消費税の増税は断行されるのか

政策

さてさて、政界経済の先行きが怪しくなってきた昨今、「多分4月頃には」という噂も囁かれていたが、消費税増税の凍結は行われるだろうか。

消費税増税中止運動の弾みに

2019年3月13日(水)

 安倍晋三政権が10月からの消費税の10%への増税にあくまで固執する中、きょう13日を中心に各地で、「重税反対全国統一行動」(同実行委員会主催)が行われます。

 この行動は、「納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則」(国税通則法16条)とする「申告納税制度」を踏みにじる重税押し付けに抵抗し、全国の商工業者や農民などが「自分の税金は自分で計算して申告しよう」と始めた集団申告を引き継いだものです。各地の行動を成功させ、消費税増税中止運動などの弾みにしましょう。

「しんぶん赤旗」より

赤旗がこんな感じで怪気炎をあげていたのだけれど、何というかこれも政局臭い動きだな、と思う。

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赤旗の主張だが、筋は悪くない

景気の鈍化が囁かれている中でも、消費税を上げるのか?というセンテンスは分かりやすいと言えば分かり易い。

 とりわけ深刻な消費不況の下で安倍政権が強行しようとしている消費税の増税には、全国の労働者や中小業者、消費者だけでなく、企業経営者、知識人などからも強い懸念と批判の声が上がっています。共同通信が行った世論調査では、増税に「反対」が54・4%、「景気回復」を「実感していない」が84・5%(「東京」11日付など)を占めています。

「しんぶん赤旗」より

単純すぎる話だけどね。

ただ、日銀も景気の動向には慎重な姿勢を見せている。

日銀会合注目点:景気判断の下方修正、景気後退の可能性、緩和手段

2019年3月15日 6:00 JST

日本銀行は15日の金融政策決定会合後に政策運営方針を発表する。金融政策は現状維持が見込まれており、世界経済の先行き不透明感が強まる中、景気判断を下方修正するかどうかが焦点となる。日本経済は景気後退局面に突入したのか、日銀に有効な追加緩和手段は残されているのか、黒田東彦総裁が示す見解に関心が集まる。

「Bloomberg」より

景気の後退局面に入った可能性が高い、という話が出ているのだけれど、庶民の実感としては、赤旗に書かれるように景気が上がっている感じはしない。

ただ、民主党政権下のような息苦しいまでの景気不安があるかというと、それは無いわけで。調子が良いところもあるのだ。

海外の経済不安要素

アメリカの経済動向

別の記事でも書いたが、海外の状況もかなり悪い。

1つはアメリカの景気の話だ。

景気の先行きに黄信号 アメリカで「カナリア」が知らせる「危険」の予兆 2019年の世界経済は?

2019年1月6日 日曜 午前11:30

3月には、アメリカの中国に対する新たな関税の猶予期限が切れるほか、イギリスがEUを離脱することになっていて、世界貿易が混乱すれば企業業績に打撃となる。

「FNN PRIME」より

アメリカの景気に関しては、鈍化が目立つという論調と、未だしばらくは平気だという論調がある。

米 雇用統計 就業者数 市場予想大幅下回る

3月8日(金)

アメリカの2月の雇用統計は、景気動向に敏感な非農業部門の雇用者数の伸びが2万人で、市場予想の18万人を大幅に下回る結果でした。非農業部門の雇用者数は、1月は30万人台と大幅に伸びたため、2月の鈍化は予想されていましたが、それを遥かに下回る数字となりました。

「TV Tokyo」より

アメリカの雇用統計の話は結構な不安要素だと思う。

支那の経済不安

ただ、アメリカと支那との貿易戦争の影響はかなりインパクトの大きなものになる可能性が高い。

株価 小幅な値下がり 中国の景気減速懸念で売り注文

2019年3月14日 15時44分

14日の東京株式市場、株価は小幅に値下がりしました。中国で発表された工業生産の伸び率が予測を下回ったことなどから、売り注文が出ました。

「NHKニュース」より:リンク切れ

支那の景気は、「破綻する」と言われ続けているが、今のところ小康状態を保っているように見える。ただ、アメリカが切った期限を迎え、この状態がどう変わるかはハッキリしない。悪化するリスクは当然ある。

アメリカの景気に続いて支那の景気もかなりヤバイ。

韓国のどん底経済

これに一番引き摺られるのが韓国なのだが、韓国で相当悲痛な声が上がっていることを考えると、日本も他人事では無い。

「韓国経済が逆風に直面」IMFが異例の強い警告=韓国ネットから不安の声

2019年3月14日 05:40

12日、韓国・JTBCによると、国際通貨基金(IMF)が「韓国経済に逆風が吹く恐れがある」とし、最低でも9兆ウォン規模の追加予算を組むよう警告した。記事は「IMFがここまで直接的に言及するのはかなり異例のこと」と伝えている。写真はソウル。(Record China)

2019年3月12日、韓国・JTBCによると、国際通貨基金(IMF)が「韓国経済に逆風が吹く恐れがある」とし、最低でも9兆ウォン(約9000億円)規模の追加予算を組むよう警告した。記事は「IMFがここまで直接的に言及するのはかなり異例のこと」と伝えている。

「レコードチャイナ」より

ムン君が大統領に就任してからこっち、相当状況が悪いとは伝えられている。が、ここへ来て更に拍車がかかっている状況で、その影響を与えているのがアメリカと支那だ。

今や韓国は支那との貿易額がトップになっていて、支那の経済が萎めば、真っ先にダメージを受ける国の筆頭である。そして、次点でアメリカとの貿易が来るので、両国の影響は甚大なのだ。

ブレグジットが不安なイギリス

さて、世界的影響を考えれば、もう一つ分かり易いのがブレグジットの影響である。ソレについても以前言及しているので、詳しくはやらないが、首相のメイ氏は更に苦境に立たされている。

イギリス下院がEU離脱延期を議決 先の見えぬブレグジット、来週離脱案を再採決

2019年3月15日(金)09時38分

英下院は14日、今月29日に迫っていた欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)期日の延期を賛成412、反対202の賛成多数で議決した。メイ首相は来週再び離脱協提案を議会採決にかける予定。

「newsweek」より

もはやメチャクチャになっているイギリスだが、これが経済に大きな影響を与える可能性は高い。

むしろヤバイのはドイツ掲載

しかし、EU経済の混迷はイギリスの影響よりも寧ろドイツの方が影響が強い。

IFO、2019年のドイツ成長率見通しを0.6%に下方修正

2019年3月14日 / 19:3

[ベルリン 14日 ロイター] – ドイツのIFO経済研究所は14日、2019年のドイツ経済の成長率見通しを1.1%から0.6%に引き下げた。工業製品に対する外需の鈍化を理由に挙げた。

「REUTERS」より

ドイツさんもダイブ苦しんでいるみたいだね。

ドイツの経済は支那に依存する部分が大きいこともあって、ここも景気が向上する目処は立たないだろうと思われる。

つまり、今年の10月頃に消費税をアップするというのは、世界情勢をみてもかなり危ない橋を渡らねばならないと言う事になってしまっている。

増税しました、世界経済が鈍化しました、日本の景気も悪化しました、だと、安倍政権は転覆必至である。

意味不明なポイント還元政策

巷ではポイント還元とか意味の分からない政策に振り回されるような感じになっているが、アレもバカバカしい話。

ポイント還元 大手カードも検討 10月消費税UPで

2019年3月14日 木曜 午後0:40

消費税率の引き上げに合わせ政府が実施するキャッシュレス決済のポイント還元策に、スマートフォン決済業者に加え、大手カード会社なども参加を検討していることがわかった。

政府は、10月に予定している増税後に消費の落ち込みを防ぐため、中小の小売店などでキャッシュレス決済した場合、消費者に買い物代金の5%分をポイントなどで還元する対策を実施する。

「FNN PRIME」より

たかだか1年間のポイント還元政策のためにカード会社も巻き込まれて、その見返りとしてキャッシュレス決済の促進という鼻薬を嗅がされている感じだが、こんなの進められてもねぇ。

 だいたい「対策」として持ち出した複数税率やキャッシュレス決済の「ポイント還元」は、買うもの、買う場所、買う方法によって、消費税の税率が10%、8%、6%、5%、3%と5通りにもなり、消費者も業者も、大混乱は必至です。「プレミアム付き」商品券の発行は、現金で買う分を商品券で買うだけで、消費拡大の効果はないと指摘されています。

「しんぶん赤旗」より

その辺りも赤旗が突っ込みを入れているんだね。

筋の悪い軽減税率導入

ところが、不思議な事に赤旗は軽減税率の批判はしていない。

消費税の軽減税率制度 全国各税務署にて説明会を開催

2019.03.04

消費税の増税は2014年4月以来、5年6か月ぶり。今回は単に税率がアップするだけでなく、生活への影響を考え「軽減税率制度」が設けられている。軽減税率の対象となる品目は「酒類や外食を除く飲食料品」および「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」となっており、全ての事業者は制度実施前の準備が必要となる。東京都内では、3月以降も9月25日まで説明会を各税務署にて随時開催しており、無料で受講可能だ。中には事前登録が必要な会場もあるため、開催日程一覧表を確認の上、受講してほしい。


「kaikeiZine」より

税制の構造を複雑化させる軽減税率は説明会を開催してまで導入しようとしているが、手続が煩雑になるだけで入れる意味がよく分からない。

個人的は意見を言わせてもらえば、そもそも消費税の導入の動機は税制構造の是正だったハズなのだ。所得税を減らす代わりに消費税を増やしてバランスを変えていくという話。将来的には税率を上げるのもやむなしとは考えているけれどね。

なぜ、所得税や法人税ではなく、消費税の引き上げを行うのでしょうか

【答】

今後、少子高齢化により、現役世代が急なスピードで減っていく一方で、高齢者は増えていきます。社会保険料など、現役世代の負担が既に年々高まりつつある中で、社会保障財源のために所得税や法人税の引上げを行えば、一層現役世代に負担が集中することとなります。特定の者に負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担する消費税が、高齢化社会における社会保障の財源にふさわしいと考えられます。


「財務省サイト」より

ところが、現在は「所得税や法人税の税率は変えない」「消費税を増やすよ!」という話になっている。

そこがよく分からない。税制構造を変えるために消費税を上げるという事は、僕自身は「あり」だと思っている。でも、現役世代の税負担を増やして景気を悪化させるというのはあまりに愚策だ。

先送りされるインボイス政策

それでも、インボイスの導入があれば今回の増税もやむなし、とその様に思っていたのだが、これもまた先送りである。

そのうえ4年後から仕入れにかかった税額を取引先に通知する「インボイス」が実施されれば、零細な免税業者も取引からの排除を恐れて課税業者に登録し、身銭を切ってでも消費税を払うことを迫られます。安倍政権はそうして取り立てた税金を、財源不足にあてようという悪らつさです。

「しんぶん赤旗」より

赤旗はインボイスの導入に反対しているが、軽減税率導入するのであれば最低限インボイス制度を導入しないことには、中身がクリアにならない。

消費税未納はどうなる?

ただでさえ、消費税の未納問題は深刻な話になっている。

実は消費税の徴税構造として、お店が消費税を受け取ったときには「預かり金」という扱いになり、時期がこれば一括で納税する必要があるのだが、これを滞納しちゃう中小企業が多いのである。

古いデータで申し訳無いが、2015年の滞納新規発生額は6871億円といわれ、そのうちの4396億円が消費税の滞納である。

国税の滞納残高が29年振りに1兆円下回る 新規滞納額は6871億円

2016.08.17

今年3月までの1年間に、国税が納期限までに納付されず、督促状が発付され滞納となった新規滞納額は、国税当局による期限内納付に関する広報周知活動や納期限前後に電話や税務署での納付指導の実施など滞納の未然防止が図られたものの、前年度より958億円増えて6871億円と3年連続増加した。過去最高だった平成4年度の1兆8903億円と比べれば3分1程度だが、アベノミクスによる景気回復の波が社会全体には行き届いていない状況も見え隠れする。

「kaikeizine」より

滞納額に関してはゼロにすることは難しいと思うのだけれど、システムを改善する事で滞納額を減らす事ができればその分税収は上がるんだけど。

インボイス制度を整備しないと、軽減税率を導入して更に複雑化した消費税に関する滞納額はさらに増える可能性があり、滞納しているということを補足することも困難になる可能性がある。

消費税増税のタイミングを遅らせませんか?

増税のタイミングが悪くないですか?

増税するにあたって必要な制度の準備ができていないんじゃ無いですか?

そもそも欧州で撤退が論じられている軽減税率の導入に関する議論はしっかりされているのですか?

色々考えても、増税は今やるべきなの?という疑問が尽きない。もう、止めようぜ。ほら、天皇陛下のご譲位が行われるめでたい年だってことで、凍結しよ。恩赦みたいなノリでどうっすか??

まあ、理屈づけは何でも良いんだけど、今は止めようぜ、消費税の増税は。

コメント

  1. 読者A より:

    Annex to a houseサイトで日々勉強させて頂いております。
    コメントテストに協力すべく初めて投稿させて頂きます。

    ご譲位が行われるめでたい年で消費税増税の凍結は良いですね。
    というのも、来月から新元号への対応で現場の混乱は必至。
    その後に消費税増税と、現場からしてみれば混乱の1年となりそうですから。

    InternetExplorer11(Windows7)より投稿。
    「.site」のドメイン更新費用が少々お高いのが気になっています。
    長く続けて欲しいと思っておりますから。
    これからも木霊様の鋭い突っ込みを楽しみにしております。

    • 木霊 より:

      コメントテストにご協力頂きありがとうございます。
      引っ越しが順調にできれば良いのですが、なかなか手を焼いています。そして、コメントを付けるにあたって、問題があるかどうかのチェックというのはなかなか自分一人でやるのが難しいところがありますので、感謝します。

      消費税増税については様々な問題が想像されますが、素人が考えつくだけでもかなり大きな問題があると思います。
      正直、消費税を上げることそのものよりも、周辺の環境整備が出来ていないことに懸念をしています。
      案外、スタートしてみれば何とかなるものかも知れませんが、税制は複雑になれば鳴るほど問題を抱えやすいものですから、そういう意味でももっと整理して欲しいですね。