支那がロシアを「買って応援」する

支那

何を、って、原油である。

中国のロシア産原油輸入 7か月連続で増 ロシア経済を下支えか

2022年11月20日 18時42分

中国が先月、ロシアから輸入した原油の量は去年の同じ月を16%余り上回って、7か月連続の増加となり、ロシアによるウクライナ侵攻後も中国とロシアの間では活発な貿易が続いています。

NHKニュースより

世界の多くの国、といっても西側諸国と呼ばれる国々なので、数十カ国程度の話ではあるが、ロシアからの原油輸入を止めている。そんな中で、支那はロシア産の原油を沢山買っているらしい。

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支那依存を深めるロシア

対露経済制裁

ロシアが戦争を始めたことによって、西側諸国は過激に反応をした。

対ロ追加制裁と原油価格下落がロシア経済・財政に打撃:ウクライナ侵攻も新たな局面か

2022/10/05

ロシアがウクライナ東・南部4州の一方的な併合宣言を行ったことを受け、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)への加盟を申請する考えを表明し、ロシアとの徹底抗戦の姿勢を改めて明確にしている。ウクライナのNATO加盟を認めれば、NATO加盟国は集団的自衛権に基づいてウクライナでの紛争に直接関与することになるため、NATO加盟国はウクライナの加盟を認めず、引き続きウクライナへの軍事支援を行うとみられる。

他方、一方的な併合宣言を受けて、欧米諸国は再び追加の対ロ制裁を発表している。米国の制裁措置は、議員や要人の資産凍結や金融取引の制限などが中心となる。

NRIより

ロシアへの経済制裁を決めたのである。

具体的には、アメリカとEU諸国、そしてそれに賛同する日本などの国が、原油の輸入を停止をする方向で動いている。とはいえ、ロシア産のエネルギー全てについて購入を見合わせると言うことはなかなか難しい。

コラム:欧州のロシア産軽油輸入停止、成否握るのは中国

2022年9月14日2:19 午後

欧州諸国が本気でロシア産の原油と石油精製品の輸入を来年初頭までに全面停止するならば、成否の鍵を握るのはアジアであり、より具体的に言えば中国だ。

欧州連合(EU)は5月、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁措置の一環として、海上輸送のロシア産原油の輸入を12月までに停止し、さらにその2カ月後に同精製品の輸入を止めることで合意した。

問題は軽油で、石油市場全体の供給量は欧州で発生しそうな不足の穴埋めに不十分だ。欧州はこれまでのところロシア産への依存を断ち切れないでいる。

ロイターより

天然ガスや軽油などは、簡単に購入するのを止められない欧州諸国である。経済制裁という強い言葉の裏を見ると、まだまだアラの多い話であるようだ。

ロシアを苦しめる原油安

ただ、欧米のこの決定が、ロシアを苦しめていないのか?というと、そうではない。

国際金融協会(IIF)によると、1-7月のロシア連邦予算のうち、石油・天然ガスの収入は歳入全体の約45%を占めていた。まさに財源面で財政を支える柱である。他方、政府データに基づくと、8月のロシア連邦財政収支は3,440億ルーブル程度の赤字になったと推定される。1-7月の月間平均収支は687億ルーブルの黒字、合計は約4,810億ルーブルの黒字であったことから、8月に財政環境は劇的に悪化したことになる。

ロシア政府は財政赤字の穴埋めのため、エネルギー業界への増税策を含む複数の措置の導入を決めた。また9月には、2月以来となる国債(国内債)の発行に踏み切った。6月までは、原油価格の上昇による原油・石油製品の輸出収入増加によって、ロシアの財政が支えられ、それが戦争の継続を可能にさせてきた。しかし、WTI原油先物価格が現在80ドル程度である一方、ロシア産原油はそれに対して20ドル程度安売りされていることを踏まえると、原油価格は既に、ロシアの財政収支を均衡させるのに必要な水準を下回っていると考えられる。

NRI「対ロ追加制裁と原油価格下落がロシア経済・財政に打撃:ウクライナ侵攻も新たな局面か」より

実際に、ロシア産の石油や天然ガスの価格は下落を続けていて、ロシアの経済の柱であった石油・天然ガスの価格下落によって、ロシア連邦財政収支は赤字に転落。

恐らく、年間でもトータルすると赤字になるのだろうと予想されている。

ロシアの輸出の主力がエネルギー産業で、その他鉱物資源や穀類などの輸出も行っているが、原油価格の変化に対して脆弱な経済構造となっている。

img

これは、ウクライナ侵攻前、2019年までのデータだが、2019年は前年に比べ、原油価格が低下したことが影響し、輸出が前年比-6%となった。貿易収支額は約1,800億ドルと前年比約15%の減少となっている。

最新のデータは無いが、2022年に原油取引に大きな変化があった事を考えれば、大きな打撃を受けたことは想像に難くない。

支那依存のロシア

更に経済構造として貿易に依存する割合が高く、その相手国は支那である。

ロシアの輸出相手国のシェアの推移
ロシアの輸入相手国のシェアの推移

輸入も輸出も支那に大きく依存する形になってきていることが分かる。

というわけで、冒頭のニュースのように支那が原油や天然ガスを買い支えすることで、ロシア経済にある程度の恩恵を与えている状況となっており、一方の支那は原油や天然ガスの価格が暴落していることでウハウハであると。

中国の税関総署が20日公表した統計によりますと、先月のロシアからの原油の輸入量は771万トンと去年の同じ月を16.1%上回りました。中国がロシアから輸入した原油の量が去年の同じ月を上回るのは7か月連続です。

また、先月のLNG=液化天然ガスのロシアからの輸入量も75万トンと、去年の同じ月を55%上回って、こちらも7か月連続の増加となりました。

NHKニュース「中国のロシア産原油輸入 7か月連続で増 ロシア経済を下支えか」より

ロシアは原油や天然ガスの投げ売りをせざるを得ない状況であるので、支那に対して良い感情を持っているとは言い難いのだが、他に頼れる国も無いという実情を考えると、文句も言えないのだろう。

中国が石油備蓄増強、米国の石油放出協調呼び掛け無視

2022年2月28日3:34 午後

米政府が石油価格沈静化のため備蓄放出の国際協調を呼び掛けているにもかかわらず、中国が今年、石油備蓄の買い増しを進めている。市場データや商社筋の話で明らかになった。

~~略~~

データ分析会社ケイロスのアウグスティン・プラテ氏は「中国の原油在庫は昨年11月半ば以降で約3000万バレル増えている」とし、このうち1000万バレルが精製所在庫、2000万バレルが商業ターミナルの在庫だと分析した。同社が人工衛星で中国の石油タンクを監視した結果、現在の推定原油在庫は9億5000万バレルという。石油在庫全体は米国の戦略石油備蓄に匹敵する規模になっている。

ロイターより

そして、支那国内備蓄をどんどん増やすと。

ロシア経済はそこまで落ち込んでいない?

とまあ、そんな状況もあって、ロシア経済が支那の下支えによってあまり落ち込まず、抜け道が多いので経済制裁が効いていないと言う人もいるには居る。

抜け道だらけ?ロシアへの「経済制裁」は本当に効いているのか

11/25(金) 10:01配信

ロシアへの経済制裁は必ずしも効果を上げていないようです。通貨ルーブルは急落しましたが、4月以降上昇に転じ、現在は侵攻前の水準に回復しています。ジャーナリストの田村秀男氏が著書『日本経済は再生できるか 「豊かな暮らし」を取り戻す最後の処方箋』(ワニブックスPLUS新書)で解説します。

yahooニュースより

この方、「ロシアは資源があるから大丈夫」という事らしい。抜け道も結構あるので、ダメージはそんなに無いという見立てらしいんだな。

ただ、僕自身はそうでないと考えている。

例えば、こんなニュースなどを見ると、国内経済がかなりマズイ状況を迎えていると考えられる。

焦点:ロシア、「教育・医療費」削って国防・治安予算を増額

2022年11月27日8:10 午前

ロシアは来年度予算の3分の1近くを国防と国内治安関連に費やす予定だ。ウクライナにおける軍事作戦の維持に資金を回すため、学校や病院、道路に割り当てられる予算は削減される。

ロイターの予算分析によると、ロシア政府は国防・治安関連に合計9兆4000億ルーブル(約21兆5000億円)を支出することになる。来年は2024年大統領選挙におけるプーチン氏の再選につながる重要な年だが、他の優先課題は圧迫される形だ。

ロシア連邦捜査委員会、検察庁、刑務所、ウクライナに派遣されている国家警備隊の活動を含む治安関連予算だけでも、2022年に比べて50%増加する。

ロイターより

国防費が足りないというのは分かるんだけど、教育と医療費を削るという発想はヤバい。国民生活に直結する予算を削減して軍事に回すとなると、短期決戦で決着が付けば良いのだが、現状はロシア軍が戦況を好転させられる材料が無いんだよね。

尤も、経済全体で見ると、そこまで大きな影響がないというニュースも出ている。

ロシア工業生産、予想ほど落ち込まず 軍服・兵器製造が押し上げ

2022年11月29日2:36 午前

ロシア連邦統計局(ロスタット)が発表した10月の工業生産は前年比2.6%減となった。予想の3.8%ほど減少しなかったほか、前月の3.1%減から改善。ウクライナでの軍事作戦に新たに動員された部隊の装備を整えるなど、政府が軍事支出を増加させていることが製造業活動を押し上げているとみられる。

ロシア経済は欧米の制裁措置、外国投資の流出、流通網の混乱などの影響で、今年は10%のマイナス成長に陥る可能性があるとの見方が出ていたが、これまでのところ予想ほどの影響は出ておらず、ロシア経済省は現在、今年のマイナス成長幅は2.9%にとどまるとの見方を示している。

ロイターより

軍事費に予算を注ぎ込んだお陰で、国内の工業生産は好調らしい。その結果、製造業活動が押し上げられているので、GDPがそこまで減らないという予測がでている。予想を出しているのがロシア経済省なので、あまりアテにならないが。

ただ、外国から部品を輸入しないと兵器を作る事もままならないというロシアの事情まで勘案すれば、現状の製造業の好調さは然程良い材料とは言えない。勝利に繋がる話にならないのだ。指揮官も随分と欠けているようだし。

プーチン氏の再選をかけた選挙は2024年に迎える。だから、ロシアとしては長期戦は望ましくない。

ロシアの外貨準備高は間もなく枯渇か=IMFデータ
国際通貨基金(IMF)のデータ上、ロシアの外貨準備が(公式ベースでは)900億ドル減ったことがわかりました。ただ、ロシアの違うデータに基づけば、2022年1月末時点のロシアの外貨準備については、すでに4000億ドル弱が凍結済みであり、ロシアが自由に使える部分は2000億ドル少々だったはずで、しかもこのうち1000億ドル...

これは新宿会計士さんの記事で、ロシアが「使える」外貨準備高の残りが心許ないという分析をされている。外貨がないと輸入がままならない事を考えると、ロシアにとっての「長期」とはどの程度か?ということも焦点にはなってくるだろう。

一方で、ウクライナは恐らく保たないだろうな。国際社会がウクライナを支え続けるのも、ちょっと疲れが見え始めていることを考えると、ウクライナにとって長期戦は不利だ。そうなってくると、ロシア経済の悪化を加速させるためには支那を締め上げることが重要なんだけど……、支那はロシアより更に世界経済に大きく食い込んでいるので、こちらもパージするのには時間がかかるんだよね。

まあ、支那自身もかなりヤバい領域に踏み込んでいるので、無条件にロシアを応援できるような状況ではない。恐らく、支那の「買って応援」は一過性のものになるのではないか?と、考えている。

そんなわけで、総合的に見ると、ロシア経済への制裁はそこそこ効いていて、更にギアを上げるためには支那を巻き込んでいくしか無いと思う。ただ、アメリカが旗頭になれない国際社会は、なかなか足並みを揃えられないでいるんだけどね。

コメント

  1. なんか韓国も迂回してロシアからエネルギ-を買っているとかの記事をみたんですが、
    どうなんでしょう。

    • 概ね事実だと思いますよ。
      前の記事の追記で触れましたが、チュニジアから迂回してナフサを買っているようです。
      チュニジアが輸出できるほど生産できないナフサを、まとまった量購入。ロシアからチュニジア向けの商品が出ているとくれば、簡単に結び付けられますよね。アレでバレないと思っている辺りが恐ろしい。

  2. こんにちは。

    >アメリカが旗頭になれない国際社会

    オバマェ……

    ※オバマ元大統領の「世界の警察やーめた!」発言その他、彼の功績(悪い意味、あるいは共産圏への貢献度)はかなりたかいと思ってます。後世の歴史教科書が見てみたい。

    • オバマ氏だけではなく、アメリカ議会としても「いつまでも世界の警察を続けられない」という現状を認識したのでしょう。
      ただ、その結果、アメリカの影響力は完全に落ちてしまって、各地で混乱を生じています。
      世界の構造が変化したといっても良い状況ですから、色々なハレーションが起きるのはおかしな話ではないのですが、様々な争いに発展するケースもあとを絶ちません。後の歴史にどのような書かれ方をするのでしょうね。

  3. プーさん(黄熊)がプーさん(白熊)を跪かせる絵面と言うのは、ちょっと見てみたい気はします。存分に足元見て潰し合ってくれてるのは何よりですかね。
    最近の中国みてると、人口多いと、人民がそれこそ数に物言わせて雪崩れるリスクもあるのだなぁ。という学びもある気がすると言いますか…あれはもう弾圧するにも当局の人手も足りない感が、こう…

    • プーさん(黄熊)はプーちん(白熊)に比べて指導力が各段に落ちます。跪かせるのは難しいでしょうねぇ。
      ただ、国力の違いで押し切る、それだけのパワーを支那は蓄えていますから、支那がその気になればやれるのかも知れません。
      ロシアのプライドがそれを許すかどうか?という事まで含めて、なかなか期待のカードとなる様に思いますが、碌な事にはならないでしょうね。

      そして、それはそれとして、支那国内の荒れ様は結構大変な事になりつつあるようで。興味深いです。ご指摘の様に、明らかに手が足りていませんからね。ただ、反乱の旗頭になれる人物がいないのも事実。今の流れが途中で瓦解するのは目に見えていますから、その時に日本が何ができるのか?は今から準備が必要ですね。天安門再びというような碌でもない予感がありますよ。