トルコ、F-35の代わりにロシアから戦闘機を購入?

アジアニュース

さらに拗れそうだね。

トルコ、米国がF35供給中止ならロシア製戦闘機購入示唆

2019年4月11日 / 09:00

トルコと米国の間で武器購入を巡る駆け引きが続いている。トルコ政府は10日、米国が地対空ミサイルシステム「パトリオット」と最新鋭ステルス戦闘機F35を売却できないなら、ロシア製の戦闘機購入やミサイルの追加調達に動く可能性があると警告した。

「ロイター」より

この話はちょっと前にも関連の話を取り上げていた。

トルコがロシア製迎撃ミサイルのS-400を買おうとしていたので、別に欲しがっているF-35の部品を売らないぜ、というみみっちい事を言い出したのだ。

いや、色々理由はあるのだろうし、このブログでも色々ご指摘を頂いた。だから、「みみっちい」というのが正しくないことは理解しているのだけれど。

ともあれ、トルコはこのアメリカの方針に対して、反発しているというのが冒頭の記事である。

ただトルコ側に譲歩の気配は見えず、エルドアン氏はS400の納入が7月から前倒しされてもおかしくないと述べた、とサバハ紙が10日報じた。

エルドアン氏はロシアから帰国する機内で記者団に「(S400の購入を断念するよう求められているが)これは決定事項だと答えている。S400の納入は7月になる。おそらく前倒しされる可能性もある」と述べた。

よっぽどトルコはロシアのS-400が欲しかったのだろうね。……冗談だけど。

またチャブシオール外相は地元テレビで、S400購入はもう決まった話だと繰り返した上で「米国が売りたいというなら、パトリオットは買う。しかし米国が売りたくないのであれば、より多くのS400か、別のシステムを購入するかもしれない」と発言。さらにF35の供給が受けられなければ、トルコとして必要な戦闘機を別に調達するまでで、ロシア製のSU34やSU57などが候補になるとの見方を示した。

なるほど。

トルコのエネルギーはロシアから

トルコとロシアのアブナイ関係

トルコとロシアとの関係だが、露土戦争と呼ばれる争いを16世紀からずっと繰り返してきている。一番最近の露土戦争は1914年~1918年で、第一次世界大戦でも敵対関係となって争った。

第二次世界大戦後もトルコはNATOに加盟したのでソ連と対立することになったのだが、その後、ロシアからのパイプラインを引いてもらって天然ガスを輸入されるような形になった。

ロシアとトルコなぜ蜜月 「一触即発」からわずか3年

2018年12月13日18時05分

トルコとロシアが関係を深めている。11月には両国を結ぶガスパイプラインの海底工事が完了。シリア内戦でも歩調をそろえる。2015年11月のトルコ軍によるロシア戦闘機撃墜事件で険悪化していた両国が、互いの戦略を支え合うようになったのはなぜか。

「朝日新聞」より

ただし、ここにもある様にトルコがロシア軍機を撃ち落とすといった恐ろしい事態に発展したことも。

トルコがロシア軍機撃墜、プーチン氏「重大な影響」警告

2015年11月24日 / 17:48

[アンカラ/モスクワ 24日 ロイター] – トルコは24日、度重なる警告にもかかわらず領空を侵犯したとして、シリア国境付近でロシアの軍用機を撃墜した。

「ロイター」より

この事件が報じられたときには戦争に発展するのでは無いか?という懸念も示されていたが、結果から言うとそういう事態にはならなかった。

それどころか、数年後にはロシアからトルコにパイプラインが作られ、天然ガスを輸入するような事態に。

ただ、それを乗り越えたのは、皮肉にもシリア内戦だったと、朝日新聞の記事は分析している。パイプラインの計画はそれ以前からあったので、妥当な分析だとは思うが。

 それを劇的に転換させたのは、シリア内戦をめぐる歩み寄りだ。国連主導の協議が停滞するのを横目にアサド政権を支援するロシアとイラン、反体制派を支えるトルコが両者の和平協議を主導。異なる戦闘勢力への影響力を背景に一定の停戦を実現させ、過激派組織「イスラム国」(IS)に対する掃討作戦が進んだ。

確かに、シリア内戦でトルコの果たした役割は多かったと言われるから、事態収拾に向けて動くことで、両国の関係が改善に向かったという解釈は分かる。ただ、トルコがそんなタマなのか?と言われるとなかなか。

そして、ロシアの迎撃ミサイルS-400は優れた兵器だとは言われているが、そういった評価で今回の決断をした訳では無いだろう。

完全に政治的な思惑での動きなのだが、トルコはヨーロッパにもアメリカにもあまり期待していないのだろうね。

コメント

  1. 匿名 より:

    別ネタですみませんが、米韓首脳会談が実質2分で終了。
    言うなよ、言うなよって言われていた事を言っちゃた。

    • 木霊 より:

      いやー、楽しい話になりましたね。
      しかし、追記しましたがアレで支持率上がっちゃうというのが何とも。

  2. まり より:

    2分はさすがに嘘でしょww
    ほんとなら、ギネスに申請してあげたらいいよwww
    電話かメールで済ませば良かったのにwwwwwww

    • 木霊 より:

      一体何をお話ししたのやら。
      文 「本日はお招き頂き……」 → 翻訳
      トラ 「よろしく」
      文 「ところで、北朝鮮の……」 → 翻訳
      トラ 「それ、アメリカは北朝鮮と直接話するから」
      こんなところで2分でしょうかね。もはや、何を話したか気になるレベルですが、オフレコなんでしょうね。

  3. kujira より:

     前回も書いたとおり、パトリオットとF-35、S-400とSU35の抱き合わせ販売合戦が今後も続くのでしょう。
     予備知識としては、米国も賛同するアラブ版NATO(要はイラン包囲網)の中心となるはずエジプトは、逆にSU35を買うと決めており、米国はこれに対する制裁を強く主張しており、雲行きが怪しくなり始めています。
     また、ロシアと欧州のパイプラインですが、ドイツのノルドストリーム2もトルコの新パイプラインもいずれも、日本の住友鋼管が工事を請け負っています。今後、原発も含めた日本の電力問題を考えた場合に、ロシア極東と北海道を結ぶパイプラインも、かなり現実的選択肢だと個人的には思っています。
     

    • 木霊 より:

      Su-35はかっこいいですよね!アビオニクスはしょんぼりな性能だとは言われていますが、しかし、戦闘機の真価はやっぱり外見……え?そういう話じゃない?
      失礼しました。

      さておき、トルコやエジプトが選択肢としてSu-35を挙げているというのは、アメリカとしては由々しき事態だとは思います。
      コストユニットが安いというのもSu-35のウリでしょうから、F-35Aを買うまでも無いという話はよく分かりますよ。アメリカはその点を覆し得ないので、完全に囲い込みをするしか無いのでしょう。

      しかし、そうした事とエネルギーを他国に依存するというのはちょっと違う話かと。
      特にロシアは、個人的には信用できないんですよね。国益を考えて判断すべきナノでしょうけれど。

  4. 暇人 より:

     トルコにしてみればISを掃討した以上、次の問題はシリア内戦とクルド人問題。特にクルド人問題では人権問題は避けて通れず、そうなると何かと人権問題にうるさい欧米とは距離を置かざるを得ない、ヘタに対応していたら欧米側から経済制裁を行われる可能性大なので、中露に接近、という戦略なんでしょうか?
     米国からだと、IS掃討後、早々に米軍撤退を決め、トルコに対し「好きにしていい」と言ってやっているにもかかわらず、S-400を買うとは何事か! だったらF-35も売ってやらん、と言いたいのかもしれませんが。
     しかしトルコ軍の装備を見ると、F-16、F-4等西側の装備ばかりで、今からロシア製を使うのは難しいと思いますけどね。

  5. マスメディア反乱軍 より:

    木霊さん、おはようございます。

    >ただ、トルコがそんなタマなのか?と言われるとなかなか。
    >完全に政治的な思惑での動きなのだが、トルコはヨーロッパにもアメリカにもあまり期待していないのだろうね。

    アメリカとしてはNATO参加国でありながら「全方位外交」で、したたかに立ち回るエルドアン大統領が邪魔なんじゃないでしょうか。
    欧米とは一定の距離を置きながらロシア・支那と関係強化に動いている訳ですから。

    国家間に利害関係が存在するのは当然なんですが、トルコは仇敵イスラエルやイランとも関係改善に動いたり、つい最近はロシア機撃墜事件で緊張したロシアとも(元々シリア空爆などで反露のはず)、この件で関係改善を図っているくらいですからね。
    また、イラク戦争での反米感情は残っているでしょうし、エルドアン大統領はそんな国民感情を強権化に利用している。(去年のリラ暴落までアメリカを悪者に仕立て、したたかに失政隠しに利用)
    NATO加盟国でありながら欧州の事も完全には信用していないようですが、EUの支援やビザなし訪欧と引き換えとはいえ、シリア難民の最大の受け入れ国(250万人)なのに歴史的因縁・感情が強く残っているのでしょうか?(民族差別されているという感情があるのか)

    つまり、トルコの「全方位外交」とは片手に強力な軍事力を持ち、「いつでもちゃぶ台返し」する油断大敵な国とチラつかせるのを自覚した上で、その為には仇敵なんかとの強弱をつけた外交をやれる、ある意味大胆不敵な民族なんでしょうかね。
    エルドアン大統領はその典型なんでしょうが、政敵も多く政権は決して安定している訳ではないので、こういう危ない火遊びが度を超すとヤバいんじゃないかなァ~。

    今回のF-35の問題もS-400導入前倒し→ロシア製戦闘爆撃機検討と、平気の平左でアメリカを挑発していますが、ロシアとの関係を強調しながら経済では支那とも手を結ぶつもり満々って感じです。
    地政学的&歴史的に世界で最も重要な位置にあるから、こんな強気でしたたかな戦略が可能なんでしょうけどね。

    「全方位」の相手国を手玉に取る戦略と考えれば、表面的な商売の損得ではなく常に刺激と緊張感を与えて揺さぶる...、ある意味トランプ大統領のチンケなビジネス能力なんぞ尻の青いガキ扱いかも?
    要するに単純な貿易戦争でもなければバーター商売の駆け引きでもなく、軍事的な性能の優劣で兵器を選ぶつもりもなく、シンプルに「政権強化目的の外交戦略」の一部と僕は考えています。

    ただ、自己保身目的=強権化が露わなエルドアン大統領は、いくらなんでもやり過ぎだと思う、マジで。

  6. マスメディア反乱軍 より:

    また、記事の趣旨とは離れた話で失礼します。

    空自の訓練中F-35の事故には衝撃が走りました、何とか搭乗員の救出を願うばかりですが悲観的な状況なのが残念で、ご家族の心中を察すると心が痛みます。

    事故原因の究明にはベテランパイロットが、「訓練中止」を発信した直後から交信が途絶えていますから、FDRが回収されなければどんな状況だったのか知るのは難しそう。

    昨年のAH-62D(アパッチ・ロングボウ)の痛ましい事故もそうですが、最新鋭の兵器には高度で過酷な役割が要求される為、その分リスクも増加されるのが宿命なのでしょうか?
    F-35の特徴は優れたデーターリンクのはずなのに、パイロットは墜落時点での情報を発信できなかったし脱出も不可能だった...、極限のGが掛かる戦闘機ですから既に気絶状態だったのかもですね。

    僕は狂った野党やメディアの「F-35増強への攻撃材料」という愚かな政争の道具してはならない、自衛隊員の心情を思うと心からそう願っています。
    でないと、全ての貴重な自衛隊員の命、そしてご家族の想いに国民としてちゃんと報いる事はできない...、全ての国民が自覚を持って責任感を持つべきでしょう。