり不味いと思うのですよ。
今回は、どちらかというと想定の多い内容になってしまいましたので、「そうはならない」という可能性もありますが、そうなったときにどうすべきかは、やっぱり考えておかねば鳴りません。
お名前が変化されたのですね。
また宜しくお願いします。