日本とベトナムの軍事的な交流を深める

防衛政策

ちょっとしたニュースではあるが、日本が防衛に関してできないことが多いなりに頑張っているなと感じる。

日本とベトナム、防衛交流を強化=海自艦が寄港、軍首脳も訪日

2019.03.06

【ハノイ時事】日本とベトナムが、防衛・安全保障分野の交流を強化している。海上自衛隊の「せとゆき」など練習艦2隻が6日、ベトナム中部ダナンに入港し、歓迎式典が行われた。一方、同国人民軍首脳がこのほど訪日し、岩屋毅防衛相らと両国の連携を確認した。

「時事通信」より

このニュースでは、最近評判の悪い防衛大臣がベトナムの人民軍の首脳と会った、というだけなんだけど、なかなか深いニュースだと思う。

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セキュリティダイヤモンド構想

安倍氏が掲げているセキュリティダイヤモンド構想というヤツがある。

日本、アメリカ(ハワイ)、オーストラリア、インドで防衛協力をすることで、インド洋と太平洋における貿易ルートにおける法の支配を守るように支那に対して圧力をかける設計になっていて、重要な外交・安全保障政策である。

ここにはベトナムが含まれてはいないが、防衛協力をするにあたって、その中枢にある南シナ海を支那に牛耳られてしまうと、セキュリティダイヤモンド構想の意味が薄れてしまう。だからこそ、ベトナムやフィリピン、インドネシア辺りは取りこぼせない重要な国となる。もちろん、このブログでは台湾にも言及しているが、この構想には台湾の存在も欠かせない。

ヘリコプター空母「いずも」

結局のところ、日本にとっては支那の台頭が国益を損なうから、これらの国々と手を結んで支那に対抗しようと、そういう風に考えているのである。

ある意味、八紘一宇の考えを引き継いでいっているといっても良い。

ベトナムはTPP11にも加わっている

経済は外交に大きく関係しているので、当然ながら外交の一態様である防衛戦略にも大きく関わる。

TPP11について | TPP等政府対策本部

そして、日本が主導して発行したTPP11にはベトナムが加わっている。

TPP11、日欧EPAで米国 対日輸出 乳製品 半減を予測 貿易交渉 加速を訴え 酪農輸出団体が分析

2019年02月18日

米国抜きの環太平洋連携協定(TPP11)と日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)によって、2027年までに米国乳製品の対日輸出が半減し、最終的に累計54億ドル(約5900億円)の損失が出るとする報告書を米国の酪農団体が公表した。日米貿易協定交渉で他の協定と「同程度」の成果が必要としており、日本市場の開放を目指し焦りを募らせる米国側の姿勢が改めて浮き彫りとなった。

「日本農業新聞」より

このTPP11は、あまり良いニュースは流されないけれども、実はアメリカに対してもかなり強力な件勢力を発揮する政策である。

こうした内容に基づき、米国乳製品の対日輸出は、22年までの5年間で従来の予測よりも9000万ドル(約99億円)、19%落ちると分析した。

「日本農業新聞」より

良くも悪くも、外交カードの少ない日本にとって、このカードを手に入れたことは安倍政権の功績だと言って良い。

そして、その席にベトナムが加わっているということは、経済圏に含めると同時に、防衛的にも影響力を及ぼす結果になる。

ベトナムに供与した巡視船の意味

さて、少し過去の記事になるがこちらを紹介しておきたい。

有意義に活用されていたフィリピン沿岸警備隊に供与の巡視船
vol.394 22 March 2017
1月26日、マニラ市西部のポートエリアにあるフィリピン沿岸警備隊(PCG)本部に行くと、両舷に「4402」と船番号が書かれたピカピカの船が桟橋に横づけになっていた。

「独立行政法人 国際協力機構」のサイトより

自衛隊装備、初の無償供与 フィリピンにヘリ部品と航空機=関係者

2017年8月10日 / 18:23

日本政府がフィリピン軍に対し、自衛隊のヘリコプター部品と、中古の航空機を今年度中に無償で引き渡す調整に入った。自衛隊の中古装備を外国軍に無償供与する初の案件になる見通し。中国がフィリピン軍に武器を供与するなどし、影響力を強めつつあることをけん制したい考え。

「ロイター」より

これらはフィリピンの記事なので、ベトナムと直接関係がないのだが、フィリピンと同じ様なことをベトナムにもしようとしていた記事がこちら。

大型巡視船提供を表明 ベトナム首相と会談

会員限定有料記事 毎日新聞2017年1月16日 23時18分(最終更新 1月17日 00時48分)

 【ハノイ小田中大】安倍晋三首相は16日午後(日本時間同)、ベトナムのハノイでグエン・スアン・フック首相と会談した。安倍首相は中国の南シナ海進出を念頭に、新造大型巡視船6隻を提供すると表明。下水道や塩害対策のインフラ整備なども含めて総額約1174億3900万円の円借款を供与する方針を伝えた。

「毎日新聞」より

このやり方はアメリカも真似ている。いや、寧ろ日本の方が真似なのかな。

米政府、巡視船6隻を海上警察に引き渡し、計12隻に

2018/04/02 16:15 JST配信

在ベトナム米国大使館の発表によると、米政府は28日、巡視船「メタルシャーク」6隻をベトナム南部の南シナ海を管轄する第4区海上警察に引き渡した。巡視船はベトナム近海での犯罪取り締まりなどに使用される。

ベトナムニュース「VIETJO」より

既にできている船を渡したのがアメリカ。じゃあ、日本は?というとこちら。

政策評価法に基づく事前評価書

平成29年6月7日

~~略~~

本計画は,ベトナム海上警察が運用する巡視船6隻を整備することにより,ベトナムの領海等における海難救助や海上法執行等,ベトナム海上警察が海上保安活動を適切に実施するための能力向上を図り,もって同国のガバナンス強化に寄与するもの。

「外務省サイト」より

ODAを利用して、ベトナムに船を建造させようという話になった。

なお、中古船も供与はしている。

日本がベトナムに中古巡視船を供与 1隻目が到着_中国網_日本語
日本政府がベトナムに無償供与する1隻の中古巡視船が、このほどベトナム中部のダナン港に到着し、ベトナム沿岸警備隊に引き渡された…
供与された巡視船「昇鶴」

こうした地道な活動はあまり積極的には報じられないが、日本の防衛戦略を考える上では極めて重要な話ではある。

定期的にポツポツとしかニュースは出てこないけれども、できるだけ追いかけていきたい。

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